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此
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か
ふりがな文庫
“
此
(
か
)” の例文
殊
(
こと
)
に歌麿板画のいひ
現
(
あらわ
)
しがたき色調をいひ現すに
此
(
か
)
くの如き
幽婉
(
ゆうえん
)
の文辞を以てしたるもの実に文豪ゴンクウルを
措
(
お
)
いて他に求むべくもあらず。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「
何故
(
なぜ
)
家は
此
(
か
)
うなんだらうと、
索寞
(
さくばく
)
といふよりは、これぢや
寧
(
むし
)
ろ
荒凉
(
くわうりやう
)
と
謂
(
い
)
ツた方が適當だからな。」と
呟
(
つぶや
)
き、
不圖
(
ふと
)
また奧を
覗
(
のぞ
)
いて、
燥
(
いら
)
ツた聲で
青い顔
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
而して
此
(
か
)
かる特質(理想)は今や
甚
(
はなはだ
)
しき化醇の途次にありて
未
(
いま
)
だ劃然たる定質を鋳成するに至らざるにはあらざるか
国民性と文学
(新字旧仮名)
/
綱島梁川
(著)
故
(
まこと
)
に
此
(
この
)
二
子
(
し
)
は
皆
(
みな
)
聖人
(
せいじん
)
なるも、
猶
(
な
)
ほ
身
(
み
)
を
役
(
えき
)
して
世
(
よ
)
を
渉
(
わた
)
る
此
(
か
)
くの
如
(
ごと
)
く
其
(
そ
)
れ
汙
(
ひく
)
きこと
無
(
な
)
き
能
(
あた
)
はず。
則
(
すなは
)
ち
(一〇〇)
能仕
(
のうし
)
の
設
(
は
)
づる
所
(
ところ
)
に
非
(
あら
)
ず。
宋
(
そう
)
に
富人
(
ふうじん
)
あり、
天
(
あめ
)
雨
(
ふ
)
りて
墻
(
かき
)
壞
(
やぶ
)
る。
国訳史記列伝:03 老荘申韓列伝第三
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
付け置かるゝとぞ同じ虫でも
蠶
(
かひこ
)
の如く人に益し國を
富
(
とま
)
すあれば
此
(
か
)
く樹を枯して損を與たふるものあり
實
(
げ
)
に世はさま/″\なりと獨り歎じて
前面
(
むかふ
)
を見れば徃來は道惡き爲めに避けてか車の行くを
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
▼ もっと見る
此
(
か
)
うなると、
狼狽
(
うろたへ
)
る、
慌
(
あわ
)
てる、
確
(
たしか
)
に半分は夢中になツて、
躓
(
つまず
)
くやら
轉
(
ころ
)
ぶやらといふ
鹽梅
(
あんばい
)
で、たゞ
妄
(
むやみ
)
と先を急いだが、さて
何
(
ど
)
うしても村道へ出ない。
水郷
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
而して
此
(
か
)
くの如き理想を以て果して今の我が国民に普遍なる特質なりと言ふを得べきか。
蓋
(
けだ
)
し我が社会は今や新旧過渡の期に際して挙世の
趨向
(
すうかう
)
に迷はんとす。
国民性と文学
(新字旧仮名)
/
綱島梁川
(著)
星巌もまた題詩を寄せて、同じく老をなげき「後起駸駸有如此。衰残吾輩復何云。」〔後起駸駸トシテ
此
(
か
)
クノ如キ有リ/衰残ノ吾輩
復
(
また
)
何ヲカ云ハン〕といっている。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
そして片手の指頭を屍體の腹部に置いたまゝ、
宛然
(
さながら
)
に化石でもしたやうに突ツ立ツてゐた。
此
(
か
)
くして幾分間。
解剖室
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
ソノ安キト否トハ国運ノ由ツテ以テ隆替スル所ナリ。朕ガ身ハ億兆ノ父母ナリ。
夙夜
(
しゅくや
)
怵惕
(
じゅってき
)
ス。汝ラソレ
焉
(
これ
)
ヲ体セヨト。アヽ皇上ノ民ヲ憂フルノ深キコト
此
(
か
)
クノ如シ。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
但だ予は
此
(
か
)
くの如くに神を見、而してこれより
延
(
ひ
)
いて天地の間の何物を以てしても換へがたき光栄無上なる「吾れは神の子なり」てふ意識の
欝
(
うつ
)
として
衷
(
うち
)
より湧き出づるを覚えたり。
予が見神の実験
(新字旧仮名)
/
綱島梁川
(著)
「
耐
(
たま
)
らんな、
此
(
か
)
う取付けられちや!」と周三は、
其
(
その
)
貧弱
(
ひんじやく
)
極
(
きわ
)
まる
經濟
(
けいざい
)
の
前途
(
ぜんと
)
に
向
(
むか
)
ツて、少からぬ
杞憂
(
きいう
)
を
抱
(
いだ
)
いた。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
獄舎の庭では
夜陰
(
やいん
)
に無情の樹木までが
互
(
たがい
)
に悪事の
計画
(
たくらみ
)
を
囁
(
ささや
)
きはせぬかと疑われるので、
此
(
か
)
くは別々に遠ざけ
距
(
へだ
)
てられているのであろうというように見えてなりません。
監獄署の裏
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
されど
此
(
か
)
くの如き作は到底国民としての意識を満足せしむる能はざるが故に国民と為すなきの文学なりと言はんか、
謂
(
い
)
ふところ国民は普通の新聞的読者の一団を指せるの語か、言ひ換ふれば
国民性と文学
(新字旧仮名)
/
綱島梁川
(著)
「
其樣
(
そん
)
な
嘘
(
うそ
)
を
吐
(
つ
)
くもんぢやない。お
祖樣
(
ぢいさん
)
は能く知ツてゐるぞ。其の螢籠は
何
(
な
)
んだ、」
失敗
(
しま
)
ツた! 自分は螢籠を片手にぶらさげてゐた。
此
(
か
)
うなツてはもう
爲方
(
しかた
)
が無い。
水郷
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
慈
(
じ
)
コレヲ聞キテ曰ク
汝
(
なんじ
)
ラワレノ故ヲ以テ起程ヲ延ベント欲スル
歟
(
か
)
。私情ヲ以テ公事ヲ堕スルハ先君ノ
悪
(
にく
)
ム所ナリ。不肖
此
(
か
)
クノ如クンバ子ナキニ
如
(
し
)
カズト。湯薬ヲ絶ツコト一日ナリ。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
好
(
すき
)
な讀書にも
飽
(
あ
)
いて
了
(
しま
)
ツた。と
謂
(
い
)
ツて
泥濘
(
ぬかるみ
)
の中をぶらついても始まらない。で
此
(
か
)
うして
何
(
な
)
んといふことは無く庭を眺めたり、また
何
(
な
)
んといふことはなく考込むでボンヤリしてゐた。
青い顔
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
時代の變遷を
此
(
か
)
くまで激しく感じる處は、世界中日本を除いては何處にもあるまい。
新帰朝者日記
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
此
(
か
)
う此の老爺に頑張られて了ツては、學生等は一歩も解剖室に踏入ることが出來ない。
解剖室
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
下水の落合つて川となつた流れは道に沿ひ坂の麓を
廻
(
めぐ
)
り流れ流れて行く
中
(
うち
)
に段々広くなつて、天然の河流又は海に落込むあたりになると
何
(
ど
)
うやら
此
(
か
)
うやら
伝馬船
(
てんません
)
を通はせる
位
(
くらゐ
)
になる。
水 附渡船
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
そして、「何だツて俺の感情は、
此
(
か
)
う
鋭敏
(
えいびん
)
なんだ、恰で
蝟
(
はりねずみ
)
のやうさな。些とでも觸ツたらプリツとする………だから誰とも
融和
(
ゆうわ
)
することが出來ないのよ。何故もそツとおツとりしない。」
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
然し今わたくしが親しく窓から見る風景と、親しく身に感じる気候とは、
此
(
か
)
くの如き過去の記録をして架空な小説のやうにしか思惟させない。それほどまでに、風景は穏に気候は軟かなのだ。
冬日の窓
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
何しろ
冷
(
ひや
)
ツこくなつた人間ばかり扱ツてゐる
故
(
せゐ
)
か、人間が
因業
(
いんごふ
)
に一酷に出來てゐて、一度
此
(
か
)
うと謂出したら、首が
扯斷
(
ちぎ
)
れても
我
(
が
)
を折はしない。また誰が何んと謂ツても受付けようとはせぬ。
解剖室
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
然し自分が
此
(
か
)
くまで長く外國に居て、猶且つ故郷を思はなかつたのは、決して女の爲めのみぢやない。外國と云ふ空氣全體を愛して居たからで、外國と云ふ空氣全體が自分を
醉
(
ゑ
)
はして居たからである。
新帰朝者日記
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
從ツて
飯
(
めし
)
を
食
(
く
)
ふ、寢る、起きる、
総
(
す
)
べて生活が
自堕落
(
じだらく
)
となツて、朝寢通すやうなこともある、
此
(
か
)
くして彼は立派な
怠
(
なまけ
)
者となツて、其の
居室
(
きよしつ
)
までもやりツぱなしに
亂雜
(
らんざつ
)
にして置くやうになツた。
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
此
(
か
)
う呼掛けて、ひよツくり俊男の前に突ツ立ツたのは
妻
(
さい
)
の
近子
(
ちかこ
)
で。
青い顔
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
此
(
か
)
うまで
謂
(
い
)
はれては、自分は默ツてゐる
譯
(
わけ
)
に行かない。で
水郷
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
此
漢検準1級
部首:⽌
6画
“此”を含む語句
此方
此処
此家
彼方此方
此間
此様
此地
如此
此辺
此所
此女
彼処此処
彼此
此室
此樣
此邸
此頃
此處
此寺
此店
...