トップ
>
替
>
かわ
ふりがな文庫
“
替
(
かわ
)” の例文
平「此の程は役が
替
(
かわ
)
ってから稽古場もなく、誠に
多端
(
たゝん
)
ではあるが、
暇
(
ひま
)
の節に随分教えてもやろう、其の
方
(
ほう
)
の叔父は何商売じゃの」
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
その人
雪崩
(
なだれ
)
に危うく突き倒されそうになって、身を
替
(
かわ
)
した途端、崩れ立った人垣の間から私は、見るべからざる物を眺めてしまったのであった。
生不動
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
叔父と豊世とはこんな言葉を
替
(
かわ
)
しながら、薄く緑色に濁った水の流れて行くのを望んだ。豊世は
愁
(
うれ
)
わしげに立っていた。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
手続き書と書いたものや、
取
(
と
)
り
替
(
かわ
)
せ一札の事と書いたものや、明治二十一年
子
(
ね
)
一月
約定金請取
(
やくじょうきんうけとり
)
の証と書いた半紙二つ折の帳面やらが順々にあらわれて来た。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「そうです。赤色灯のついているときは、安全なんです。そのときは、水牛仏は静止しているのです。そして水銀灯に切り
替
(
かわ
)
ると、水牛仏が廻転を始めるのです」
鬼仏洞事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
仕官を嫌う由縁私の生涯は
終始
(
しゅうし
)
替
(
かわ
)
ることなく、少年時代の辛苦、老後の安楽、何も珍らしいことはない。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
春
(
はる
)
は
櫻
(
さくら
)
の
賑
(
にぎわ
)
ひよりかけて、なき
玉菊
(
たまぎく
)
が
燈籠
(
とうろう
)
の
頃
(
ころ
)
、つゞいて
秋
(
あき
)
の
新仁和賀
(
しんにわが
)
には十
分
(
ぷん
)
間
(
かん
)
に
車
(
くるま
)
の
飛
(
と
)
ぶ
事
(
こと
)
此通
(
このとほ
)
りのみにて七十五
輛
(
りよう
)
と
數
(
かぞ
)
へしも、二の
替
(
かわ
)
りさへいつしか
過
(
す
)
ぎて
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
今の耳にも
替
(
かわ
)
らずして、
直
(
すぐ
)
其傍
(
そのそば
)
なる
荒屋
(
あばらや
)
に
住
(
すま
)
いぬるが、さても
下駄
(
げた
)
の
歯
(
は
)
と人の気風は一度ゆがみて一代なおらぬもの、
何一
(
ひ
)
トつ満足なる者なき中にも
盃
(
さかずき
)
のみ欠かけず
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
替
(
かわ
)
ってそれらの
有縁
(
うえん
)
を
説
(
と
)
いて、秀吉の
麾下
(
きか
)
にまとめたのも、専ら官兵衛の働きにあったことなので
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
呉一郎が
過
(
あやま
)
って狂女の作った落し穴に片足を踏み込んだ拍子に肩を
隙
(
す
)
かされて同体に倒れると、身を
替
(
かわ
)
す暇もなく本館軒下の敷石に肋骨を打ち付けて人事不省に陥った。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
交詢社
(
こうじゅんしゃ
)
の広間に行くと、
希臘風
(
ギリシヤふう
)
の人物を描いた「
神の森
(
ボアサクレエ
)
」の壁画の
下
(
もと
)
に、
五
(
いつ
)
ツ
紋
(
もん
)
の紳士や
替
(
かわ
)
り
地
(
じ
)
のフロックコオトを着た紳士が幾組となく対座して、
囲碁仙集
(
いごせんしゅう
)
をやっている。
銀座
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
然れども
軽忽
(
けいこつ
)
に発狂したる罪は
鼓
(
こ
)
を鳴らして責めざるべからず。否、忍野氏の罪のみならんや。発狂禁止令を
等閑
(
とうかん
)
に附せる
歴代
(
れきだい
)
政府の失政をも天に
替
(
かわ
)
って責めざるべからず。
馬の脚
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「さよう、もっと大切な物が、しかも名画と同じように
替
(
かわ
)
りの品物をおいていきました。」
奇巌城:アルセーヌ・ルパン
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
公らの書翰に至っても、またこれに準じて報を為さざるなり。ただ、貴国の通商は則ち旧約に
遵
(
したが
)
いて
替
(
かわ
)
るなし。またこれ慎しんで祖法を守るのみ。幸いにこれを国王に稟せよ。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
巡査は
体
(
たい
)
を
替
(
かわ
)
して
其利腕
(
そのききうで
)
を掴んだが、
降積
(
ふりつ
)
む雪に靴を滑らせて、二人は
折重
(
おりかさな
)
って倒れた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
替
(
かわ
)
りの品を作って返しても、相手は怒って受け取らず、是非とも元の物をと責めはたるので、
已
(
や
)
むなく舟に乗って同じ場所に来て水中に
潜
(
くぐ
)
り入ると、いつの間にか根の島に来てしまった。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
それから変事が続きて
住
(
すま
)
いきれず、売物に出したのを
或
(
ある
)
者が
買
(
かい
)
うけ、その土蔵を
取払
(
とりはら
)
って家を
建直
(
たてなお
)
したのだが、
未
(
いま
)
だに時々不思議な事があるので、何代
替
(
かわ
)
っても長く住む者が無いとの事である。
枯尾花
(新字新仮名)
/
関根黙庵
(著)
彼の答えはいつもの通りふんという調子でした。Kと私は細い帯の上で身体を
替
(
かわ
)
せました。するとKのすぐ後ろに一人の若い女が立っているのが見えました。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「まだ話があるけれども、実は僕の妻が君に逢いたいそうで待っているから、
替
(
かわ
)
る」というので、
振切
(
ふりき
)
るようにして友達の霊は無くなりまして、今度は細君が出て来た。
あの世から便りをする話:――座談会から――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
中津川の
和泉屋
(
いずみや
)
は、半蔵から言えば親しい学友
蜂谷香蔵
(
はちやこうぞう
)
の家である。その和泉屋が角十に
替
(
かわ
)
って問屋を引き受けるなぞも半蔵にとっては不思議な縁故のように思われた。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
もうあとの
空巣
(
あきす
)
へは
大久保長安
(
おおくぼながやす
)
さまの人数が、
入
(
い
)
れ
替
(
かわ
)
りにふもとまで引っ越しにきているんだ。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
話
替
(
かわ
)
って、飯島平左衞門は
凛々
(
りゝ
)
しい
智者
(
ちえしゃ
)
にて諸芸に達し、とりわけ剣術は真影流の
極意
(
ごくい
)
を
極
(
きわ
)
めました名人にて、お
齢
(
とし
)
四十ぐらい、
人並
(
ひとなみ
)
に
勝
(
すぐ
)
れたお方なれども、妾の國というが心得違いの奴にて
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
夫
(
そ
)
れも
蒲團
(
ふとん
)
かぶつて
半日
(
はんにち
)
も
居
(
ゐ
)
ればけろ/\とする
病
(
やまひ
)
だから
子細
(
しさい
)
はなしさと
元氣
(
げんき
)
よく
呵々
(
から/\
)
と
笑
(
わら
)
ふに、
亥之
(
ゐの
)
さんが
見
(
み
)
えませぬが
今晩
(
こんばん
)
は
何處
(
どちら
)
へか
參
(
まゐ
)
りましたか、
彼
(
あ
)
の
子
(
こ
)
も
替
(
かわ
)
らず
勉強
(
べんきよう
)
で
御座
(
ござ
)
んすかと
問
(
と
)
へば
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
いか銀が
難癖
(
なんくせ
)
をつけて、おれを追い出すかと思うと、すぐ野だ公が
入
(
い
)
れ
替
(
かわ
)
ったり——どう考えてもあてにならない。こんな事を清にかいてやったら定めて驚く事だろう。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そしてなお容易には、このまま明智光秀が一夜に取って
替
(
かわ
)
ったものを、ゆるすことではあるまいというのが、一般の観測でもあり、また
恟々
(
きょうきょう
)
と、明日を怖れる
所以
(
ゆえん
)
でもあった。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
割合に込んだ日で、大島先生は
空
(
す
)
いたところへ行って腰掛けた。三吉と反対の側に乗ったが、連があるのと、客を隔てたのとで、互に言葉も
替
(
かわ
)
さなかった。二人は黙って乗った。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
義手や義足をピストルで撃ってみても、すぐお
替
(
かわ
)
りをはめて元のようになるわけだ。
奇賊悲願:烏啼天駆シリーズ・3
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
つまり第十号としては、隆夫の霊魂に入れ
替
(
かわ
)
ったものの、すべて隆夫のとおりをまねることはできなかったし、また隆夫の記憶や思想をうまく取り入れることは一層むずかしかった。
霊魂第十号の秘密
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
自分は一年のうちで人の最も
嬉
(
うれ
)
しがるこの花の時節を
無為
(
むい
)
に送った。しかし月が
替
(
かわ
)
って世の中が青葉で包まれ出してから、ふり返ってやり過ごした春を眺めるとはなはだ物足りなかった。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
為替
(
かわせ
)
の
替
(
かわ
)
せると云う字じゃいけませんかとはなはだ文学者らしからぬ事を答えると、佐治さんは承知できない顔をして、だってあれは物を取り替える時に使うんでしょうとやり込めるから
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「よし、こっちへ
替
(
かわ
)
れ。おれが、運転する」
英本土上陸戦の前夜
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
僕は日に焼けて心持色の黒くなったと思われる母と顔を見合わして
挨拶
(
あいさつ
)
を取り
替
(
かわ
)
す前に、まず千代子に向ってどうして来たのだと聞きたかった。実際僕はその通りの言葉を第一に用いたのである。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
替
常用漢字
中学
部首:⽈
12画
“替”を含む語句
入替
着替
代替
取替
為替
両替
交替
引替
掛替
国替
立替
宿替
鞍替
釣替
張替
書替
鷽替
住替
差替
爲替相場
...