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提
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さげ
ふりがな文庫
“
提
(
さげ
)” の例文
その花を、たくましい腕のやうな蔓がひつ
提
(
さげ
)
て、あちこち気儘にはひ廻り、そして私達の住居を囲み、私達夫婦の『繊細な暮し』を脅かしはじめた。
泥鰌
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
帯
(
おび
)
もせざる女
片手
(
かたて
)
に
小児
(
せうに
)
を
背負
(
せおひ
)
、
提灯
(
ちやうちん
)
を
提
(
さげ
)
て
高処
(
たかきところ
)
へ
逃
(
にげ
)
のぼるは、
近
(
ちか
)
ければそこらあらはに見ゆ、
命
(
いのち
)
とつりがへなればなにをも
恥
(
はづか
)
しとはおもふべからず。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
おたあちやんが、
不図
(
ふと
)
見ますと、おきいちやんの
提
(
さげ
)
てゐる籠の一番上に、憎い憎い三又土筆が載つてゐました。
虹の橋
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
汲
(
くん
)
で持ち出で傳吉の足を
洗
(
あら
)
ひ
行燈
(
あんどう
)
提
(
さげ
)
先に立ち座敷へ伴ひ
木枕
(
きまくら
)
を出し
些
(
ちと
)
寢轉
(
ねころ
)
び給へとて娘は勝手へ立ち行き半時ばかり出で來らず傳吉は
頭
(
かしら
)
を
回
(
めぐら
)
し
家内
(
かない
)
の樣子を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
ひっ
提
(
さげ
)
て、政道の一線に立つものはああいう最期を遂げたいものじゃ。
羨
(
うら
)
やましい事よ喃
老中の眼鏡
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
▼ もっと見る
種員は
桟留
(
さんとめ
)
の
一
(
ひと
)
つ
提
(
さげ
)
を腰に下げて席を立ちかけたが、その時女中に案内されて
梯子段
(
はしごだん
)
を
上
(
あが
)
って来たのは、
何処
(
どこ
)
ぞ問屋の旦那衆かとも思われるような品の好い四十あまりの男であった。
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
蹲
(
しゃが
)
んで、力なげに一服吸って三服目をはたいた、
駄六張
(
だろくばり
)
の
真鍮
(
しんちゅう
)
の
煙管
(
きせる
)
の
雁首
(
がんくび
)
をかえして、
突
(
つつ
)
いて火を寄せて、二ツ
提
(
さげ
)
の
煙草入
(
たばこいれ
)
にコツンと指し、
手拭
(
てぬぐい
)
と一所にぐいと三尺に挟んで立上り
葛飾砂子
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
とも気づかず、
抜刀
(
ぬきみ
)
を鞘に入れる間もなく駈けてきた大月玄蕃が、思わず、駕わきの侍にドンとぶつかった。ふと見ると、
引
(
ひ
)
ッ
提
(
さげ
)
刀
(
がたな
)
の浪人が、血相変えて行列を
摺
(
す
)
り
抜
(
ぬ
)
けようとしたので
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
象牙の
根附
(
ねつけ
)
に
銀鎖
(
ぎんぐさり
)
附きたる
菖蒲皮
(
しょうぶかわ
)
の
提
(
さげ
)
煙草入、駒下駄と云ふ
拵
(
こしら
)
へにて、きつかけなしに揚幕より出で、金五郎を呼び止めて意見を
為
(
な
)
し、花道に
往
(
いき
)
かけたる勘十郎に向ひて、堪忍の歌を繰返し
両座の「山門」評
(新字旧仮名)
/
三木竹二
(著)
生れてからしたことはない。物を買うに何だ、
銭
(
ぜに
)
を
遣
(
やっ
)
て買うに少しも構うことはないと
云
(
い
)
う気で、顔も頭も丸出しで、士族だから大小は
挟
(
さ
)
すが、
徳利
(
とくり
)
を
提
(
さげ
)
て、夜は
扨置
(
さてお
)
き白昼公然、町の店に行く。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
蛍籠
提
(
さげ
)
て聞夜や
後夜
(
ごや
)
の鐘 半残
古句を観る
(新字新仮名)
/
柴田宵曲
(著)
その花を、たくましい腕のやうな蔓がひつ
提
(
さげ
)
て、あちこち気儘にはひ廻り、そして私達の住居を囲み、私達夫婦の『繊細な暮し』を脅かしはじめた。
小熊秀雄全集-15:小説
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
提
(
さげ
)
半
合羽
(
かつぱ
)
の穴より
鮫鞘
(
さめざや
)
の大脇差を顯はし
水晶
(
すゐしやう
)
の
長總
(
ながふさ
)
の
珠數
(
じゆず
)
を首に懸し一
個
(
こ
)
の男
來懸
(
きかゝ
)
りしが此
容子
(
ようす
)
を見るより物を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
観人
(
みるひと
)
群
(
ぐん
)
をなして大入なれば、
猿
(
さる
)
の如き
童
(
わらべ
)
ども
樹
(
き
)
にのぼりてみるもあり。
小娘
(
ちひさきむすめ
)
が
笊
(
ざる
)
を
提
(
さげ
)
て
冰々
(
こほり/\
)
とよびて
土間
(
どま
)
の中を
売
(
う
)
る。
笊
(
ざる
)
のなかへ木の
青葉
(
あをば
)
をしき雪の
冰
(
こほり
)
の
塊
(
かたまり
)
をうる也。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
と
両
(
ふた
)
つ
提
(
さげ
)
の——もうこの頃では、山の爺が
喫
(
の
)
む煙草がバットで差支えないのだけれど、事実を報道する——
根附
(
ねつけ
)
の処を、
独鈷
(
とっこ
)
のように振りながら、
煙管
(
きせる
)
を
手弄
(
てなぶ
)
りつつ、ぶらりと降りたが
灯明之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
観人
(
みるひと
)
群
(
ぐん
)
をなして大入なれば、
猿
(
さる
)
の如き
童
(
わらべ
)
ども
樹
(
き
)
にのぼりてみるもあり。
小娘
(
ちひさきむすめ
)
が
笊
(
ざる
)
を
提
(
さげ
)
て
冰々
(
こほり/\
)
とよびて
土間
(
どま
)
の中を
売
(
う
)
る。
笊
(
ざる
)
のなかへ木の
青葉
(
あをば
)
をしき雪の
冰
(
こほり
)
の
塊
(
かたまり
)
をうる也。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
掛
(
かけ
)
ければ三人は
只
(
たゞ
)
夢
(
ゆめ
)
に夢見し心地にて
引立
(
ひきたて
)
られつゝ行所に身の
丈
(
たけ
)
六尺有餘の
大男
(
おほをとこ
)
黒羽二重
(
くろはぶたへ
)
の
小袖
(
こそで
)
に黒八丈の羽織
朱鞘
(
しゆざや
)
の
大小
(
だいせう
)
十手
(
じつて
)
取繩
(
とりなは
)
を
腰
(
こし
)
に
提
(
さげ
)
のさ/\と出來りしに小猿三吉は
腰
(
こし
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
で、
兩
(
ふた
)
つ
提
(
さげ
)
へ
煙管
(
きせる
)
を
突込
(
つツこ
)
み
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
こは
何事
(
なにごと
)
やらんと
胷
(
むね
)
もをどりて
臥
(
ふし
)
たる
一間
(
ひとま
)
をはせいでければ、
家
(
いへ
)
の
主
(
あるじ
)
両手
(
りやうて
)
に
物
(
もの
)
を
提
(
さげ
)
、水あがり也とく/\
裏
(
うら
)
の
掘揚
(
ほりあげ
)
へ
立退
(
たちのき
)
給へ、といひすてゝ持たる物を二階へ
運
(
はこ
)
びゆく。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
提
常用漢字
小5
部首:⼿
12画
“提”を含む語句
提灯
提燈
菩提樹
菩提
小提灯
高張提灯
大提灯
弓張提灯
引提
紅提灯
提琴
鬼灯提灯
手提
手提鞄
岐阜提灯
酸漿提灯
菩提所
提携
前提
箱提灯
...