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みこころ
ふりがな文庫
“
御心
(
みこころ
)” の例文
神職 いや
布気田
(
ふげた
)
、(禰宜の名)払い清むるより前に、第一は神の
御罰
(
ごばつ
)
、神罰じゃ。
御神
(
おんかみ
)
の
御心
(
みこころ
)
は、仕え奉る
神
(
かん
)
ぬしがよく存じておる。
多神教
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
これこそ限りもない光栄であるとお見えになるのであるが、
帝
(
みかど
)
の
御心
(
みこころ
)
にはなお一段六条院を尊んでお扱いになれないことを残念に
思召
(
おぼしめ
)
した。
源氏物語:33 藤のうら葉
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
母君
更
(
ふけ
)
るまでいさめたまふ事多し、不幸の子にならじとはつねの願ひながら、折ふし
御心
(
みこころ
)
にかなひ難きふしの
有
(
ある
)
こそかなし。
樋口一葉
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
神祇
(
じんぎ
)
の歌といへば千代の八千代のと
定文句
(
きまりもんく
)
を並ぶるが常なるにこの歌はすつぱりと言ひはなしたる、なかなかに神の
御心
(
みこころ
)
にかなふべく覚え候。
歌よみに与ふる書
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
御心
(
みこころ
)
と御心との、間にあるうえに、今度の皇位の
廃立
(
はいりゅう
)
にあたっては、いよいよ、そのむずかしさを、当然に、加えていよう。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
はたしてそれは神の
御心
(
みこころ
)
に通じたかどうか僕には分らないが、とにかくすばらしい機会がやって来た。予想だにしなかった絶好のチャンスがやって来た。
海底都市
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
この事おもてより願はばいと
易
(
やす
)
からむとおもへど、それの
叶
(
かな
)
はぬは父君の
御心
(
みこころ
)
うごかしがたきゆゑのみならず。
文づかひ
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
神様の
御心
(
みこころ
)
を知るわけにゆきませんもの……どうしてあなたはそんなに、きいてはならないことをおききになるんですの? そんなつまらない質問をして
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
「いや、それは世間の人が勝手に云い触らしたことで、仏の
御心
(
みこころ
)
はわかりません。果たしてコロリ除けのお呪いになるかどうか、わたくし共にも判りません」
半七捕物帳:66 地蔵は踊る
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
私はもうその御言葉を承りました以上は
明日
(
あす
)
死んでも少しも心残りは御座いませぬ。私の心がおわかり遊ばしますれば、何で私が王様の
御心
(
みこころ
)
に
背
(
そむ
)
き奉りましょう。
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
この悪魔は体が大きいばかりでなく、魔術を一番沢山知つてゐて、元は神様の御使ひの一等よい一人でありましたから、よく神様の
御心
(
みこころ
)
を察することが出来ました。
悪魔の尾
(新字旧仮名)
/
宮原晃一郎
(著)
盲目の乞食に
御心
(
みこころ
)
引かれたが、彦四郎の様子がただならなかったので、宮家は黙々と
御
(
おん
)
足を返された。
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
御心
(
みこころ
)
安く
思召
(
おぼしめ
)
せ、と七国の
古
(
いにしえ
)
を引きて
対
(
こた
)
うれば、太孫は子澄が答を、げに
道理
(
もっとも
)
なりと信じたまいぬ。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
国民すべてとともに
恩寵
(
おんちょう
)
を蒙り、菩提を致さしめんと、何よりもまず民草の上に
御心
(
みこころ
)
を垂れ給い
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
「うん、
湖
(
みずうみ
)
を
干
(
ほ
)
すのは、神さまの
御心
(
みこころ
)
に
反
(
はん
)
するのかもしれない。あした、このことをみんなに話してみよう。おそらく、湖はもとのままにしておくことになるだろうよ。」
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
神の
摂理
(
せつり
)
を認め己を神の僕と信ずる上は、苦難災禍我を襲い来るとも「
御心
(
みこころ
)
をして成らしめ給え」といいて静に忍耐すべきである。これ僕たる者の
執
(
と
)
るべき唯一の道である。
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
……おろそかなるべき事にはあらねど、かすかなる
住居
(
すまい
)
推
(
お
)
し
量
(
はか
)
り給え。……さてもこの三とせまで、いかに
御心
(
みこころ
)
強く、
有
(
う
)
とも
無
(
む
)
とも承わらざるらん。……とくとく
御上
(
おんのぼ
)
り候え。恋しとも恋し。
俊寛
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
また、さばかり他人に対して善く忍び給ひし父の、折にふれて、子等に向ひ激怒を発せられしは、我等の放逸なる性精を矯めんとの
御心
(
みこころ
)
しらひなりけんと思ふに、かへすがへすもかたじけなし。
礼厳法師歌集
(新字旧仮名)
/
与謝野礼厳
(著)
神の
御心
(
みこころ
)
は彼にたくさんの貧しい縁者をめぐみたもうていたのである。
幽霊花婿:ある旅人の話
(新字新仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
本日御父上陛下の御命日を迎えて、予は終日
御心
(
みこころ
)
を考えて、沈思した。
グリュックスブルグ王室異聞
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
あたたかき
御心
(
みこころ
)
こもるこの
室
(
へや
)
にあまたの猫も飼はれて遊ぶ
つゆじも
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
⦅神様、聖なる
御心
(
みこころ
)
の、成就致されますやうに!⦆
ランボオ詩集≪学校時代の詩≫
(新字旧仮名)
/
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー
(著)
「神よ、おんみの
御心
(
みこころ
)
にかなひますやうに——」
旗手クリストフ・リルケ抄
(旧字旧仮名)
/
ライネル・マリア・リルケ
(著)
「
御心
(
みこころ
)
ならば、主よ、アグネスをも召し給え」
クララの出家
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
彼神の
御心
(
みこころ
)
に
愜
(
かな
)
へり。われ等の
周囲
(
めぐり
)
を
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
わが心にあらず、
御心
(
みこころ
)
のままに。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
匂
(
にほ
)
はしき
御心
(
みこころ
)
の程は知りぬ
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
御心
(
みこころ
)
に
沁
(
し
)
んで思召されたことなのであったから、特に構図なども
公茂画伯
(
きんもちがはく
)
に詳しくお
指図
(
さしず
)
をあそばして製作された非常にりっぱな絵もあった。
源氏物語:17 絵合
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
だからこそ、尊氏はひたすら機を待つに
如
(
し
)
くなしとしていた。自然、
御心
(
みこころ
)
が、人心の望まぬ王政の非をさとられる日を、気長に待つの腹でおった。
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「いや、分別も何もなし、たといいかなることありとも、母上の
御心
(
みこころ
)
に合わぬ事は誓ってせまじ。」
妖僧記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
これだけの星を知るも大なる夜の慰めとなるのみならず神の
御心
(
みこころ
)
を知るにおいても益せらるる処少なくない。実に天然は聖書以前の聖書である。その中に神の御心が籠っている。
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
そうではのうてあの狐めの
戯
(
たわむ
)
れ半分の
悪戯
(
からか
)
いから、殿の心をたぶらかし、この山吹を
賭物
(
かけもの
)
にして、もしこの山吹をわが君が、心に従わすことが出来たなら、あの狐めも殿の
御心
(
みこころ
)
に
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
感応
(
かんのう
)
ありて、一念の誠
御心
(
みこころ
)
に
協
(
かな
)
い、
珠運
(
しゅうん
)
は
自
(
おの
)
が
帰依仏
(
きえぶつ
)
の
来迎
(
らいごう
)
に
辱
(
かたじけ
)
なくも
拯
(
すく
)
いとられて
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
と仰せになって、
御心
(
みこころ
)
は冷静でありえなくおなりになるのであろうが、じっと堪えて
脇息
(
きょうそく
)
によりかかっておいでになった。
源氏物語:34 若菜(上)
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
一般の者が「……これやよも、ただ事の御祈願ではあるまいぞ、内々、
南都
(
なんと
)
や
叡山
(
えいざん
)
へお手を廻して、お味方に
馴付
(
なづ
)
けんとする
御心
(
みこころ
)
でもあろうや?」
私本太平記:02 婆娑羅帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
はて此の野は其のお宮の
主
(
ぬし
)
の持物で、何をさつしやるも其の
御心
(
みこころ
)
ぢや、聞かつしやれ。
二世の契
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
帝、我を
奈何
(
いかん
)
せんとするぞや、と問いたもう。震
対
(
こた
)
えて、君は
御心
(
みこころ
)
のまゝにおわせ、臣はみずから処する有らんと
申
(
もう
)
す。人生の悲しきに堪えずや有りけん、
其
(
その
)
夜
(
よ
)
駅亭にみずから
縊
(
くび
)
れて死しぬ。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
竹原館へ入らせられてより、大塔宮は熊野、高野、吉野方面の衆徒の動静や、京都の動静へ
御心
(
みこころ
)
を配られ、村上彦四郎以下八人の家臣や、竹原入道の家来をして、その様子をさぐらせられた。
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「
御心
(
みこころ
)
をして成らしめよ」との黙従に入り得るのである。
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
帝
(
みかど
)
の
御心
(
みこころ
)
の鬼に
思召
(
おぼしめ
)
し合わすことになってもよろしくないと源氏ははばかられて、ただ一人心で
阿弥陀仏
(
あみだぶつ
)
を念じ続けた。
源氏物語:20 朝顔
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
七たび生れてこの国を護らんと仰っしゃった大楠公の
御心
(
みこころ
)
は、名もない一兵にまで
沁
(
し
)
み
徹
(
とお
)
っていたものとみえまする。
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
神職
即
(
すなわ
)
ち神の
御心
(
みこころ
)
じゃ——その御心を畏み、次第を以て、順に運ばねば相成らん。
多神教
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と
御心
(
みこころ
)
にかかり、宮家は萩と卯木との
叢
(
くさむら
)
を、向こうの方へ廻って行かれた。
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
あのような
御諚
(
ごじょう
)
ではあっても、
御心
(
みこころ
)
のうちでは、
其許
(
そこ
)
の御真情を、おうれしく
思
(
おぼ
)
しめされていたにちがいありませぬ
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
仏の
御心
(
みこころ
)
にもその祈願は取り上げずにいられまいと思われた風流男たちの恋には
効験
(
ききめ
)
がなくて、荒削りな大将に石山観音の霊験が現われた結果になった。
源氏物語:31 真木柱
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
「いやいや、岩の砕けないのがすなわち神の
御心
(
みこころ
)
なのじゃ!」
沙漠の古都
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
弁財天の
御心
(
みこころ
)
が、
自
(
おのずか
)
ら土地にあらわれるのであろう。
七宝の柱
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
斎王の美に
御心
(
みこころ
)
を打たれながら、別れの
御櫛
(
みぐし
)
を髪に
挿
(
さ
)
してお与えになる時、
帝
(
みかど
)
は悲しみに堪えがたくおなりになったふうで
悄然
(
しょうぜん
)
としておしまいになった。
源氏物語:10 榊
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
しかし、
行
(
ぎょう
)
は、行のための行ではない。
出離生死
(
しゅつりしょうじ
)
の妄迷を出て
彼岸
(
ひがん
)
の光明にふれたい大願に
他
(
ほか
)
ならない。九十九夜の精進が果たして仏の
御心
(
みこころ
)
にかなったろうか。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
神職
退
(
さが
)
れ、棚村。さ、神の
御心
(
みこころ
)
じゃ、
猶予
(
ためら
)
うなよ。
多神教
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
御
常用漢字
中学
部首:⼻
12画
心
常用漢字
小2
部首:⼼
4画
“御心”で始まる語句
御心配
御心算
御心中
御心遣
御心地
御心安
御心掟
御心付
御心労
御心哉