御奉公ごほうこう)” の例文
ハイ、御覽ごらんとほり、むらではおほきな建物たてものです。しかしこのおてら村中むらぢう人達ひとたちめにあるのです。わたしはこゝに御奉公ごほうこうしてるのです。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
おちつけずや母樣はゝさまにはねがはんとてはなたまはず夫樣おくさままたくれ/″\のおほせにそのまゝの御奉公ごほうこう都會みやこなれぬとてなにごとも不束ふつゝかなるを
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ほかことでもござりませんが、手前てまへ當年たうねんはじめての御奉公ごほうこうにござりますが、うけたまはりますれば、大殿樣おほとのさま御誕生ごたんじやう御祝儀ごしうぎばん、お客樣きやくさまがお立歸たちかへりにりますると
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
けつして不眞面目ふまじめではなかつた。かれ實際じつさいまつ正直しやうぢきに「天子樣てんしさま御奉公ごほうこうする」つもりで軍務ぐんむ勉強べんきやうしてゐたのである。が、かれうまれつきはどうすること出來できなかつた。
一兵卒と銃 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
將監御拾おひろひ申上將監の子とならせ玉ひしは御可憐いたはしき御事なり御殿ごてんにて御成長あそばし候へば我々とても肩身かたみひろく御奉公ごほうこうつとむべきに殘念ざんねんの事なりと四人ともども申上しを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「これは私の一人しかない悴です。お客さんに御奉公ごほうこうさしたくはありませんよ。」
田七郎 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
もし、ここでお前の志がくじけることあらば、わしは、お前の御奉公ごほうこうの精神をうたがう。つまり、お前は、自分一個の慾心よくしんで、これまで地下戦車の研究をつづけていたのだと思い、わしはお前を
未来の地下戦車長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「でもしかたがない。それはがまんするさ。そこが御奉公ごほうこうだ。」
くらげのお使い (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
るがめてのたのしみなりれはのぞみとてなれば生涯しやうがいこの御奉公ごほうこうしてかたさま朝夕あさゆふ御世話おせわさては嬰子やゝさままれたまひての御抱おだなににもあれこゝろ
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ほかことでもござりませんが、手前てまへ當年たうねんはじめての御奉公ごほうこうにござりますが、うけたまはりますれば、大殿樣おほとのさま御誕生ごたんじやうのお祝儀しうぎばん、お客樣きやくさま御立歸おたちかへりにりますると、手前てまへども一統いつとうにも
片しぐれ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
桃林和尚たうりんをしやう御奉公ごほうこうして永昌寺えいしやうじは、小高こだかやまうへにありました。そのおてらたか屋根やね村中むらぢういへの一ばんたかいところでした。きつねつたとほり、村中むらぢうばん建築物けんちくぶつでもありました。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
ふるつて庄兵衞をうち即座そくざ自害じがいはてんと爲しは上のお手數てかずはぶくの御奉公ごほうこう天晴あつぱれなる擧動ふるまひなり父武左衞門は自儘じまゝなんとする娘を止めそれを引連事柄ことがら委細ゐさいのべ自首じしゆする段法度はつとを重じ上を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
仕事しごとやのおきやうさんは八百屋横町やほやよこちやう按摩あんまをして伯父をぢさんが口入くちいれで何處どこのかおやしき御奉公ごほうこうるのださうだ、なに小間使こまづかひといふとしではなし、おくさまのおそばやお縫物師ぬひものしわけはない
わかれ道 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
御側おそば面々めん/\鳥籠とりかごをぐるりと取卷とりまき、「御難澁ごなんじふのほどさつる、さて/\御氣おきどくのいたり」となぐさむるもあり、また、「これも御奉公ごほうこうなれば怠懈おこたり御勤おつとめあるべし、かみ御慰おんなぐさみにならるゝばかり、 ...
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
討しも同前知れがたき惡人共我手に入しは公儀こうぎへの御奉公ごほうこう親のあだのみならず本夫の敵まで討たるは忠孝貞とそろひし烈婦れつぷと云べし吉原町はじまりしより以降このかた斯る遊女有べからずと賞美しやうびありしかば瀬川は云もさらなり抱へ主松葉屋までも面目を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)