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娼妓
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しょうぎ
ふりがな文庫
“
娼妓
(
しょうぎ
)” の例文
机の
抽斗
(
ひきだし
)
を開けてみると、学校のノートらしいものは一つもなかった。その代りに手帳に吉原の
楼
(
うち
)
の名や
娼妓
(
しょうぎ
)
の名が列記されてあった。
黴
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
身は一
見
(
けん
)
独立のごとくして、心は
娼妓
(
しょうぎ
)
よりもなお独立なく他人に依頼し、しかも他人の
愛憎
(
あいぞう
)
によりその日を送れるものが
多々
(
たた
)
ありはせぬか。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
今から考えると、それは
芸妓
(
げいしゃ
)
や
娼妓
(
しょうぎ
)
の世話をする、つまり人身売買業ともいうべき
口入屋
(
くちいれや
)
だったのである。年増女はじろじろと私の顔を
眺
(
なが
)
めた。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
抱え
娼妓
(
しょうぎ
)
に斯う我儘をされるようでは
他
(
はた
)
へ示しが付かぬ、何うにでも
圧
(
おし
)
つけて花里を身請させねばならぬと申す気が一杯でげすから堪りません。
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「明治四十三年十月二十日、
黒羽
(
くろばね
)
町
万盛楼
(
まんせいろう
)
の
娼妓
(
しょうぎ
)
小万
(
こまん
)
、男と共に逃亡、この山奥に逃込みし
筈
(
はず
)
、捜索のため
云々
(
うんぬん
)
——」
本州横断 癇癪徒歩旅行
(新字新仮名)
/
押川春浪
(著)
▼ もっと見る
後に金瓶大黒は
娼妓
(
しょうぎ
)
も二、三人になり、しがなくなって止めたそうだが、浅草観世音仁王門わきの弁天山の弁天様の池を埋めたり、仲見世を造ったり
旧聞日本橋:16 最初の外国保険詐欺
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
姉のお定は三五郎という
山女衒
(
やまぜげん
)
——やはり
判人
(
はんにん
)
で、主に地方の貸座敷へ
娼妓
(
しょうぎ
)
を売込む周旋をするのだとか申します。
蜘蛛の夢
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
すると、その男はまるきり事務の話をするように、ちょっと連れの女を振り返りながら、「いやこれが
娼妓
(
しょうぎ
)
になりますので、健康診断を願いたいのです」
青木の出京
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
その怪物は新宿遊郭の
娼妓
(
しょうぎ
)
にして、楼主の虐待にたえかね、夜中ひそかに逃げ出したのであったとの話を聞いた。
おばけの正体
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
祖父は
三業
(
さんぎょう
)
取締の役員もしていたようで、
二六新報
(
にろくしんぽう
)
の計画した
娼妓
(
しょうぎ
)
自由廃業の運動の際にも、また
救世軍
(
きゅうせいぐん
)
がその遊説の
太鼓
(
たいこ
)
を廓内にまで持ち込んだ時にも
桜林
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
私みたいな、ええ、私は
淫売
(
いんばい
)
よ、それが、どうしたっての、小倉さん、あんたは淫売よりも、一生涯を通じての
娼妓
(
しょうぎ
)
がお好きな
一人
(
ひとり
)
でしょうね、ホホホホ。
海に生くる人々
(新字新仮名)
/
葉山嘉樹
(著)
ツンとしても美人の
娼妓
(
しょうぎ
)
のようでなく、騒いでも、売れる芸者のようでなく、品が崩れず、愛が
失
(
う
)
せないのには舌を巻いていた処、いやまた愛吉が来た晩は
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
沖縄人は生存せんがためには、いやいやながら
娼妓
(
しょうぎ
)
主義を奉じなければならなかったのである。実にこういう存在こそは悲惨なる存在というべきものであろう。
沖縄人の最大欠点
(新字新仮名)
/
伊波普猷
(著)
貞白は渋江氏にも山内氏にも往来して、抽斎を
識
(
し
)
り五百を識っていた。弘化元年には五百の兄栄次郎が吉原の
娼妓
(
しょうぎ
)
浜照の
許
(
もと
)
に通って、遂にこれを
娶
(
めと
)
るに至った。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
チベットにおいて
娼妓
(
しょうぎ
)
とか芸妓とかいう者は大抵こんなものです。こういう細かな事についていろいろいうて居ますとなかなか果てしがないから、まずラサ府の
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
そこへ
娼妓
(
しょうぎ
)
たちでしょう、頭にかぶさる位の大きな
島田髷
(
しまだまげ
)
に、
花簪
(
はなかんざし
)
の長い房もゆらゆらと、広い
紅繻子
(
べにじゅす
)
や
緋鹿
(
ひが
)
の
子
(
こ
)
の
衿
(
えり
)
をかけた派手な
仕掛
(
しかけ
)
姿で、手拍子を打って
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
年は
二十
(
はたち
)
ばかり。つぶしの島田に掛けたすが糸も長目に切り、
薄紫
(
うすむらさき
)
に飛模様の
裾
(
すそ
)
を長々と引いているので、肉付のいい大柄な身は芸者というよりも
娼妓
(
しょうぎ
)
らしく見られた。
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
農家の土間へ
牀机
(
しょうぎ
)
をすえ手製の卓を置いただけの暗い不潔な家で、いわゆる地方でだるまという種類に属する一見三十五六、
娼妓
(
しょうぎ
)
あがりの
淫
(
いん
)
をすすめる年増女が一人いた。
禅僧
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
突然年若き病人らしい、婦人が来て、
妾
(
わたし
)
は
当楼
(
こちら
)
の
娼妓
(
しょうぎ
)
で、トヤについて食が進まず、鰻を
食
(
たべ
)
たいが買う力が無いと、涙を流して話すのを、秀調哀れに思いその鰻を与えしに
枯尾花
(新字新仮名)
/
関根黙庵
(著)
妾出獄の
後
(
のち
)
監獄より聞きし所によれば、両女ともその後再び来らず、お花は当市近在の者にて、出獄後間もなく名古屋へ
娼妓
(
しょうぎ
)
に売られたり、またお
菊
(
きく
)
は
叔父
(
おじ
)
の家にも来らず
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
新聞紙の面を見れば政府の
忌諱
(
きき
)
に触るることは絶えて
載
(
の
)
せざるのみならず、官に一毫の
美事
(
びじ
)
あればみだりにこれを称誉してその実に過ぎ、あたかも
娼妓
(
しょうぎ
)
の客に
媚
(
こ
)
びるがごとし。
学問のすすめ
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
娼妓
(
しょうぎ
)
もまた気の
隔
(
お
)
けない馴染みのほかは客を断り、思い思いに酒宴を開く。
今戸心中
(新字新仮名)
/
広津柳浪
(著)
○芸
娼妓
(
しょうぎ
)
の七割は、精神病者であるとか。「道理で話が合うと思った。」
古典風
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
妹が近々
聟
(
むこ
)
養子を
迎
(
むか
)
えて、梅田新道の家を切り廻して行くという噂が柳吉の耳にはいっていたので、かねがね予期していたことだったが、それでも
娼妓
(
しょうぎ
)
を相手に一日で五十円の金を使ったとは
夫婦善哉
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
恐らく我が国の
娼妓
(
しょうぎ
)
となりし人の動機と理由とを統計上より数えなば、自己の
淫奔
(
いんぽん
)
よりする者は少なく、大多数は一家のために
犠牲
(
ぎせい
)
となったのであろう。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
上が娘の姿、中は芸妓の姿、一番仕舞が
娼妓
(
しょうぎ
)
の姿などが
画
(
か
)
いてあり、
周囲
(
まわり
)
は桜の花などが細かに
描
(
か
)
いてあります。
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
わたくしも元は相当の金持の家のせがれで、ある
娼妓
(
しょうぎ
)
と深く言いかわしましたが、両親がとても添わせてくれる筈はないので、女をつれて駈落ちをしました。
中国怪奇小説集:10 夷堅志(宋)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
私はなんでそんなむずかしいことを言いだしたかというと、「
娼妓
(
しょうぎ
)
解放令」についていいたかったからだが、あんぽんたんはそれを聞いておくにはあまり幼稚すぎた。
旧聞日本橋:16 最初の外国保険詐欺
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
「そうですって。……『たそがれ』……というのが、その
娼妓
(
しょうぎ
)
——
遊女
(
おいらん
)
の名だって事です。」
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
私は確かに皇帝から出された詔勅と信じましたけれども、他の人達はそんな事をいって一向信じないです。シナ皇帝の詔書はチベットにおいては
娼妓
(
しょうぎ
)
の手紙程の
利目
(
ききめ
)
もない。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
◎
北千住
(
きたせんじゅう
)
に今も有る
何
(
な
)
んとか云う小間物屋の
以前
(
もと
)
の
営業
(
しょうばい
)
は寄席であったが、亭主が或る
娼妓
(
しょうぎ
)
に
精神
(
うつつ
)
をぬかし、子まである本妻を
虐待
(
ぎゃくたい
)
して死に至らしめた、その怨念が残ったのか
枯尾花
(新字新仮名)
/
関根黙庵
(著)
あの論から推すと、
東京
(
とうけい
)
や無名通信で退治ている役者買の奥さん連は、事実である限りは、どんなに身分が高くても、どんな金持を
親爺
(
おやじ
)
や亭主に持っていても、あれは皆
娼妓
(
しょうぎ
)
です。
青年
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
無論、此女に抵抗力がある
筈
(
はず
)
がない。
娼妓
(
しょうぎ
)
は法律的に抵抗力を奪われているが、此場合は生理的に奪われているのだ。それに此女だって性慾の満足のためには、
屍姦
(
しかん
)
よりはいいのだ。
淫売婦
(新字新仮名)
/
葉山嘉樹
(著)
実をいえばその芸妓なる者は大抵不倫の女子にして、歌舞の芸を演ずるの
傍
(
かたわ
)
ら、往々言うべからざる醜行に身を
汚
(
けが
)
し、ほとんど
娼妓
(
しょうぎ
)
に等しき輩なれば、
固
(
もと
)
より貴人の前に面すべき身分にあらず。
日本男子論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
桜紙
(
さくらがみ
)
にて
長羅宇
(
ながラウ
)
を掃除するは
娼妓
(
しょうぎ
)
の特技にして
素人
(
しろうと
)
に用なく、
後門
(
こうもん
)
賄賂
(
わいろ
)
をすすむるは御用商人の呼吸にして聖人君子の知らざる所。豆腐々々と呼んで
天秤棒
(
てんびんぼう
)
かつぐには肩より先に腰の
工合
(
ぐあい
)
が
肝腎
(
かんじん
)
なり。
小説作法
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
僕は多く不浄の
談
(
はなし
)
をならべるようではあるが、身を
縛
(
しば
)
られた例は
奴隷
(
どれい
)
制度の廃止された
今日
(
こんにち
)
、
娼妓
(
しょうぎ
)
をもって
例
(
たと
)
うるのほかなしと思い、ここに引例したのである。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
今紫は
大籬
(
おおまがき
)
の
花魁
(
おいらん
)
、男舞で名をあげ、
吉原太夫
(
よしわらだゆう
)
の最後の
嬌名
(
きょうめい
)
をとどめたが、
娼妓
(
しょうぎ
)
解放令と同時廃業し、その後、薬師
錦織
(
にしごおり
)
某と
同棲
(
どうせい
)
し、壮士芝居
勃興
(
ぼっこう
)
のころ女優となったりして
明治大正美人追憶
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
こんにちでは
娼妓
(
しょうぎ
)
解放と申しますが、そのころは普通一般に切解きと申しておりました。さあ、これがまた大変で、早くいえば吉原の廓がぶっ潰されるような大騒ぎでございました。
青蛙堂鬼談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「……
出稼
(
でかせぎ
)
の
娼妓
(
しょうぎ
)
の
一群
(
ひとむれ
)
が竜巻の下に松並木を追われて行く。……これだけの事は、今までにも、話した事がありましたから、一度、もう、……
貴下
(
あなた
)
の耳に入れたかも知れません。」
河伯令嬢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
彼方此方
(
あちらこちら
)
を見ながら水司又市がぶらり/\と通掛りますると、茶屋から出ましたのは
娼妓
(
しょうぎ
)
でございましょう、
大島田
(
おおしまだ
)
はがったり横に曲りまして、露の垂れるような薄色の
笄
(
こうがい
)
の小長いのを
挿
(
さ
)
し
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
相方
(
あいかた
)
を定めて熟睡せしが、深夜と思う時分
不斗
(
ふと
)
目を
覚
(
さま
)
して見ると、一人であるべき筈の
相方
(
あいかた
)
の
娼妓
(
しょうぎ
)
が
両人
(
ふたり
)
になり、しかも左右に
分
(
わか
)
れて
能
(
よ
)
く眠っているのだ、有る
可
(
べ
)
き事とも思われず
吃驚
(
びっくり
)
したが
枯尾花
(新字新仮名)
/
関根黙庵
(著)
娼妓
(
しょうぎ
)
の逃亡を怖れてだといったが、それより幾年前、帝都の
中央
(
まんなか
)
の日本橋に、しかも区内のめぬきで中心点である士地ゆえ、日本国の中心といってもよい場処の大呉服店に、そうした窓が
旧聞日本橋:05 大丸呉服店
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
“娼妓”の意味
《名詞》
宴席などで歌舞をして客の相手をする女性。
公認の売春婦。公娼。
(出典:Wiktionary)
娼
漢検準1級
部首:⼥
11画
妓
漢検準1級
部首:⼥
7画
“娼妓”で始まる語句
娼妓買
娼妓達
娼妓末社