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俳優
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やくしゃ
ふりがな文庫
“
俳優
(
やくしゃ
)” の例文
俳優
(
やくしゃ
)
は
関三
(
せきさん
)
に団蔵、粂三郎、それに売出しの芝翫、権十郎、羽左衛門というような若手が加わっているのだから、馬鹿に人気が好い。
三浦老人昔話
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
何処
(
どこ
)
にも白粉の影は見えず、下宿屋の二階から
放出
(
ほうりだ
)
した書生らしいが、
京阪地
(
かみがた
)
にも東京にも人の知った、
巽辰吉
(
たつみたつきち
)
と云う
名題
(
なだい
)
の
俳優
(
やくしゃ
)
。
浮舟
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
青い麦の香を
嗅
(
か
)
ぐようなバアンズの接吻の歌も、自分の国の評判な
俳優
(
やくしゃ
)
が見せてくれる
濡幕
(
ぬれまく
)
にも
勝
(
まさ
)
って一層身に近い親しみを覚えさせた。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「だってそうじゃないか、それで事件が起ったじゃないか、やっぱり男に生れるなら、
壮
(
わか
)
い、きれいな
俳優
(
やくしゃ
)
のような男に生れたいものだな」
春心
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
これが
俳優
(
やくしゃ
)
の似顔でも描いてあツて
御覧
(
ごろう
)
じろう、六銭や七銭はいたします(中略)我々落語社会の顔なんぞ描いたものなんざアありゃアしません。
随筆 寄席囃子
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
▼ もっと見る
渦巻の模様の中心となった
流行
(
はやり
)
ッ
児
(
こ
)
の
俳優
(
やくしゃ
)
——ニコポン宰相の名を呼ばれ、空前とせられた日露戦争中の
大立物
(
おおだてもの
)
——お鯉の名はいやが上に
喧伝
(
けんでん
)
された。
一世お鯉
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
「なんのなんの……
俳優
(
やくしゃ
)
どころか!
歴
(
れっき
)
としたお方ですから、今ではクラーグ造船の、重役におなりですわい」
グリュックスブルグ王室異聞
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
こりゃア何だろう、へえ
宜
(
よ
)
い御紋ですな、是は
三蓋松
(
さんがいまつ
)
てえので、
余
(
あんま
)
り付けません、
俳優
(
やくしゃ
)
の
尾張屋
(
おわりや
)
の紋でげすなア
松と藤芸妓の替紋
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
『法螺じゃない、
真実
(
ほんと
)
の事だ。少くとも夢の中の事実だ。それで君、ニコライの会堂の屋根を
冠
(
かぶ
)
った
俳優
(
やくしゃ
)
が、何十億の看客を導いて花道から案内して行くんだ』
火星の芝居
(新字新仮名)
/
石川啄木
(著)
私たちは小田刑事と二人の
俳優
(
やくしゃ
)
とともに夕方から、留吉の村に自動車で駆けつけました。俊夫君は小さな手鞄の中へ、紙で厳重に包んだものを入れて携えました。
白痴の知恵
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
俳優
(
やくしゃ
)
のうちに
久米五郎
(
くめごろう
)
とて
稀
(
まれ
)
なる美男まじれりちょう噂島の娘らが間に高しとききぬ、いかにと若者
姉妹
(
はらから
)
に向かっていえば二人は顔赤らめ、
老婦
(
おうな
)
は大声に笑いぬ。
源おじ
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
俳優
(
やくしゃ
)
というものは、
如何
(
どう
)
いうものか、こういう
談
(
はなし
)
を沢山に持っている、これも
或
(
ある
)
俳優
(
やくしゃ
)
が
実見
(
じっけん
)
した
談
(
はなし
)
だ。
因果
(新字新仮名)
/
小山内薫
(著)
宛かも女子供に大騒ぎせられる
俳優
(
やくしゃ
)
の顔とでも云い相だ、何となく滑らかで、何となく厭らしい、美男子は美男子だが余は好まぬ、恐らくは秀子とても決して好みはすまい
幽霊塔
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
「へえへえ旦那のおっしゃる通りいろいろの人が参詣します。
武士
(
りゃんこ
)
も行くし
商人
(
あきんど
)
も行くし、茶屋の
女将
(
おかみ
)
や
力士
(
すもうとり
)
や
俳優
(
やくしゃ
)
なんかも参りますよ。ええとそれからヤットーの先生。……」
大鵬のゆくえ
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
五代目菊五郎が、「ぶらずに、らしゅうせよ」といって、つねに六代目を
誡
(
いまし
)
めたということですが、
俳優
(
やくしゃ
)
であろうがなんであろうが、「らしゅうせよ」という言葉はほんとうに必要です。
般若心経講義
(新字新仮名)
/
高神覚昇
(著)
いろいろな
俳優
(
やくしゃ
)
や美人の似顔や、なまめかしい女の立ち姿などが、店いっぱいの壁に掛ったり、ひろげられたり、つみ上げられたりしていた。桐の箱にはいって、高く重なっているのもあった。
あの顔
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
俳優
(
やくしゃ
)
や、職人や、
芸妓
(
げいしゃ
)
や
落語家
(
はなしか
)
にいたるまでも、水の低きに落ちるように流れて来て、二、三年もそこに居着くと、またしても江戸人種は、
性懲
(
しょうこ
)
りもなく、江戸前の飲食店だの、団十郎芝居だの
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「このお子さんは何という
俳優
(
やくしゃ
)
のお子さんですか。」
我が愛する詩人の伝記
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
これほどの
俳優
(
やくしゃ
)
を下手だの、大根だのと罵ったのを、藤崎さんは今更恥しく思いました。やっぱり紙屋の夫婦の眼は高い。権十郎は偉い。
三浦老人昔話
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
以前早瀬氏が東京で
或
(
ある
)
学校に講師だった、そこで
知己
(
ちかづき
)
の小使が、便って来たものだそうだが、
俳優
(
やくしゃ
)
の声色が上手で落語も
行
(
や
)
る。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
気の強い蔦芳は、いきなり足で其の男を
蹴
(
け
)
っておいて二階へあがり、
俳優
(
やくしゃ
)
のお
仕着
(
しきせ
)
の浴衣を
執
(
と
)
って来たが、おりる時にはもう其の男は見えなかった。
幽霊の衣裳
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
余所
(
よそ
)
の
姉
(
ねえ
)
さん達のように
俳優
(
やくしゃ
)
を大騒ぎやったりする事はお嫌いで、貴方の事ばかり云っていらっしゃいますから、本当に貴方、嬢様を
可愛
(
かわい
)
そうだと思って
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
やがて留吉はお安さんとともに、俊夫君の
指図
(
さしず
)
によって、座敷の手前の右隅に座りました。それから、俊夫君はお豊さんに扮装した
俳優
(
やくしゃ
)
を蒲団の中へ寝かせました。
白痴の知恵
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
俳優
(
やくしゃ
)
が国王よりも権力があって、芝居が初まると国民が一人残らず見物しなけやならん憲法があるのだから、それはそれは非常な
大入
(
おおいり
)
だよ、そんな
大仕掛
(
おおじかけ
)
な芝居だから
火星の芝居
(新字新仮名)
/
石川啄木
(著)
その時の、
袴
(
はかま
)
をはいた、色の黒い中年男は、中村勘五郎といった皮肉屋で、浅草今戸に書画や
骨董
(
こっとう
)
の店を、後になって出したりした、
秀鶴仲蔵
(
しゅうかくなかぞう
)
を継ぐはずの
俳優
(
やくしゃ
)
だった。
旧聞日本橋:24 鬼眼鏡と鉄屑ぶとり(続旧聞日本橋・その三)
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
娘は
終
(
つい
)
にその
俳優
(
やくしゃ
)
の
胤
(
たね
)
を宿して、女の子を産んだそうだが、
何分
(
なにぶん
)
にも、
甚
(
はなは
)
だしい難産であったので、三日目にはその生れた子も死に、娘もその
後
(
のち
)
産後の
日立
(
ひだち
)
が
悪
(
わ
)
るかったので
因果
(新字新仮名)
/
小山内薫
(著)
何処
(
どこ
)
の子供も一種の
俳優
(
やくしゃ
)
だ。私という見物がそこに立って
眺
(
なが
)
めると、彼等は一層調子づいた。これ見よがしに危い石垣の上へ登るのもあれば、「怪我しるぞ」と下に居て呼ぶのもある。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
一切の私慾を離れて唯良心の満足をのみ求めて居る人は、自ずから顔に高貴の相が出来、
俳優
(
やくしゃ
)
も真似する事が出来ず画工も彫刻師も写す事の出来ぬ宏壮な優妙な所の備わって来ると云ってある
幽霊塔
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
「ホホホホホホ、その御学友は
俳優
(
やくしゃ
)
にでもおなりでしたの?」
グリュックスブルグ王室異聞
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
お千世は、生際の濃い上へ、
俳優
(
やくしゃ
)
があいびきを掛けたように、その紫の裏を頂いたが、手へ返して、清葉のその手に、
縋
(
すが
)
るがごとく顔を仰いで
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ことに歌舞伎双六は羽子板とおなじように、大抵はその年の当り狂言を撰むことになっていて、人物はすべて
俳優
(
やくしゃ
)
の似顔であること勿論である。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
火星の人間は、一体僕等より足が小くて胸が高くて、そして頭が
無暗
(
むやみ
)
に大きいんだが、その
中
(
うち
)
でも最も足が小くて最も胸が高くて、最も頭の大きい奴が第一流の
俳優
(
やくしゃ
)
になる。
火星の芝居
(新字新仮名)
/
石川啄木
(著)
芝居でも
稻川
(
いながわ
)
秋津島
(
あきつしま
)
などゝいうといゝ
俳優
(
やくしゃ
)
が致します、
極
(
ごく
)
むかし二段目三段目ぐらいに立派な角力がありましたが、花車などは西の方二段目の
慥
(
たし
)
か
末
(
すえ
)
から二三枚目におりました
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
翌日、二人の
俳優
(
やくしゃ
)
が私たちの実験室を訪ねてきました。俊夫君は、留吉の家の絵図を書いて芝居の行われる場所を説明し、扮装その他、実演事項について詳しい注意を与えました。
白痴の知恵
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
矢張
(
やっぱり
)
、
俳優
(
やくしゃ
)
だが、
数年
(
すねん
)
以前のこと、今の
沢村宗十郎
(
さわむらそうじゅうろう
)
氏の門弟で
某
(
なにがし
)
という男が、
或
(
ある
)
夏の晩
他所
(
よそ
)
からの帰りが大分遅くなったので、折詰を片手にしながら、てくてく
馬道
(
うまみち
)
の通りを急いでやって来て
今戸狐
(新字新仮名)
/
小山内薫
(著)
病犬
(
やみいぬ
)
のように
蹌々踉々
(
そうそうろうろう
)
として、
僅
(
わず
)
かの
買喰
(
かいぐ
)
いに
餓
(
うえ
)
をしのぐよりせんすべなく、血を絞る苦しみを忍んで、漸くボストンのカリホルニア座に開演して見たものの、
乞食
(
こじき
)
の群れも同様に
零落
(
おちぶ
)
れた
俳優
(
やくしゃ
)
たち
マダム貞奴
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
「
俳優
(
やくしゃ
)
だな、したっぱの、品川あたりで見かけたことがあるのだ」
春心
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
俳優
(
やくしゃ
)
の代りにその人形をならべて、その位置や出入りなどを考えながら書いたものですが、今ではそんなことをしません。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
お孝を
俳優
(
やくしゃ
)
で、舞台だ思えば、何としていられても、顔を見て声を聞く方が、木戸に立って考えとるより増だからな。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
何時
(
いつ
)
しかその
俳優
(
やくしゃ
)
と娘との間には、浅からぬ関係を生じたのである、ところが
俳優
(
やくしゃ
)
も旅の身
故
(
ゆえ
)
、娘と
種々
(
いろいろ
)
名残を
惜
(
おし
)
んで、やがて、
己
(
おのれ
)
は金沢を出発して、その
後
(
のち
)
もまた旅から旅へと廻っていたのだ
因果
(新字新仮名)
/
小山内薫
(著)
「馬の脚、馬の脚って云ってたから、
俳優
(
やくしゃ
)
じゃないだろうかね」
春心
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
女「私は
俳優
(
やくしゃ
)
は嫌い」
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
手を着けてはならないと井上氏が宣告して置いたにも
拘
(
かかわ
)
らず、
俳優
(
やくしゃ
)
や座付作者たちから種々の訂正を命ぜられた。我々もよんどころなく承諾した。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
また取れようもないわけなんだ。能役者が謡の弟子を取るのは、歌舞伎
俳優
(
やくしゃ
)
が
台辞
(
せりふ
)
の
仮声
(
こわいろ
)
を教えると同じだからね。
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それは例の芝居好きで、どこの座が贔屓だとか、どの
俳優
(
やくしゃ
)
が贔屓だとか云うのでなく、どこの芝居でも替り目ごとに覗きたいというのだから大変です。
三浦老人昔話
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
俳優
(
やくしゃ
)
の
男衆
(
おとこしゅ
)
が運んだんですが、市電にも省線にも、まさか
此奴
(
こいつ
)
は持込めません。——ずうと
俥
(
くるま
)
で通しですよ。
露萩
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ことし
二十歳
(
はたち
)
になるんですが、
俳優
(
やくしゃ
)
の河原崎権十郎にそっくりだというので、権十郎息子というあだ名をつけられて、浮気な娘なんぞは息子の顔みたさに
半七捕物帳:26 女行者
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
この時その役
勤
(
つとめ
)
し後、
渠
(
かれ
)
はまた再び
場
(
じょう
)
に上らざるよし。蛇責の釜に
入
(
い
)
りしより心地
悪
(
あし
)
くなりて、はじめはただ
引籠
(
ひきこも
)
りしが、
俳優
(
やくしゃ
)
厭
(
いや
)
になりぬとて
罷
(
や
)
めたるなり。
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
その上お前、ここいらの者に似合わねえ、
俳優
(
やくしゃ
)
というと目の
敵
(
かたき
)
にして嫌うから、そこで何だ。客は
向
(
むこう
)
へ廻すことにして、部屋の方の手伝に爺やとこのお辻をな
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
頼家は悲劇の
俳優
(
やくしゃ
)
です。悲劇と
仮面
(
めん
)
……私は
希臘
(
ギリシャ
)
の悲劇の神などを聯想しながら、ただ
茫然
(
ぼんやり
)
と歩いて行くと、やがて塔の峰の
麓
(
ふもと
)
に出る。畑の間には
疎
(
まばら
)
に人家がある。
修禅寺物語:――明治座五月興行――
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
“俳優”の解説
俳優(はいゆう、en: actor)は、演劇・映画等において、その人物に扮して台詞・身振り・表情などで演じる人、またはその職業のこと。男女の性別は問わない。
(出典:Wikipedia)
俳
常用漢字
小6
部首:⼈
10画
優
常用漢字
小6
部首:⼈
17画
“俳優”で始まる語句
俳優買
俳優狂
俳優々々
俳優息子
俳優甲斐
俳優三階興