)” の例文
天皇、御歳一百六十八歳ももぢあまりむそぢやつ、(戊寅の年の十二月に崩りたまひき。)御陵は、やまみちまがりをか一九にあり。
草紅葉まだくけれど、そのにも落葉うごけり。向ひ山、こなたの小丘、見るものはみな枯木のみ。
つまもあらばみてたげまし佐美さみ山野やまぬ宇波疑うはぎぎにけらずや 〔巻二・二二一〕 柿本人麿
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
峰の松原も、空様そらざまに枝を掻き上げられた様になって、悲鳴を続けた。谷からに生えのぼって居る萱原かやはらは、一様に上へ上へとり昇るように、葉裏を返してき上げられた。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
天つ御国をつちに 建てんと叫ぶ我がしたに 燃ゆれど尽きぬ博愛の 永久のほのほ恵みてよ
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
京都よりの帰るさにここ福井の街に約一ヶ月ばかり滞在せし事のあり、その時になれる詩にして、美しき足羽の川の土手のの、若き桜樹はいまも尚春くる毎に花咲けりときく。
抒情小曲集:04 抒情小曲集 (新字旧仮名) / 室生犀星(著)
『万葉』の歌に春霞ゐのゆ只に路はあれど云々とある井上はせきに臨んだ山路とも見えぬことはないが、それではその路が近いということも感じにくく、また少々突然のような気もする。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
かにかくに太平洋に星多き夜はともすれば人の恋しき——から始まり——海ののノオトはなみが消しゆきぬこのかなしみは誰が消すらむ——に終る、面皰にきびだらけの歌を十首ばかり作りあげ
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
王族広間のかみのはてに往着ゆきつき玉ひて、国々の公使、またはその夫人などこれを囲むとき、かねて高廊のに控へたる狙撃聯隊の楽人がひと声鳴らすつづみとともに「ポロネエズ」といふまいはじまりぬ。
文づかひ (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
仏つくる真朱まそほたらずば水たまる池田のあそが鼻のを掘れ (大神)
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
わらに驚き顏の狸はもショペンハウエルに似たりけらずや
河馬 (旧字旧仮名) / 中島敦(著)
ほの白く山きりかゝる岩のればぬがに咲ける石楠花
雲仙岳 (新字新仮名) / 菊池幽芳(著)
かくて兩將もろともにヂオメーデースの車の、 115
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
杉のはのたてる門辺かどべに目白おし羽觴うしょうとばす岸のちゃ
そは死せり!……さはれ接唇くちづけ脣のに、今も薫れり
海のの風にまじりてとことはに過ぎゆく如く……
身の行末をつくづくと、しのよろいの袖の
式部小路 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
立ちこそあがれ、巖のに。
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
床のにすなほにたふ
如是 (新字旧仮名) / 末吉安持(著)
こゝちこそすれ砂の
藤村詩抄:島崎藤村自選 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
かばかり青き海の
故郷の花 (旧字旧仮名) / 三好達治(著)
利根川のに光らしめ
蝶を夢む (旧字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
丘のつづきの草の
(新字旧仮名) / 石川啄木(著)
草紅葉まだくけれど、そのにも落葉うごけり。向ひ山、こなたの小丘、見るものはみな枯木のみ。
観相の秋 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
ここに大國主の神まをしたまはく、「然らば治めまつらむさまはいかに」とまをしたまひしかば答へてのりたまはく、「をばやまと青垣あをかきの東の山のいつきまつれ
くれしげをほととぎすきてゆなりいまらしも 〔巻二十・四三〇五〕 大伴家持
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
耳の、頭つらぬけば船首を落ちて仰向きに、 435
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
すると貴君のくちの、単純旋律カヷチナやがて霧散する。
そらは水のにかがやき亘りて
性に眼覚める頃 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
床のれぬ、花瓶はながめ
如是 (新字旧仮名) / 末吉安持(著)
こゝちこそすれ砂の
若菜集 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
蝉は鳴くなり海の
駱駝の瘤にまたがつて (旧字旧仮名) / 三好達治(著)
路のを走りてくれば
山羊の歌 (新字旧仮名) / 中原中也(著)
琴ひく君が胸の
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
奥山おくやま真木まき板戸いたどおとはやいもがあたりのしも宿ぬ 〔巻十一・二六一六〕 作者不詳
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
空ぐるま軋るを見れば、上岨うはそばを尻毛振る赤馬あか、ひようひようと吹かれゆく馬子、みな寒き冬のものなり。渓のの小茶屋の椅子も紅葉積み、その渓かけて、はらはらと落葉ちりゆく。
とこより墮ちまろびて、その室の人どもを追ひ出して、その二柱の御子を、左右ひだりみぎりの膝のせまつりて、泣き悲みて、人民どもを集へて、假宮を作りて、その假宮にせまつり置きて、驛使はゆまづかひ上りき。
いざ乘れわれの戰車の、乘りて知るべしトロイアの
イーリアス:03 イーリアス (旧字旧仮名) / ホーマー(著)
そなたが胸をばわが胸のにだ
うしなひぬ、すな
友に (新字旧仮名) / 末吉安持(著)
われよるべなき海の
藤村詩抄:島崎藤村自選 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
草のに 水の
抒情小曲集:04 抒情小曲集 (新字旧仮名) / 室生犀星(著)
土のに叩きつけ
山羊の歌 (新字旧仮名) / 中原中也(著)
空ぐるま軋るを見れば、上岨うはそばを尻毛振る赤馬あか、ひようひようと吹かれゆく馬子、みな寒き冬のものなり。渓のの小茶屋の椅子も紅葉積み、その渓かけて、はらはらと落葉ちりゆく。
観相の秋 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
そなたが胸をばわが胸の
朝は海邊うみべの石の
藤村詩抄:島崎藤村自選 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
常虹とこにじ御座みくら
焔の后 (新字旧仮名) / 末吉安持(著)
孟宗の重きしだれのかさなりのそのに抜けて、ただひとり揺るるのあり。目か醒めし、夜風か出でし、さわさわと揺れて遊べり。しだれつつ前にうしろに、照りかげり揺れて遊べり。
朝は海辺うみべの石の
若菜集 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
孟宗の重きしだれのかさなりのそのに抜けて、ただひとり揺るるのあり。目か醒めし、夜風か出でし、さわさわと揺れて遊べり。しだれつつ前にうしろに、照りかげり揺れて遊べり。
観相の秋 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)