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高足駄
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たかあしだ
ふりがな文庫
“
高足駄
(
たかあしだ
)” の例文
一 東京市中自動車の往復頻繁となりて街路を歩むにかへつて
高足駄
(
たかあしだ
)
の必要を生じたり。古きものなほ捨つべきの時にあらず。
小説作法
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
と
腰衣
(
こしごろも
)
の素足で立って、すっと、経堂を出て、
朴歯
(
ほおば
)
の
高足駄
(
たかあしだ
)
で、
巻袖
(
まきそで
)
で、寒く
細
(
ほっそ
)
りと草を
行
(
ゆ
)
く。清らかな僧であった。
七宝の柱
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
彼も妻も低い下駄、
草鞋
(
わらじ
)
、ある時は
高足駄
(
たかあしだ
)
をはいて三里の路を往復した。しば/\暁かけて握飯食い/\出かけ、ブラ提灯を
便
(
たよ
)
りに
夜
(
よる
)
晩
(
おそ
)
く帰ったりした。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
懐中へ手を入れて三十両の金を胴巻ぐるみ盗んで逃げようとすると、向の方から蛇の目の傘を
指
(
さ
)
し、
高足駄
(
たかあしだ
)
を穿いて、花車重吉という角力が参りました時には
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
一同が藩邸の玄関から
高足駄
(
たかあしだ
)
を踏み鳴らして出ると、細川、浅野両家で用意させた
駕籠
(
かご
)
二十挺を
舁
(
か
)
き据えた。一礼してそれに乗り移る。行列係が行列を組み立てる。
堺事件
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
▼ もっと見る
印
(
しるし
)
の
傘
(
かさ
)
をさしかざし
高足駄
(
たかあしだ
)
の
爪皮
(
つまかわ
)
も
今朝
(
けさ
)
よりとはしるき
漆
(
うるし
)
の
色
(
いろ
)
、きわ/″\しう
見
(
み
)
えて
誇
(
ほこ
)
らし
氣
(
げ
)
なり。
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
先ず堅い
高足駄
(
たかあしだ
)
をはいて泥田の中をこね歩かなければならない事、それから
空風
(
からかぜ
)
と戦い砂塵に悩まされなければならない事、このような天然の道具立にかてて加えて
電車と風呂
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
黒の着物に小倉の袴で、
高足駄
(
たかあしだ
)
を穿き、鉄扇を持った壮士。小刀の短いわりに、刀は四尺もあらんと思われる大きなのを横に差し、頭の
頂辺
(
てっぺん
)
から竜之助を見下ろして進んで来たので
大菩薩峠:03 壬生と島原の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
ある夕方、寛朝僧正は、もう工事がどの位進んだか見たくなって、一人で
高足駄
(
たかあしだ
)
をはき、
杖
(
つえ
)
をついて、工事の現場を視察していた。現場には、足場のために、高いやぐらが組んである。
大力物語
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
足袋
(
たび
)
を脱ぎ、
高足駄
(
たかあしだ
)
を脱ぎ捨て、さいごに眼鏡をはずし、「来い!」
火の鳥
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
何心
(
なにごころ
)
なく、
眩
(
まばゆ
)
がつて、すツとぼ/\、
御覽
(
ごらん
)
の
通
(
とほ
)
り
高足駄
(
たかあしだ
)
で
歩行
(
ある
)
いて
來
(
く
)
ると、ばらり/\、カチリてツちや
砂利
(
じやり
)
を
投
(
な
)
げてるのが、
離
(
はな
)
れた
所
(
ところ
)
からも
分
(
わか
)
りましたよ。
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
銀座の商店の改良と銀座の
街
(
まち
)
の敷石とは、将来如何なる進化の道によって、浴衣に
兵児帯
(
へこおび
)
をしめた
夕涼
(
ゆうすずみ
)
の人の姿と、
唐傘
(
からかさ
)
に
高足駄
(
たかあしだ
)
を穿いた通行人との調和を取るに至るであろうか。
銀座界隈
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
いま
廓内
(
なか
)
よりの帰りと覚しく、
裕衣
(
ゆかた
)
を重ねし
唐桟
(
とうざん
)
の着物に柿色の三尺を
例
(
いつも
)
の通り腰の先にして、黒八の
襟
(
ゑり
)
のかかつた新らしい半天、印の傘をさしかざし
高足駄
(
たかあしだ
)
の
爪皮
(
つまかわ
)
も
今朝
(
けさ
)
よりとはしるき漆の色
たけくらべ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
高足駄
(
たかあしだ
)
を
穿
(
は
)
いた儘両人の中へ割込むと
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
と
呼
(
よ
)
んで、ト
引返
(
ひきかへ
)
した、
鳥打
(
とりうち
)
を
被
(
かぶ
)
つた
男
(
をとこ
)
は、
高足駄
(
たかあしだ
)
で、
杖
(
ステツキ
)
を
支
(
つ
)
いた
妙
(
めう
)
な
誂
(
あつら
)
へ。
路
(
みち
)
は
恁
(
か
)
う
乾
(
かわ
)
いたのに、
其
(
そ
)
の
爪皮
(
つまかは
)
の
泥
(
どろ
)
でも
知
(
し
)
れる、
雨
(
あめ
)
あがりの
朝早
(
あさはや
)
く
泥濘
(
ぬかるみ
)
の
中
(
なか
)
を
出
(
で
)
て
來
(
き
)
たらしい。
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
銀座の商店の改良と銀座の街の敷石とは、将来如何なる進化の道によって、
浴衣
(
ゆかた
)
に
兵児帯
(
へこおび
)
をしめた
夕凉
(
ゆうすずみ
)
の人の姿と、
唐傘
(
からかさ
)
に
高足駄
(
たかあしだ
)
を
穿
(
は
)
いた通行人との調和を取るに至るであろうか。
銀座
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
と
言
(
い
)
ひかけて——
最
(
も
)
う
足
(
あし
)
も
背
(
せ
)
もずらして
居
(
ゐ
)
る
高足駄
(
たかあしだ
)
を——ものを
言
(
い
)
ふ
目
(
め
)
で、
密
(
そつ
)
と
引留
(
ひきと
)
めて
艶書
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
此
(
こ
)
の
奧
(
おく
)
に
住
(
す
)
める
人
(
ひと
)
の
使
(
つか
)
へる
婢
(
をんな
)
、やつちや
場
(
ば
)
に
青物
(
あをもの
)
買
(
か
)
ひに
出
(
い
)
づるに、いつも
高足駄
(
たかあしだ
)
穿
(
は
)
きて、なほ
爪先
(
つまさき
)
を
汚
(
よご
)
すぬかるみの、
特
(
こと
)
に
水溜
(
みづたまり
)
には、
蛭
(
ひる
)
も
泳
(
およ
)
ぐらんと
氣味惡
(
きみわる
)
きに、
唯
(
たゞ
)
一重
(
ひとへ
)
森
(
もり
)
を
出
(
い
)
づれば
森の紫陽花
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
九歳
(
こゝのつ
)
十歳
(
とを
)
ばかりの
其
(
そ
)
の
小兒
(
こども
)
は、
雪下駄
(
ゆきげた
)
、
竹草履
(
たけざうり
)
、それは
雪
(
ゆき
)
の
凍
(
い
)
てた
時
(
とき
)
、こんな
晩
(
ばん
)
には、
柄
(
がら
)
にもない
高足駄
(
たかあしだ
)
さへ
穿
(
は
)
いて
居
(
ゐ
)
たのに、
轉
(
ころ
)
びもしないで、
然
(
しか
)
も
遊
(
あそ
)
びに
更
(
ふ
)
けた
正月
(
しやうぐわつ
)
の
夜
(
よ
)
の十二
時過
(
じす
)
ぎなど
雪霊記事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
九歳
(
ここのつ
)
十歳
(
とお
)
ばかりのその
小児
(
こども
)
は、雪下駄、竹草履、それは雪の
凍
(
い
)
てた時、こんな晩には、柄にもない
高足駄
(
たかあしだ
)
さえ
穿
(
は
)
いていたのに、転びもしないで、しかも遊びに更けた正月の
夜
(
よ
)
の十二時過ぎなど
雪霊記事
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
……
其處
(
そこ
)
で、
昨日
(
きのふ
)
穿
(
は
)
いた
泥
(
どろ
)
だらけの
高足駄
(
たかあしだ
)
を
高々
(
たか/″\
)
と
穿
(
は
)
いて、
此
(
こ
)
の
透通
(
すきとほ
)
るやうな
秋日和
(
あきびより
)
には
宛然
(
まるで
)
つままれたやうな
形
(
かたち
)
で、カラン/\と
戸外
(
おもて
)
へ
出
(
で
)
た。が、
出
(
で
)
た
咄嗟
(
とつさ
)
には
幻
(
まぼろし
)
が
消
(
き
)
えたやうで
一疋
(
ひとつ
)
も
見
(
み
)
えぬ。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
高
常用漢字
小2
部首:⾼
10画
足
常用漢字
小1
部首:⾜
7画
駄
常用漢字
中学
部首:⾺
14画
“高足”で始まる語句
高足
高足弟子
高足源琦
高足阿巌