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ふりがな文庫
“
露西亜
(
ロシア
)” の例文
旧字:
露西亞
独逸
(
ドイツ
)
は
屹度
(
きつと
)
最後の独逸人となるまで戦ふだらう、
露西亜
(
ロシア
)
人もまた最後の露西亜人となるまで戦ふだらうが、唯
英吉利
(
イギリス
)
人は——さうさ
茶話:01 大正四(一九一五)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
もし、清国政府が日本政府に対して悪感情を抱き、現在の好意的な中立の態度を
放擲
(
ほうてき
)
して逆に
露西亜
(
ロシア
)
に傾いて行ったら、どうなるか。
惜別
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
戦争後ある
露西亜
(
ロシア
)
の士官がこの陳列所一覧のためわざわざ旅順まで来た事がある。その時彼はこの靴を一目
観
(
み
)
て非常に驚いたそうだ。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
露西亜
(
ロシア
)
のムソルグスキーのような、本当の国民音楽家は、永久に現われないものだろうか、心ある人は歎きも悲しみもしておりました。
奇談クラブ〔戦後版〕:16 結婚ラプソディ
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
ベルリン会議のはじまる前の、ある夜、ビスマルクは、
露西亜
(
ロシア
)
の宰相ゴルチャコフと、私的の夜会をひらき、その席で骨牌をした。
今昔茶話
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
▼ もっと見る
蒙古の勢力はもはや五世紀も前になってしまったのに、今日までそれと同じ
露西亜
(
ロシア
)
の勢力が残っているというは如何にも不思議である。
東亜の平和を論ず
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
「大陸通という程でも無いがね、まあ
露西亜
(
ロシア
)
物は大分集めた」と相川は思出したように、「この節、
復
(
ま
)
たツルゲネエフを読出した。 ...
並木
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
ちょうど
露西亜
(
ロシア
)
の捕虜がいるころで、みんなこの茶店へ三時の散歩にはやって来たもので、なかにひどく惚れこんでいるのもいた。
性に眼覚める頃
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
文化年間、
露西亜
(
ロシア
)
がエトロフに入り、北辺を
擾
(
さわ
)
がした。泉石はその刺戟を受け、二十歳前後の頃、北海道
樺太
(
カラフト
)
沿海州の地図を写している。
『雪華図説』の研究後日譚
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
或る支那帰りの商人は、アダを北京の南陽門通りの裏街の
露西亜
(
ロシア
)
人の酒場で、彼女がフランス兵とふざけているのを見かけたと云うのだ。
孟買挿話
(新字新仮名)
/
吉行エイスケ
(著)
露西亜
(
ロシア
)
で革命党が爆裂弾を投げようが、日本で政府党が選挙に勝とうが、又は乗り換えを忘れようが、終点まで運ばれようが委細構わず
謡曲黒白談
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「どこに住んでも、——ずいぶんまた方々に住んで見たんだがね。僕が今住んで見たいと思うのはソヴィエット
治下
(
ちか
)
の
露西亜
(
ロシア
)
ばかりだ。」
彼 第二
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
ブン投げてしまうんだ。んだから——んな心掛けだから
露西亜
(
ロシア
)
の国がああなったんだ。日本男児の断じて
真似
(
まね
)
てならないことだ!
蟹工船
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
此
(
この
)
若い
露西亜
(
ロシア
)
婦人は令嬢が百日咳のやうな気味である
為
(
た
)
め冷たい空気の
入
(
はひ
)
らないやうにと部屋の戸にも廊下の端の戸にも気を配つて居た。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
「それは第一が中華民国の
上海
(
シャンハイ
)
とか
広東
(
カントン
)
とかいった方面から。第二は
露西亜
(
ロシア
)
のウラジオから。第三は太平洋方面あるいはアラスカ方面から」
空襲下の日本
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
革命的感情が、全
露西亜
(
ロシア
)
の悉ゆる階級に滲透した。露西亜語の研究につれて、若いエンマもまた革命思想の伝道者とその新思想に接近した。
乞食の名誉
(新字旧仮名)
/
伊藤野枝
(著)
お前達は欧米流の衛生思想を
穿
(
は
)
き違えている、いつかの
露西亜
(
ロシア
)
人達などは
生牡蠣
(
なまがき
)
を平気で食べたではないか、と云ったりした。
細雪:01 上巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「大西郷が生きていて
露西亜
(
ロシア
)
から帰って来るという評判が僕の小学校時代にあったが、鹿児島へ来て見ると実際生きている以上の感化だね」
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
この
尖端
(
せんたん
)
を
上
(
うえ
)
に
向
(
む
)
けている
釘
(
くぎ
)
と、
塀
(
へい
)
、さてはまたこの
別室
(
べっしつ
)
、こは
露西亜
(
ロシア
)
において、ただ
病院
(
びょういん
)
と、
監獄
(
かんごく
)
とにのみ
見
(
み
)
る、
儚
(
はかな
)
き、
哀
(
あわれ
)
な、
寂
(
さび
)
しい
建物
(
たてもの
)
。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
この時代の硯友社の作風や態度を
仏蘭西
(
フランス
)
や
露西亜
(
ロシア
)
の近代作家に対するような心持で批評するのは時代を無視する色盲である。
硯友社の勃興と道程:――尾崎紅葉――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
露西亜
(
ロシア
)
人は冬
外套
(
シュウバ
)
の襟を立てるのでそのために特にこう出来てるんだそうだが、私の考えでは、これは例の過激派
鬚
(
ひげ
)
を焼かない用心だと思う。
踊る地平線:01 踊る地平線
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
日清戦争に依つて、東洋に於ける位置を確立した日本は、その発展途上の宿命として、
露西亜
(
ロシア
)
と、衝突せねばならなかつた。
二千六百年史抄
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
青草を枕に寝転んでいた
露西亜
(
ロシア
)
人が、俺の肩を
肱
(
ひじ
)
で小突いて指で円い形をこしらえて、中指を動かしてみせた。そしてへ、へえ、へえと笑った。
苦力頭の表情
(新字新仮名)
/
里村欣三
(著)
「ナポレオンが
露西亜
(
ロシア
)
を敗走したのを単に寒気の襲来と防寒具の不足とに帰するような頭で、万象の葛藤を批判論断されてはたまりません……」
山道
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
自分の小説は未製品であるから、此れ位にして切り上げるが、
露西亜
(
ロシア
)
の小説家も、此頃婦人問題を小説の中に出してゐる。
未亡人と人道問題
(新字旧仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
げに
露西亜
(
ロシア
)
の農民はあはれなる生活を送るもの多く、酸苦
交
(
こもご
)
もせまれども
能
(
よ
)
く
耐
(
こら
)
へ、能く忍ぶは、神の最後のまつりごとに希望を置くと見えたり。
トルストイ伯
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
露西亜
(
ロシア
)
の舞踊ニジンスキイ以後の芸術と、支那俳優の舞技と、
即
(
すなわち
)
東西両種の芸術を
渾和
(
こんわ
)
したとか称するもので、男女両性の肉体的曲線美の動揺は
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
愛媛県知事安藤謙介君は
露西亜
(
ロシア
)
学者で、あの人が露国の日本公使館にいた時分、露国の文部大臣であったか、とにかく位地の高い役人に会った時に
教育の目的
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
妻は、模様も分らなくなった
風呂敷
(
ふろしき
)
を三角に折って
露西亜
(
ロシア
)
人
(
じん
)
のように
頬
(
ほお
)
かむりをして、赤坊を背中に背負いこんで、せっせと小枝や根っこを拾った。
カインの末裔
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
風の便りに聞けば、何とやら云う日本人が、つい一二年前北の方の海で
露西亜
(
ロシア
)
人を
対手
(
あいて
)
に、海賊を働いて、刑務所につながれたということではないか。
白髪鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
ところへ
闇雲
(
やみくも
)
に後から驀進して来た一つの高級自動車があった。あの
露西亜
(
ロシア
)
風の駅逓の前に見たのがそれであった。
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
ニニヨンは若いとき
露西亜
(
ロシア
)
の貴族の料理頭を勤めた。欧洲の宮廷料理の粋はその時代を最後としてそこで滅びた。
食魔に贈る
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
或る日、村の警衛に出ていた兵士は、
露西亜
(
ロシア
)
の百姓が、銃のさきに背嚢を引っかけて、肩にかついで帰って来るのに出会した。銃も背嚢も日本のものだ。
渦巻ける烏の群
(新字新仮名)
/
黒島伝治
(著)
露西亜
(
ロシア
)
は地上のあらゆるものを乗越えて飛ぶ。他の国民と諸王国と諸帝国は傍へ寄って彼女に道を譲りながら、呆気にとられて
流眄
(
ながしめ
)
に見ている! ゴーゴリ
露西亜よ汝は飛ぶ
(新字新仮名)
/
百田宗治
(著)
当時人口に膾炙せし「伐てよ懲せよ清国を」の軍歌の清国の二字に代ふるに
露西亜
(
ロシア
)
国の四字を以てせしのみ、支那四百余洲を併呑すべしと放言せし口にて
外交の後援:(敵愾にあらず至誠にあり)
(新字旧仮名)
/
大石誠之助
(著)
左団扇
(
ひだりうちわ
)
で暮らしていたら、今日、この
露西亜
(
ロシア
)
との戦争には果たしてこのようにトントンと勝てていたかどうか。
初看板
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
大体ユーゴの言葉はブルガリアなぞと同じく
露西亜
(
ロシア
)
語と同語源のスラヴ語だというのでしたが、そのスラヴ語が私にはわからないのだから、仕方ありません。
墓が呼んでいる
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
その時に私は大に
心付
(
こころづ
)
きました、
成程
(
なるほど
)
露西亜
(
ロシア
)
は
欧羅巴
(
ヨーロッパ
)
の中で一種風俗の
変
(
かわっ
)
た国だと
云
(
い
)
うが、ソレに違いない。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
また日本の農民が
露西亜
(
ロシア
)
の民藝を摸したとて何の意味があろう。工藝は模倣を許さず侵略を許さぬ。与えられた風土の岩の上に、工藝の城が固く築かれてある。
工芸の道
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
陰惨なペトログラードや、モスクワオの生活をするものは、南
露西亜
(
ロシア
)
の自然と生活をどんなに慕うだろう。また、囚人の行くシベリヤをどんなに眼に描くだろう。
北と南に憧がれる心
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
しかし今宵の私の心のムウドに
沁々
(
しみ/″\
)
と親みをはこぶものは汝の死である。汝の埋められた
露西亜
(
ロシア
)
の遠い片隅の一寒村の墓地の光景は今もありありと私の前に浮ぶ。
愛は、力は土より
(新字旧仮名)
/
中沢臨川
(著)
階下
(
した
)
の
土壇
(
テラッス
)
で飯を食っていますと、ゴイゴロフという肺病やみの
露西亜
(
ロシア
)
人が、わたしのそばへやって来て、オイ、二階の先生、景気はいいか、というから、いや
犂氏の友情
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
露西亜
(
ロシア
)
の如き国状を醸し出すところの
狂妄
(
きょうもう
)
陋悪
(
ろうお
)
の思想や感情が行われたら飢餓で死ぬ人も沢山出来るであろうが、
然
(
さ
)
もない限りは貧乏は生命に別状は無いものだ。
貧富幸不幸
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
彼は早速ドーブレクの
邸
(
やしき
)
を抜け出してシャートーブリヤンの自邸へ帰った。そして最も得意とする
露西亜
(
ロシア
)
貴族の変装に取りかかった。部下も自動車でやって来た。
水晶の栓
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
運命、人生——
曽
(
かつ
)
て芳子に教えたツルゲネーフの「プニンとバブリン」が時雄の胸に
上
(
のぼ
)
った。
露西亜
(
ロシア
)
の
卓
(
すぐ
)
れた作家の描いた人生の意味が今更のように胸を
撲
(
う
)
った。
蒲団
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
これは
露西亜
(
ロシア
)
で
毎
(
つね
)
に知らぬ犬を呼ぶ名である。「シュッチュカ」、来い来い、何も
可怖
(
こわ
)
いことはない。
犬
(新字新仮名)
/
レオニード・ニコラーエヴィチ・アンドレーエフ
(著)
つい近ごろの新聞に、何とかいう
露西亜
(
ロシア
)
人は音楽を色彩であらわすことに成功したという話があった。
偶言
(新字新仮名)
/
津田左右吉
(著)
彼は中学生
対手
(
あいて
)
の雑誌を
編輯
(
へんしゅう
)
している文学者の話した、某劇場の前にいた二人の
露西亜
(
ロシア
)
女の処へ往って、
葡萄
(
ぶどう
)
酒をたくさん飲まされて帰って来たと云う話を思いだした。
青い紐
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
ふとさっきこんな向う見ずの自分を
掴
(
つか
)
まえても何んともうるさく云わなかったあの気さくな看護婦が
露西亜
(
ロシア
)
の女のように襟巻でくるくると顔を包んでいたのを思い出すと
菜穂子
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
このような服装のできる、そして専門は
露西亜
(
ロシア
)
文学の、独りで一軒の家の主人となって自由に暮していられる女性の生活が、伸子にはひどく悠々独立的なものに想像された。
伸子
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
“露西亜”の意味
《固有名詞》
露 西 亜
「ロシア」の漢字表記。
(出典:Wiktionary)
露
常用漢字
中学
部首:⾬
21画
西
常用漢字
小2
部首:⾑
6画
亜
常用漢字
中学
部首:⼆
7画
“露西亜”で始まる語句
露西亜人
露西亜名
露西亜軍
露西亜文字
露西亜兵
露西亜物
露西亜船
露西亜語
露西亜辺
露西亜風