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軽業
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かるわざ
ふりがな文庫
“
軽業
(
かるわざ
)” の例文
旧字:
輕業
こっちへやって来たが心配するな。お前さん、
軽業
(
かるわざ
)
が出来るかい。両手と両足とで、この両側の壁を踏んまえて、穴蔵の天井に身体を
深夜の市長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
まるで
軽業
(
かるわざ
)
のような芸当ですが、探偵団員たちは、日ごろから、いざというときの用意に、こういうことまで練習しておいたのです。
少年探偵団
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
で、往来の両側には、女芝居や男芝居の、
垢離場
(
こりば
)
の芝居小屋が立っている。
軽業
(
かるわざ
)
、落語、女義太夫——などの掛け小屋もかかっている。
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「うまく勤まるかどうだか。それにしても君ちゃん、お前の方はどうなるのだい、お前はあの
軽業
(
かるわざ
)
と一緒に旅に出る気なのかい」
大菩薩峠:09 女子と小人の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
小舎
(
こや
)
の
外
(
そと
)
へ
出
(
で
)
てからも、
町
(
まち
)
の
中
(
なか
)
を
歩
(
ある
)
いても、この
軽業
(
かるわざ
)
小舎
(
ごや
)
で
鳴
(
な
)
らしている、ドンチャン、ドンチャンの
音
(
おと
)
が
耳
(
みみ
)
についたのでした。
公園の花と毒蛾
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
▼ もっと見る
危険を冒すことだけが登山の最大の意義だというんなら、それはスポーツの
軽業
(
かるわざ
)
主義だよ。……君、君、そこで
嚊
(
いびき
)
なんかかいちゃ駄目だよ。
ノンシャラン道中記:07 アルプスの潜水夫 ――モンブラン登山の巻
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
聖
(
サン
)
モリッツあたりのリンクで、
軽業
(
かるわざ
)
のような目ざましいスケイティングをやってる連中を見ると、大抵は専門家ばかりである。
踊る地平線:11 白い謝肉祭
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
しかしこれは、いくらか乗馬の経験を持っている私にそう見えただけで、
軽業
(
かるわざ
)
見物のつもりで来ている連中には気付かれないかも知れない。
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
その素性を知っているのが、闇太郎等の、ごく
僅
(
わず
)
かな連中——
軽業
(
かるわざ
)
お初といわれるほどの女さえ、この庵の秘密は知らない。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
私は現代が、夜光虫と
欧羅巴
(
ヨーロッパ
)
スタイルのグランド・ホテル・ド・横浜のダンシング・ホールと空中の
軽業
(
かるわざ
)
だと断定する。
恋の一杯売
(新字新仮名)
/
吉行エイスケ
(著)
芸術より外に楽しみのある可き筈はないと、
一途
(
いちず
)
に思い込んで居た私にとって、
軽業
(
かるわざ
)
の稽古にも等しい彼の遊戯が無意味に見えたのは当然なのです。
金色の死
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
殊に両国は西と東に分れていて、双方に同じような観世物や、
軽業
(
かるわざ
)
、浄瑠璃、芝居、講釈のたぐいが小屋を列べているのだから、おたがいに競争が激しい。
虎
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
ろくろ首が三味線を
弾
(
ひ
)
いている、それから顔は人間で胴体は牛だと称する奇怪なものや、
海女
(
あま
)
の手踊、
軽業
(
かるわざ
)
、こま
廻
(
まわ
)
し等、それから、竹ごまのうなり声だ
めでたき風景
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
見ると一人は手に
剃刀
(
かみそり
)
とちり紙を持っている。彼女は順吉に命じて
軽業
(
かるわざ
)
のような恰好をさせて、もの慣れた顔つきで器用に剃刀をあつかって毛を
剃
(
そ
)
りおとした。
夕張の宿
(新字新仮名)
/
小山清
(著)
しかし参吉はきまえよく二人分の銭を出し、芝居を一つと
軽業
(
かるわざ
)
を見たのち、掛け茶屋であべ川餅を喰べた。
落葉の隣り
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
飛び上った時には寒くて
震
(
ふる
)
えて居ましたが、しかし非常に愉快でした。妙なもので子供の時に見た
軽業
(
かるわざ
)
がよい所で役に立ったものだと大いに愉快を感じたです。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
その晩、信州路を廻って、散々の不入に悩まされた
軽業
(
かるわざ
)
の一座が、安泊りに入る路用もなく、碓氷峠の出口に、
古幟
(
ふるのぼり
)
を天幕にして、馴れた野宿をして居りました。
裸身の女仙
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
方
(
ほう
)
二、三町の空地で、最初の貸自転車屋があり、借馬屋があり、花相撲や
軽業
(
かるわざ
)
もときどき興行、チャリネの曲馬も第一回はここで大当り、平素もなかなかの賑わいで
明治世相百話
(新字新仮名)
/
山本笑月
(著)
手品か
軽業
(
かるわざ
)
か足芸のようなものを見て、帰りに葦簾張りの店へはいって氷水を飲むか、あるいは熱い「ぜんざい」を食った。この熱いぜんざいが妙に涼しいものであった。
涼味数題
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
磧も狭しと見世物小屋を掛け
聯
(
つら
)
ねて、
猿芝居
(
さるしばい
)
、娘
軽業
(
かるわざ
)
、
山雀
(
やまがら
)
の芸当、剣の刃渡り、
活
(
い
)
き人形、名所の
覗
(
のぞ
)
き
機関
(
からくり
)
、電気手品、
盲人相撲
(
めくらずもう
)
、評判の
大蛇
(
だいじゃ
)
、
天狗
(
てんぐ
)
の
骸骨
(
がいこつ
)
、手なし娘
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
嚢
(
ふくろ
)
の口から順々に這い出して火の気のない部屋の中を、寒そうにおずおず歩いたり、
履
(
くつ
)
の先から膝の上へ、あぶない
軽業
(
かるわざ
)
をして這い上りながら、
南豆玉
(
なんきんだま
)
のような黒い眼で、じっと
仙人
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
寺院がそう立揃わないうちは、真中の空地に綱わたりや、野天の
軽業
(
かるわざ
)
がかかっていた。
旧聞日本橋:17 牢屋の原
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
火事の半鐘が鳴り、消防隊は大きな広辻に集り、そこであらゆる種類の
軽業
(
かるわざ
)
を行う。
日本その日その日:03 日本その日その日
(新字新仮名)
/
エドワード・シルヴェスター・モース
(著)
茶の後、直ぐ川を渡って針葉樹林の
生態
(
せいたい
)
を見に行く。
濶
(
はば
)
五
間
(
けん
)
程の急流に、
楢
(
なら
)
の大木が倒れて自然に橋をなして居る。幹を踏み、
梢
(
こずえ
)
を踏み、終に枝を踏む
軽業
(
かるわざ
)
、幸に関翁も妻も事なく渡った。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
だから一向反対宣伝も
要
(
い
)
らなければこの
軽業
(
かるわざ
)
テントの中に入って異教席というこの光栄ある場所に私が数時間
窮屈
(
きゅうくつ
)
をする必要もない。然しながら実は私は六月からこちらへ
避暑
(
ひしょ
)
に来て
居
(
お
)
りました。
ビジテリアン大祭
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
二丁目の
熊
(
くま
)
の
相撲
(
すもう
)
、竹川町の犬の踊り、四丁目の角の貝細工、その他、砂書き、
阿呆陀羅
(
あほだら
)
、
活惚
(
かっぽれ
)
、
軽業
(
かるわざ
)
なぞのいろいろな興行で東京見物の客を引きつけているところは、浅草六区のにぎわいに近い。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
萩
(
はぎ
)
の
袖垣
(
そでがき
)
から
老梅
(
ろうばい
)
の枝へと、
軽業
(
かるわざ
)
でも見せるように
逃
(
に
)
げてしまった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
軽業
(
かるわざ
)
の子らひるがへる柱より光る春かもや山はとよもす
夢殿
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
聞えよがしに大きく叫んで、ひょいと欄干を飛越すと、いきなり、もんどりうって、船の
小縁
(
こべり
)
にぶら下った。命の
瀬戸際
(
せとぎわ
)
の
軽業
(
かるわざ
)
だ。
魔術師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
少年
(
しょうねん
)
は、
綱渡
(
つなわた
)
りをしたり、さおの
上
(
うえ
)
で
逆立
(
さかだ
)
ちをしたり、いろいろの
軽業
(
かるわざ
)
をするようになるまでは、どれほど、つらいめをみたかしれません。
サーカスの少年
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「……マアマア。そんげなトコロじゃ。どうじゃい小僧。ワシは
軽業
(
かるわざ
)
の親分じゃが、ワシの相手になって軽業がやれるケエ」
超人鬚野博士
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
では犯人の人数が多くて、
軽業
(
かるわざ
)
でもやるように肩車をして、総一郎を吊りあげたろうかと考えるのに、これもちと
可笑
(
おか
)
しい。
蠅男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
小芝居、手品、見世物、
軽業
(
かるわざ
)
、——興行物の掛け小屋からは、陽気な鳴り物の音が聞こえ、
喝采
(
かっさい
)
をする見物人の、拍手の音なども聞こえて来た。
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「後ろから見ると、あの通り美しい女に見えるが、前に廻って見れば
言語道断
(
ごんごどうだん
)
のものだ。さあ与八、ここに
軽業
(
かるわざ
)
がある」
大菩薩峠:09 女子と小人の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
カーテンの
頂辺
(
てっぺん
)
へ登つて行つて綱渡りのやうな
軽業
(
かるわざ
)
をした仔猫の動作が、つい昨日のことのやうに眼に残つてゐる庄造は、腰のあたりがゲツソリと痩せて
猫と庄造と二人のをんな
(新字旧仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
その中にも、
軽業
(
かるわざ
)
の玉水一座の絵看板がお静の注意をひきました。花形の
太夫
(
たゆう
)
は
小艶
(
こえん
)
という二十四五の女で、かつては水茶屋のお静と張り合った両国第一の人気者。
銭形平次捕物控:118 吹矢の紅
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
小さいながら定小屋もあって、
軽業
(
かるわざ
)
、奇芸の見世物まで、夜も
人足
(
ひとあし
)
を吸い寄せているのであった。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
蕪
(
かぶ
)
と
玉菜
(
たまな
)
と百姓を満載したFORD——フォウドは
何国
(
どこ
)
でも蕪と玉菜と百姓のほか満載しない——や、
軽業
(
かるわざ
)
用みたいにばかにせいの高い自転車や、犬や坊さんや兵士や、やがて
踊る地平線:05 白夜幻想曲
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
演芸は少年二名の目まぐるしい器械体操式
軽業
(
かるわざ
)
に始まり、妙齢美人馬上の妙技、小形の馬車へ犬を乗せて大猿の馭者、一本足の大男が美人の肩に乗って危ない逆立ちなど大愛嬌。
明治世相百話
(新字新仮名)
/
山本笑月
(著)
浅草へ行く積りであったがせっかく根岸で味おうた清閑の情を
軽業
(
かるわざ
)
の太鼓
御賽銭
(
おさいせん
)
の音に
汚
(
けが
)
すが厭になったから山下まで来ると急いで鉄道馬車に飛乗って京橋まで窮屈な目にあって
根岸庵を訪う記
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
けれども
今日
(
こんにち
)
の文楽は僕の昔見た人形芝居よりも
軽業
(
かるわざ
)
じみたけれんを使つてゐない。
本所両国
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
軽業
(
かるわざ
)
、女
相撲
(
ずもう
)
、
江州音頭
(
ごうしゅうおんど
)
、
海女
(
あま
)
の
手踊
(
ておどり
)
、にわかといった
類
(
たぐい
)
のものが
頗
(
すこぶ
)
る多かった、その中でも江州音頭とか海女の手踊、女軽業などというものになると、これは踊りや芸その物よりも
楢重雑筆
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
的
(
まと
)
がなくって弓の修業が出来ますか。
軽業
(
かるわざ
)
、
手品
(
てじな
)
だって学ばねばならんのです。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ぞっとするような見事な
軽業
(
かるわざ
)
をして見せることもあるのよ、どうですか諸君、素晴らしいって、こんな素晴らしいペンギン鳥が他にもう一羽いるというなら、本当にお目にかかりたいくらいだわ。
ノンシャラン道中記:08 燕尾服の自殺 ――ブルゴオニュの葡萄祭り――
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
軽業
(
かるわざ
)
だとか
因果者師
(
いんがものし
)
だとかのかけ小屋が幾つも建てられ、色々なたべ物や玩具の露店が軒を並べ、ドンチャンドンチャンと大変な騒ぎです。
盗難
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「
私
(
わたし
)
が
上
(
あ
)
がります。」と、
少年
(
しょうねん
)
はいいました。
軽業
(
かるわざ
)
をしていた、
鍛
(
きた
)
えられた
体
(
からだ
)
は、やすやすと
崖
(
がけ
)
を
登
(
のぼ
)
って、
隠
(
かく
)
してあった、
宝物
(
たからもの
)
の
包
(
つつ
)
みを
持
(
も
)
ってきました。
サーカスの少年
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
女の
軽業
(
かるわざ
)
足芸
(
あしげい
)
の
類
(
たぐい
)
は多くは前の通りで、新たに加わったお君が「道成寺」を出すということが人気でありました。
大菩薩峠:09 女子と小人の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
さいしょは
軽業
(
かるわざ
)
の南左衛門という親方のところで、玉乗りやブランコの
稽古
(
けいこ
)
をさせられておりました。
銭形平次捕物控:168 詭計の豆
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
このお初というのは、以前は、両国の小屋で、
軽業
(
かるわざ
)
の太夫として、かなり売った女だった。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
「な、な、なるほど、なるほど、さよか。特殊も特殊、まるで
軽業
(
かるわざ
)
のような推理だすな」
蠅男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
軽
常用漢字
小3
部首:⾞
12画
業
常用漢字
小3
部首:⽊
13画
“軽業”で始まる語句
軽業師
軽業的
軽業芸
軽業舞踊