“経綸:けいりん” の例文
“経綸:けいりん”を含む作品の著者(上位)作品数
吉川英治10
徳富蘇峰2
中里介山2
内田魯庵2
神西清2
“経綸:けいりん”を含む作品のジャンル比率
社会科学 > 法律 > 法律12.5%
社会科学 > 社会科学 > 論文集・評論集・講演集11.1%
社会科学 > 政治 > 政治史・事情6.7%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
さすがに社会的経綸けいりん神算しんさん鬼工きこうを施したる徳川幕府も、定命ていめいの外にづべからず。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
かえってこういう空想を直ちに実現しようと猛進する革命党や無政府党の無謀無考慮無経綸けいりんを馬鹿にし切っていた。
二葉亭追録 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
彼の経綸けいりんは、彼の不覊ふきなる傲骨ごうこつと共に、寂寥せきりょうたる蕭寺しょうじの中に葬られたり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
もっとくだけていおうならば、胸中には、国を治め、民を安んずる経綸けいりんがいっぱいで、ほかに私慾をいれる余地もないくらいだというのだ。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
金に逼迫ひっぱくしていたから金も儲けたかったろうが、金を儲ける以外に大なる経綸けいりんがあった。
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
語学校に教授を執った時もタダの語学教師たるよりは露西亜を対照としての天下国家の経綸けいりんを鼓吹したので、松下村塾の吉田松陰を任じていた。
二葉亭追録 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
石川数正が帰って来て、しきりに秀吉の大気や、大坂築城の経綸けいりんの大をたたえたので、家中の反感は、却って勃然ぼつぜんたるものを現わし、
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
信長には、用心ぶかい家康などには、到底、空想もなし得ない経綸けいりん雄志ゆうしと、壮大極まる計画があった。理想にともなう実行力があった。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
桜痴福地おうちふくち先生は世の変遷に経綸けいりんの志を捨て遂に操觚そうこの人となりぬ。
小説作法 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
そこで早速我輩の部下に任用したが、果して学問の造詣深きのみならず経綸けいりんの才があって、種々の方面に我輩の参謀となり秘書となって輔佐してくれた。
東洋学人を懐う (新字新仮名) / 大隈重信(著)
皇城の守護も、市政も、地方の経綸けいりんも、彼はみずから身をもって任じていた。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
よく経綸けいりんの業をべ、めぐりのぼ輔弼ほひつえい
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
後世の国をおさむる者が経綸けいりんを重んじて士気しきを養わんとするには
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
たとひその抱負は四海を覆ひその材能は天下を経綸けいりんするに足る者ありしとするも、一事為すなきのあとに徴して、断じて庸劣と為す、強ひて弁ずべからざる者あり。
病牀譫語 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
そのあくびで、二人の経綸けいりんが興をさまし、南条が苦々しいかおに軽蔑を浮べて、こちらを向き直るところを、がんりきがまた思いきって両手を差し上げて伸びを打ち、
大菩薩峠:29 年魚市の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
経綸けいりんを一代に行うの抱負が無く、もとより天下を味方にするの徳もなく、また天下を敵とするの勇もない。さりとて巌穴がんけつかんに清節を保つの高風もない。
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
対世界の見地けんちより経綸けいりんを定めたりなど云々うんぬんするも
八大家文を読み論語をさえ講義し天下を経綸けいりんせんとする者が、オメオメと猿が手を持つありすねを持つの風船に乗って旅しつつ廻るのと、児戯に類する事を学ばんや。
良夜 (新字新仮名) / 饗庭篁村(著)
水や土を相手に、ここへ肥沃ひよくな人煙をあげようとする治水開墾の事業も、人間をあいてに、人文のはなを咲かせようとする政治経綸けいりんも、なんの変りもないことと考える。
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
龍興の顔が青くなった。それ程でなくても、すぐ眉に針を立てる人である。我儘放埒わがままほうらつは、父義龍と似ているが、義龍ほどな剛愎ごうふくもなし経綸けいりんもない彼だった。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼は大胆にして細心さいしん経綸けいりんむと
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ビスマルクが将来の経綸けいりんたるや、オーストリアをゲルマン連邦より拒絶しこれを東方にさいし、バルカン諸小国を併滅せしめ、ダニューブにそうて東漸せしめ、サロニカをしてその首都たらしめ
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
すなわちわが日本の将来はいかになさざるべからざるかの経綸けいりんは、ただ日本の社会をしてさらに他の干渉することなく、妨害することなくんば将来の日本はいかになるべきかの推測より定まるものなり。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
——短くはあったが、かの信長の一生には、そのしょも見られなかった文治文化面の施策しさくを秀吉は経綸けいりんの一歩として、この忙しい天正十三年のまっただ中で、すでに着手していたのであった。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
太閤たいこうの亡き後を、さながら落日の美しさのように、よけいに権威を誇示して見せている秀頼や淀君の大坂城と、関ヶ原の役から後、拍車をかけて、この伏見の城にあり、自ら戦後の経綸けいりんと大策に当たり
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼の経綸けいりんは常に後手をふんだ。
軍事にかけては、ほとんど天才と言っていい大村は、新政府の中枢ちゅうすうともいうべき兵部大輔のこの要職を与えられると一緒に、ますますその経綸けいりんを発揮して、縦横無尽じゅうおうむじんの才をふるい出したのである。
流行暗殺節 (新字新仮名) / 佐々木味津三(著)
軒冕けんべん(高貴の人の乗る馬車)の中におれば、山林の気味なかるべからず。林泉りんせん田舎いなかの意)の下にりては、すべからく廊廟ろうびょう朝廷ちょうてい)の経綸けいりんいだくを要すべし」と。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
およそ天下を経綸けいりんするうつわでないものが、天下の事を望むくらい、世に百害を生じさせるものはない。また、そのような者が、時の利と勢いを得て、いったん天下を掌握したところで、却って破滅のもとたるはいうまでもない。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あのおやじ様は道理にも明るく経綸けいりんもあるよい人だ。ただ惜しいかな名利がてられぬ。信頼のぶより信西しんぜいほどの実行の力も気概もない。そして関白争いなどと云うおかしな真似まねをしでかしては風流学問に身をかわす。惜しい人物だ。
雪の宿り (新字新仮名) / 神西清(著)
あのおやぢ様は道理にも明るく経綸けいりんもあるよい人だ。ただ惜しいかな名利がてられぬ。信頼のぶより信西しんぜいほどの実行の力も気概もない。そして関白争ひなどと云ふをかしな真似まねをしでかしては風流学問に身をかはす。惜しい人物だ。
雪の宿り (新字旧仮名) / 神西清(著)
いやしくもギリシア史を読んだものは、アテネの名士テミストクレス(Themistocles)がオストラキズムス(Ostracismus)を行って、政敵アリスティデス(Aristeides)を追放し、心のままに自家の経綸けいりんを施して、大敵ペルシアを破ったことを知っているであろう。
法窓夜話:02 法窓夜話 (新字新仮名) / 穂積陳重(著)
法典ヶ原の開墾に従事して、およそ二ヵ年足らずのあいだ、土に親しみ、農田の人々と一緒に働いてみて、自己の兵法を、大きな治国や経綸けいりんの政治にかしてみたいという野心はかつて本気で抱いてみたことであるが——江戸の実情と、天下の風潮、まだまだ決して、彼が理想するような所までには、実際において来ていない。
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
今やその浪子と姥の幾はようやくに去りて、治外の法権れしはやや心安きに似たれど、今もかの水色眼鏡の顔見るごとに、髣髴ほうふつ墓中の人ので来たりてわれと良人おっとを争い、主婦の権力を争い、せっかく立てし教育の方法家政の経綸けいりんをも争わんずる心地ここちして、おのずから安からず覚ゆるなりけり。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)