東洋学人を懐うとうようがくじんをおもう
小野梓君は、我輩の最も大切な友人の一人であって、年齢よりいえば我輩の後輩であった。小野君は勇気勃々たる青年であって欧米の新智識を有し、我輩の如きも学問の上に於て君の教えを受けたことも尠なくなかった。当時政治の局に当りし人々は皆旧思想を有する …