“軒冕”の読み方と例文
読み方割合
けんべん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
学者一度ひとたび志を立てては、軒冕けんべんいざなう能わず、鼎鑊ていかくおびやかす能わざるものがなくてはならぬ。匹夫ひっぷもその志は奪うべからず、いわんや法律家をや。
法窓夜話:02 法窓夜話 (新字新仮名) / 穂積陳重(著)
軒冕けんべん(高貴の人の乗る馬車)の中におれば、山林の気味なかるべからず。林泉りんせん田舎いなかの意)の下にりては、すべからく廊廟ろうびょう朝廷ちょうてい)の経綸けいりんいだくを要すべし」
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
「楽しみ全くして始めて志を得たといえる。志を得るとは軒冕けんべんの謂ではない。」と。澹然無極たんぜんむきょくとでもいうのがこの老人の理想なのであろう。子路にとってこうした遁世哲学とんせいてつがくは始めてではない。
弟子 (新字新仮名) / 中島敦(著)