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た
ふりがな文庫
“
発
(
た
)” の例文
旧字:
發
朝とも
午
(
ひる
)
ともつかぬ食事をしてから、叔父は三時五十分ので
発
(
た
)
つと云い出した。せめて葉子が帰ってくるまで、と云って皆でとめた。
恩人
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
お父さまたちが
発
(
た
)
っていらしたら、さっそく仕事にかかりましょうね。……(テーブルの上の書類を、いらだたしく
選
(
え
)
り分けながら)
ワーニャ伯父さん:――田園生活の情景 四幕――
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
例によって浜辺には見送りの島の者がずらりと並んで
別
(
わかれ
)
を惜しんでいる。(一年に三、四回しか見られない大きな船が
発
(
た
)
つのだから。)
環礁:――ミクロネシヤ巡島記抄――
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
こうして地主
館
(
やかた
)
から馬車を見られないようにして
発
(
た
)
ってしまう魂胆であった。彼はプリューシキンのところへ行こうと思ったのだ。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
そして事務長がはいって来た時途切らした話の糸口をみごとに忘れずに拾い上げて、東京を
発
(
た
)
った時の模様をまた
仔細
(
しさい
)
に話しつづけた。
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
▼ もっと見る
私どもは
発
(
た
)
つのを延ばしてくれとは頼みかねましたが、あの人は娘がもっと落ち着くのを見るまで自分からとどまってくれました。
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
「あんたさ、隊へ、帰るのじゃないのけ、五卿様のお行列さ、もう、よんべ、伏見街道さ
発
(
た
)
って、京都へ行かしゃったという噂だによ」
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
蟹沢から飯山迄は便船も
発
(
た
)
つ、もし舟が嫌なら、途中迄車に乗つて、それから雪橇に乗替へて来るやうに、と書いて呉れと頼んだ。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「幾時の汽車で、お
発
(
た
)
ちなのかしら。」ゆきさんは、
流石
(
さすが
)
に落ちつきを取りもどし、何事もなかったように、すぐ言葉をつづけてくれた。
八十八夜
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
自分も商人となって都へ上りたいということを頼んだところ、雀部は気やすくひきうけて、「今度は何日ごろ
発
(
た
)
つつもりです。御一緒に」
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
ギルバート群島からのぼって
発
(
た
)
ったときはうまくいったけれどねえ、ボルネオから発ったときはすっかりしくじっちゃったんだ。
風野又三郎
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
朝鮮に
発
(
た
)
つとき俺は、朝鮮行きを
秘匿
(
ひとく
)
するためにも、俺のいない間に無断で部屋を始末したりしたら承知しねえぞとおどしつけておいた。
いやな感じ
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
「畑物に月がさしたらそれはみな仏の座のように申します。それに、間もなく宮仕えに
発
(
た
)
たれるあなたさまに、誰が何を申しましょうぞ。」
津の国人
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
すぐここをお
発
(
た
)
ちになるが
宜
(
よろ
)
しゅうございます、決して
何人
(
たれ
)
にも云ってはなりません、そのことを云うと、
生命
(
いのち
)
にかかわります
竈の中の顔
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
一度
発
(
た
)
つ前に心からお礼を申し上げたいと思っていましたところへ、昨日
MISS
(
ミス
)
・キャゼリンが来られたと聞きましたので
ナリン殿下への回想
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
信吾の不意に
発
(
た
)
つて以来、富江は長い手紙を三四度東京に送つた。が、葉書一本の返事すらない。そして富江は
相不変
(
あひかはらず
)
何時でも
噪
(
はしや
)
いでゐる。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
李剛 あした
発
(
た
)
つ? それはまた急だねえ。だが、日本の客は予定よりすこし早く着くことになった様子だから、なるほど。
安重根:――十四の場面――
(新字新仮名)
/
谷譲次
、
林不忘
(著)
去年の五月に江戸を
発
(
た
)
って、やがて小一年になる。雪のやむのを待って早々に出発しても、上野や向島の今年の花はもう見られまいと思った。
半七捕物帳:33 旅絵師
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
三年前に日本を
発
(
た
)
った時には、ある大きな争議の直後で相当眼をつけられていた男だけに今度帰ってもしばらくは表面に立つことができない。
癩
(新字新仮名)
/
島木健作
(著)
男だから毎週土曜日の午後には東京を
発
(
た
)
つて小田原の別荘へ行く事に
定
(
き
)
めてゐる。別荘には夫人が待つてゐる。夫人は言ふ迄もなく女である。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
泊まった遍路が
発
(
た
)
つときに必ずお札を一枚ずつ貼って出て行く出口の大戸、それはお札のために盛りあがるくらい分厚くなっているその大戸に
抱茗荷の説
(新字新仮名)
/
山本禾太郎
(著)
それにまた、明後日の朝彼が
発
(
た
)
つのだとすると、これきり当分会えないことになる……そうした気持も手伝っていたのだ。
遁走
(新字新仮名)
/
葛西善蔵
(著)
何だか泣きたいような気持になって、儘になるなら
直
(
すぐ
)
にも
発
(
た
)
ちたかったが、こうなると当惑するのは、今日の観劇の費用が思ったよりも
嵩
(
かさ
)
んで
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
北海道開拓次官となって
樺太
(
からふと
)
に
発
(
た
)
つのが明治三年七月二十七日(『大久保利通日記』)、井上清氏の労作『日本の軍国主義』につぎの記載がある。
黒田清隆の方針
(新字新仮名)
/
服部之総
(著)
この汽車は新橋を昨夜九時半に
発
(
た
)
って、
今夕
(
こんせき
)
敦賀に入ろうという、名古屋では
正午
(
ひる
)
だったから、飯に一折の
鮨
(
すし
)
を買った。
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「大次郎さまはこのお山に、何か御用がおありだという話のようだけれど、お父さまは、いったいいつ江戸へお
発
(
た
)
ちになるおつもりなのだろう。」
煩悩秘文書
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
いつもながら、不得要領なお返事ばかりで当方の迷惑は一通りではない。こちらを
発
(
た
)
つ時にはあれほど堅い約束をして置きながら何と云うことだ。
田舎医師の子
(新字新仮名)
/
相馬泰三
(著)
そツで、胸ん中で、さいならて云ふて、こぎやんして降りて来たツた。そるけん、もうなんも云はでん
発
(
た
)
たせツくれな。
牛山ホテル(五場)
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
その日の朝徒歩でパリーを
発
(
た
)
ったこと、子供を背負っていたので疲れを覚えると、幸いにヴィルノンブル行きの馬車に出会ってそれに乗ったこと
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
「ステッセルも一生懸命だとみえますな。まだ兵力が足りなくって第八師団も今度旅順に向かって
発
(
た
)
つという
噂
(
うわさ
)
ですな」
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
四月上旬(注・昭和二十九年)には日本を
発
(
た
)
って、アメリカからヨーロッパを回ってくる予定で、いま準備中である。
欧米料理と日本
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
翌朝五時半には、私どもは粉奈屋を
発
(
た
)
った。空は薄く曇っているが、月があるので明るい。新しい
草鞋
(
わらじ
)
に、少しく湿った土を踏んでゆく心持はよい。
白峰の麓
(新字新仮名)
/
大下藤次郎
(著)
またすぐ、こゝを
発
(
た
)
つて行くひとだらうか……。それにしても、同じ屋根の下に二度も吹き寄せられる人間の奇遇を、ゆき子は
愉
(
たの
)
しいものに思つた。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
善平は初めて心づきたるごとく、なに帰る?
私
(
わし
)
も帰るさ。一時も早く東京へ帰って、
何彼
(
なにか
)
の手はずを
極
(
き
)
めねばならぬ。光代、明日ははやく
発
(
た
)
とうぞ。
書記官
(新字新仮名)
/
川上眉山
(著)
発
(
た
)
ち
際
(
ぎは
)
のあわたゞしさの中でも、彼を思ひ、是を思ひ、時に
朦朧
(
もうろう
)
とした、時に
炳焉
(
へいえん
)
とした悲しみに胴を顫ひ立たせ
途上
(新字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
京都へは一週間ほど前に、伯父の病気がアブナシとの電報があつたので母はもう老齢で行けないし、自分独りで葬式に参列するつもりで
発
(
た
)
つたのである。
現代詩
(新字旧仮名)
/
武田麟太郎
(著)
寺田は何か後味が悪く、やがて競馬が
小倉
(
こくら
)
に移ると、1の番号をもう一度追いたい気持にかられて九州へ
発
(
た
)
った。
競馬
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
向うから小さな人影が来た、生きて動いて、何か帽子に幽かな円光を
発
(
た
)
てて。陽を
真正面
(
まとも
)
に受けたのであった。
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
「一番で
発
(
た
)
ったあと、すぐ、青柳さんのところ宛、電報を打つつもりじゃ。ウナ電で打ちゃ汽車より早よ着く」
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
そして、のんきに旅をすることができるように、彼らは朝早くヴルツブルクを
発
(
た
)
った。伯爵は自分の従者たちに命じて、あとからきて追いつくように言った。
幽霊花婿:ある旅人の話
(新字新仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
……江戸を
発
(
た
)
って甲州路、府中の宿へかかった頃から、後になったり先になったり、稀有の
奴
(
やっこ
)
が附いて来た。
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「鎌倉を
発
(
た
)
って西国に参った者は、義経の命にそむくことは許されぬ、さもなくば、とっとと鎌倉に帰れ」
現代語訳 平家物語:11 第十一巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
わたしはすぐ兄さんを
発
(
た
)
たせてあげます。自分で旅券を取ってあげます、旅券を二枚。一枚は兄さんので、もう一枚はわたしのです。わたしには友人があります。
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
彼は旅装を解くとすぐ寝台に横になり、疲労の
恢復
(
かいふく
)
に努めることにした。そうしているときも、彼が東京を
発
(
た
)
つとき、パリからここへ来たことのある医者の友人が
罌粟の中
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
翌
(
あく
)
る日、お駒は
溜
(
たま
)
った給料を受取った上、
外
(
ほか
)
に手当百両を貰い、平次とガラッ八に送られて、故郷の越後へ
発
(
た
)
ちました。確かな
道伴
(
みちづれ
)
を見付けて、板橋から別れる時
銭形平次捕物控:021 雪の精
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
そうして、カムポスを加えた三人の者が、「
蕨の切り株
(
トッコ・ダ・フェート
)
」へとリオ・デ・ジャネイロを
発
(
た
)
っていった。
人外魔境:05 水棲人
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
船が
桑港
(
サンフランシスコ
)
に入る前夜、ぼくは日本を
発
(
た
)
つとき、学校の先生から
頼
(
たの
)
まれた、
羅府
(
ロスアンゼルス
)
にいる先生の
親戚
(
しんせき
)
への
贈物
(
おくりもの
)
、女の着物の始末に困って、
副監督
(
ふくかんとく
)
のM氏に相談しました。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
「いや、ペテルブルグに来てるんですよ。二、三日前にやって来たんです。外国へ
発
(
た
)
つつもりらしい」
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
もっとも、竜一の姉の春子が、いよいよ正式に縁づくことになり、母の死後間もなく、東京に
発
(
た
)
って行ってしまったと聞いた時には、腹も立ったし、悲しくも思った。
次郎物語:02 第二部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
国に女房子を
置放
(
おきぱな
)
しにした罰が一緒に報って来て私は
女房
(
これ
)
のかの字を受けたと見えて
痳病
(
りんびょう
)
に
痔
(
じ
)
と来ました、これがまた二度めの
半病床
(
はんどや
)
と来て
発
(
た
)
つことが出来ませんで
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
“発”の解説
発(發、はつ)は、夏朝の第16代帝。『史記』などにあるように、一般には帝桀の父は帝発とされているが、一説には帝桀の兄という。
即位後、諸々の夷が発の門前に来て、舞を披露したという。
第16代
(出典:Wikipedia)
発
常用漢字
小3
部首:⽨
9画
“発”を含む語句
発見
出発
発生
発端
発足
発条
徴発
発覚
発句
発奮
発散
発程
発射
発条仕掛
発作
発矢
発止
発揮
発願
新発意
...