服裝ふくさう)” の例文
新字:服装
大概たいがいのことでは一かうさわがぬやうなかれ容子ようすほかからではさうらしくもえるのであつた。も一つは服裝ふくさうけつしてくずさぬことであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
なか/\にときのはやりにまぬ服裝ふくさうの、かへつて鶯帶あうたい蝉羅せんらにして、霓裳げいしやう羽衣うい風情ふぜいをなせる、そこの農家のうか姉娘あねむすめの、さと伯母前をばぜふなりしを。
婦人十一題 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
かろ服裝ふくさうせる船丁等ボーイらちうになつてけめぐり、たくましき骨格こつかくせる夥多あまた船員等せんゐんら自己おの持塲もちば/\にれつつくりて、後部こうぶ舷梯げんていすで引揚ひきあげられたり。
あなたの服裝ふくさうや態度は規則に縛られてゐるし、樣子は屡々遠慮深すぎ、そしてまた生れつき洗煉されたものではあるが、まつたく社交に慣れてをらず
北海道ほくかいだう移住後いぢゆうご冬時とうじ服裝ふくさうは、内地ないちりしときほとんどことならず。しかして當地たうち寒氣かんき左程さほどかんぜざるのみならず、凍傷とうしやうとう一度いちどをかされたることあらず。
命の鍛錬 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
宗助そうすけはつく/″\この織屋おりや容貌ようばうやら態度たいどやら服裝ふくさうやら言葉使ことばづかひやらを觀察くわんさつして、一種いつしゆどくおもひをなした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
わたくしはこの小娘こむすめ下品げひんかほだちをこのまなかつた。それから彼女かのぢよ服裝ふくさう不潔ふけつなのもやはり不快ふくわいだつた。最後さいごにその二とうと三とうとの區別くべつさへもわきまへない愚鈍ぐどんこころ腹立はらだたしかつた。
蜜柑 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
エイフツドクハク伊等イとう各國かくこく上等じやうとう船客せんきやくいづれも美々びゞしき服裝ふくさうして着席ちやくせきせる其中そのなかまじつて、うるはしき春枝夫人はるえふじん可憐かれん日出雄少年ひでをせうねんとの姿すがたえた。
しかし、をんなおほいので服裝ふくさうものるとか、二週間にしうかん旅行りよかうしてかへつてくると、きふにみんなのせい一寸いつすんづゝもびてゐるので、なんだかうしろからかれるやう心持こゝろもちがするとか、もうすこしすると
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
あらはれきたつた二個ふたりひとまぎらかたなき日本人につぽんじんで、一人ひとりいろ黒々くろ/″\とした筋骨きんこつたくましい水兵すいへい姿すがたこし大刀だいたうよこたへたるが、キツと此方こなたながめた、一人いちにんは、威風ゐふう凛々りん/\たる帝國海軍士官ていこくかいぐんしくわん服裝ふくさう