まさ)” の例文
「ペスでない、きっとほかのいぬだよ。まさちゃんは、なにをたのかわかりゃしない。」と、いちばんうえたっちゃんが、いいますと
ペスをさがしに (新字新仮名) / 小川未明(著)
きくさんと云ふ知つた女の人と、その子のおまささん、私の従兄いとこ二人、兄、番頭、そのほかの人は忘れましたが何でも十何輌と云ふ車でした。
私の生ひ立ち (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
「そうだろうとも。二日も行かなきゃ、師匠の小唄おまさが、迎えをよこすほどだって言うから、ワケだって大ありだろうよ」
おもざし父ににて、赤味あかみがちなおまさは、かいがいしきたすきすがたにでてきて、いろりに火をうつす。てつびんを自在じざいにかける。
告げ人 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
栄蔵は、木なりを見て来た「まさ」に、年も食って居る事だし、虫もついて居ないのだから、やすく見つもっても七八十円がものはあると云った。
栄蔵の死 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
ただ可哀かあいそうなのはおまささんだ(節蔵せつぞう氏の内君)、ソレけは生きて居られるように世話をしてる、足下は何としてもう事を聞かないから仕方がない
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
四カ月半ばかりの後、或人の世話で、優善は本所緑町の安田という骨董店こっとうてん入贅にゅうぜいした。安田の家では主人礼助れいすけが死んで、未亡人びぼうじんまさが寡居していたのである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
留守を守る女房のおまさは、おさすりからずるずるの後配のちぞいれっきとした士族の娘と自分ではいうが……チト考え物。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
学資は毎月月末に届くようにするから安心しろとあって、勝田かつたまささんの従弟いとこに当る人が大学校を卒業して、理科大学とかに出ているそうだから、尋ねて行って
三四郎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「クレーンを動かすスウィッチが、入っているかどうかを調べるんだ。オイ、まさはいるかッ」
夜泣き鉄骨 (新字新仮名) / 海野十三(著)
血相きっそうが変っていて、気味が悪うございますから、恒太郎が後逡あとじさりをするうしろに、最前から様子を見て居りました恒太郎の嫁のおまさが、湯呑に茶をたっぷりいで持ってまいりました。
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
吉岡の母おまさは、喜んで安行父子おやこを迎えた。吉岡も隣村では由緒ある旧家で、主人は一昨年世を去ったが、お政との間に二人の子供があった。総領は忠一と云って、帝国大学の文科に学んでいる。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
さてまた大橋文右衞門はおもて質屋しちやゆき番頭ばんとう久兵衞にあひ種々いろ/\相談の上漸く一兩日止置事とめおくこと取極とりきめて歸り來りしに新藤市之丞の見えざれば女房おまさに向ひ市之丞は如何いかゞいたせしやと云ひければお政然れば新藤氏は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「ねえ、まさどん」
大菩薩峠:26 めいろの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
二 おまさ
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
あんまりおもしろいので、まさちゃんはわらいました。まさちゃんばかりではありません。ていた子供こどもたちはみんなわらったのです。
お面とりんご (新字新仮名) / 小川未明(著)
大富おおとみからのびとと聞いたおまさは手のものをげだしてきた。懇切こんせつに使いの人のろう感謝かんしゃしたうえに、こまごまと死者のうえについての話を聞こうとする。
告げ人 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
「おまささんが御腹おなかが痛いって、だいぶ苦しそうですから、林さんでも頼んで見て貰いましょうか」
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「おい、まさッ!」わしは、クレーンの運転手をやっている男を、人垣の中に呼んだ。
夜泣き鉄骨 (新字新仮名) / 海野十三(著)
女房が歿なくなりましたので、弟子の恒太郎つねたろうという器用な柔順おとなしい若者を養子にして、娘のおまさめあわせましたが、恒太の伎倆うでまえはまだ鈍うございますから、念入の仕事やむずかしい注文を受けた時は
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
あげ私し事は越後高田の浪人大橋文右衞門と申者のつままさと申者にて八ヶ年以前夫婦御當地へ罷出まかりいで下谷山崎町吉兵衞たなに罷在し處浪人の身のうへなれば追々困窮こんきう零落仕れいらくつかまつり只今にては往來にたち一錢二錢の合力がふりよく
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
まさちゃんは、学校がっこうで、先生せんせいが、こんどなんでもってきて、図画ずが時間じかん写生しゃせいしてもいいと、おっしゃったことをおもしました。
政ちゃんと赤いりんご (新字新仮名) / 小川未明(著)
台屋だいやのかたでは、源四郎の細君さいくんまさとままははわかいやといおんなとの三人が、なにかまじめに話をしながら、ままははははすのかわをはぎ、お政と女はつと豆腐どうふをこしらえてる。
告げ人 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
「あすこにいたんだよ。どこへいったんだろうな?」と、まさちゃんはあたまかぜかせながら、ふしぎそうなかおつきをしていたのです。
お面とりんご (新字新仮名) / 小川未明(著)
満蔵は米搗き、兄は俵あみ、省作とおはまは繩ない、姉は母を相手にぼろつくろいらしい。稲刈りから見れば休んでるようなものだ。向こうのまさ公も藁をかついでやって来た。
隣の嫁 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
かあさんも、おねえさんも、まさちゃんの、そういうのをきくと、はたしてペスがかえってきたのかしらんとかんがえるようになりました。
ペスをさがしに (新字新仮名) / 小川未明(著)
「そんなら、どうして、んでもこなかったのだい、まさちゃんにわかる?」と、しょうちゃんが、いいました。まさちゃんはだまっていました。
ペスをさがしに (新字新仮名) / 小川未明(著)
まさちゃんは、自分じぶんがするときはえなくてわからなかったけれど、きよちゃんがすると、おもしろくてしようがなかったのです。
お面とりんご (新字新仮名) / 小川未明(著)
まさちゃんの機嫌きげんは、すっかりなおりました。このとき、いさむちゃんは、とっくにおおきなりんごをっててしまって、いなかったのであります。
政ちゃんと赤いりんご (新字新仮名) / 小川未明(著)
まさちゃんは、このあかいりんごから、たいへんなことがこったものだと、りんごをひろって、かばんのなかれてしまいました。
政ちゃんと赤いりんご (新字新仮名) / 小川未明(著)