)” の例文
「どうしたのでしょう。今日に限って、不吉なが出ました。なんとか口実をもうけて、ご出席は、お見合わせ遊ばして下さいませ」
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ナマヌル魂の木村父子はりょの文に所謂いわゆる鳥其巣をかれた旅烏、バカアバカアと自ら鳴くよりほか無くて、何共なんともせん方ないから
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「本人は山伏やまぶし崩れだと言つてはゐますがね。野伏せり見たいな野郎で、八祈祷きたう禁呪まじなひも心得てゐる上に法螺ほらと武術の達人で」
だん池谷いけのやしんらう骰子サイツ頭上づじやうにかざして禮拜らいはいする。ぼくなど麻雀マージヤンはしばしば細君さいくん口喧嘩くちけんくわ種子たねになるが、これが臨戰前りんせんまへだときつと八わるい。
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
「——喋るのはお仕舞いにしまっせ、か。これが永遠の喋り仕舞いとなるという意味かしら。ホイこれは良くないだて」
蠅男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
たちまち一人皮袴かわばかま乗馬し従者一人添い来って卜を請う、西に去って食をもとめんか東に求めんかと問うたんで、宗し東に向えと告げた。
楊はしばらくその匣を撫でまわしていたが、やがて匣の上にしんが金字で彫ってあるのを見いだして、彼は笑った。
これは天地否てんちひというです。自然の事を自然の順序に考えて行くと、万事が否定的のフン詰まりになるという、実に不可思議な玄理げんりをあらわした形です。
夫人探索 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
滄桑そうそうへんと云う事もある。この東京が森や林にでもなったら、御遇いになれぬ事もありますまい。——とまず、にはな、卦にはちゃんと出ています。」
奇怪な再会 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
翌朝、筮師を召して其のを判ぜしめた。害無しと言う。公は欣び、賞として領邑りょうゆうを与えることにしたが、筮師は公の前を退くと直ぐに倉皇そうこうとして国外に逃れた。
盈虚 (新字新仮名) / 中島敦(著)
ある時、自分の一生のを伺つてみようと思つたが、何が出るかその答へには好奇心が持てた。
地山謙 (新字旧仮名) / 片山広子(著)
しかしむかしから当るも八卦はっけ、当らぬも八卦という事がありますから、凶のに当ってもあまりお気におかけなさらん方がよいです。お年はおいくつでいらっしゃいます。
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
偶然の穴の口から出るを必然のものとして次に動こうと待ち構えているだけでございます。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
判斷はんだん成敗せいはいさすに其人の年れい月日時を聞てを立かんがへをほどこし云ふ事實にかみの如く世の人の知る處なり扨翌日にも成りければ靱負ゆきへは其身の吉凶きつきようを見ることゆゑ沐浴もくよくして身體しんたい
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「まあ勘次はそこで、坐っていて呉れればいいや、おめえが饒舌って源兵衛さんに泣かれていちゃあ寄合が流れちまう、……不識先生、なにかこれに就いては立たねえかい」
長屋天一坊 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
易者はまず伊之助のためにその年の運勢を占ったが、にあらわれたところは至極しごく良い。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
易のにしてもそうだ、ゼイ竹をくって卦をみる。その卦になんとか然るべき運勢の判断がでているわけだが、実際は易者の判断次第で、どうにでも理窟のつくシロモノなのである。
安吾巷談:12 巷談師退場 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
「決して間違いはありませんよ、此のは動いておりますから、生きております」
母の変死 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
占者がを立てて、こりゃ死霊しりょうたたりがある。この鬼に負けてはならぬぞ。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「へへへへ、なあに、そう弱っ腰になった理由わけは、じぶんの高札を見て浅ましい気におなんなすった——というんじゃあござんすめえ。一つ、この与助がを置いて、図星を当ててみやしょうか。」
煩悩秘文書 (新字新仮名) / 林不忘(著)
そうでなくとも平生が迷信深い浪人者でしたから、すっかりそのひとことにはまってしまい、こわごわをたててもらうと、それなる八卦見がまたなんによってそんな奇怪きわまる判定をしたものか
法師は古びた易書を繰って、などを読んで聞かせた。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
まず燕の卵と、蜂の巣と、蜘蛛くもとを、三つのはこにかくして、を立てさせたのです。——もとより厳秘のもとにそれは行われました。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「その五人の樣子を、くはしく話して見るが宜い。神田で八を置いて、高輪の犯人ほしを言ひ當てるのも、洒落れて居るだらう」
話の筋はまあこうだ。大道占いはどんなを置いたか知らねえが、おれの天眼鏡の方が見透しの筈だ。おい、どうだ。おれにも幾らか見料を出してもよかろう
半七捕物帳:47 金の蝋燭 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
初爻しょこうと上爻とが首尾相呼んでぐるぐるとデングリカエシをやッて螺線を描いて六十四だけにコロガリころがッて実はまだいくらにでもコロガリ出すことが出来るのサ。
ねじくり博士 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
蛇で占う事、『淵鑑類函』四三九に、『詩経類考』を引いて、江西の人、菜花蛇てふ緑色の蛇を捕え、そのわだかまる形を種々のと名づけ、禍福を判断し俚俗これを信ずとづ。
を立ててみると……どうじゃ……その盆踊りの晩に、お前の母親かかさんの腹に宿ったタネというのは、お前の父親てておや……すなわち文太郎のタネに相違ないという本文ほんもんが出たのじゃ。
いなか、の、じけん (新字新仮名) / 夢野久作(著)
おもてにん養育やういく萬人にかしづかれ給ふと御頼母おたのもしくも愛度めでたく鳥渡ちよつとうらなまゐらせ候あなかしこ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
たぶん私の一生のは「地水帥ちすいし」が出るのではないかと心に占つてゐた時
地山謙 (新字旧仮名) / 片山広子(著)
「これは雷水解らいすいかいと云うでな、諸事思うようにはならぬとあります。——」
奇怪な再会 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「分らないでどうするものか。わしも梅花堂流の易者だよ、それくらいなことは、とうに心のうちでを立てて観抜いている」
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「そいつは、俺にも見當はつかないよ。八うらなひの言ふことは、十手捕繩でどうなるものか、まア、氣を大きく持つて、樣子を見ることだな」
きよめ彼の白水翁はくすゐおうの方へ到りて頼みければ白水翁靱負に對ひ年れい生れし月日等を聞
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
卒伍そつごに編せらるゝに及び、ぼく北平ほくへいに売る。卜多く奇中して、市人伝えて以てしんとなす。燕王忠をして卜せしむ。忠卜してを得て、貴きこと言う可からずという。燕王の意ようやくにしてかたし。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
この八は間違ひもなく當るよ。——お松と仲の良い男は一體誰なんだ。お松が命にかけてもかばつてやらうと言ふのは——八五郎をのぞいてだよ
「ならば申すが……には“血光けっこうさい”という大凶が出ている。百日を出ぬまに、当家の財は崩れ、あなたは剣難に遭って一命を終るでしょう」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
呂範は君前をさがるとすぐ浄衣じょういに着かえて祭壇のある一房へ籠った。伏犠神農ふっきしんのうの霊にいのり、ひれ伏すこと一刻、占うこと三度みたび地水師ちすいしを得た。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もう一つ、八天惠てんけいとかに妙なことを言はせたのも、伊三郎の細工さいくだらう。三五郎親分にさう言つてあるから、いづれはお手當てになるだらうよ。
「なに、ほんの素人しろうと見たいな心當りで。でもお糸さんとやらに逢つて、一應訊いた上で、乘出すことにしませう」
「易といっても、わしのは心易しんえき、いや霊易れいえきといおう。地相、水相、また、天象てんしょうなど考えあわせ、じっと、目をつむったら、あの山に行けとが出た」
宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「イヤになるなア、金なんざ百も欲しくねえが、江戸の良い娘がベタれといふが出ませんかね。塵溜ごみだめをあさつてゐる雄鷄をんどりの生れ變りで結構だから」
山峡の絶巓ぜってんはいくらか平盤な地になっているとみえて、そこに賊の一群が見え「地公将軍ちこうしょうぐん」と書いた旗や、八の文を印した黄色ののぼりはたなど立て並べて
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、膝をあぐらに組直して、馬春堂の針をふくんだ手酌のあいさつ、この八見も一癖以上はありそうです。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
見せないぜ。近頃は御用も隙だし、信心詣りや金の工面に追ひ廻される柄ぢやなし、さてはの表は戀と出たか、兩國で助けた娘が、魔性の者でなきや宜いが——
べつに天下の地を相し大城を築いて住もう。——易経えききょうにもいう、卦面けめんに非ず解心げしんにありと。いずれにしても、またなき吉日。明日こそ待たれる。さあ、出ようか
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
お六は金棒曳かなぼうひきで見つとも無い女ですが、伜の徳三郎は、鳶鷹とびたかのちよいと良い男で、死ぬほどお梅を思つて居る樣子です。でも、の面には『此戀叶ひ難し』と出さうですね
なぜならばこれをについて観るならば、変化昇騰へんかしょうとうかたちとなるからだ。按ずるに将軍は今から後、かならず大飛躍なされるだろう。そしてくらい人臣を極めるにちがいない
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「あの容貌で十八で、頼りになる親がないと來ると、の面は戀と出るな」
朱雀玄武旗すじゃくげんぶき、青龍白虎旗、白はた、青はた、黒旌、黄旌、緋纓ひぶさの大ばんなど、へんぽんと梁山りょうざんのいただきから中腹までを埋め、北斗七星旗から八、一百二十四流れの鎮天旗まで
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)