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午飯
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ひるめし
ふりがな文庫
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午飯
(
ひるめし
)” の例文
この宿の
午飯
(
ひるめし
)
は少し早目なので、けさのように朝寝をした場合には、あさ飯が済むと、やがて追いかけて午飯を食うようになるので
探偵夜話
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
丘の上の教員食堂に
午飯
(
ひるめし
)
を食べにゆくのだが、その銅像を眺める度毎に、在りし日の先生とは似てもつかぬ姿だと思はぬためしはない。
浜尾新先生
(新字旧仮名)
/
辰野隆
(著)
「何ですか、その西洋料理へ行って
午飯
(
ひるめし
)
を食うのについて趣向があるというのですか」と主人は茶を
続
(
つ
)
ぎ足して客の前へ押しやる。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
忽ち
襖
(
ふすま
)
の外でことこと音をさせるのが聞えた。植長の婆あさんが気を利かせて、二人の
午飯
(
ひるめし
)
を用意して、持ち運んでいたのである。
青年
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
かれこれする中に、
午飯
(
ひるめし
)
の膳が出た。芳子は自分の室に戻った。食事を終って、茶を飲みながら、時雄は前からのその問題を語り
続
(
つ
)
いだ。
蒲団
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
▼ もっと見る
斯
(
こ
)
んな話をして居る内に小林は絵を
描
(
か
)
き休めてモデルを帰した。其れから近所で
麺麭
(
パン
)
と
塩豚
(
ジヤンポン
)
とを買つて来て
午飯
(
ひるめし
)
を食ひ初めた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
「大学(と力を入れて、)の図書館に
検
(
しら
)
べものをして、それから精養軒で
午飯
(
ひるめし
)
を食うて来た。これからまたH博士の
許
(
とこ
)
へ行かねばならん。」
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
保吉
(
やすきち
)
は二階の食堂を出た。文官教官は
午飯
(
ひるめし
)
の
後
(
のち
)
はたいてい隣の
喫煙室
(
きつえんしつ
)
へはいる。彼は今日はそこへ行かずに、庭へ出る階段を
降
(
くだ
)
ることにした。
保吉の手帳から
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
一昨日の
午飯
(
ひるめし
)
のとき、町の飯屋で会ったのだが、べらぼうな酒飲みで、屋敷をぬけだして昼から飲んでいたのである。
風流太平記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
午飯
(
ひるめし
)
の給仕には
年嵩
(
としかさ
)
の
婢
(
をんな
)
出でたれば、
余所
(
よそ
)
ながらかの客の事を問ひけるに、
箸
(
はし
)
をも取らで今外に出で行きしと云ふ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
何かの主任を勤めて、
午飯
(
ひるめし
)
には
麺麭
(
パン
)
を三
片
(
きれ
)
と巻煙草を一本
喫
(
ふ
)
かす事に
極
(
き
)
めてゐる男が横つちよから口を出した。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「あとは口頭試問と体格検査だけになったね。きょうは本田も合宿に遊びに来い。恭一君もどうだね、いっしょに?
午飯
(
ひるめし
)
二人分ぐらいどうにでもなるぜ。」
次郎物語:02 第二部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
来れば必ず一日遊んでいた。時としては朝早くから私の
寝込
(
ねこみ
)
を襲うて
午飯
(
ひるめし
)
も晩飯も下宿屋の
不味
(
まず
)
いものを喰って夜る十一時十二時近くまで話し込んだ事もあった。
斎藤緑雨
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
房一はさつき、まだ
午飯
(
ひるめし
)
が終り切らないうちに、あのトラホームの婆さんにやつて来られたのである。
医師高間房一氏
(新字旧仮名)
/
田畑修一郎
(著)
裏口からのぞいて見ますと、兵十は、
午飯
(
ひるめし
)
をたべかけて、
茶椀
(
ちゃわん
)
をもったまま、ぼんやりと考えこんでいました。へんなことには兵十の
頬
(
ほっ
)
ぺたに、かすり傷がついています。
ごん狐
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
甚だしいのは、前日の将棋の遺恨忘れ難く、朝湯もそっちのけにし、朝飯を顧みる
遑
(
いとま
)
なく、ついに
午飯
(
ひるめし
)
の時になって、山の神に怒鳴り込まれ、あわてて飛び出すものもある。
大菩薩峠:19 小名路の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
それらの人が
午飯
(
ひるめし
)
につどう頃には、優に半日は暮れていますが、まだ使いは帰って来ない。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
午飯
(
ひるめし
)
が出来たと人から呼ばれる頃まで、庭中の熊笹、竹藪の
間
(
あいだ
)
を歩き廻って居た田崎は、空しく
向脛
(
むこうずね
)
をば笹や
茨
(
いばら
)
で血だらけに
掻割
(
かきさ
)
き、頭から顔中を
蛛
(
くも
)
の巣だらけにしたばかりで
狐
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
朝になって水の男の云った
詞
(
ことば
)
をおもいだしたが、気の広い勘作はすぐ忘れてしまって漁に往き、
午飯
(
ひるめし
)
に帰って飯をすまし、
庭前
(
にわさき
)
の柿の
立木
(
たちき
)
に
乾
(
ほ
)
してある
投網
(
とあみ
)
の破れ目を
繕
(
つくろ
)
うていると
ある神主の話
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
午飯
(
ひるめし
)
の時、又しても爺さん話に身が入つて、末の弟を、西瓜の代りに鶏ととりかへてしまふぞ、などと言つて嚇かしたりした。そして食後に木で鳥笛を拵らへて、それを自分で吹き鳴らしなどした。
ディカーニカ近郷夜話 後篇:05 呪禁のかかつた土地
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
町へ着くには着いても、今夜からもう宿を取るべき宿銭もない。いや、
午飯
(
ひるめし
)
を食うことすらできないのだ。
昨夜
(
ゆうべ
)
は夜通し歩いて、今朝町の入口で
蒸芋
(
ふかしいも
)
を一銭がとこ求めて、それでとにかく朝は
凌
(
しの
)
いだ。
世間師
(新字新仮名)
/
小栗風葉
(著)
まだ
午飯
(
ひるめし
)
に餘程間があると見えて、誰一人水汲が來てゐない。
鳥影
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
すぐに呑み込んでゆく老婢のうしろ姿を見送って、これは悪かったと私は俄かに気がついた。老人は
午飯
(
ひるめし
)
の用意を命じたに相違ない。
半七捕物帳:50 正雪の絵馬
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
私は
朝飯
(
あさめし
)
とも
午飯
(
ひるめし
)
とも片付かない
茶椀
(
ちゃわん
)
を手に持ったまま、どんな風に問題を切り出したものだろうかと、そればかりに
屈托
(
くったく
)
していたから
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
午飯
(
ひるめし
)
を食ったら、更に気が重くなった。こう云う時に誰か来ればいいと思うが、
生憎
(
あいにく
)
誰も来ない。そうかと云ってこっちから出向くのも
厄介
(
やっかい
)
である。
田端日記
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
女中が
午飯
(
ひるめし
)
を知らせに来たのも知らず、午後三時近くまで眠って、ふと眼が覚めたので
起上
(
おきあが
)
ろうと、顔の上の冊子を取ろうとした時、何をみつけたか
殺生谷の鬼火
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
それから頭がぼうっとして来たので、
午飯
(
ひるめし
)
を食ってからぶらぶら出掛けると、妙な事に出逢ってねえ
雁
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
芳子は
午飯
(
ひるめし
)
も夕飯も食べたくないとて食わない。
陰鬱
(
いんうつ
)
な気が一家に
充
(
み
)
ちた。細君は夫の
機嫌
(
きげん
)
の悪いのと、芳子の煩悶しているのに胸を痛めて、どうしたことかと思った。
蒲団
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
腰に一日の用意は提げているが、朝飯と
午飯
(
ひるめし
)
をかねて、麓の宿場まで戻ってみようか?
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「おい、もう時分どきを
大分
(
だいぶん
)
過ぎてるやうだが、まだ
午飯
(
ひるめし
)
は食べさせないのかね。」
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
正午になって迎えが来ても根を
生
(
は
)
やして、
有合
(
ありあい
)
の
午飯
(
ひるめし
)
を一緒に済まして三時ごろまでも話し込んだ。仏蘭西から帰りたてなので、
巴黎
(
パリ
)
で捕縛されて監獄へ
投
(
ほう
)
り込まれた
咄
(
はなし
)
をボツボツ話した。
最後の大杉
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
翌朝になって許宣はいつものように早くから
鋪
(
みせ
)
へ往ったが、白娘子のことが頭に一ぱいになっていて仕事が手につかないので、
午飯
(
ひるめし
)
の後で口実をこしらえて舗を出て、荐橋の双茶坊へ往った。
雷峯塔物語
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
午飯
(
ひるめし
)
を食べてしまったが
一向
(
いっこう
)
格子戸の明く音もしない。兼太郎は窓を明けて腰をかけ口に
啣
(
くわ
)
えた
敷島
(
しきしま
)
に火をつける事も忘れて、路地から表通の方ばかり見つめていたが娘の姿は見えなかった。
雪解
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
新宿で遅い
午飯
(
ひるめし
)
を食って一と休みして、大木戸を越して四谷通りへさしかかると、塩
町
(
ちょう
)
の中ほどで幸次郎は急に半七の袖をひいた。
半七捕物帳:68 二人女房
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
我輩は亭主に自分の
身体
(
からだ
)
はいつ移れるのかと聞いたら今日でもよいというから、
午飯
(
ひるめし
)
の後妻君と共に新宅へ引き移る事にした。
倫敦消息
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
午飯
(
ひるめし
)
の代りに、アイスクリイムと桃とを食って、二階へ
床
(
とこ
)
をとらせて、横になった。どうも気分がよくないから、検温器を入れて見ると、熱が八度ばかりある。
田端日記
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
道
(
みち
)
はなか/\きのふのやうには
捗
(
はかど
)
らない。
途中
(
とちゆう
)
で
午飯
(
ひるめし
)
を
食
(
く
)
つて、
日
(
ひ
)
が
西
(
にし
)
に
傾
(
かたむ
)
き
掛
(
か
)
かつた
頃
(
ころ
)
、
國清寺
(
こくせいじ
)
の三
門
(
もん
)
に
著
(
つ
)
いた。
智者大師
(
ちしやだいし
)
の
滅後
(
めつご
)
に、
隋
(
ずゐ
)
の
煬帝
(
やうだい
)
が
立
(
た
)
てたと
云
(
い
)
ふ
寺
(
てら
)
である。
寒山拾得
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
してみると、
乃公
(
わし
)
らも二千五百万年後には矢張今のやうにお前さんの店で
午飯
(
ひるめし
)
を食つてゐる筈なのだ。ところで、物は相談だが、この勘定をそれまで
掛
(
かけ
)
にして置いては呉れまいかね。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
かけて行きな、わらじ銭と
午飯
(
ひるめし
)
だけは
餞別
(
せんべつ
)
してやることになっているんだから
鳴門秘帖:05 剣山の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
午飯
(
ひるめし
)
になると市中の「古梅亭」という料理屋から酒を付けて食事が届いた。
風流化物屋敷
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
翌朝になって許宣は
平生
(
いつも
)
のように早くから
舗
(
みせ
)
へ往ったが、白娘子のことが頭に一ぱいになっていて、仕事が手につかないので、
午飯
(
ひるめし
)
の後で口実をこしらえて舗を出て、荐橋の双茶坊へ往った。
蛇性の婬 :雷峰怪蹟
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
しかし翌日になるともう朝の中から何とも知れず身体中が薄淋しいような妙な心持がして、とても夕方までは待ちきれず
午飯
(
ひるめし
)
をすますと
直
(
すぐ
)
に
赫々
(
かくかく
)
たる日中の炎天をも恐れず外に飛出してしまった。
夏すがた
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
一風呂はいって、汗を流して来るころには、
午飯
(
ひるめし
)
の支度がもうできていた。赤い
襷
(
たすき
)
をかけた
家
(
うち
)
の娘が
茶湯台
(
ちゃぶだい
)
を運んで来た。
肴
(
さかな
)
はナマリブシの固い煮付けと
胡瓜
(
きゅうり
)
もみと鶏卵にささげの汁とであった。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
三人が
午飯
(
ひるめし
)
を食いながら相談の末に、あしたを待つまでもなく、これからすぐに
発足
(
ほっそく
)
することになった。秋といっても七月の日はまだ長い。
半七捕物帳:59 蟹のお角
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
三四郎は
午飯
(
ひるめし
)
を済ましてすぐ西片町へ来た。新調の制服を着て、
光
(
ひか
)
つた靴を
穿
(
は
)
いてゐる。静かな横町を広田先生の前迄
来
(
く
)
ると、人声がする。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
しかし錯覚ではないとすれば、——僕は
午飯
(
ひるめし
)
の世話にならないうちに姉の家を出ることにした。
歯車
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
道はなかなかきのうのようには
捗
(
はかど
)
らない。途中で
午飯
(
ひるめし
)
を食って、日が西に傾きかかったころ、国清寺の三門に着いた。智者大師の滅後に、
隋
(
ずい
)
の
煬帝
(
ようだい
)
が立てたという寺である。
寒山拾得
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
「なんだい
午飯
(
ひるめし
)
どきに。また岳廟のお札売りか。行ってくれ、行ってくれ」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
香風會の會合はその翌日の
午飯
(
ひるめし
)
と共に散會する事となつた。
新帰朝者日記
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
少し早いけれど
午飯
(
ひるめし
)
にしよう。
風流太平記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
“午飯”の意味
《名詞》
昼食。
(出典:Wiktionary)
午
常用漢字
小2
部首:⼗
4画
飯
常用漢字
小4
部首:⾷
12画
“午飯”で始まる語句
午飯時
午飯前
午飯過
午飯頃