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かかわ
ふりがな文庫
“
係
(
かかわ
)” の例文
金が入って来ると、十人近い女は自分の持ち番の客の有る無しに
係
(
かかわ
)
らず、ドッと
喚
(
わめ
)
いて一斉に彼に飛びついてゆくという騒ぎである。
ゴールデン・バット事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
中にも彼が仕途は水野美濃守の
因夤
(
いんいん
)
によりしに
係
(
かかわ
)
らず、彼は大義
親
(
しん
)
を滅すの理に
拠
(
よ
)
り、彼をすら
斥
(
しりぞ
)
けたりき。寵臣去りて群小の肝胆寒し。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
自分はいま幸福にはちがいないけれども、それはまだどういう約束にも縛られず、彼をのぞく周囲の一切が、彼女にとつてなんの
係
(
かかわ
)
りもないからだ。
光は影を
(新字新仮名)
/
岸田国士
(著)
その方法を見ていると、
両眼
(
りょうがん
)
の
上瞼
(
うわまぶた
)
を上から下へと
撫
(
な
)
でて、主人がすでに眼を
眠
(
ねむ
)
っているにも
係
(
かかわ
)
らず、しきりに同じ方向へくせを付けたがっている。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
結局僕の今度の生活の展開なり退縮なりは、全く僕一個に
係
(
かかわ
)
った問題で、これが周囲に対していいことになるか、悪いことになるかはよくわからない。
片信
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
▼ もっと見る
それは何ものにも
係
(
かかわ
)
りを持たない。その足と大地との間には何のつながりも無い。地上にうごめく生命の一片。
狂人日記
(新字新仮名)
/
ギ・ド・モーパッサン
(著)
意外
(
いがい
)
なのは、この
時
(
とき
)
初
(
はじ
)
めてお
目
(
め
)
に
懸
(
かか
)
ったばかりの、
全然
(
ぜんぜん
)
未知
(
みち
)
のお
方
(
かた
)
なのにも
係
(
かかわ
)
らず、
私
(
わたくし
)
の
胸
(
むね
)
に
何
(
なん
)
ともいえぬ
親
(
した
)
しみの
念
(
ねん
)
がむくむくと
湧
(
わ
)
いて
出
(
で
)
たことで……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
これにも
係
(
かかわ
)
らず、検事総長は、当局の命令によって、我皇室に対する罪をもって三蔵の犯行に擬せんとした。
法窓夜話:02 法窓夜話
(新字新仮名)
/
穂積陳重
(著)
正木先生の独創に
係
(
かかわ
)
る
曠古
(
こうこ
)
の精神科学の実験は、貴方とあの六号室の令嬢が、めいめいに御自分の過去の記憶を回復されまして、この病院を御退院になって
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
哲学上の見解から小説と人生との接触を見たんではないらしい。にも
係
(
かかわ
)
らず其無意味のことに意味をつけて、やれ触れたの、やれ人生の真髄は斯うだのと云う。
私は懐疑派だ
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
わたくしは小学校でも女学校でも科学や数学めいたことはとても成績がいいのです。けれども趣味性に
係
(
かかわ
)
る学科、習字とか手芸とか図画とかはまるでゼロです。
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
「いや、しかし、子爵以下では、何とも当家の権威に
係
(
かかわ
)
る」——(『古林の新芽』、一五二頁)
九条武子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
けれど折角先生があのように私等の為めに国の父母をお説き下すったにも
係
(
かかわ
)
らず、父母は唯無意味に怒ってばかりいて、取合ってくれませんのは、余りと申せば無慈悲です
蒲団
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
しずかに考えてみれば、すでに彼らの間は、昔の主君、昔の家臣の
係
(
かかわ
)
りでしかなかったのだ。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
今度そんなことがあれば、お家の
興廃
(
こうはい
)
にも
係
(
かかわ
)
る一大事じゃ。お前にはそれが分らぬか
四十八人目
(新字新仮名)
/
森田草平
(著)
梓は聞いて物をもいわず
差俯向
(
さしうつむ
)
いたにも
係
(
かかわ
)
らないで、竜田は
凜
(
りん
)
として姿を調え
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
しかも若い技師などに
係
(
かかわ
)
るのは禁物であろう。伝統を破壊する事に、新しさがあると考える者が多いからである。それに私はかつて彼らから民窯への尊敬の言葉を聞いたためしがなかった。
小鹿田窯への懸念
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
蘇言
(
そげん
)
の器、伝話の機等、近時の新発明に
係
(
かかわ
)
るもの、殆んど皆な米人の手にならざるはなく、英国人種の学問に富む、又決して政治の上に止まらざるなり(謹聴)。本校、
蓋
(
けだ
)
しこれに見るあり。
祝東京専門学校之開校
(新字新仮名)
/
小野梓
(著)
歳
(
とし
)
両番
(
りょうばん
)
を経て
相謁
(
あいえっ
)
して
遇
(
あ
)
わず、空しく
回
(
かえ
)
っては
惆悵
(
ちゅうちょう
)
怏々
(
おうおう
)
として云うべからざるものあり。切に
念
(
おも
)
う、備や漢室の
苗裔
(
びょうえい
)
に生れ
忝
(
かたじ
)
けなくも皇叔に居、みだりに典郡の階に当り、職将軍の列に
係
(
かかわ
)
る。
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
忠公と二人で森川さんの電気の機械を
弄
(
いじく
)
った。乃公は何んとも無かったが、忠公は電流とかに触れて気絶した。すると森川さんは医師の家で人が
左様
(
そう
)
度々気絶しては商売に
係
(
かかわ
)
ると言って怒った。
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
夕凪
(
ゆうなぎ
)
の暑さに
係
(
かかわ
)
らず、日はいつか驚くばかり短くなっているのである。
濹東綺譚
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
諸人委しく其事を語らせんとすれども、辞を左右に
托
(
たく
)
して言はず。
若
(
も
)
し
委曲
(
いきょく
)
を告ぐれば身の上にも
係
(
かかわ
)
るべしとの
戒
(
いましめ
)
を聞きしと
也
(
なり
)
。四五年を経て或人に従ひ江戸に登りしに、又道中にて
行方
(
ゆくえ
)
無くなれり。
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
彼等はつまらぬ
係
(
かかわ
)
り
合
(
あい
)
になってはと思ったものか申し合わせたように兄と笛吹川画伯との争論を耳にしたことは言いませんでした。
赤耀館事件の真相
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
彼が世を終るまでは、諸侯に違言なく、水戸烈公の如きも、
動
(
やや
)
もすれば
牴牾
(
ていご
)
扞挌
(
かんかく
)
したるに
係
(
かかわ
)
らず、なお幕府の純臣たるを失わざりしなり。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
それだから俗人はわからぬ事をわかったように
吹聴
(
ふいちょう
)
するにも
係
(
かかわ
)
らず、学者はわかった事をわからぬように講釈する。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
実を申しますと正木先生の御研究に
係
(
かかわ
)
る、心理遺伝の実験に使う人物はこれだけで沢山なので、この中の二三人の狂態が、如何なる心理遺伝によって演出されつつあるものであるかを
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
しかし麗姫の事に
係
(
かかわ
)
って来ると、荘子のこころは自然と緊張して来る。彼は隠遁生活の前、洛邑に棲んで居た頃度々(時には妻の田氏とも一緒に)宴席やその他の場所で彼女に会ったことがある。
荘子
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
放して
退
(
すさ
)
ると、別に
塀際
(
へいぎわ
)
に、
犇々
(
ひしひし
)
と材木の
筋
(
すじ
)
が立って並ぶ中に、
朧々
(
おぼろおぼろ
)
とものこそあれ、学士は自分の影だろうと思ったが、月は無し、
且
(
か
)
つ我が足は
地
(
つち
)
に釘づけになってるのにも
係
(
かかわ
)
らず、
影法師
(
かげぼうし
)
は
木精(三尺角拾遺)
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それにその
表情
(
ひょうじょう
)
、
物
(
もの
)
ごしがいかにも
不思議
(
ふしぎ
)
……
先方
(
せんぽう
)
は
丸顔
(
まるがお
)
、
私
(
わたくし
)
は
細面
(
ほそおもて
)
、
先方
(
せんぽう
)
は
小柄
(
こがら
)
、
私
(
わたくし
)
は
大柄
(
おおがら
)
、
外形
(
がいけい
)
はさまで
共通
(
きょうつう
)
の
個所
(
かしょ
)
がないにも
係
(
かかわ
)
らず、
何所
(
どこ
)
とも
知
(
し
)
れず
二人
(
ふたり
)
の
間
(
あいだ
)
に
大変
(
たいへん
)
似
(
に
)
たところがあるのです。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
乃
(
すなわ
)
ち自由ならずといえども、なおその志を行わんとせり、彼は
蟄居
(
ちっきょ
)
中なるに
係
(
かかわ
)
らず、なお長防革命的運動の指揮官たりしなり。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
「折らないで下さい」と再三注意を与えて置くにも
係
(
かかわ
)
らず、下車のときにはクルクルと巻物のように
捲
(
ま
)
いてしまう者あり
発明小僧
(新字新仮名)
/
海野十三
、
佐野昌一
(著)
主人の逆上は
昨日
(
きのう
)
の大事件の際に最高度に達したのであるが、談判も竜頭蛇尾たるに
係
(
かかわ
)
らず、どうかこうか始末がついたのでその晩書斎でつくづく考えて見ると少し変だと気が付いた。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
豈
(
あに
)
しからん、この美肉をよ、貴様一人で
賞翫
(
しょうがん
)
してみい、たちまち食傷して生命に
係
(
かかわ
)
るぞ。じゃから
私
(
わし
)
が注意して、あらかじめ後を
尾
(
つ
)
けて、好意一足の藁草履を
齎
(
もた
)
らし
来
(
きた
)
った訳じゃ、感謝して可いな。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それにも
係
(
かかわ
)
らず、平田一郎という
陰険
(
いんけん
)
な男は、一体どこから見ているのか、実に
詳
(
くわ
)
しく、実に正確に、夫婦間の
秘事
(
ひじ
)
を手紙の上に
暴露
(
ばくろ
)
してある。
赤外線男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
向うから自動車が狭い路にも
係
(
かかわ
)
らず泥をハネかしながらやってくるごとき場合に、「気をつけろ」と注意を与えても、先方が聞き入れざるときは
発明小僧
(新字新仮名)
/
海野十三
、
佐野昌一
(著)
それにも
係
(
かかわ
)
らず、この室にどこからか赤外線を当て、それを赤外線の活動写真に撮影したのだった。そして人物は
子爵
(
ししゃく
)
夫人黒河内京子と青年潮十吉!
赤外線男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
手に真剣を持っていなくて、木刀だけの覘い合いでも、その場で人命に
係
(
かかわ
)
るような試合もあるからネ。
深夜の市長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
患者が
識
(
し
)
らずに三十分以上もあのラジウムを肛門に入れて置くと、ラジウムのために肛門の
辺
(
へん
)
がとりかえしのつかぬ程腐って
遂
(
つい
)
には
一命
(
いちめい
)
に
係
(
かかわ
)
るだろうなどと心配した。
柿色の紙風船
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
貴方は、
細心
(
さいしん
)
の注意を払ったにも
係
(
かかわ
)
らず、柿丘氏の日記帳を処分することを忘れていた。
振動魔
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
柿丘秋郎が、こんな
妖花
(
ようか
)
に
係
(
かかわ
)
るようになったのは、彼の不運ともいうべきだろう。
振動魔
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「でも、それをやって置かないと、君たちの
生命
(
いのち
)
に
係
(
かかわ
)
る」
今昔ばなし抱合兵団:――金博士シリーズ・4――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
“係”の意味
《名詞》
(かかり)特定の仕事を受け持つ役。また、その人。
(かかり)(文法)助詞が下の語句に影響を及ぼすはたらき。
(出典:Wiktionary)
係
常用漢字
小3
部首:⼈
9画
“係”を含む語句
関係
關係
係合
係蹄
係累
無關係
係恋
係官
関係者
無関係
關係者
干係
蹄係
關係上
共軛関係
強力犯係
係構
係累者
係數
係医
...