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交際
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つきあ
ふりがな文庫
“
交際
(
つきあ
)” の例文
「眠れるかどうか、やってみる……赤酒をください。三十CCぐらい……心臓というのは気むずかしいやつでね、
交際
(
つきあ
)
いきれないよ」
肌色の月
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
大分
(
だいぶ
)
相違のある事は、長く
交際
(
つきあ
)
って来た私によく
解
(
わか
)
っていましたけれども、私の神経がこの家庭に入ってから多少
角
(
かど
)
が取れたごとく
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「あああのお屋敷でございますか、あれは世間普通のお方とは、
交際
(
つきあい
)
もしなければ
交際
(
つきあ
)
ってもくれない、特別の人のお屋敷なのですよ」
犬神娘
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
その膜の向うでは、人間が人間らしく本当に
交際
(
つきあ
)
っている。が、彼らが一旦自分に向うとなると、皆その膜を頭から
被
(
かぶ
)
っている。
忠直卿行状記
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
何ぞ知らん、ただの
交際
(
つきあ
)
いになってみると、ただの俗人以上の何ものでもなかったりする。いや俗衆以下の場合さえ往々にある。
剣の四君子:02 柳生石舟斎
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
切って貰いたいネ。俺たちと
交際
(
つきあ
)
っていれば、泥を握ることはあっても、黄金の冠を拾うようなことにはますます縁どおくなるよ
深夜の市長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そのペトゥルーシカのいうことにはですねえ、うちの旦那は申し分のない旦那で、これまでも立派な人たちとばかり
交際
(
つきあ
)
ってきたようだ。
死せる魂:02 または チチコフの遍歴 第一部 第二分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
我輩が飲む間は、
交際
(
つきあ
)
はぬといふ。情ないとは思ふけれど、
其様
(
そん
)
な関係で、今では娘の顔を見に行くことも出来ないやうな仕末。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
多「お
前
(
めえ
)
は今年の十五夜から
交際
(
つきあ
)
っていて、口と心と違った事はねえから正直な人だと思っていたが、お
前
(
めえ
)
遊ぶじゃアねいなア」
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
彼女が、殆んど、飯を食わず、三食とも、うどんだという、噂はきいていたが、
交際
(
つきあ
)
うまでは、あんまり気にしていなかった。
うどんのお化け
(新字新仮名)
/
古川緑波
(著)
「あら、だつて、信兄さまのことなら、
流石
(
さすが
)
は外人と
交際
(
つきあ
)
つてるだけあつて、なかなかハイカラだつて、何時かおつしやつたぢやないの?」
双面神
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
そしてこれからの
交際
(
つきあ
)
いは近頃でいう言葉のアミでございますかな。そういえば僕とこちらのお母さんもアミでございますかな
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
一所に
交際
(
つきあ
)
ってくれたら、
翌日
(
あす
)
とは言わず帰り次第藤沢(宿場女郎の居る処)を
奢
(
おご
)
ってやるが、と言えば
四人
(
よつたり
)
顔見合わせ
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「何んだ、禿ちゃびんの宇佐美さんか、あんまり変な事を言うと、これからいくら拝んでも
交際
(
つきあ
)
ってやらないからいい」
青い眼鏡
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
大塚警部は私よりも十五六ぐらい年上で、二三度一緒に飲みに行ってからというもの、同輩みたように
交際
(
つきあ
)
っている。
空を飛ぶパラソル
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
娘ももう年頃になったことやさかい、
私
(
わたし
)
も今までとは
交際
(
つきあ
)
いが
違
(
ちが
)
て来まっしゃろ。今まで通り旧弊な髪結うてたら娘の嫁入り先に阿呆にされまんがな。
俗臭
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
それだから嬢様も此の人ばかりには真面目に
交際
(
つきあ
)
つて少しもお
調戯
(
からか
)
ひなさらなかつたが、困つた事には好人物といふだけで、学問才幹共に時代遅れだ。
犬物語
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
(著)
それから、彼女は彼女流に、人を掌中にまるめる、というより人と面白く
交際
(
つきあ
)
って、ささやかな愛情のやりとりをすることに、気を紛らすのであった。
壊滅の序曲
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
今は同等に
交際
(
つきあ
)
っていても、いつかは自分の上に立つものにちがいなかった。いや、——立っていたものであった。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
先生も亦かゝる周圍の中に暮してゐるのであるが、しかも擦れつからしの態度をとつて、人々を心中馬鹿にしながら尚且つ平氣で
交際
(
つきあ
)
つて行くのであつた。
貝殻追放:013 先生の忠告
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
それはお前の
一克
(
いっこく
)
というものだ。そんなに
擯斥
(
ひんせき
)
したものではない。何と言っても書記官にもなっている人だ。お前も少しは
我
(
が
)
を折って
交際
(
つきあ
)
って見るがいい。
書記官
(新字新仮名)
/
川上眉山
(著)
長庵とはおやじの幸兵衛が
交際
(
つきあ
)
っていて幸吉も
識
(
し
)
っているので、山城守に挨拶することも忘れて、いきなり、長庵に
獅噛
(
しが
)
みつくようにして言ったのだった。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
そんなときには、えらい人とも
交際
(
つきあ
)
わねばならんことが出来て来るけ、碁は知っとけ、きっと、役に立つ。おれが、指南してやる。……それにしても、……
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
岩野泡鳴氏は、議論をすると随分厚かましい事を言ひ出し兼ねないが、
交際
(
つきあ
)
つてみれば罪のない
好
(
よ
)
い男である。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
さうして、いやいやながら鹿田と
交際
(
つきあ
)
つてゐるうちに、漸く鹿田の性格の變化に氣が付いた。夏休前東京で會つた時とは違つて、非常に沈默家になつて居る。
少年の死
(旧字旧仮名)
/
木下杢太郎
(著)
「私のようなものでも、どうぞ姉と思って
交際
(
つきあ
)
って頂戴ね。磯野さんにも、芳村の弟のつもりで、これから力になって
戴
(
いただ
)
くことに私お願いしたんですからね。」
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
私はAがあゝ云つた言葉の中に、『俺に
交際
(
つきあ
)
つてゐないと損だぞ。』といふやうな、友情の脅威が自ら含まつてゐるのを、何よりも
癪
(
しやく
)
に
障
(
さは
)
つて聞き取つたのだつた。
良友悪友
(新字旧仮名)
/
久米正雄
(著)
「折竹さん、
海獣
(
けもの
)
とばかり
交際
(
つきあ
)
ってて、あたしを忘れちゃ駄目だよ。一度、ぜひ伺わせて貰うからね」
人外魔境:08 遊魂境
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
どういふ人だとも知れない上に、はじめて口を聞いたゞけなのだけれど、冷吉はもう久しく
交際
(
つきあ
)
つてゐでもするやうな氣になつて、言はれる儘に行く
方
(
かた
)
を手探りした。
赤い鳥
(旧字旧仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
切ったぞ! 都中の人達はみんな君のことを気違いだと云ってるんだ! 君なんかと
交際
(
つきあ
)
ってたら
なよたけ
(新字新仮名)
/
加藤道夫
(著)
交際
(
つきあ
)
っておると、頼もしくなってきたし、わしの一家のような悲惨な目に逢うと、せめて、深雪一人だけでも、ああしてまで、深雪のことを想うてくれる庄吉の手に
南国太平記
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
「あんな義理を知らない人と、誰が
交際
(
つきあ
)
うものかね。私なんか今怒ッちゃア損だから、我慢して口を利いてるんさ。もうじきお正月だのに、いつ返してくれるんだろう」
今戸心中
(新字新仮名)
/
広津柳浪
(著)
だんだん
交際
(
つきあ
)
ってみるにしたがい、なかなか
硬骨
(
こうこつ
)
で、一たび言い出すと決してあとへ
退
(
ひ
)
かぬ人もあるし、また外部から見るといかにも
凛々
(
りり
)
しく、
衣
(
ころも
)
は
骭
(
かん
)
に至り
袖腕
(
そでわん
)
に至り
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
縣内の上役と見れば誰彼の選り好みなしに
交際
(
つきあ
)
って、すこぶる受けがいいという評判であった。ナターリヤ・ヴァシーリエヴナはT市の人々の尊敬をほしいままにしていた。
永遠の夫
(旧字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
あんな奴と君、——
交際
(
つきあ
)
っちゃ危険ですよ。辰馬銀行頭取の息子には相違ないが、ありゃ君、——多分君は何も知らないんだろうとは思っていたが、××会の首領なんだよ。
黒猫十三
(新字新仮名)
/
大倉燁子
(著)
「どうしたんだえ
此
(
こ
)
ら、
夫婦喧嘩
(
ふうふげんくわ
)
でもしたか」
醫者
(
いしや
)
は
毎日
(
まいにち
)
百姓
(
ひやくしやう
)
を
相手
(
あひて
)
にして
碎
(
くだ
)
けて
交際
(
つきあ
)
ふ
習慣
(
しふくわん
)
がついて
居
(
ゐ
)
るので、どつしりと
大
(
おほ
)
きな
身體
(
からだ
)
からかういふ
戯談
(
じようだん
)
も
出
(
で
)
るのであつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
其上
(
そのうへ
)
近年は世の中の
物騒
(
ぶつさう
)
なのに
伴
(
つ
)
れて和上の事を
色々
(
いろ/\
)
に言ふ者がある。最も在所の人の心を寒からしめた馬鹿々しい噂は、和上は勤王々々と云つて諸国の浪士に
交際
(
つきあ
)
つて
居
(
ゐ
)
る。
蓬生
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
お蔦 (頬杖をついて見下している)取り的さん、そんな人に
交際
(
つきあ
)
ってないで、さッさと行っておしまい、とどの詰りは、二つ三つ殴られた揚句に、いくらか銭をとられちまうよ。
一本刀土俵入 二幕五場
(新字新仮名)
/
長谷川伸
(著)
なるべくあんな生意気な人とは
交際
(
つきあ
)
はないやうになさいなんて、甘く私をお瞞しなすつたのも、みんなそんな思召があつたからなんでしやうとこの声ははや打曇りてよくは聞こへず。
当世二人娘
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
斯様した我の心意気が解つて呉れたら
従来
(
いままで
)
通り浄く睦じく
交際
(
つきあ
)
つて貰はう、一切が斯様定つて見れば何と思つた彼と思つたは皆夢の中の物詮議、後に遺して面倒こそあれ
益
(
やく
)
無いこと
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
一体、機関庫助役の片山と言う人は、もう部下達も相当期間
交際
(
つきあ
)
ってたんですが、どうもまだ、時々人を不審がらせる様な変な態度に出るのが、彼等には甚だ遺憾に思われてたんです。
とむらい機関車
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
今、君は余計なことを考える必要はないから、なるべく沢山仲のいい友達を作るようにしなければならない。つまらない活動写真を一緒に見に行ったり出来るだけ親切に
交際
(
つきあ
)
ったりして。
新しき夫の愛:牢獄の夫より妻への愛の手紙
(新字新仮名)
/
若杉鳥子
(著)
交際
(
つきあ
)
えば交際うほど、親しくすればするほど、味の出て来る人である。
血液型殺人事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
もし、彼等が私を愛しなければ、それだけ、私も、事實、彼等を愛しない。さうして、彼等は、彼等の仲間の一人と、氣心を合し得ないやうな者に對しては、優しく
交際
(
つきあ
)
ふ義務を持たなかつたのだ。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
無遠慮で、口が惡くて、人好きはしなかつたが、
交際
(
つきあ
)
つて見ると堅固な道徳的感情を有つてゐる事が誰にも解つた。彼は自分の職務に對する強い義務心と共に、常に弱者の味方たる性情を抱いてゐた。
我等の一団と彼
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
親しく
交際
(
つきあ
)
うと誰でも善人に違いないがさてその善人が社会に向ってする事はどうだというのに物を約束してもなかなか
当
(
あて
)
にならず、事が起ると他人の迷惑を顧みないで自分の勝手ばかりしたがるし
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
物を言うにも歯に
衣
(
きぬ
)
を着せねえようにして
交際
(
つきあ
)
おうじゃねえか
大菩薩峠:20 禹門三級の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「お前はどうも
交際
(
つきあ
)
えば交際うほど人を甘くみてよくない
性
(
たち
)
だ、
溝店
(
どぶだな
)
で隣合っていた時代はわしのことを先生と呼んだ。……おまえはな」
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ミミイ嬢には気の毒だが、もう長々と
交際
(
つきあ
)
っているわけにはゆかない。そこでこれから
顛末
(
てんまつ
)
は筋だけを追って話すことにする。
ノンシャラン道中記:08 燕尾服の自殺 ――ブルゴオニュの葡萄祭り――
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
「
御兄
(
おあにい
)
さんは
貴夫
(
あなた
)
のために心配していらっしゃるんですよ。ああいう人と
交際
(
つきあ
)
いだして、またどんな面倒が起らないとも限らないからって」
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
交
常用漢字
小2
部首:⼇
6画
際
常用漢字
小5
部首:⾩
14画
“交際”で始まる語句
交際振
交際上
交際事
交際人
交際好
交際術
交際酒
交際場裡
交際季節
交際流行