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陸
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をか
ふりがな文庫
“
陸
(
をか
)” の例文
其朝は割合に波の立つ日で、一時間ばかり水の上で揺られて復た舟から
陸
(
をか
)
の上、潮風の為に皆なの着物はいくらかベト/\した。
出発
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
商船会社の志望者といつても、もとは大抵
胡瓜
(
きうり
)
や
馬鈴薯
(
じやがいも
)
と同じやうに
陸
(
をか
)
の上で生れたので、それ/″\自分の故郷といふのを
有
(
も
)
つてゐる。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
それを
陸
(
をか
)
に居る三人の供の者が受取つて二臺の大八車に積むと、覆面の武家に護られて、永代橋の方へサツと引揚げます。
銭形平次捕物控:155 仏像の膝
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
すると不思議なことには正助爺さん達の行く
処
(
ところ
)
は、まるで壁で仕切りをしたやうに海の水が両方に分れて、
陸
(
をか
)
を行くのとちつとも変りがありません。
竜宮の犬
(新字旧仮名)
/
宮原晃一郎
(著)
陸
(
をか
)
で歌へば、孰れも気狂ひ沙汰だが、真実舟で歌はれてゐるのを聞けば何と朗らかに調和好く響いてゐることだらう………樽野は悲しくそんな思ひに打たれながら
円卓子での話
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
▼ もっと見る
その波頭の白いので、黒ずんだ島が
一際
(
ひときは
)
明かに見えてゐる。それから二哩ばかり
陸
(
をか
)
の方へ寄つて、その島より小さい島がある。石の多い、恐ろしい不毛の地と見える。
うづしほ
(新字旧仮名)
/
エドガー・アラン・ポー
(著)
もう峡流といふより、飛瀑と言つた方がいゝ、船頭はこゝで一人残らず、客を
陸
(
をか
)
に上げてしまつた。
天竜川
(新字旧仮名)
/
小島烏水
(著)
陸
(
をか
)
の人達はぞろぞろ思ひ思ひの方角へ退散する、その「
陸
(
をか
)
」が直ぐそこに見えてゐながら、船は川の中に釘付けで動けず、ちよつとやそつとの事には家へ帰れないのである。
花火の夢
(新字旧仮名)
/
木村荘八
(著)
例の
奇癖
(
きへき
)
は
斯
(
かう
)
いふ
場合
(
ばあひ
)
にも
直
(
す
)
ぐ
現
(
あら
)
はれ、若しや
珍石
(
ちんせき
)
ではあるまいかと、
抱
(
だ
)
きかゝへて
陸
(
をか
)
に
上
(
あ
)
げて見ると、
果
(
はた
)
して! 四
面
(
めん
)
玲瓏
(
れいろう
)
、
峯
(
みね
)
秀
(
ひい
)
で
溪
(
たに
)
幽
(
かすか
)
に、
亦
(
また
)
と類なき
奇石
(
きせき
)
であつたので
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
それは水に住む魚が、
陸
(
をか
)
の上を散歩をするなどゝは、いまがいまゝで知らなかつたからです。
小熊秀雄全集-14:童話集
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
「
陸
(
をか
)
へ合図して誰かに船を持つて来て貰つたら如何です?」と平三は思付いた様に言つた。
厄年
(新字旧仮名)
/
加能作次郎
(著)
涼しい
樹陰
(
こかげ
)
に五六艘の
和船
(
わせん
)
が集つて碇泊して居るさまが絵のやうに下に見えた。帆を舟一杯にひろげて干して居るものもあれば、
陸
(
をか
)
から一生懸命に荷物を積んで居るものもある。
朝
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
叱咜する度土石を飛ばして丑の刻より寅の刻、卯となり辰となるまでも
毫
(
ちつと
)
も止まず励ましたつれば、
数万
(
すまん
)
の
眷属
(
けんぞく
)
勇みをなし、水を渡るは波を蹴かへし、
陸
(
をか
)
を走るは沙を蹴かへし
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
陸
(
をか
)
へ上げて下さつて、ソフィイは後から
隨
(
つ
)
いて來て、そして、あたしたちみんな馬車に乘つて、こゝよかもつと廣くて立派なホテルつていふ
綺麗
(
きれい
)
な大きなお
家
(
うち
)
に行きましたのよ。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
またその
蒼々
(
あを/\
)
とした
大
(
おほ
)
きな
海
(
うみ
)
を
無事
(
ぶじ
)
にわたり
切
(
き
)
つて、
陸
(
をか
)
からふりかへつてその
海
(
うみ
)
を
沁々
(
しみ/″\
)
眺
(
なが
)
める、あの
氣持
(
きもち
)
つたら……あの
時
(
とき
)
ばかりは
何時
(
いつ
)
の
間
(
ま
)
にかゐなくなつてゐる
友達
(
ともだち
)
や
親族
(
みうち
)
もわすれて
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
腹立
(
はらだ
)
たし
氣
(
げ
)
な
顏
(
かほ
)
をしたものや、ベソを
掻
(
か
)
いたものや、
怖
(
こは
)
さうにおど/\したものなぞが、
前後
(
ぜんご
)
してぞろ/\と
舟
(
ふね
)
から
陸
(
をか
)
へ
上
(
あが
)
つた。
母
(
はゝ
)
に
抱
(
だ
)
かれた
嬰兒
(
あかご
)
の
泣
(
な
)
く
聲
(
こゑ
)
は、
殊
(
こと
)
に
哀
(
あは
)
れな
響
(
ひゞき
)
を
川風
(
かはかぜ
)
に
傳
(
つた
)
へた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
「買はう/\。」と
間延
(
まの
)
びな聲で呼んでは、漁船の間を漕いで魚を買ひ集めて、買つた魚を籠に入れて
陸
(
をか
)
へ上ると、今度は威勢のいゝ聲で「賣らう賣らう。」と叫びながら村中を驅け廻つてゐた。
避病院
(旧字旧仮名)
/
正宗白鳥
(著)
この時も、予は亦突然
艀舟
(
はしけ
)
を
陸
(
をか
)
にあげる人々の叫聲に驚かされた。
海郷風物記
(旧字旧仮名)
/
木下杢太郎
(著)
されど
急流
(
きふりう
)
岩に
激
(
げき
)
して
水勢
(
すゐせい
)
絶急
(
はげしき
)
ところは雪もつもる事あたはず、浪を見る処もあり。
渡口
(
わたしば
)
などは
斧
(
をの
)
にて氷を
砕
(
くだ
)
きてわたせども、
終
(
つひ
)
には
氷
(
こほり
)
厚
(
あつ
)
くなりて力およびがたく、船は
陸
(
をか
)
に
在
(
あ
)
りて人々氷の上を
渉
(
わた
)
る。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
陸
(
をか
)
に来てはころげ羽ばたく
阿呆鳥
(
あほうどり
)
逃げよとすれど歩まれぬかも
雀の卵
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
陸
(
をか
)
の方へやつて来た。
或売笑婦の話
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
仲よく
陸
(
をか
)
見て
朝おき雀
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
その
蕋
(
しべ
)
の
陸
(
をか
)
山果集
(旧字旧仮名)
/
三好達治
(著)
屈強
(
くつきやう
)
な若者達が、船から運び出す荷を、
陸
(
をか
)
に待つて居る人足が、言葉少なに受取つて、何處ともなく姿を消します。
銭形平次捕物控:083 鉄砲汁
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
譬
(
たと
)
へば、海上の長旅を終つて、
陸
(
をか
)
に上つた時の水夫の
心地
(
こゝろもち
)
は、土に
接吻
(
くちづけ
)
する程の
可懐
(
なつか
)
しさを感ずるとやら。丑松の情は丁度其だ。いや、其よりも
一層
(
もつと
)
歓
(
うれ
)
しかつた、一層哀しかつた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
しかし空想の中でさへ、私はそこまで行くことが出來ない——
逆風
(
ぎやくふう
)
が
陸
(
をか
)
の方から吹きつけて、始終私を追ひ歸してしまふ。常識が
譫忘状態
(
せんばうじやうたい
)
に勝たうと
努
(
つと
)
め、判斷力が情熱を警めるのだ。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
『貴方は、水の魚、それとも
陸
(
をか
)
の魚、青い小父さんはなあに。』
小熊秀雄全集-14:童話集
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
それを
陸
(
をか
)
から眺めてゐる娘、即ち僕の女房……
夏ちかきころ
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
陸
(
をか
)
は万作だ
蛍の灯台
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
その時自分の船より一と足先に岸へ
漕
(
こ
)
ぎ寄せた傳馬が、炭俵と米俵を二十五六
俵
(
べう
)
陸
(
をか
)
へ揚げて、サツサと大川を漕ぎ戻つたのを見てゐると、足元の石垣の上に、
牙彫
(
けぼり
)
の圓いものが一つ
銭形平次捕物控:083 鉄砲汁
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
と漁師達は、釣竿を海に投げすてて
陸
(
をか
)
に逃げかへりました。
小熊秀雄全集-14:童話集
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
海から見た
陸
(
をか
)
は、陸から海を見たほどの變化も無かつた。
伊豆の旅
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「解らないなア。兎に角、もう少し
陸
(
をか
)
をあさつて見よう」
銭形平次捕物控:139 父の遺書
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“陸”の意味
《名詞》
(リク、おか) 地球の表面で、水に覆われていない部分。
(出典:Wiktionary)
“陸”の解説
陸(りく)とは、地球の表面のうち海水に覆われていない部分を指す。陸地(りくち)ともいう。対義語は海。
(出典:Wikipedia)
陸
常用漢字
小4
部首:⾩
11画
“陸”を含む語句
陸地
陸上
陸橋
上陸
陸路
陸奥
陸尺
陸奧
北陸道
常陸
陸奥守
道陸神
陸稲
常陸国
北陸
陸湯
陸奥国
陸使
陸影
陸地測量部
...