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達人
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たつじん
ふりがな文庫
“
達人
(
たつじん
)” の例文
ところがそれからだいぶ経って、私が例の
達人
(
たつじん
)
といっしょに、芝の
山内
(
さんない
)
の
勧工場
(
かんこうば
)
へ行ったら、そこでまたぱったり御作に出会った。
硝子戸の中
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
茲
(
こゝ
)
に一
大
(
だい
)
事件
(
じけん
)
が
出來
(
しゆつたい
)
した、それは
他
(
ほか
)
でもない、
丁度
(
ちやうど
)
此
(
この
)
船
(
ふね
)
に
米國
(
ベイこく
)
の
拳鬪
(
けんとう
)
の
達人
(
たつじん
)
とかいふ
男
(
をとこ
)
が
乘合
(
のりあは
)
せて
居
(
を
)
つたが、
此
(
この
)
噂
(
うわさ
)
を
耳
(
みゝ
)
にして
先生
(
せんせい
)
心安
(
こゝろやす
)
からず
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
今のふたりの立ち場は剣道の
達人
(
たつじん
)
と達人とが、
白刃
(
はくじん
)
をかまえてにらみあっているのと、少しもかわりはありません。気力と気力のたたかいです。
怪人二十面相
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
なるほど
評判
(
ひょうばん
)
の
通
(
とお
)
り、
頼政
(
よりまさ
)
は
武芸
(
ぶげい
)
の
達人
(
たつじん
)
であるばかりでなく、
和歌
(
わか
)
の
道
(
みち
)
にも
達
(
たっ
)
している、りっぱな
武士
(
ぶし
)
だと、
天子
(
てんし
)
さまはますます
感心
(
かんしん
)
あそばしました。
鵺
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
しかし、いくら飛走の
達人
(
たつじん
)
でも、どうして、いつのまにこんなところへきたんだろうと、竹童はじぶんのゆだんをつねって、目ばかりパチパチさせている。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
「水泳の
達人
(
たつじん
)
は、自由に水の中を泳ぎまわる。水はその人にとって決して
邪魔
(
じゃま
)
ではない。それどころか……」
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
「
夫
(
そ
)
れ——
達人
(
たつじん
)
は——」声はいさゝか
震
(
ふる
)
えて響きはじめた。余は
瞑目
(
めいもく
)
して耳をすます。「
大隅山
(
おおすみやま
)
の
狩
(
かり
)
くらにィ——
真如
(
しんにょ
)
の
月
(
つき
)
の——」弾手は
蕭々
(
しょうしょう
)
と歌いすゝむ。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
マーキュ
昔話
(
むかしばなし
)
の
猫王
(
チッバルト
)
ぢゃと
思
(
おも
)
うたら
當
(
あて
)
が
違
(
ちが
)
はう。
見事
(
みごと
)
武士道
(
ぶしだう
)
の
式作法
(
しきさはふ
)
に
精通
(
せいつう
)
遊
(
あそ
)
ばしたお
達人
(
たつじん
)
さまぢゃ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
長髯
(
ちょうぜん
)
をしごきながら「遠き
慮
(
おもんばかり
)
のみすれば、必ず近き
憂
(
うれ
)
いあり。
達人
(
たつじん
)
は大観せぬものじゃ。」と教えた。
悟浄出世
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
隋
(
ずゐ
)
の
沈光
(
ちんくわう
)
字
(
あざな
)
は
總持
(
そうぢ
)
、
煬帝
(
やうだい
)
に
事
(
つか
)
へて
天下第一
(
てんかだいいち
)
驍捷
(
はやわざ
)
の
達人
(
たつじん
)
たり。
帝
(
てい
)
はじめ
禪定寺
(
ぜんぢやうじ
)
を
建立
(
こんりふ
)
する
時
(
とき
)
、
幡
(
はた
)
を
立
(
た
)
つるに
竿
(
さを
)
の
高
(
たか
)
さ
十餘丈
(
じふよぢやう
)
。
然
(
しか
)
るに
大風
(
たいふう
)
忽
(
たちま
)
ち
起
(
おこ
)
りて
幡
(
はた
)
の
曳綱
(
ひきづな
)
頂
(
いたゞき
)
より
斷
(
き
)
れて
落
(
お
)
ちぬ。
唐模様
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
百兩
盜
(
ぬす
)
みし
大盜人
(
おほどろばう
)
元
(
もと
)
は越後浪人にて
劔術
(
けんじゆつ
)
の
達人
(
たつじん
)
たりとか云が今御
召捕
(
めしとり
)
になる時
捕方
(
とりかた
)
の者を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
私は彼を
想
(
おも
)
い出すたびに、
達人
(
たつじん
)
という彼の名を考える。するとその名がとくに彼のために天から与えられたような心持になる。
硝子戸の中
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
坂本
(
さかもと
)
の町に
弓術
(
きゅうじゅつ
)
の道場をひらいて、都にまで名のきこえている
代々木流
(
よよぎりゅう
)
の
遠矢
(
とおや
)
の
達人
(
たつじん
)
、
山県蔦之助
(
やまがたつたのすけ
)
という者であるが、町の人は名をよばずに、
今為朝
(
いまためとも
)
とあだなしていた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
元々
(
もともと
)
武芸
(
ぶげい
)
の
家柄
(
いえがら
)
である上に、
生
(
う
)
まれ
付
(
つ
)
き
弓矢
(
ゆみや
)
の
名人
(
めいじん
)
で、その上
和歌
(
わか
)
の
道
(
みち
)
にも
心得
(
こころえ
)
があって、
礼儀作法
(
れいぎさほう
)
のいやしくない、いわば
文武
(
ぶんぶ
)
の
達人
(
たつじん
)
という
評判
(
ひょうばん
)
の
高
(
たか
)
い人だったのです。
鵺
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
恁
(
か
)
くて
互
(
たがひ
)
に
其
(
そ
)
の
間
(
あひだ
)
に
考案
(
かうあん
)
する
隙
(
ひま
)
ありき。さすがに
斯道
(
しだう
)
の
達人
(
たつじん
)
とて、
積薪
(
せきしん
)
は
耳
(
みゝ
)
を
澄
(
すま
)
して、
密
(
ひそ
)
かに
其
(
そ
)
の
戰
(
たゝかひ
)
を
聞居
(
きゝゐ
)
たり。
時
(
とき
)
四更
(
しかう
)
に
至
(
いた
)
りて、
姑
(
しうと
)
の
曰
(
いは
)
く、お
前
(
まへ
)
、おまけだね、
勝
(
か
)
つたが
九目
(
くもく
)
だけと。
唐模様
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
山岡鉄舟という人は、非常な剣道の
達人
(
たつじん
)
で、しかも幕末の血なまぐさい頃に仂いた人だが、一生、人を
斬
(
き
)
ったことのない人だそうだ。むろん戦場に出たら、そういうわけにも行かなかったろうさ。
次郎物語:02 第二部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
利
(
きく
)
奴等
(
やつら
)
なり無刀流の
達人
(
たつじん
)
後藤半四郎秀國が相手なるぞ
率
(
いざ
)
出來
(
いできた
)
れ
片端
(
かたはし
)
より
捻
(
ひね
)
り殺して呉れんと大音聲に
呼
(
よば
)
はるにぞ
連
(
つれ
)
の町人は
己
(
おのれ
)
が仕事の
邪魔
(
じやま
)
になりてはならずと思ひしかば
若々
(
もし/\
)
旦那樣
(
だんなさま
)
誰
(
だれ
)
も何とも申は致しません貴方に對して
過言
(
くわごん
)
申者の有べきやと
種々
(
さま/″\
)
に
宥
(
なだ
)
め
賺
(
すか
)
しサア/\を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「小娘ッ」まことは
甲州流兵法
(
こうしゅうりゅうへいほう
)
の
達人
(
たつじん
)
小幡民部
(
こばたみんぶ
)
が、こういってにらんだ眼光は
射
(
い
)
るようだった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
さしもの
達人
(
たつじん
)
家康も、この愚かなる坊ンちには、まったく、出し抜かれたかたちになった。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ああ、
達人
(
たつじん
)
なるかな、と思うと同時に、大局に立って誤らぬには、人間やはりここまで肉体と髪の黒さを削らねばならぬか——と、秀吉は彼を見るごとにそぞろ気の毒になるのだった。
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“達人”の意味
《名詞》
達人(たつじん)
学問や技芸などに深く通じた人。
人生を達観した人。
(出典:Wiktionary)
達
常用漢字
小4
部首:⾡
12画
人
常用漢字
小1
部首:⼈
2画
“達人”で始まる語句
達人眼