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ぐう
ふりがな文庫
“
遇
(
ぐう
)” の例文
余
(
よ
)
に
遇
(
ぐう
)
せしこと
甚
(
はなはだ
)
篤
(
あつし
)
。
小千谷
(
をぢや
)
は
北越
(
ほくゑつ
)
の
一市会
(
いつしくわい
)
、
商家
(
しやうか
)
鱗次
(
りんじ
)
として百物
備
(
そなはら
)
ざることなし。
海
(
うみ
)
を
去
(
さ
)
る事
僅
(
わづか
)
に七里ゆゑに
魚類
(
ぎよるゐ
)
に
乏
(
とぼ
)
しからず。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
なお、自分のために、堀尾茂助までが、
千載
(
せんざい
)
一
遇
(
ぐう
)
の決戦主戦場から除かれて、残留組に廻されたのは、何とも気のどくの感に堪えない。
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
孔子を
国賓
(
こくひん
)
として
遇
(
ぐう
)
しようという国はある。孔子の弟子の
幾人
(
いくにん
)
かを用いた国もある。が、孔子の政策を実行しようとする国はどこにも無い。
弟子
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
遇
(
ぐう
)
すること
峻烈
(
しゅんれつ
)
であったのはそういう冷やかし半分の
狼
(
おおかみ
)
連を
撃退
(
げきたい
)
する手段でもあったと云うが皮肉にもそれがかえって人気を呼んだらしくもある
邪推
(
じゃすい
)
を
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
人一倍
強
(
したゝ
)
かな魂と力を持つた半兵衞を討ち取る望もなく、心ならずも折を狙つて月日を過してゐるうち、昨夜といふ昨夜こそは、まことに千
載
(
ざい
)
一
遇
(
ぐう
)
の時節到來
銭形平次捕物控:155 仏像の膝
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
其所
(
そこ
)
を
發掘
(
はつくつ
)
し
得
(
う
)
る
機會
(
きくわい
)
を
得
(
え
)
た。
千載
(
せんさい
)
の一
遇
(
ぐう
)
。それに
參豫
(
さんよ
)
した
余
(
よ
)
は、
實
(
じつ
)
に
採集家
(
さいしふか
)
としての
名譽
(
めいよ
)
此上
(
このうへ
)
も
無
(
な
)
い。
探検実記 地中の秘密:20 大森貝塚の発掘
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
陛下もなるほどそうか、それでは
朕
(
ちん
)
も遠来の大使を
遇
(
ぐう
)
するに最敬礼をもってせんといわれ、使節も陛下もともに侮辱を最敬礼と心得て実行されたという話がある。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
管仲夷吾
(
くわんちういご
)
は
(一)
潁上
(
えいじやう
)
の
人
(
ひと
)
也
(
なり
)
。
少
(
わか
)
き
時
(
とき
)
常
(
つね
)
に
鮑叔牙
(
はうしゆくが
)
と
(二)
游
(
あそ
)
ぶ。
鮑叔
(
はうしゆく
)
、
其賢
(
そのけん
)
を
知
(
し
)
る。
管仲
(
くわんちう
)
貧困
(
ひんこん
)
にして、
常
(
つね
)
に
鮑叔
(
はうしゆく
)
を
欺
(
あざむ
)
く。
鮑叔
(
はうしゆく
)
終
(
つひ
)
に
(三)
善
(
よ
)
く
之
(
これ
)
を
遇
(
ぐう
)
し、
以
(
もつ
)
て
言
(
げん
)
を
爲
(
な
)
さず。
国訳史記列伝:02 管晏列伝第二
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
女がふりかえって微笑しながら、「初めより
桑中
(
そうちゅう
)
の
期
(
き
)
無くして、
乃
(
すなわ
)
ち
月下
(
げっか
)
の
遇
(
ぐう
)
有り、偶然に
非
(
あら
)
ざるに似たり」と持ちかけたので、喬生は、「
弊居咫尺
(
へいきょしせき
)
、
佳人
(
かじん
)
能
(
よ
)
く回顧すべきや否や」
牡丹灯籠 牡丹灯記
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
自分たちは過去三年間、
未嘗
(
いまだかつ
)
てこの中学の先生から諸君を以て
遇
(
ぐう
)
せられた事は、一度もない。そこで毛利先生のこの「諸君」は、勢い自分たち一同に、思わず驚嘆の眼を見開かせた。
毛利先生
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
悪魔よ来たれ。わしは汝に今こそ親しく呼びかけるぞ。わしは
三界
(
さんがい
)
に
怨霊
(
おんりょう
)
というもののできる理由を今こそ知った。わしのごとく
遇
(
ぐう
)
せられて死んだものの霊が、
怨霊
(
おんりょう
)
にならずして何になるのだ。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
余
(
よ
)
に
遇
(
ぐう
)
せしこと
甚
(
はなはだ
)
篤
(
あつし
)
。
小千谷
(
をぢや
)
は
北越
(
ほくゑつ
)
の
一市会
(
いつしくわい
)
、
商家
(
しやうか
)
鱗次
(
りんじ
)
として百物
備
(
そなはら
)
ざることなし。
海
(
うみ
)
を
去
(
さ
)
る事
僅
(
わづか
)
に七里ゆゑに
魚類
(
ぎよるゐ
)
に
乏
(
とぼ
)
しからず。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
そこへ
鴨
(
かも
)
も鴨、断然そんな
手輩
(
てあい
)
とは、金の切れが違う西門慶という大鴨がかかったのだから、婆としては千
載
(
ざい
)
の一
遇
(
ぐう
)
だ。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「相澤樣が御墨附を受取に行つた時、千
載
(
ざい
)
一
遇
(
ぐう
)
の思ひだつたらう。お前は前の晩用意しろと言ひ付けられると、早速青竹を切つて來て水鐵砲を
拵
(
こさ
)
へた、これだよ」
銭形平次捕物控:022 名馬罪あり
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
佐助を
遇
(
ぐう
)
するに手曳き以上の
扱
(
あつか
)
いはしていないようなので奉公人共も二人の間に間違いがあろうとは思っても見なかったむしろ主従の区別が有り過ぎ情味が
乏
(
とぼ
)
しいほどに思えた。
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
降将李陵は一つの
穹盧
(
きゅうろ
)
と数十人の
侍者
(
じしゃ
)
とを与えられ
賓客
(
ひんきゃく
)
の礼をもって
遇
(
ぐう
)
せられた。
李陵
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
わしが生きている間、わしをいかに
遇
(
ぐう
)
したか。それをわしは
永劫
(
えいごう
)
に忘れぬぞ。この世界はゆがめる世界だ。善が滅び悪が勝つ世界だ。あゝ、なきに
劣
(
おと
)
る世界だ。かかる世界は悪魔の手に渡すがいい。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
おそらく日本の
侮辱法
(
ぶじょくほう
)
の最大なるものは「
尻
(
しり
)
をまくって
叩
(
たた
)
く」ことであろうが、西洋ではこの方法を実行することができない。そのかわりに双手を開いて
鼻
(
はな
)
の前にならべて人を
遇
(
ぐう
)
する侮辱法がある。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
と、
蘭花
(
らんか
)
の
瞼
(
まぶた
)
にすぐ涙をうかべ、この
零落
(
れいらく
)
の恩人を
遇
(
ぐう
)
するに、細やかな心かぎりを見せたのはいうまでもない。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
すべて春松検校がその内弟子を
遇
(
ぐう
)
する様を真似
厳重
(
げんじゅう
)
に師弟の礼を
執
(
と
)
らせたかくして
大人
(
おとな
)
たちの企図したごとくたわいのない「学校ごッこ」が続けられ春琴もそれに
紛
(
まぎ
)
れて
孤独
(
こどく
)
を忘れていたのであるが
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
この良人の肉親は、またその妻である人も、自分を、弟の妻とはまったく
視
(
み
)
ていないことがよく分った。飽くまで白拍子あがりの遊び
女
(
め
)
と
遇
(
ぐう
)
しているのである。
日本名婦伝:静御前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
信長の進出を、直ちに、自分の進出とし——自分の千
載
(
ざい
)
一
遇
(
ぐう
)
とした者など、ほとんど稀れだといっていい。
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「そいつア惜しい。二龍山など行かずに、都頭武松も、こっちへ来てくれたら、どんなに
歓呼
(
かんこ
)
して迎えたかもしれねえのに、千
載
(
ざい
)
一
遇
(
ぐう
)
の機を逃がしたようなもんだ」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
千載
(
せんざい
)
の一
遇
(
ぐう
)
だぞ」と、功名手柄を励ましたが、ひとり
沮授
(
そじゅ
)
の出陣だけは、ひとと違っていた。
三国志:05 臣道の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「合戦中は、夜ごと、名馬が厩で悲しみましょう。この千
載
(
ざい
)
一
遇
(
ぐう
)
の
秋
(
とき
)
につながれて置かれては」
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
(どうだ、貴公も行かないか。ぜひ一口入れ。吾々が世に浮かび出る千
載
(
ざい
)
の一
遇
(
ぐう
)
が来たのに、その機会を
逃
(
の
)
がすなどという法があるものか。——なあ御新造、そうじゃないか)
死んだ千鳥
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
身は
緑林
(
りょくりん
)
におき、才は
匹夫
(
ひっぷ
)
、押して申しかねますなれど、きょうの日は、てまえにとって、実に、千
載
(
ざい
)
の一
遇
(
ぐう
)
といいましょうか、
盲亀
(
もうき
)
の
浮木
(
ふぼく
)
というべきか、逸しがたい機会です。
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
しかしそれは彼の千
載
(
ざい
)
一
遇
(
ぐう
)
であり彼のたましいを燃やすに足るものではあった。
私本太平記:08 新田帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
御身は曹操に篤う
遇
(
ぐう
)
せられて、都を去る折、彼の情誼にほだされて、他日かならずこの重恩に報ぜんと、誓ったことがおありであろうが——今、曹操は烏林に敗れ、その退路を
華容道
(
かようどう
)
にとって
三国志:08 望蜀の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
青毛
(
あお
)
に騎乗して、名を成すべかりしを、ふと、その
若駒
(
わかごま
)
の故障から、思い止まって、
脾肉
(
ひにく
)
を
喞
(
かこ
)
っていた渡が——天高き秋の仁和寺競馬を、
千載
(
せんざい
)
一
遇
(
ぐう
)
のときと、ふたたび手に
唾
(
つば
)
していることである。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いやでも上野介が邸外へ出ねばならぬその千
載
(
ざい
)
一
遇
(
ぐう
)
の
機会
(
おり
)
を——
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
わが軍の行くを迎えて礼する者は
麾下
(
きか
)
に加えて
遇
(
ぐう
)
せん。
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
何ぞ、
遇
(
ぐう
)
するの、無礼。
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
遇
常用漢字
中学
部首:⾡
12画
“遇”を含む語句
待遇
遭遇
境遇
冷遇
出遇
虐遇
好遇
不遇
不待遇
寵遇
知遇
遇々
御待遇
礼遇
遇洪而開
奇遇
千載一遇
恩遇
厚遇
値遇
...