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諾
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だく
ふりがな文庫
“
諾
(
だく
)” の例文
諾
(
だく
)
か
然
(
しか
)
らざれば死だ。我輩は
徒
(
いたず
)
らに人命を絶つことを好まぬ。だが、我輩の慈悲心には、場合によって例外あることを記憶せよ。
黄金仮面
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
武蔵はそれに
諾
(
だく
)
か否かを答えるよりも、あのどじょう
髯
(
ひげ
)
の——青木丹左という者の成れの果てを思いもかけず、思い
遣
(
や
)
っていた。
宮本武蔵:03 水の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
諾
(
だく
)
を宿するなし、という子路の信と直とは、それほど世に知られていたのだ。ところが、子路はこの頼をにべも無く
断
(
ことわ
)
った。ある人が言う。
弟子
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
代助は慎重な態度で、
聴
(
き
)
いてゐた。けれども、父の言葉が切れた時も、依然として許
諾
(
だく
)
の意を表さなかつた。すると
父
(
ちゝ
)
はわざと
抑
(
おさ
)
えた調子で
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
因って儂は、その必用のある処を問う。磯山告ぐるに、
彼是間
(
ひしかん
)
の通信者に、最も必用なるを答う。儂熟慮これを
諾
(
だく
)
す。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
▼ もっと見る
諾
(
だく
)
と答へようとした、
謂
(
い
)
ふまでもない、
此
(
この
)
美人は
譬
(
たと
)
ひ今は世に
亡
(
な
)
き人にもせよ、
正
(
まさ
)
に自分の恋人に似て居るから。
二世の契
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
公子夫婦は聞きて、さらばその詩をば我等こそ最初に聽くべけれと宣給ふ。我は直ちに
諾
(
だく
)
しつれど、心にはこの
本讀
(
ほんよみ
)
の
發落
(
なりゆき
)
いかにと氣遣はざること能はざりき。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
僕はまた元のような緊張と昂奮を感じ乍ら、訪問を
諾
(
だく
)
すると共に、自ら第一番に此の室を
馳
(
はし
)
り出ました。
壊れたバリコン
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
虎髯大尉
(
こぜんたいゐ
)
、
本名
(
ほんめい
)
は
轟大尉
(
とゞろきたいゐ
)
であつた。『
諾
(
だく
)
。』と
應
(
こた
)
えたまゝ、
身
(
み
)
を
飜
(
ひるが
)
へして
前甲板
(
ぜんかんぱん
)
の
方
(
かた
)
へ
走
(
はし
)
り
去
(
さ
)
つた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
花里が小主水の
差金
(
さしがね
)
で身請を
諾
(
だく
)
しますと直ぐ、伊之吉の
許
(
もと
)
へ品川から使い屋が飛んでまいった。
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「一
諾
(
だく
)
は重んじるけれど、僕は将来の為めに、こゝで一つ
極
(
き
)
めをつけて置きたいんだ」
勝ち運負け運
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
孫子
(
そんし
)
曰
(
いは
)
く、『
前
(
まへ
)
は
則
(
すなは
)
ち
心
(
むね
)
を
視
(
み
)
、
左
(
ひだり
)
は
左
(
ひだり
)
の
手
(
て
)
を
視
(
み
)
、
右
(
みぎ
)
は
右
(
みぎ
)
の
手
(
て
)
を
視
(
み
)
、
後
(
うしろ
)
は
即
(
すなは
)
ち
背
(
せ
)
を
視
(
み
)
よ』と。
婦人
(
ふじん
)
曰
(
いは
)
く、『
諾
(
だく
)
』と。
約束
(
やくそく
)
既
(
すで
)
に
布
(
し
)
き、
乃
(
すなは
)
ち
(五)
鈇鉞
(
ふゑつ
)
を
設
(
まう
)
け、
即
(
すなは
)
ち
之
(
これ
)
に
(六)
三
令
(
れい
)
五
申
(
しん
)
す。
国訳史記列伝:05 孫子呉起列伝第五
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
彼女の師外川先生も、自身
新英蘭
(
ニューイングランド
)
で一時
白痴院
(
はくちいん
)
の看護手をしたことがあると云うて、彼女の渡米に賛同した。お馨さんは母の愛女であった。母は愛女の為に其望を遂げさすべく骨折る事を
諾
(
だく
)
した。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
〔評〕政府
郡縣
(
ぐんけん
)
の
治
(
ち
)
を
復
(
ふく
)
せんと欲す、木戸公と南洲と尤も之を主張す。或ひと南洲を見て之を説く、南洲曰く
諾
(
だく
)
すと。其人又之を説く、南洲曰く、吉之助の一諾、死以て之を守ると、
他語
(
たご
)
を
交
(
まじ
)
へず。
南洲手抄言志録:03 南洲手抄言志録
(旧字旧仮名)
/
秋月種樹
、
佐藤一斎
(著)
一二町にして友に
別離
(
わかれ
)
を告げんことを望む。友
諾
(
だく
)
せず。
秋の岐蘇路
(旧字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
孔子曰く、
諾
(
だく
)
、吾
将
(
まさ
)
に仕えんとすと。——陽貨篇——
論語物語
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
目を奪ひ命を奪ふ
諾
(
だく
)
と
鷲
(
わし
)
六百五十句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
彼は
諾
(
だく
)
した。
道鏡
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
しかし、重蔵は容易に
諾
(
だく
)
の一語を与えなかった。彼の侠勇を象徴した濃い眉の下には、それを反省する聡明の
眼
(
まなこ
)
がいつまでも閉じられていた。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
良
(
やゝ
)
時
(
とき
)
を
經
(
へ
)
て
乘客
(
じようかく
)
は、
活佛
(
くわつぶつ
)
——
今
(
いま
)
新
(
あら
)
たに
然
(
し
)
か
思
(
おも
)
へる——の
周圍
(
しうゐ
)
に
集
(
あつま
)
りて、
一條
(
いちでう
)
の
法話
(
ほふわ
)
を
聞
(
き
)
かむことを
希
(
こひねが
)
へり。
漸
(
やうや
)
く
健康
(
けんかう
)
を
囘復
(
くわいふく
)
したる
法華僧
(
ほつけそう
)
は、
喜
(
よろこ
)
んで
之
(
これ
)
を
諾
(
だく
)
し、
打咳
(
うちしはぶ
)
きつゝ
語出
(
かたりいだ
)
しぬ。
旅僧
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
諾
(
だく
)
と云えばどっちへ転んでも
幸
(
さいわい
)
である。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
容易に
諾
(
だく
)
しそうにも無い。
蒲団
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
一 結婚を
諾
(
だく
)
す
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
これほど
真摯
(
しんし
)
な声も、まだ相手の心を
衝
(
う
)
つにはたらないのか、依然としてその人の横顔は冷たく、
諾
(
だく
)
の一語を洩らさない。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
されども本間が死期の依頼を天に誓いし一
諾
(
だく
)
あり、人情としては決して下枝を死なすべからず。さりとて
出
(
いで
)
て闘わんか、我が身命は立処に滅し、この大悪人の罪状を公になし難し。
噫
(
ああ
)
公道人情
両是非
(
ふたつながらこれひなり
)
。
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
もちろん、貴下にも充分な恩賞を約してよい。……
諾
(
だく
)
か非か。即時、隠密の者に、御意のほどをおもらしねがう
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と本来の
義胆
(
ぎたん
)
から、たちどころに、彼も腹をすえて、仲間入りの一
諾
(
だく
)
を宋江まで申し出た。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
幸いにも、黄蓋は武具
兵粮
(
ひょうろう
)
を
司
(
つかさ
)
どる役目にあれば、丞相だに、
諾
(
だく
)
! とご一言あれば、不日、呉陣を脱して、呉の兵糧武具など、及ぶかぎり舷に積載してお味方へ投じるでござろう
三国志:07 赤壁の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
けれど、
諾
(
だく
)
とも否とも答えない。ただ使者の真田弁次郎の
容子
(
ようす
)
ばかり見まもっていた。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
武士には、一
諾
(
だく
)
を重んじるという事がござりますぞ。事情を打明けて、この娘、頼むと仰せられたあの涙を、なぜ今お持ちなさらぬのか。よろしいお
娶
(
もら
)
い申そうと、その時云った
然諾
(
ぜんだく
)
を
夕顔の門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
諾
(
だく
)
すに一書を以てした。政職から荒木村重へ宛てたてがみである。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
諾
(
だく
)
か。否か」
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
諾
(
だく
)
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
諾
常用漢字
中学
部首:⾔
15画
“諾”を含む語句
諾威
承諾
許諾
諾否
諾々
唯々諾々
然諾
伊弉諾
快諾
伊弉諾尊
英諾威
否諾
諾威人
一諾
応諾
御承諾
甘諾
易々諾々
約諾
内諾
...