見物人けんぶつにん)” の例文
そして二まい大畫たいぐわ今日けふ所謂いはゆ大作たいさく)がならべてかゝげてあるまへもつと見物人けんぶつにんたかつてる二まい大畫たいぐわはずとも志村しむらさく自分じぶんさく
画の悲み (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
けれど、このすばらしいいきおいで、見物人けんぶつにんがみんなびっくりして、こえをたてました。くまはそれをせめても痛快つうかいがったのであります。
白いくま (新字新仮名) / 小川未明(著)
それは、いつも人をびあつめるこっけいな道化どうけたあいさつとは、まるっきりちがった調子ちょうしでした。見物人けんぶつにんたちはへんな気がしました。
活人形 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
さら博物館はくぶつかんではそとより見物人けんぶつにん學者達がくしやたち研究けんきゆうさせるばかりでなく、博物館はくぶつかんにゐるひと自身じしんがその陳列品ちんれつひん利用りようして研究けんきゆうかさ
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
団長だんちょうもこれにはびっくりもし、よろこびもしました。そこで新吉を、象使いの名人として見物人けんぶつにんの前へ出すことにしたのです。
曲馬団の「トッテンカン」 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
「わしもさ、晝間ひるまはそれでも見物人けんぶつにんにまぎれてわすれてゐるが、よるはしみじみとかんがえるよ。かゝあどものことを……どうしてゐるかとおもつてね」
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
いざ小手こてしらべは虹渡にじわたりの独楽こま! 見物人けんぶつにんかさのご用心! そんな口上こうじょうをはりあげて蛾次郎がじろう、いよいよ独楽こままわしのげいにとりかかろうとしていた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
だれにもづかれないように、こうは、ひがしみやこへ、おつ芸当げいとうにやってきました。そして、ふつうの見物人けんぶつにんにまじって、ながめていました。
二人の軽業師 (新字新仮名) / 小川未明(著)
前の日のことがあるので、もう、おおぜいの見物人けんぶつにんが集まっていました。だが、手品を使うのは、今日は一郎ではありません。
金の目銀の目 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
そして、見物人けんぶつにん自分じぶん隨意ずいいにぼたんをすときは、電氣仕掛でんきじかけにつうじて機械きかいうごし、見物人自身けんぶつにんじしん實驗じつけん自由じゆう出來できるようになつてをります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
「とまれーっ。」とさけびました。からだに似合にあわず、太いしゃがれ声を出したので、見物人けんぶつにんはびっくりしました。
曲馬団の「トッテンカン」 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
ことの真相しんそうを知らない場外じょうがい見物人けんぶつにんは、いろいろみょうな顔をしているし、事情じじょうを知っている人々は、大鷲おおわしからてられた美少女びしょうじょの一身が、いずれにるか奪られるかと
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
毎日まいにち動物園どうぶつえん見物人けんぶつにんせてまいりました。しろいくまは、いままでよりか、もっとにぎやかになったのをよろこびました。
白いくま (新字新仮名) / 小川未明(著)
けれどもたいへん下手へたですから、見物人けんぶつにんがさっぱりありませんで、非常ひじょうこまりました。「甚兵衛の人形は馬鹿ばか人形」と町の人々はいっていました。
人形使い (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
かように三種さんしゆならかたによつて、私共わたしども見物人けんぶつにんはスエーデンの風俗ふうぞく習慣しゆうかん特質とくしつ十分じゆうぶんにいろ/\の方面ほうめんから研究けんきゆうすることが出來できるようになつてをります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
中からは見物人けんぶつにん拍手はくしゅが、あらしのように鳴りひびいて来ます。楽隊の音は、大なみのように鳴りわたります。
曲馬団の「トッテンカン」 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
耳をろうせんばかりのどよめきが、土用波どようなみのように見物人けんぶつにんをもみあげた。なにかののしるような声、嘲笑ちょうしょうするようなわめき、それらがあらしのごとく、かれをとりまいた心地ここちがした。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
見物人けんぶつにんから、なんとののしられても、さもきここえぬようなふうをして、すすきのなかかくれて、おとりのすずめをかすのに、苦心くしんしていました。
すずめ (新字新仮名) / 小川未明(著)
見物人けんぶつにんおどろいてしまいました。なにしろ人形がひとりでうごまわるのは、見たこともいたこともありません。みな立ちあがって、やんやと喝采かっさいしました。
人形使い (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
それは五色のテープで、五色の蜘蛛くもの糸のようになって、あたり一面に広がりました。見物人けんぶつにんたちは、わっと喝采かっさいしました。なんども喝采しました。
金の目銀の目 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
めっそうな、わたしたら、いまごろは破産はさんせんけりゃならん。しろい、気味きみわるつきをしたおとこ見物人けんぶつにんなかじって、じっとしていたということでな。
白い影 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「ほら、またきたよ。きっとあみにかかるから。」と、見物人けんぶつにんが、いっていますと、すずめのれはたして、すすきのやぶのあたまにくると、ぐるぐるとまわりはじめました。
すずめ (新字新仮名) / 小川未明(著)
見物人けんぶつにんたちがうつくしくかざってるのにくらべて、人形使にんぎょうつかいの方はひどく粗末そまつななりでした。
活人形 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
すると、甚兵衛の評判ひょうばんはもうそのみやこにもつたわっていますので、見物人けんぶつにんが朝からつめかけて、たいへんな繁昌はんじょうです。甚兵衛は得意とくいになって、毎日ひょっとこの人形をおどらせました。
人形使い (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
すると、見物人けんぶつにんをかきわけて、まきゲートルをした若者わかものまえてきました。
道の上で見た話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
見物人けんぶつにんたちは、人形のおどりに見とれて、ゆめをみてるような気持きもちになり、声をたてるものもなくただうっとりとしていました。コスモもコスマもむちゅうでした。もういきもつけませんでした。
活人形 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
見物人けんぶつにんなかに、学校帰がっこうがえりの少年しょうねん二人ふたりいました。
すずめ (新字新仮名) / 小川未明(著)
見物人けんぶつにんたちはささやきあいました。
金の目銀の目 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)