精巧せいこう)” の例文
この首と胴体どうたいとのあいだはせまい通路になっているので、その通路へ一番精巧せいこうな二つのわなをうめ、そのわなのはし牝牛めうしの首に結びつけた。
昨日きのうのことよ、どこかのひとが、たいへん精巧せいこう空気銃くうきじゅうげてあるいていたのですって。そして、片手かたてにたくさんったすずめもぶらさげて。
金歯 (新字新仮名) / 小川未明(著)
しかしその材料ざいれう構造こうざう依然いぜんとして舊來きうらいのまゝで、耐震的工風たいしんてきくふうくはふるがごと事實じじつはなかつたので、たゞ漸次ぜんじ工作こうさく技術ぎじゆつ精巧せいこうすゝんだまでである。
日本建築の発達と地震 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
精巧せいこうな機械の力で動く、この機械人間の恐ろしい怪力かいりきは、少年たちも毎日のように、自分らの目で見ていたのである。
超人間X号 (新字新仮名) / 海野十三(著)
それらのをのには横側よこがはゑぐりをれたものがおほいのであります。これらの石斧せきふみなよくみがいてなめらかにひかるように出來できて、非常ひじよう精巧せいこうつくかたであります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
藍系統のくすんだ着付に、ざっとした帯をしめているので、更紗かと思ったら、シャンチョン宮の狩猟の図を織りだした精巧せいこうきわまるゴブラン織だった。
西林図 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
アイヌの製するアツシ織りは五分四方に、たて十四、ぬき十計り故、コロボツクルの織り物中にはアイヌの衣服原料いふくげんれうよりは更に精巧せいこうなるもの有りしなり。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
政府はほとんど全国の兵をげ、くわうるに文明精巧せいこう兵器へいきを以てして容易よういにこれを鎮圧ちんあつするを得ず、攻城こうじょう野戦やせんおよそ八箇月、わずかに平定へいていこうそうしたれども
そして、できあがったのは、屋根の広さ約十二センチ平方、高さ七十五センチという、りっぱな黄金塔で、こまかいところまで、浅草の塔にそっくりの、精巧せいこうな細工でした。
少年探偵団 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
すなは現今げんこんおいもつと精巧せいこうなる潜水器せんすいきでも、海底かいてい五十米突メートル以下いかしづんではみづ壓力あつりよくめと空氣喞筒くうきポンプ不完全ふくわんぜんなるために、到底たうていそのようさぬのであるから、潜水器せんすいきもちゆる海賊船かいぞくせん
廊へ出る所の重い杉戸は、工匠たくみ精巧せいこうな工夫で、引くと自然に、キリキリッとしきいくようになっている。遠い小姓部屋の者も、それを聞けば、すぐにがばと眼をさますのであった。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
また鶯は人の見ている前では啼かないかご飼桶こおけというきりの箱に入れ障子しょうじめて密閉し紙の外からほんのり明りがさすようにするこの飼桶の障子には紫檀したん黒檀などを用いて精巧せいこう彫刻ちょうこく
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
またその桔梗ききょういろのつめたい天盤てんばんには金剛石こんごうせき劈開片へきかいへん青宝玉せいほうぎょくとがった粒やあるいはまるでけむりの草のたねほどの黄水晶きずいしょうのかけらまでごく精巧せいこうのピンセットできちんとひろわれきれいにちりばめられそれはめいめい勝手かって呼吸こきゅうし勝手にぷりぷりふるえました。
インドラの網 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
精巧せいこう機械きかいっているし、また、おそろしい武器ぶきっている。そうかんがえると、少年しょうねんには、人間にんげんがひきょうにえました。
太陽と星の下 (新字新仮名) / 小川未明(著)
衣服の原料 石器時代の土器の中には表面にものし付けたるあと有るものあり。織り物には精粗せいその別あれど最も精巧せいこうなるは五分四方に、たて、ぬき共に十八あり。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
しかし、それらのものはきんつくつてありますけれども、そのつくかたはあまり精巧せいこうでなく美術的びじゆつてきといふよりも、たゞ無闇むやみきん使つかつた趣味しゆみひく品物しなものといふほかはないのです。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
なんと顔ぜんたいにはめこんであった精巧せいこうなるマスクであった。
金属人間 (新字新仮名) / 海野十三(著)
正二しょうじくんは、たところ精巧せいこうそうな時計とけいが、ちっとも精巧せいこうでないので、がっかりしてしまいました。
正二くんの時計 (新字新仮名) / 小川未明(著)
なほ々々/\陳列ちんれつしてあるように、石器せつきには非常ひじよう精巧せいこうなソリュートレのもの、またすこ簡單かんたん要領ようりようのよく出來できてあるマデレエンといふふうにだん/\變化へんかしててゐることがわかります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
余は只粗製石棒中のる者はメキシコにける石棒いしばうひとしく、石製の臺上だいじやうに横たへころばしてもちの類を延すに用ゐられしなるべく、精製石棒中せい/\いしばうちうの或る者はニウジーランドに於ける精巧せいこうなる石噐の如く
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)
「どう、よくえるだろう。」と、たけちゃんはさも、精巧せいこうなレンズをほこらしげに、いうのでした。
さか立ち小僧さん (新字新仮名) / 小川未明(著)
新型しんがたで、いかにも機械きかい精巧せいこうそうです。正二しょうじは、それをうでにはめて、よろこんでびまわりました。
正二くんの時計 (新字新仮名) / 小川未明(著)
この一げきで、さしも精巧せいこうなドイツせいも、銃身じゅうしんがみにくくがってしまいました。
春はよみがえる (新字新仮名) / 小川未明(著)
しかし、精巧せいこう機械きかいのほうが、よりその結果けっか確実かくじつでした。
春はよみがえる (新字新仮名) / 小川未明(著)