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眠気
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ねむけ
ふりがな文庫
“
眠気
(
ねむけ
)” の例文
旧字:
眠氣
暗い夜ではあったが、年寄じみた子供の顔立を見分けることができた。
眠気
(
ねむけ
)
が襲ってきて、頭の中にはいらだたしい幻が通りすぎた。
ジャン・クリストフ:03 第一巻 曙
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
と
婦人
(
おんな
)
だちも納得した。たちまち雲霧が晴れたように、心持もさっぱりしたろう、急に
眠気
(
ねむけ
)
が
除
(
と
)
れたような気がした、勇気は一倍。
吉原新話
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それでも二時を聞いてしまうと、ようやく
眠気
(
ねむけ
)
がきざして来た。——お蓮はいつか
大勢
(
おおぜい
)
の旅客と、薄暗い船室に乗り合っている。
奇怪な再会
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
それを
見
(
み
)
ると
気
(
き
)
の
毒
(
どく
)
になりましたから、
彼
(
かれ
)
は、ごくすこしばかりの
砂
(
すな
)
を
監督人
(
かんとくにん
)
の
体
(
からだ
)
にまきかけました。と、
監督
(
かんとく
)
は、たちまちの
間
(
あいだ
)
に
眠気
(
ねむけ
)
をもよおし
眠い町
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
さては我を
助
(
たすく
)
るならんと心大におちつき、のちは熊と
脊
(
せなか
)
をならべて
臥
(
ふし
)
しが宿の事をのみおもひて
眠気
(
ねむけ
)
もつかず、おもひ/\てのちはいつか
寝入
(
ねいり
)
たり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
▼ もっと見る
従って何千人の画家が
悉
(
ことごと
)
く
気不症
(
きぶしょう
)
な仕事をつづけてしまうがために、画道は衰弱しつづけ世界は
眠気
(
ねむけ
)
を催すに至る。
油絵新技法
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
みんなは眼をこすりこすり起きたが、あたりのようすを見ると、
眠気
(
ねむけ
)
は一ぺんに吹きとんでしまったらしい。
恐竜島
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
熟
(
う
)
れる
菜
(
な
)
の
花
(
はな
)
を見、飛ぶ蝶に
眠気
(
ねむけ
)
を誘われ、のどかな町の音響や、
城普請
(
しろぶしん
)
の
鑿
(
のみ
)
の音など聞いていると、将士は
無為
(
むい
)
に飽いて、ふとそんな錯覚すら抱くのだった。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
手紙をかいてしまったら、いい心持ちになって
眠気
(
ねむけ
)
がさしたから、最前のように座敷の真中へのびのびと大の字に寝た。今度は夢も何も見ないでぐっすり寝た。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
戦ひに慣れた心が、何一つ波風の無い編輯局に来て、
徐々
(
そろそろ
)
眠気
(
ねむけ
)
がさす程「無聊の圧迫」を感じ出したのだ。
菊池君
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
眠気
(
ねむけ
)
ざましのつもりで、台所に行って翌朝の米を
磨
(
と
)
いだり、朝から食べッ放しのままの食器などを洗って片づけてやったが、おかみさんはそれをいいことにして
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
その絵の前に立つと、魔法の世界でも眺めているような、なんともいえぬ奇妙な感じがひき起こされ、催眠術にでもかけられたように、ぼんやりした
眠気
(
ねむけ
)
に襲われる。
キャラコさん:09 雁来紅の家
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
「もつとも、もし君がまだ
眠気
(
ねむけ
)
がささないといふのなら、もう一つ二つ蛇足を添へてもいいがね。」
夜の鳥
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
自分は旅のつかれに
眠気
(
ねむけ
)
を催しながら、あまりの淋しさ静けさに
却
(
かへつ
)
て神経を刺戟せられ、うつら/\と、無い事をも有るやうに、有る事をも無いものゝやうに、止め度もなく
海洋の旅
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
以来は三度の食事も
省略
(
しょうりゃく
)
するほどに時を
惜
(
おし
)
み、夜も眠らず、
眠気
(
ねむけ
)
がさせば眼に
薄荷
(
はっか
)
までさして、試験の準備に余念ない三千ちかくの青年が、第一高等学校の試験場に
群
(
むらが
)
り来たり
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
眠気
(
ねむけ
)
ざましに私はこんな話を持ち出した。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
しかし僕にのしかかって来る
眠気
(
ねむけ
)
と闘うのは容易ではなかった。僕は
覚束
(
おぼつか
)
ない意識の
中
(
うち
)
にこう云う彼の言葉を聞いたりした。
彼 第二
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
野原
(
のはら
)
の
上
(
うえ
)
を
越
(
こ
)
え、そよそよと
吹
(
ふ
)
いてくる
涼
(
すず
)
しい
風
(
かぜ
)
に、こずえに
止
(
と
)
まって
鳴
(
な
)
いているせみは
眠気
(
ねむけ
)
を
催
(
もよお
)
すとみえて、その
声
(
こえ
)
が
高
(
たか
)
くなったり、
低
(
ひく
)
くなったりしていました。
ある男と牛の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
やがて出窓の
管簾
(
くだすだれ
)
を
半
(
なか
)
ば
捲
(
ま
)
いた下で、
腹
(
はら
)
ンばひに成つたが、
午飯
(
おひる
)
の済んだ
後
(
あと
)
で
眠気
(
ねむけ
)
がさして、くるりと
一
(
ひと
)
ツ廻つて、姉の
針箱
(
はりばこ
)
の方を
頭
(
つむり
)
にすると、足を投げて
仰向
(
あおむき
)
になつた。
蠅を憎む記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
その警官は、夜明けとともに、
眠気
(
ねむけ
)
におそわれ、すこしうつらうつらしているところだった。
超人間X号
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
『心配するな。実あ、てめえを叱りながら、おれも
眠気
(
ねむけ
)
に襲われて来たのだ』
山浦清麿
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼は眠い時に本を読む人が、
眠気
(
ねむけ
)
に抵抗する努力を
厭
(
いと
)
いながら、文字の意味を
判明
(
はっきり
)
頭に入れようと試みるごとく、
呑気
(
のんき
)
の
懐
(
ふところ
)
で決断の卵を温めている癖に、ただ
旨
(
うま
)
く
孵化
(
かえ
)
らない事ばかり苦にしていた。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
眠気
(
ねむけ
)
がさせば、うろたへて寝る。
悲しき玩具
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
帆村は、だんだん
疲
(
つかれ
)
を感じてきた。そしてついには、うとうとと
眠気
(
ねむけ
)
をもよおしてきた。
爆薬の花籠
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
しかし、いかにやさしい、
信仰深
(
しんこうぶか
)
いお
母
(
かあ
)
さんでも、
疲
(
つか
)
れれば、しぜんと
眠気
(
ねむけ
)
を
催
(
もよお
)
し、
眠
(
ねむ
)
ることによって、
気力
(
きりょく
)
を
回復
(
かいふく
)
する、
若
(
わか
)
い、
健康
(
けんこう
)
な
肉体
(
にくたい
)
の
持
(
も
)
ち
主
(
ぬし
)
たることに
変
(
か
)
わりはありません。
雲と子守歌
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
寝られぬまゝに
夜
(
よ
)
は更けぬ。時計一点を聞きて
後
(
のち
)
、
漸
(
やうや
)
く少しく
眠気
(
ねむけ
)
ざし、精神
朦々
(
もう/\
)
として
我我
(
われわれ
)
を
弁
(
べん
)
ぜず、
所謂
(
いはゆる
)
無現
(
むげん
)
の
境
(
きやう
)
にあり。
時
(
とき
)
に予が
寝
(
い
)
ねたる
室
(
しつ
)
の
襖
(
ふすま
)
の、スツとばかりに開く音せり。
妖怪年代記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「旨いんだろう、何となく
眠気
(
ねむけ
)
を催したから」
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
すると、いつとなしに、
眠気
(
ねむけ
)
をもよおしていねむりをするのでした。
とうげの茶屋
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
其
(
そ
)
の
心地
(
こゝち
)
の
得
(
え
)
もいはれなさで、
眠気
(
ねむけ
)
がさしたでもあるまいが、うと/\する
様子
(
やうす
)
で、
疵
(
きず
)
の
痛
(
いた
)
みがなくなつて
気
(
き
)
が
遠
(
とほ
)
くなつてひたと
附
(
くツ
)
ついて
居
(
ゐ
)
る
婦人
(
をんな
)
の
身体
(
からだ
)
で、
私
(
わし
)
は
花
(
はな
)
びらの
中
(
なか
)
へ
包
(
つゝ
)
まれたやうな
工合
(
ぐあひ
)
。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
彼女は、すこし待ちくたびれて、
眠気
(
ねむけ
)
を
催
(
もよお
)
した。
什器破壊業事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
その
心地
(
ここち
)
の
得
(
え
)
もいわれなさで、
眠気
(
ねむけ
)
がさしたでもあるまいが、うとうとする様子で、
疵
(
きず
)
の痛みがなくなって気が遠くなって、ひたと
附
(
くっ
)
ついている
婦人
(
おんな
)
の身体で、
私
(
わし
)
は花びらの中へ包まれたような工合。
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“眠気(睡眠欲)”の解説
睡眠欲(すいみんよく)とは、睡眠に対する欲求である。一般的には、眠気、睡魔と呼ばれる。
食欲・性欲と並ぶ人間の三大欲求の一つであり、仏教用語の五欲(財欲、色欲、飲食欲、名欲、睡眠欲)の一つである。
日中に眠気に襲われるナルコレプシー、、病気、認知症などでは「傾眠傾向」と呼ばれるうとうとしやすい状態があらわれ、高熱や重症になった人間は「嗜眠」と呼ばれる意識障害などによって睡眠に陥る。症状としては、傾眠はICD-10分類で「R40.0 傾眠」に分類されている。
(出典:Wikipedia)
眠
常用漢字
中学
部首:⽬
10画
気
常用漢字
小1
部首:⽓
6画
“眠”で始まる語句
眠
眠入
眠氣
眠付
眠込
眠剤
眠流
眠足
眠蔵
眠薬