トップ
>
畜生
>
ちくしょう
ふりがな文庫
“
畜生
(
ちくしょう
)” の例文
大将(泣く。)「ああ情けない。犬め、
畜生
(
ちくしょう
)
ども。
泥
(
どろ
)
人形ども、
勲章
(
くんしょう
)
をみんな食い居ったな。どうするか見ろ。情けない。うわあ。」
饑餓陣営:一幕
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
細くて
徹
(
とお
)
つたきいきいといふ鳴声を挙げる。「ほい
畜生
(
ちくしょう
)
」と云つて平太郎は
巧
(
たくみ
)
に操りながら、噛みつかれないやうに翅を
延
(
のば
)
して避ける。
蝙蝠
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
畜生
(
ちくしょう
)
。う、うぬはよくも、おれを
裏切
(
うらぎ
)
りやがったな。一どは、
縄
(
なわ
)
にかかっても、このまま、
獄門台
(
ごくもんだい
)
に命を落とすような龍巻じゃねえぞ。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
(
畜生
(
ちくしょう
)
。)といったが馬は出ないわ。びくびくと
蠢
(
うごめ
)
いて見える
大
(
おおき
)
な
鼻面
(
はなッつら
)
をこちらへ
捻
(
ね
)
じ向けてしきりに
私等
(
わしら
)
が居る方を見る様子。
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「お前という奴は、まるで、こん
畜生
(
ちくしょう
)
め! 友達の心のこれっぱかしも分らねえ奴で……」それから後は唐突な
慟哭
(
どうこく
)
になる。
小さな部屋
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
▼ もっと見る
「この
畜生
(
ちくしょう
)
のために、おれたちまでしかられるなんて、ばかばかしいこった。
犬
(
いぬ
)
の
子
(
こ
)
を
河
(
かわ
)
へ
流
(
なが
)
してきてしまえ。」と、
小僧
(
こぞう
)
たちは
話
(
はなし
)
をしました。
森の中の犬ころ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
その
畜生
(
ちくしょう
)
に落されるとは、何かの
因縁
(
いんねん
)
に違いございません。それは石橋の少し先に、長い
端綱
(
はづな
)
を引いたまま、路ばたの
青芒
(
あおすすき
)
を食って居りました。
藪の中
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
および
真正
(
しんしょう
)
を信ぜず、殺盗して罪をつくらば、
畜生
(
ちくしょう
)
・
餓鬼
(
がき
)
の中に堕在し、つぶさに
衆苦
(
しゅく
)
を受け、地獄を経歴せん、ゆえに塚塔中にあらずといわん
通俗講義 霊魂不滅論
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
お兼 お釈迦様は慈悲深いおかたで
畜生
(
ちくしょう
)
でもかわいがっておやりなされたのだよ。それでかわいがってくれた人が死んだので皆泣いているのだよ。
出家とその弟子
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
「それでもそれだけの
同勢
(
どうぜい
)
にはたっぷりとは言えない。かわいそうに、
畜生
(
ちくしょう
)
にはじゅうぶん食べさしておやんなさい」
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
「帰れ、帰れ、帰っておくれ、
畜生
(
ちくしょう
)
、
汝
(
おまえ
)
が女狂いをしたばかりに、とうとう俺を殺しちまった、帰れ、帰っちまえ」
一握の髪の毛
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「僕の家内の命の瀬戸ぎわです。殺されかけているんです。探偵のくせに女房一人救えないなんて……
畜生
(
ちくしょう
)
、どんなことがあっても、救ってみせるぞ」
人間豹
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「ああ光一か、おれは今町会
傍聴
(
ぼうちょう
)
にいってきた、おもしろいぞ、うむ
畜生
(
ちくしょう
)
! おもしろいぞ、畜生め、うむ畜生」
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
心と体とを別に考うることはすでに身を売る時より
行
(
おこな
)
わるる議論で、良家の
子女
(
しじょ
)
が
泥水
(
どろみず
)
に入る時も、たとえ
体
(
からだ
)
は
畜生
(
ちくしょう
)
同然になるも、心は親のため、主人のため
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
其処
(
それどころ
)
じゃないけれど、仕方がないから相手になっていると、チョッ、また松の
畜生
(
ちくしょう
)
が邪魔に来やがった。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
朝月
(
あさづき
)
は
畜生
(
ちくしょう
)
ながら、主人の恩を知っていた。清兵衛が立ち上がったとみて、うれしそうにいななき、明兵のうしろにかけまわって、すきがあらばとびかかろうとする。
三両清兵衛と名馬朝月
(新字新仮名)
/
安藤盛
(著)
『
畜生
(
ちくしょう
)
!
行
(
ゆ
)
け! さッさと
行
(
ゆ
)
け!』と
彼
(
かれ
)
は
玄関
(
げんかん
)
まで
駈出
(
かけだ
)
して、
泣声
(
なきごえ
)
を
上
(
あ
)
げて
怒鳴
(
どな
)
る。『
畜生
(
ちくしょう
)
!』
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
「それじゃおれを
間
(
あい
)
のくさびに一席
伺
(
うかが
)
わせる気なんだな。こん
畜生
(
ちくしょう
)
、だれがその手に乗るものか」
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
とうとう
一尾
(
いっぴき
)
も釣れずに家へ帰ると、サア
怒
(
おこ
)
られた怒られた、こん
畜生
(
ちくしょう
)
こん畜生と百ばかりも
怒鳴
(
どな
)
られて、
香魚
(
あゆ
)
や
山鯇
(
やまめ
)
は釣れないにしても
雑魚
(
ざこ
)
位釣れない奴があるものか
雁坂越
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「ロボばかりでなく、あの
畜生
(
ちくしょう
)
ども、
枕
(
まくら
)
を
並
(
なら
)
べて往生しているにちがいない。」と
叫
(
さけ
)
んだ。
動物物語 狼の王ロボ
(新字新仮名)
/
アーネスト・トンプソン・シートン
(著)
安「誠にお芽出度うござえます…此ん
畜生
(
ちくしょう
)
め、人に散々こええ
思
(
おも
)
えをさせやアがッて」
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
『お前は日本人か。』『ハイ日本人でなければ何です。』『
夷狄
(
いてき
)
だ
畜生
(
ちくしょう
)
だ、日本人ならよくきけ、君、君たらずといえども臣もって臣たらざるべからずというのが先王の教えだ、君、 ...
初恋
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
走るのは
畜生
(
ちくしょう
)
だし、乗るのは他人だし、本命といっても自分のままになるものか、もう競馬はやめたと予想表は尻に
敷
(
し
)
いて
芝生
(
しばふ
)
にちょんぼりと
坐
(
すわ
)
り、残りの
競走
(
レース
)
は見送る
肚
(
はら
)
を決めたのに
競馬
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
情
(
なさけ
)
ない子だね! まるで無神経だ。いよいよ当り前じゃなくなってきた! これじゃ、
畜生
(
ちくしょう
)
とおんなじだ! 畜生だって、壺をやっとけば、その使い方ぐらいわかる。それにお前どうさ。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
「分隊長、無念です。あ……あれをごらんなさい。
畜生
(
ちくしょう
)
ッ!」
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
「見やがれ。コン
畜生
(
ちくしょう
)
。
死
(
くた
)
ばるんなら手際よくクタバレ」
難船小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
こがねまる (足で踏みつぶす)こん
畜生
(
ちくしょう
)
ッ!………
なよたけ
(新字新仮名)
/
加藤道夫
(著)
「
畜生
(
ちくしょう
)
め、夜があけたら、さっさと出て行け。」
小公女
(新字新仮名)
/
フランシス・ホジソン・エリザ・バーネット
(著)
「
畜生
(
ちくしょう
)
、今晩は出ないのかな」
狸のお祭り
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
『
畜生
(
ちくしょう
)
……畜生』
京鹿子娘道成寺
(新字新仮名)
/
酒井嘉七
(著)
「にくい
畜生
(
ちくしょう
)
だ」
大菩薩峠:02 鈴鹿山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
(
街道
(
かいどう
)
のはずれが
変
(
へん
)
に白くなる。あそこを人がやって来る。いややって来ない。あすこを犬がよこぎった。いやよこぎらない。
畜生
(
ちくしょう
)
。)
ガドルフの百合
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
「おいッ、おいらをぶんなぐったのは、いったいどこのどン
畜生
(
ちくしょう
)
だ、さアかんべんできない、ここへでろ、おいらの前へでてうせろッ」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「やはり
畜生
(
ちくしょう
)
などというものは
知恵
(
ちえ
)
のないものだ。とうてい、
知恵
(
ちえ
)
のある
人間
(
にんげん
)
には
勝
(
か
)
てるものでない。」といいました。
おおかみと人
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
(彼奴のせいだ、あの
畜生
(
ちくしょう
)
のせいだ、彼奴がいなかったら、俺はこんなことになりはしないぞ、あの畜生のせいだ)
春心
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
ああ、恐れ。それ
以
(
もっ
)
て、烏帽子きた人の
屑
(
くず
)
とも
思召
(
おぼしめ
)
さず、
面
(
つら
)
の赤い
畜生
(
ちくしょう
)
とお見許し願わしう、はッ、恐れ、恐れ。
多神教
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
畜生
(
ちくしょう
)
っ、さては貴様、ここへ電話をかける前に何か細工をしたんだな。警察か。警察へ電話がかけてあるのか」
人間豹
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「おい、犬でも
畜生
(
ちくしょう
)
でも恩は知ってるよ、おれはずいぶん不良だが校長先生の恩だけは知ってるんだ、きさまは先生をおいだした、犬畜生にもおとるやつだ」
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
俊寛 (絶望的に)だめだ! (地に倒れる。立ち上がる)
鬼
(
おに
)
だ。
畜生
(
ちくしょう
)
だ。お前らは帰れ。帰って
清盛
(
きよもり
)
にこびへつらえ、
仇敵
(
きゅうてき
)
の前にひざまずいてあわれみを受けい。
俊寛
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
之を霊肉の衝突というか? しからば、霊肉一致したら、
如何
(
どう
)
なる? 男女相知るのを
怕
(
おそ
)
ろしいとも恥かしいとも思わなくなるのか?
畜生
(
ちくしょう
)
と同じ心持になるのか?
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
「
畜生
(
ちくしょう
)
! まだ
愚図愚図
(
ぐずぐず
)
しているな。これでもか? これでもか?」砂利は続けさまに飛んで来ました。中には白の耳のつけ根へ、血の
滲
(
にじ
)
むくらい当ったのもあります。
白
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
『
来
(
き
)
た
来
(
き
)
た!
諸君
(
しょくん
)
お
目出
(
めで
)
とう、
院長閣下
(
いんちょうかっか
)
が
我々
(
われわれ
)
を
訪問
(
ほうもん
)
せられた! こン
畜生
(
ちくしょう
)
め!』
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
しかし野だが尻持を突いたところを見て始めて、おれの成功した事に気がついたから、こん
畜生
(
ちくしょう
)
、こん畜生と云いながら残る六つを無茶苦茶に
擲
(
たた
)
きつけたら、野だは顔中黄色になった。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
畜生
(
ちくしょう
)
に対しては、かわいそうな、口のきけないものだと思ってがまんするけれど、おまえではまったく気ちがいにさせられる」と、こうかれは言って、
芝居
(
しばい
)
のように両手を空に上げて
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
九ヶ年
前
(
ぜん
)
狂死なしたる豊志賀の
祟
(
たゝり
)
なるか、成程悪い事は出来ぬもの、己は
畜生
(
ちくしょう
)
同様兄弟同志で夫婦に成り、此の
年月
(
としつき
)
互に連れ添って居たは、あさましい事だと思うと総毛立ちましたから
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「死ななかったかな?
畜生
(
ちくしょう
)
、よく
狙
(
ねら
)
ったんだがなあ」
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
コン
畜生
(
ちくしょう
)
め、
惚
(
ほ
)
れやがった
癖
(
くせ
)
に、フフフフフ。
貧乏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「この
畜生
(
ちくしょう
)
、畜、畜生——畜……」
三両清兵衛と名馬朝月
(新字新仮名)
/
安藤盛
(著)
「おやあ……太い
畜生
(
ちくしょう
)
だ」
ひでり狐
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
『何だ。この
餓鬼
(
がき
)
め。人をばかにしやがるな。トマト二つで、この大入の中へ
汝
(
おまえ
)
たちを
押
(
お
)
し
込
(
こ
)
んでやってたまるか。
失
(
う
)
せやがれ、
畜生
(
ちくしょう
)
。』
黄いろのトマト
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
“畜生”の解説
とは、仏教において、鳥・獣・虫・魚などの全ての人間以外の動物のこと。sa: tiryañcは底栗車と音写する。、とも訳される。衆生の生存の状態を五道や六道とするうちで、畜生の世界を指す畜生道は三悪道(三悪趣)のひとつ。
(出典:Wikipedia)
畜
常用漢字
中学
部首:⽥
10画
生
常用漢字
小1
部首:⽣
5画
“畜生”で始まる語句
畜生奴
畜生道
畜生女
畜生等
畜生腹
畜生同然
畜生保護令