玉葱たまねぎ)” の例文
上等にするとその時フライ鍋で人参にんじん玉葱たまねぎとジャガ芋をよくけて牛肉と一緒に今のブラウンソースへ入れて一時間も煮ますが
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
その時、あなたのお弁当のおかずは卵焼きと金平牛蒡きんぴらごぼうで、私の持って来たお弁当のおかずは、筋子すじこ粕漬かすづけと、玉葱たまねぎの煮たのでした。
冬の花火 (新字新仮名) / 太宰治(著)
私は今、それはそれは玉葱たまねぎくさくて、おばけのようよ。くたびれて、パンにバタつけて、生の玉葱うすく切ってのっけてたべましたから。
『おまへつたことぢやない!』と五點フアイブ。『そんならわたしれにはなしてやらう——玉葱たまねぎかはりに欝金香うつこんかう料理人クツクところつてけッて』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
目はその間も額縁がくぶちに入れた机の上の玉葱たまねぎだの、繃帯ほうたいをした少女の顔だの、芋畑いもばたけの向うにつらなった監獄かんごくの壁だのを眺めながら。……
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
玉葱たまねぎと月桂樹の葉をレモン漬けにしてさ、その中へ入れておいたのを出してさ、玉葱の微塵切みじんぎりとスパイスをのせてさ、生のまま黒パンといっしょに
季節のない街 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
と小僧はさう言ふなり、直ぐ洗面所へ駈けつけて、土塗つちまみれの玉葱たまねぎでも洗ふやうに顔中を水に突込んで洗ひ出した。
「水は泉に行けばいくらでもある。あんな性の悪い児ったらありはしない。ああこの玉葱たまねぎはよせばよかった。」
外にラッパ長屋と云って、一棟に十家族も住んでいる鮮人長屋もあった。アンペラの畳の上には玉葱たまねぎをむいたような子供達が、裸で重なりあって遊んでいた。
新版 放浪記 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
新らしく植付けられた林檎や葡萄ぶだう実桜さくらんぼの苗はいづれも面白いやうにずん/\生長おひのびて行つた。下作したさくとして経営した玉葱たまねぎやキャベツのたぐひもそれ/″\成功した。
新らしき祖先 (新字旧仮名) / 相馬泰三(著)
……しかしおこの別誂べつあつらへもつて、とりのブツぎりと、玉葱たまねぎと、凍豆腐こゞりどうふ大皿おほざらんだのを鉄鍋てつなべでね、沸立わきたたせて、砂糖さたう醤油しやうゆをかきぜて、わたし一寸ちよつと塩梅あんばいをして
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
同教授は初め玉葱たまねぎの根の細胞の有糸分裂を研究していた。その時他の玉葱の根の先端を横に置くと、その方に向いた側の細胞の分裂が盛になると言い出したのである。
千里眼その他 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
すると、すぐ足許のところを、白木の大きなはこが流れており、函からみ出た玉葱たまねぎがあたりにただよっていた。私は函を引寄せ、中から玉葱をつかみ出しては、岸の方へ手渡した。
夏の花 (新字新仮名) / 原民喜(著)
老人にろくなものがいないのはこの理だな、吾輩などもあるいは今のうちに多々良君のなべの中で玉葱たまねぎと共に成仏じょうぶつする方が得策かも知れんと考えてすみの方に小さくなっていると
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そしてボルジョリの妙な癖というのが玉葱たまねぎを生のまま刻んで食べることです。このオニオンのおかげで高い音が出るのだそうですが、このボルジョリが床の中で発声練習をしているのです。
お蝶夫人 (新字新仮名) / 三浦環(著)
赤色せきしょくなつめの実の赤色にしてけぶれるほのおの色(黒き赤)と銀色ぎんしょくの灰色(灰の赤)とに分たれ、緑には飲料茶の緑、蟹甲かいこうの緑、また玉葱たまねぎしんの緑(黄味きいろみある緑色)、はすの芽の緑(あかる黄味きいろみある緑)
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
主人は食い残しのパンと玉葱たまねぎを食い、驢馬は勝手に好きなものを食う。
博物誌 (新字新仮名) / ジュール・ルナール(著)
胡桃くるみ飴煮。便通及繃帯トリカヘ。腹なお張ル心持アリ。牛乳五合ココア入。小菓数個。午。堅魚かつおノサシミ。ミソ汁実ハ玉葱たまねぎト芋。粥三ワン。ナラ漬。佃煮。梨一ツ。葡萄四房。間食。牛乳五合ココア入。
呉秀三先生 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
みちばたのさくらの太根ふとね玉葱たまねぎねもごろいだきわがいこひたり
(新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
「ビフテキと玉葱たまねぎ。」と、雷様は突然言ひました。
虹猫の話 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)
同 二・〇〇 食塩水五〇〇グラム。生の玉葱たまねぎ三個。
玉葱たまねぎがせても
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
あるいは鶏の柔い肉をき自由に切っても構いません。別に玉葱たまねぎを三つか四つ入れて塩胡椒で味をつけて弱い火でおよそ一時間ほど煮ます。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
ところが女中が秋山さんの隠れていたといった扉の蔭には、かえって秋山さんの無罪を証拠だてる物が落ちていたのです、それは小さな玉葱たまねぎ片端きれはしです。
謎の頸飾事件 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
机の上の玉葱たまねぎだの、繃帯ほうたいをした少女の顔だの、芋畠いもばたけの向うの監獄だのはいつのにかどこかへ消えせていた。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
肉とおぼしきものは小さいのが一きれ、あとは玉葱たまねぎばかり。飯は宇都宮の吊天井つりてんじょうだ。
新版 放浪記 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
亭主は玉葱たまねぎの匂ひがぷんぷんする掌面てのひらみながら入つて来た。
どの玉葱たまねぎひやゝかに
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
第九 野菜飯 は玉葱たまねぎ人参にんじん馬鈴薯じゃがたらとセロリーあるいはキャベツなぞをく小さく切ってバターでよくいためておきます。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
今日季題と呼ばれるものは玉葱たまねぎ、天の川、クリスマス、薔薇、蛙、ブランコ、汗、——いろいろのものを含んでゐる。従つて季題のない発句を作ることは事実上反つて容易ではない。
発句私見 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
「あたしうまいライスが出来るのよ、玉葱たまねぎとヘットだけでこしらえるんだけど、とても玉葱とヘットだけだなんて思えないほどうまいのよ、これからはちょいちょい来てよ、いいでしょ、待ってるわね」
青べか物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
私は米を一しょうほどと、野菜屋では、玉葱たまねぎ山東菜さんとうなを少しばかり求めて、ねこの子でもかくしているかのように前掛けでくるりと巻くと、何度となく味わったこれだけあれば明日いっぱいはと云う心安さや
清貧の書 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
この肉をテンパンへ入れて塩胡椒を振かけて肉の周囲に玉葱たまねぎ人参にんじんセロリーとルリーの葉の細かく刻んだのを置きます。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
玉菜たまな赤茄子あかなすねぎ玉葱たまねぎ大根だいこんかぶ人参にんじん牛蒡ごぼう南瓜かぼちゃ冬瓜とうがん胡瓜きゅうり馬鈴薯ばれいしょ蓮根れんこん慈姑くわい生姜しょうが、三つ葉——あらゆる野菜に蔽われている。蔽われている? 蔽わ——そうではない。
不思議な島 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「あたしうまいライスが出来るのよ、玉葱たまねぎとヘットだけでこしらえるんだけど、とても玉葱とヘットだけだなんて思えないほどうまいのよ、これからはちょいちょい来てよ、いいでしょ、待ってるわね」
青べか物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
小女が台所で玉葱たまねぎを油でいためている。
新版 放浪記 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
豚饅頭にも色々ありますが、今日のは豚のロースといって赤い肉を細かく叩いて少しの胡麻ごまの油と塩と玉葱たまねぎあるいはねぎと一緒にまた叩きぜて置いて
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
第三十七 玉葱たまねぎのスープ は玉葱を一斤半即ちおよそ八つばかりよくベトベトになるまで湯煮て水を切って裏漉しにして一合のスープへ混ぜてまた少し煮ます。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
第百三十七 肉入オムレツ は挽肉ひきにく玉葱たまねぎをバターでいためて溶いた玉子へ混ぜてオムレツに焼きます。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
それが三十分ばかり煮えた処で玉葱たまねぎか普通の葱を加えますがそれはその時の見計みはからいでいいのです。そうして塩と胡椒こしょうとバターで味をつけて三十分ばかり煮て翌日あくるひまで置きます。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)