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棄
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すて
ふりがな文庫
“
棄
(
すて
)” の例文
マッチも出て居たろうけれどもマッチも何も知りはせぬから、ストーヴで
吸付
(
すいつ
)
けた所が、どうも灰吹がないので
吸殻
(
すいがら
)
を
棄
(
すて
)
る所がない。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
そんな奴はイクラ助けても帰順する奴じゃないけに、総督府の費用を節約するために、ワシの一存で
片端
(
かたっぱし
)
から斬り
棄
(
すて
)
る事にしておった。
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
余
(
よ
)
愕然
(
びつくり
)
し山水を
棄
(
すて
)
て此娘を視るに
一揖
(
おじぎ
)
して
去
(
さ
)
り、
樹
(
き
)
の
下
(
もと
)
の草に
坐
(
ざ
)
してあしをなげだし、きせるの火をうつしてむすめ三人ひとしく
吹烟
(
たばこのむ
)
。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
○英国王ハ我州民ノ保護ヲ廃シ、我諸州ニ向テ
師
(
いくさ
)
ヲ
遣
(
や
)
リタルニ由テ、自カラ此諸州ヲ支配スルノ権ヲ
棄
(
すて
)
タルナリ。
アメリカ独立宣言
(新字旧仮名)
/
トマス・ジェファーソン
(著)
人間かかる清福あるに世をはかなみて自ら身を
棄
(
すて
)
んとするかの小女こそいたわしけれとまたその事に思い到りて
良夜
(新字新仮名)
/
饗庭篁村
(著)
▼ もっと見る
盡
(
つく
)
し
探索
(
たづね
)
しかど更に樣子のしれざりしに今六右衞門の物語りにて久八
社
(
こそ
)
は彼の時に
棄
(
すて
)
たる我が子に
相違
(
さうゐ
)
なしと心の中に
分明
(
わかり
)
し
故
(
ゆゑ
)
頻
(
しき
)
りに
不便
(
ふびん
)
彌増
(
いやま
)
して
只管
(
ひたすら
)
命
(
いのち
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
年寄
(
としより
)
を
棄
(
す
)
てた名所さへある世の中ぢや、
私
(
わたし
)
が世を
棄
(
すて
)
て一人住んで
居
(
お
)
つたというて、何で怪しう思はしやる。
二世の契
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
さきにわがため命を
棄
(
すて
)
し、
阿駒
(
おこま
)
が
赤心
(
まごころ
)
通じけん、
鈍
(
おぞ
)
くも爾釣り寄せられて、罠に落ちしも
免
(
の
)
がれぬ天命。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
お島のそんな家庭に縛られている不幸に同情しているような心持も、
微
(
かすか
)
に受取れたが、お島は何だか
厭味
(
いやみ
)
なような、
擽
(
くすぐ
)
ったいような気がして、後で
揉
(
もみ
)
くしゃにして
棄
(
すて
)
てしまった。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
と鶴の
一声
(
ひとこえ
)
で、
忽
(
たちま
)
ち結構なお料理が出ました。水飴を
棄
(
すて
)
ると、お
手飼
(
てがい
)
の
梅鉢
(
うめばち
)
という犬が来てぺろ/\皆甜めてしまいました。それなりに
夜
(
よ
)
に
入
(
い
)
りますとお庭先が
寂
(
しん
)
と致しました。
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
姦淫の恐るべきも亦之がためである、「若し汝の眼汝を罪に
陥
(
おと
)
さば
抉出
(
ぬきいだ
)
して之を
棄
(
すて
)
よ、そは五体の一を失うは全身を地獄に投入れらるるよりは勝ればなり」とある(同五章二十九節)
聖書の読方:来世を背景として読むべし
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
このお
温習
(
さらい
)
程私の嫌いな事はなかったが、之をしないと、
直
(
じき
)
ポチを
棄
(
すて
)
ると言われるのが辛いので、渋々内へ入って、
形
(
かた
)
の如く本を取出し、少し
許
(
ばかり
)
おんにょごおんにょごと
行
(
や
)
る。それでお
終
(
しまい
)
だ。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
樺太はやはり冬に
来
(
く
)
べきところだと思う。私はここで童謡はできるかも知れないと思えるが、
北国
(
ほっこく
)
風の民謡は到底作れそうにもない。夏は南国だ、
熾烈
(
しれつ
)
で、あの深刻な悩気と
棄
(
すて
)
ばちの気分は。
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
最早
(
もはや
)
夢でも幻でもない。最も現実的な、
棄
(
すて
)
ては置けぬ大椿事だ。
吸血鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
余
(
よ
)
愕然
(
びつくり
)
し山水を
棄
(
すて
)
て此娘を視るに
一揖
(
おじぎ
)
して
去
(
さ
)
り、
樹
(
き
)
の
下
(
もと
)
の草に
坐
(
ざ
)
してあしをなげだし、きせるの火をうつしてむすめ三人ひとしく
吹烟
(
たばこのむ
)
。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
猟犬は
霎時
(
しばし
)
ありて、「某今御身と
契
(
ちぎり
)
を結びて、彼の金眸を討たんとすれど、飼主ありては心に任せず。今よりわれも
頸輪
(
くびわ
)
を
棄
(
すて
)
て、御身と共に
失主狗
(
はなれいぬ
)
とならん」ト、いふを黄金丸は
押止
(
おしとど
)
め
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
千太郎と呼
昨日
(
きのふ
)
に
變
(
かは
)
る身代となり我が身の安心なせしに付ても其
昔
(
むか
)
し京都にて妻のお久の
不仕合
(
ふしあは
)
せ又藤川の宿
外
(
はづ
)
れへ
棄
(
すて
)
し我が子は其後如何になりしや
情
(
なさけ
)
ある人に拾はれ
育
(
そだ
)
ちしかと
種々
(
しゆ/″\
)
手を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
年取った親父や亭主思いの女房をも
棄
(
すて
)
て死のうと云う心になりましたが、これは全く思案の
外
(
ほか
)
、色情から起りました事で、此の色情では随分
怜悧
(
りこう
)
なお方も斯様になりますことが間々あります。
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
何処
(
どッ
)
かの人が
狗
(
いぬ
)
を
棄
(
すて
)
てッたと、私は二三度
反覆
(
くりかえ
)
して見たが、分らない。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
農夫は
屡
(
しば/\
)
後
(
おくる
)
るゆゑ
終
(
つひ
)
には
棄
(
すて
)
て
独
(
ひとり
)
先
(
さき
)
の村にいたり、しるべの家に入りて
炉辺
(
ろへん
)
に
身
(
み
)
を
温
(
あたゝめ
)
て酒を
酌
(
くみ
)
、
始
(
はじめ
)
て
蘇生
(
よみがへり
)
たるおもひをなしけり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
背中へ竹の突通るほど
赤坊
(
あかんぼ
)
を藪の
中
(
なけ
)
え
投
(
ほう
)
り込んで
棄
(
すて
)
るとア鬼のような心だ
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
流
(
なが
)
し
何故
(
いか
)
にも
道理
(
もつとも
)
なる尋ねなり今日まで云ざりしが
實
(
じつ
)
は其方事七年前藤川宿の
町外
(
まちはづ
)
れに
棄
(
すて
)
て有しなり其時其方の
袂
(
たもと
)
に
書付
(
かきつけ
)
て有しは是なりと彼の
僧
(
そう
)
の
落書
(
らくがき
)
まで殘り無物語に及びければ久八は子供心に我が身の上を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「
棄狗
(
すていぬ
)
ッて……誰かが
棄
(
すて
)
てッたのさ。」
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
農夫は
屡
(
しば/\
)
後
(
おくる
)
るゆゑ
終
(
つひ
)
には
棄
(
すて
)
て
独
(
ひとり
)
先
(
さき
)
の村にいたり、しるべの家に入りて
炉辺
(
ろへん
)
に
身
(
み
)
を
温
(
あたゝめ
)
て酒を
酌
(
くみ
)
、
始
(
はじめ
)
て
蘇生
(
よみがへり
)
たるおもひをなしけり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
何でもハア人の
要
(
い
)
らなくなって
棄
(
すて
)
る物べえ拾うので、番頭さんはそんな根性が
些
(
ちっ
)
とべえ有りやんすねえ、根性が無くちゃそんな事は云わないもんだ、自分の心に有ると人もそうかと思うものだが
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
これよりのち此
農夫
(
のうふ
)
家を
棄
(
すて
)
、
娘
(
むすめ
)
をつれて
順礼
(
じゆんれい
)
にいでけり。ちかき事なれば人のよくしれるはなしなり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
これよりのち此
農夫
(
のうふ
)
家を
棄
(
すて
)
、
娘
(
むすめ
)
をつれて
順礼
(
じゆんれい
)
にいでけり。ちかき事なれば人のよくしれるはなしなり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
棄
常用漢字
中学
部首:⽊
13画
“棄”を含む語句
打棄
放棄
自暴自棄
抛棄
棄置
自棄
聞棄
呼棄
焼棄
見棄
脱棄
投棄
破棄
揚棄
言棄
棄恩入無為
掛棄
切棄
棄賣
棄措
...