“失主狗”の読み方と例文
読み方割合
はなれいぬ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
失主狗はなれいぬにて思ふに任せねど、心ばかりの薬礼なり。ねがわくは納め給へ」ト、彼の豆滓を差しいだせば。朱目も喜びてこれを納め。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
猟犬は霎時しばしありて、「某今御身とちぎりを結びて、彼の金眸を討たんとすれど、飼主ありては心に任せず。今よりわれも頸輪くびわすてて、御身と共に失主狗はなれいぬとならん」ト、いふを黄金丸は押止おしとど
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
今は何をかつつむべき、某が名は黄金丸とて、以前は去る人間につかへて、守門の役を勤めしが、宿願ありていとまひ、今かく失主狗はなれいぬとなれども、決して怪しき犬ならず。さてまた御身が尊名怎麼いかに。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)