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ばくろ
ふりがな文庫
“
曝露
(
ばくろ
)” の例文
「むやみに質問したりすると
曝露
(
ばくろ
)
するから、初めはただ云うことを聞くだけにするんだ、よほど注意しないとあべこべにやられるぞ」
風流太平記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
ところが彼の本国から
伴
(
つ
)
れて来た細君というのが、本当の細君でなくて単に彼の情婦に過ぎないという事実がどこからか
曝露
(
ばくろ
)
した。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そんな風に、お前の行状は世間の眼にあまるくらいだったから、成金根性への
嫉
(
ねた
)
みも手伝って、やがて「川那子メジシンの裏面を
曝露
(
ばくろ
)
する」
勧善懲悪
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
そのとき、彼はなんというだろうか? もし、明晩を待つと彼がいったら、私はそれがすでに二十日も前から聞こえないのだと
曝露
(
ばくろ
)
してやる。
軍国歌謡集
(新字新仮名)
/
山川方夫
(著)
お貞はその恐しい
曝露
(
ばくろ
)
に
堪
(
た
)
へなかつたものか、驚いて平次の口を
塞
(
ふさ
)
がうとしましたが、平次の冷たい力強い調子は、それを振り切つて續けます。
銭形平次捕物控:170 百足屋殺し
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
家中の士は、華美でおべっかで、本願寺の門徒衆とは、たえず
小戦争
(
こぜりあい
)
をやったり、妥協したり、陰謀が
曝露
(
ばくろ
)
されたり——どうも始末が悪かった。
茶漬三略
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それは彼の犯罪準備行為を、態と大胆に
曝露
(
ばくろ
)
して、相手を油断させ、相手に
疑
(
うたがい
)
を抱かせまいとする、捨身の計略であった。
虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
もし
其
(
そ
)
の怪計画が不幸にして
曝露
(
ばくろ
)
するようなことがあれば
其
(
そ
)
の計画の
破天荒
(
はてんこう
)
な重大性からみて、日本帝国は
直
(
ただ
)
ちに立って宣戦布告をするだろうし
流線間諜
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
というような現実
曝露
(
ばくろ
)
は決して見受けない。
皆
(
みな
)
才子
(
さいし
)
佳人
(
かじん
)
である。但し親が町家か百姓で肩書のない場合には新聞社の方で然るべく計らってくれる。
親鳥子鳥
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
真実の
曝露
(
ばくろ
)
ということは弟の方から進んで受けようとした勘当ぐらいの程度に止まらないで、兄の方から宣告でも下したような義絶にまで導いた。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
真正面から蜂の巣を突っついたように、
曝露
(
ばくろ
)
して来るかも知れないんだが……それでも構わんか……君は……。
爆弾太平記
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「ですが、ああきっと、ほどなくしてその男死にたり——でしょうよ。貴方がたは、易介と伸子さんの二つの事件で、
既
(
とう
)
に無力を
曝露
(
ばくろ
)
しているのですからね」
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
いつか詞か
科
(
こなし
)
で、女が薄情な根性を
曝露
(
ばくろ
)
したら、その時面と向ってそう云って
遣
(
や
)
りたい。もう
疾
(
と
)
うからお前が面を
被
(
かむ
)
っているという事は知っていた。
己
(
おれ
)
は胸が悪かった。
みれん
(新字新仮名)
/
アルツール・シュニッツレル
(著)
ミルトンもスコットもスウィフトもモリエールもラブレエも、更にはシェイクスピア其の人さえもが、意外にも、驚くべき非常識、
乃至
(
ないし
)
、未熟を
曝露
(
ばくろ
)
するに違いないから。
光と風と夢
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
表題
(
ひょうだい
)
の心の独立と体の独立ということもその一つである。僕が友人に対して
俺
(
おれ
)
の
飯
(
めし
)
を食いながら反対するのはけしからんという一
喝
(
かつ
)
は、たしかに僕の
根性
(
こんじょう
)
の
曲
(
きょく
)
を
曝露
(
ばくろ
)
する。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
が、こしらえものより毬唄の方が、現実を
曝露
(
ばくろ
)
して、——女は
速
(
すみやか
)
に
虐
(
しえた
)
げられているらしい。
灯明之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それはとにかくこの善良愛すべき社長殿は
奸智
(
かんち
)
にたけた弁護士のペテンにかけられて登場し、そうして気の毒千万にも傍聴席の妻君の面前で、
曝露
(
ばくろ
)
されぬ約束の秘事を曝露され
初冬の日記から
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
無意識に茂太郎の反芻によって
曝露
(
ばくろ
)
された内容と、相関聯しないという限りはない。
大菩薩峠:38 農奴の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
云
(
い
)
ひ換へれば探偵小説と
云
(
い
)
ふものは、人間が本能的に惹きつけられる
處
(
ところ
)
の祕密の
曝露
(
ばくろ
)
、犯罪の摘發、或は不思議の解決とか
云
(
い
)
ふ事を作る主題にして、それに筋をからませ、綾をつけて
探偵小説の魅力
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
然
(
しか
)
るにどうも西園寺侯は、国民の輿望に反して為す無きことが
曝露
(
ばくろ
)
した様である。その他維新当時の勇士も、今日は大概
老耄
(
おいぼ
)
れてしまって、もはや実際の役に立つものは極めて稀である。
選挙人に与う
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
自分が最早や妙子に対しては
殆
(
ほとん
)
ど愛情を持っていないこと、
寧
(
むし
)
ろ妙子が
捲
(
ま
)
き起す
災厄
(
さいやく
)
から自分たち一家を守ることにのみ
汲々
(
きゅうきゅう
)
としていることを、不用意のうちに
曝露
(
ばくろ
)
しているのであって
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
畢生
(
ひっせい
)
の大願としている、例の
復讐
(
ふくしゅう
)
の望みを聴き知ったのを幸い彼の計画の一切を、
曝露
(
ばくろ
)
して、存分に
辛
(
つら
)
い目を見せてやらねばならないと、決心したのであったが、しかし、この門倉平馬という
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
甲田の内幕ことごとく
曝露
(
ばくろ
)
して、思ひの外の事を聞くのみなれば、父もいたく打驚きて、さては今の人といふものは、身分のある人でも油断の出来ぬものじやなと、始めて我が眼の晦みゐしを悔ひ
当世二人娘
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
この空想の致命的な誤算が
曝露
(
ばくろ
)
してしまった。
愛撫
(新字新仮名)
/
梶井基次郎
(著)
吾助が長屋代表に寄合を求め、かかる重大秘密を自ら
曝露
(
ばくろ
)
した
所以
(
ゆえん
)
のものはなんであるかという……、彼は左の如き要求を発したのであった。
長屋天一坊
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
漢法医にも劣らざる
頑固
(
がんこ
)
な主人は依然として孤城落日のあばたを天下に
曝露
(
ばくろ
)
しつつ毎日登校してリードルを教えている。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
僕は内心それに
言及
(
げんきゅう
)
することに多大の
躊躇
(
ちゅうちょ
)
を感じていることを告白せねばならない——彼の本名を
曝露
(
ばくろ
)
しない其の理由は、彼の妻君である
柿丘呉子
(
かきおかくれこ
)
を
振動魔
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
いやなら
訴訟
(
そしょう
)
をする。そして、君の過去の秘密を洗いざらい
曝露
(
ばくろ
)
してやる。映画界にいたたまれないようにしてやる。それでもいいのかね。それじゃあ困るだろう。
月と手袋
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
ところが天罰
覿面
(
てきめん
)
とはこの事であったろうか。こうした彼の不正直さが根こそげ
曝露
(
ばくろ
)
する時機が来た。
木魂
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
曝露
(
ばくろ
)
するのが文明だと心得違いをしているです、陰徳というものを知らないで、宣伝をするのが即ち文明だと心得違いをしているです、ごらんなさい、今に亡びますよ、今に欧羅巴人同士
大菩薩峠:41 椰子林の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
長唄と清元の区別さえ付かないことを
曝露
(
ばくろ
)
して、光代に冷やかされたりした。
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
要するに、彼の弱点がそこにあることを自ら
曝露
(
ばくろ
)
しているものでしょう。
三国志:09 図南の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一から十まで性格を読まれてしまうと、
見括
(
みくび
)
られる。この点小室君は出発を誤っている。将来雪子さんの婿養子になる為め、商大の予科時代から小室家へ引き取られて、性格を
曝露
(
ばくろ
)
し過ぎたのである。
秀才養子鑑
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
もし今日のことがまた新聞に出ますようだと、何物か我々社会の挙動を探って世に
曝露
(
ばくろ
)
しようと
企
(
くわだて
)
るものがあるのです。そうした日には
私共
(
わたくしども
)
もその心得が無ければなりません。で、試してみたのです。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「怖ろしい死者の
曝露
(
ばくろ
)
じゃないか。それでも法水君、君は?」
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
元来
(
がんらい
)
日本人はむずかしい理屈をこねることに
溺
(
おぼ
)
れすぎている。だから、太平洋戦争のときに、わが国の技術の欠陥をいかんなく
曝露
(
ばくろ
)
してしまったのだ。
霊魂第十号の秘密
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
ところが流浪中の不品行が
曝露
(
ばくろ
)
して、また騒動が起ろうとすると、
昔
(
むか
)
し
棄
(
す
)
てた男が出て来て正当に婚儀を申し込む。
創作家の態度
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
西沢は罪を犯したが、犯した罪を
糊塗
(
こと
)
しようとして、逆に自分の正体を
曝露
(
ばくろ
)
してしまった。今日の彼の失敗は、どんな刑罰にもまさる刑罰だ、と隼人は思った。
ちくしょう谷
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
妙子さん、これで僕は、あなたの秘密をすっかり
曝露
(
ばくろ
)
した訳です。それに証人は二人も揃っています。いくら君が強情を張っても、もうのがれる道はありませんよ。
魔術師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
後刻というのはいつ頃のことか知らないが、その時に来て委細を調べられてしまえば、何もかも
曝露
(
ばくろ
)
されてしまうことであります。関所を抜けて来たことも表向きになってしまわねばならぬ。
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
ことに、信不退、行不退の二つの座に試みられ、その信仰の浅くて
晦
(
くら
)
いことを
曝露
(
ばくろ
)
された人々のうちには、ひそかに、不快とする者もあって、理由も告げず、だんだんに、足の
遠退
(
とおの
)
いた者もある。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
出し抜かれた
口惜
(
くや
)
し紛れに蒔岡家全部を敵視して、報復手段を取るようなこともないとは云えず、たまたま雪子の縁談を耳にすれば、御牧の方へ聞えるようにどう云う
曝露
(
ばくろ
)
戦術を取るかも知れない。
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
いよいよ例のあやしい
個所
(
かしょ
)
の秘密が
曝露
(
ばくろ
)
するのだ。彼は階段のうしろへ
跼
(
しゃが
)
むとリノリュームをいきなりめくってその下から二本の細い電線をつまみ出した。
階段
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
健三をほんの小供だと思って気を許していた彼女は、その裏面をすっかり彼に
曝露
(
ばくろ
)
して
自
(
みず
)
から知らなかった。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そして、その白く明るい光線は、忽ちにして、部屋の中に漂っていた、あの夢幻的な空気を一掃してしまった。そこには、
曝露
(
ばくろ
)
された手品の種が、醜いむくろを曝していた。
赤い部屋
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
あらゆる不法がさらけだされ、なにもかも
曝露
(
ばくろ
)
に及んだ。——持木屋成助は贋金をつかったゆえに五人の旦那から訴えられ、五人の旦那は物資隠匿と不当利得のかどで訴訟された。
三悪人物語:忍術千一夜 第二話
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
徳川方があの
惨憺
(
さんたん
)
たる醜態を
曝露
(
ばくろ
)
したと見れば、最初の成功はマイナスだ
大菩薩峠:29 年魚市の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「ふう、これでやっと落着いた。金博士も、ひどいところを
素破
(
すっぱ
)
ぬいて、
悦
(
よろこ
)
んでいるんだねえ。
宿敵艦隊
(
しゅくてきかんたい
)
の一件が、あそこで
曝露
(
ばくろ
)
するとは、思っていなかった」
のろのろ砲弾の驚異:――金博士シリーズ・1――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
曝露
(
ばくろ
)
の
日
(
ひ
)
がまともに
彼等
(
かれら
)
の
眉間
(
みけん
)
を
射
(
い
)
たとき、
彼等
(
かれら
)
は
既
(
すで
)
に
徳義的
(
とくぎてき
)
に
痙攣
(
けいれん
)
の
苦痛
(
くつう
)
を
乘
(
の
)
り
切
(
き
)
つてゐた。
彼等
(
かれら
)
は
蒼白
(
あをしろ
)
い
額
(
ひたひ
)
を
素直
(
すなほ
)
に
前
(
まへ
)
に
出
(
だ
)
して、
其所
(
そこ
)
に
燄
(
ほのお
)
に
似
(
に
)
た
烙印
(
やきいん
)
を
受
(
う
)
けた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
隙がある丈けに少しも飾らぬ
生地
(
きじ
)
のままの人間が、やや無恰好に
曝露
(
ばくろ
)
されているのだ。
陰獣
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
曝
漢検準1級
部首:⽇
19画
露
常用漢字
中学
部首:⾬
21画
“曝露”で始まる語句
曝露症