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明瞭
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めいれう
ふりがな文庫
“
明瞭
(
めいれう
)” の例文
「
此處
(
こゝ
)
に
居
(
ゐ
)
たよ、そんなに
喚
(
よ
)
ばらなくつたつてえゝから、
何
(
なん
)
だかおとつゝあは」おつぎの
勘次
(
かんじ
)
を
叱
(
しか
)
る
聲
(
こゑ
)
は
軟
(
やはら
)
かでさうして
明瞭
(
めいれう
)
に
勘次
(
かんじ
)
の
耳
(
みゝ
)
に
響
(
ひび
)
いた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
けれども
彼
(
かれ
)
は
斯道
(
このみち
)
にかけては
全
(
まつた
)
くの
門外漢
(
もんぐわいかん
)
であつた。
從
(
したが
)
つて、
此
(
これ
)
より
以上
(
いじやう
)
明瞭
(
めいれう
)
な
考
(
かんがへ
)
も
浮
(
うか
)
ばなかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
しかし
太古
(
たいこ
)
における
日本
(
にほん
)
の
世態
(
せたい
)
は
決
(
けつ
)
してこれが
爲
(
ため
)
に
大
(
だい
)
なる
慘害
(
さんがい
)
を
被
(
かうむ
)
らなかつたことは
明瞭
(
めいれう
)
である。
日本建築の発達と地震
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
その頃はもう月の出が遲く、誰が何處に居るやら、顏の見分けも覺束ないくらゐ、その中を平次の聲だけが、不氣味に
明瞭
(
めいれう
)
に、さながら
冥府
(
めいふ
)
の判官のやうに響き渡るのです。
銭形平次捕物控:225 女護の島異変
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
部屋は小さいが我慢が出来る、ただ毎日四階まで昇降することは
如何
(
いか
)
にも大儀だから、第一の部屋が借りられるならばその方にしようと思ひ、
明瞭
(
めいれう
)
な
返詞
(
へんじ
)
を与へずに帰つて来た。
南京虫日記
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
▼ もっと見る
かういふ関係の正体を、和作自身よりも簡単
明瞭
(
めいれう
)
に察したのは、
怜悧
(
りこう
)
な若夫人の常子だつた。突然鶴子は二階に登つて来ないやうになつた。その代りに青桐は意味ありげに繁茂した。
朧夜
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
とらへて
引立
(
ひきた
)
つるに
然
(
さ
)
らば
參
(
まゐ
)
るべしお
手
(
て
)
お
放
(
はな
)
しなされ
大方
(
おほかた
)
は
人違
(
ひとちが
)
ひと
思
(
おも
)
へどお
目
(
め
)
にかゝりし
上
(
うへ
)
ならではお
疑
(
うたが
)
ひ
晴
(
は
)
れ
難
(
がた
)
からん
御案内
(
ごあんない
)
お
頼
(
たの
)
み
申
(
まを
)
すと
明瞭
(
めいれう
)
に
答
(
こた
)
へながら
心
(
こゝろ
)
の
裡
(
うち
)
は
依然
(
いぜん
)
濛々漠々
(
まう/\ばく/\
)
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
まづ
責任
(
せきにん
)
を
閑過
(
かんくわ
)
する一
例
(
れい
)
を
申
(
まを
)
しませう。それは
重
(
おも
)
に
外出
(
ぐわいしゆつ
)
などに
就
(
つい
)
て
起
(
おこ
)
る
事柄
(
ことがら
)
で、
塾生
(
じゆくせい
)
の
身
(
み
)
は
無論
(
むろん
)
私
(
わたくし
)
が
其
(
そ
)
の
親
(
おや
)
から
責任
(
せきにん
)
を
持
(
もつ
)
て
預
(
あづか
)
つてゐるのですから
出入
(
ではいり
)
に
就
(
つき
)
ては
行先
(
ゆくさき
)
を
明瞭
(
めいれう
)
にして
置
(
お
)
きます。
女教邇言
(旧字旧仮名)
/
津田梅子
(著)
それの一つは極く微細な、併し極く
明瞭
(
めいれう
)
な市街である。それの一部分である。
田園の憂欝:或は病める薔薇
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
見物人が笑つた。舞台の人物は
落
(
おと
)
したものを
捜
(
さが
)
す
体
(
てい
)
で
何
(
なに
)
かを取り上げると、
突然
(
とつぜん
)
前
(
まへ
)
とは
全
(
まつた
)
く違つた態度になつて、
極
(
きは
)
めて
明瞭
(
めいれう
)
に
浄瑠璃外題梅柳中宵月
(
じやうるりげだいうめやなぎなかもよひづき
)
、
勤
(
つと
)
めまする役人………と読みはじめる。
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
その結果は簡單
明瞭
(
めいれう
)
であつた。八重ちやんと、主人名義のお銀ちやんとは、翌日午前九時迄に、T署へ出頭を命じられた。即ち、三日の拘留と二十六圓の金刑とを二人は言ひ渡されたのである。
天国の記録
(旧字旧仮名)
/
下村千秋
(著)
五
日
(
か
)
以上
(
いじやう
)
……
滋養
(
じやう
)
灌腸
(
くわんちやう
)
なぞは、
絶対
(
ぜつたい
)
に
嫌
(
きら
)
ひますから、
湯水
(
ゆみづ
)
も
通
(
とほ
)
らないくらゐですのに、
意識
(
いしき
)
は
明瞭
(
めいれう
)
で、
今朝
(
こんてう
)
午前
(
ごぜん
)
三
時
(
じ
)
に
息
(
いき
)
を
引取
(
ひきと
)
りました
一寸前
(
ちよつとぜん
)
にも、
種々
(
しゆ/″\
)
、
細々
(
こま/″\
)
と、
私
(
わたし
)
の
膝
(
ひざ
)
に
顔
(
かほ
)
をのせて
話
(
はなし
)
をしまして。
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
彼
(
かれ
)
は
寒
(
さむ
)
さが
骨
(
ほね
)
に
徹
(
てつ
)
する
其
(
そ
)
の
夜
(
よ
)
のことを
明瞭
(
めいれう
)
に
頭
(
あたま
)
に
泛
(
うか
)
べて
判斷
(
はんだん
)
するのには
氣候
(
きこう
)
の
變化
(
へんくわ
)
が
餘
(
あま
)
りに
急激
(
きふげき
)
であつた。
彼
(
かれ
)
は
其
(
そ
)
の
間
(
あひだ
)
人事不省
(
じんじふせい
)
の
幾時間
(
いくじかん
)
を
經過
(
けいくわ
)
した。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
その声は如何にも清澄で高野山上で聴いたのよりももつともつと美しかつた。それから三峰では直ぐ頭の上で啼くので、しぼる様な肉声も
明瞭
(
めいれう
)
であり、人工説などの成立つ余裕も何もなかつた。
仏法僧鳥
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
「さうだらう、お前の言ふことはあんまり
明瞭
(
めいれう
)
過ぎたよ。いくら眼がよくつたつて、火の見の上から鏡の中の賀奈女の顏がニツコリ笑つたのが見える筈もないし、頬冠りの男の顏の色まで判る筈はない」
銭形平次捕物控:143 仏喜三郎
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
彼
(
かれ
)
は
何
(
なに
)
かゞ
足
(
あし
)
に
纏
(
まつは
)
つたのを
知
(
し
)
つた。
手
(
て
)
に
取
(
と
)
つて
見
(
み
)
たらそれは
荒繩
(
あらなは
)
であつた。
彼
(
かれ
)
はそれからどうしたのか
明瞭
(
めいれう
)
に
描
(
ゑが
)
いて
見
(
み
)
ようとするには
頭腦
(
づなう
)
が
餘
(
あま
)
りにぼんやりと
疲
(
つか
)
れて
居
(
ゐ
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
明
常用漢字
小2
部首:⽇
8画
瞭
常用漢字
中学
部首:⽬
17画
“明瞭”で始まる語句
明瞭度