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形跡
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けいせき
ふりがな文庫
“
形跡
(
けいせき
)” の例文
それはそれとして、このお藤は、先年来十里四方お構いに相成りおるはずなのが、目下江戸
府内
(
ふない
)
に潜入しておる
形跡
(
けいせき
)
があると申すではないか
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「ばかをもうせ。それより
拙者
(
せっしゃ
)
のほうがきくが、いましがた、
大津
(
おおつ
)
の町の上をとんでいた
鷲
(
わし
)
が、ここらあたりでおりた
形跡
(
けいせき
)
はないか、どうじゃ」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
イスやテーブルも、いつものとおりにならんでいますし、じゅうたんをめくったあともなければ、だいいち、窓を開いたらしい
形跡
(
けいせき
)
さえないのです。
大金塊
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
春
(
はる
)
になつて
雪
(
ゆき
)
も
次第
(
しだい
)
に
解
(
と
)
けた
或日
(
あるひ
)
、
墓場
(
はかば
)
の
側
(
そば
)
の
崖
(
がけ
)
の
邊
(
あたり
)
に、
腐爛
(
ふらん
)
した二つの
死骸
(
しがい
)
が
見付
(
みつ
)
かつた。
其
(
そ
)
れは
老婆
(
らうば
)
と、
男
(
をとこ
)
の
子
(
こ
)
とで、
故殺
(
こさつ
)
の
形跡
(
けいせき
)
さへ
有
(
あ
)
るのであつた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
唯
(
たゞ
)
、一
箇所
(
かしよ
)
、
丈餘
(
じやうよ
)
の
貝層
(
かひそう
)
の
下部
(
かぶ
)
から一二
尺
(
しやく
)
の
處
(
ところ
)
に、
小石
(
こいし
)
で
爐
(
ろ
)
の
如
(
ごと
)
く
圍
(
かこ
)
つた
中
(
なか
)
で、
焚火
(
たきび
)
をしたらしい
形跡
(
けいせき
)
の
個所
(
かしよ
)
が、
半分
(
はんぶん
)
切
(
きり
)
くづされて
露出
(
ろしゆつ
)
して
居
(
ゐ
)
るのを
見出
(
みいだ
)
した。
探検実記 地中の秘密:06 疑問の加瀬貝塚
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
▼ もっと見る
その他も皆そんなもので一向
不思議
(
ふしぎ
)
な事はないが、この辺の山の一体の形を見ますと
古昔
(
むかし
)
は噴火山があったのじゃああるまいかと思われるような
形跡
(
けいせき
)
もあります。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
そとから犯人の
侵入
(
しんにゅう
)
した
形跡
(
けいせき
)
がないのです。ふしぎですなあ。まさかこれは自殺じゃないでしょう
金属人間
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
今
(
いま
)
はそれ/″\
適當
(
てきたう
)
の
位置
(
いち
)
に
配置
(
はいち
)
されて、すでに
幾度
(
いくたび
)
の
作用
(
さよう
)
をなした
形跡
(
けいせき
)
は
歴然
(
れきぜん
)
と
見
(
み
)
える。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
見廻したけれども何も取り散らした
形跡
(
けいせき
)
はなかったただ春琴の
枕元
(
まくらもと
)
に鉄瓶が捨ててあり
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
屋内
(
おくない
)
はべつに
取乱
(
とりみだ
)
されず、
犯人
(
はんにん
)
が
何
(
なに
)
かを
物色
(
ぶっしょく
)
したという
形跡
(
けいせき
)
もないから、
盗賊
(
とうぞく
)
の
所為
(
しょい
)
ではないらしく、
従
(
したが
)
つて
殺人
(
さつじん
)
の
動機
(
どうき
)
は、
怨恨
(
えんこん
)
痴情
(
ちじょう
)
などだろうという
推定
(
すいてい
)
がついたが、さて
現場
(
げんば
)
では
金魚は死んでいた
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
「なんとも、
解
(
げ
)
せぬことになりました。八荒坊が討たれたらしい
形跡
(
けいせき
)
もなく、頼春と菊王の安否の程もわかりません」
私本太平記:03 みなかみ帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
春
(
はる
)
になって
雪
(
ゆき
)
も
次第
(
しだい
)
に
解
(
と
)
けた
或日
(
あるひ
)
、
墓場
(
はかば
)
の
側
(
そば
)
の
崖
(
がけ
)
の
辺
(
あたり
)
に、
腐爛
(
ふらん
)
した二つの
死骸
(
しがい
)
が
見付
(
みつ
)
かった。それは
老婆
(
ろうば
)
と、
男
(
おとこ
)
の
子
(
こ
)
とで、
故殺
(
こさつ
)
の
形跡
(
けいせき
)
さえあるのであった。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
遺骨
(
ゐこつ
)
は三四
體
(
たい
)
、
合葬
(
がつそう
)
した
形跡
(
けいせき
)
がある。
其所
(
そこ
)
にも
此所
(
こゝ
)
にも
人骨
(
じんこつ
)
が
横
(
よこた
)
はつて
居
(
ゐ
)
るが、
多年
(
たねん
)
泥水
(
どろみづ
)
に
浸
(
した
)
されて
居
(
ゐ
)
たので、
手
(
て
)
に
觸
(
ふ
)
れると
宛然
(
まるで
)
泥
(
どろ
)
の
如
(
ごど
)
く、
形
(
かたち
)
を
全
(
まつた
)
く
取上
(
とりあ
)
げる
事
(
こと
)
は
出來
(
でき
)
ぬ。
探検実記 地中の秘密:29 お穴様の探検
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
その工場の内部を隅々まで調べてみたが、そんな青年達の忍びこんでいたような
形跡
(
けいせき
)
は
一向
(
いっこう
)
見当らなかった。ビール瓶に
藁筒
(
わらづつ
)
を
被
(
かぶ
)
して自動的に箱につめる大きな器械がある。
地獄街道
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「
多宝塔
(
たほうとう
)
のいただきから、たくみに
鷲
(
わし
)
をつかって逃げうせました
呂宋兵衛
(
るそんべえ
)
は、どうやら、
越前
(
えちぜん
)
北
(
きた
)
ノ
庄
(
しょう
)
を経て、京都へ入りこみましたような
形跡
(
けいせき
)
にござります」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そこでポントスの
寝室
(
しんしつ
)
を調べてみると、ベッドはたしかに人の寝ていた
形跡
(
けいせき
)
があるが、ポントスは見えない。
尚
(
なお
)
もよく調べると、
床
(
ゆか
)
の上に
人血
(
じんけつ
)
の
滾
(
こぼ
)
れたのを拭いた跡が二三ヶ所ある。
恐怖の口笛
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「元祐の家老、竹井惣左衛門があやしい。先頃から薬売りの小西屋弥九郎と幾度か密会し、彼をもって、寄手の羽柴勢となにか
聯絡
(
れんらく
)
をとったような
形跡
(
けいせき
)
もみえる」
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「いいえ、機械にも何も
異状
(
いじょう
)
はありませんし、見張りの機械人間も、だれの姿も見うけなかったと申しております。窓も戸口も内がわから鍵がかかっていて、逃げだした
形跡
(
けいせき
)
はどこにも残っておりません」
超人間X号
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「——
御着
(
ごちゃく
)
の
小寺政職
(
おでらまさもと
)
も、摂津の荒木村重に誘われて、ともに寝返りを約し、毛利方へ向って、援軍を
要請
(
ようせい
)
した
形跡
(
けいせき
)
があります。十中の八、九まで、この儀は確実と思われます」
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「邸内に悪漢が忍び入ったような
形跡
(
けいせき
)
はなかったですか」
省線電車の射撃手
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
人穴城
(
ひとあなじょう
)
という
外廓
(
がいかく
)
は焼けおちたが、
中身
(
なかみ
)
の
魔人
(
まじん
)
どもはのこらず逃亡してしまった。
丹羽昌仙
(
にわしょうせん
)
、
吹針
(
ふきばり
)
の
蚕婆
(
かいこばばあ
)
、
穴山残党
(
あなやまざんとう
)
の
佐分利
(
さぶり
)
、
足助
(
あすけ
)
の
輩
(
ともがら
)
にいたるまで、みな
間道
(
かんどう
)
から抜けだした
形跡
(
けいせき
)
。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
けれどただ一つ
皆目
(
かいもく
)
知れないことがあった。それは新七の義妹の
於菊
(
おきく
)
の消息である。村重や室殿に従って、尼ヶ崎城へ移った
形跡
(
けいせき
)
もないし、城内にもすがたが見えないというのである。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
しかも急速にその実現をはかり、猛烈な暗躍を行っている
形跡
(
けいせき
)
があるのだ。——それにたいして、いったい、われわれご隠居附の
閑役
(
かんやく
)
に置かれている微臣が、何で対抗する力があるか。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“形跡”の意味
《名詞》
形 跡(けいせき)
何か物事が行われたり、存在した跡。跡形(あとかた)。
(出典:Wiktionary)
形
常用漢字
小2
部首:⼺
7画
跡
常用漢字
中学
部首:⾜
13画
“形”で始まる語句
形
形相
形見
形状
形骸
形容
形代
形成
形式
形態