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希臘
(
ギリシヤ
)” の例文
新村氏は
希臘
(
ギリシヤ
)
語や、
羅甸
(
ラテン
)
語や、
和蘭
(
オランダ
)
語や、そしてやくざな日本語が福神漬のやうに一杯詰つてゐる頭へ手を当てがつてじつと考へた。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
鼻の外見的な恰好は純然たる
希臘
(
ギリシヤ
)
型で、頬から
腮
(
あご
)
へかけての
抛物線
(
パラボラ
)
と、小さな薄い唇が、ハッキリと波打っている恰好を見ますると
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
圓滿で美しい
希臘
(
ギリシヤ
)
美術にも比較さるゝ奈良朝時代のそれとの關係を考へて見ることは、やがて萬葉集の文學の讀みを深めることになる。
桃の雫
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
我我の行為を決するものは昔の
希臘
(
ギリシヤ
)
人の云つた通り、好悪の外にないのである。我我は人生の泉から、最大の味を汲み取らねばならぬ。
侏儒の言葉
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
基督
(
キリスト
)
などの考え出したような宗教も哲学もなく、また同じ暖い海はありながらどういう訳か
希臘
(
ギリシヤ
)
のような芸術も作らずにしまった。
妾宅
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
希臘
(
ギリシヤ
)
羅馬
(
ローマ
)
あたりの古哲の遺書を誦むような気がする。深玄な哲理が極めて平易な文字を以てスラ/\と自在に書き流してある。
大野人
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
懐疑の空気充満せし文明なる
希臘
(
ギリシヤ
)
が比較的に野蛮なる偶像信者の
羅馬
(
ローマ
)
人に亡ぼされたる者は何ぞや。一は信条を有し一は信条を有せざれば也。
信仰個条なかるべからず
(新字旧仮名)
/
山路愛山
(著)
スルと其時、カ翁は「多くの友人から其批評を聞きます」と言ひながら、書架より
希臘
(
ギリシヤ
)
語辞典を引き出して其「デモス」の語を説明して呉れた。
土民生活
(新字旧仮名)
/
石川三四郎
(著)
支那では
人神牛首
(
じんしんぎうしゆ
)
の
神農氏
(
しんのうし
)
が
赭鞭
(
かはむち
)
を以て草木を
鞭
(
むちう
)
ち、初めて百草を
嘗
(
な
)
めて、医薬を知つたといひ、
希臘
(
ギリシヤ
)
ではアポローの子、エスキユレピアスが
毒と迷信
(新字旧仮名)
/
小酒井不木
(著)
古代の船の模型などにも益を受けたが、門前にある
希臘
(
ギリシヤ
)
から持つて来た四つの
大獅子
(
おほじし
)
の古い彫刻の方が僕には面白かつた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
希臘
(
ギリシヤ
)
人は世界をコスモス(Κοσμοσ)と呼んだが、これは同國語で格好、秩序、又は美といふ意味から來て居る。
神秘的半獣主義
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
それだけは秘かに目覚めて
哂
(
わら
)
っているような・醜い執拗な寄生者の姿が、何かしら三造に、
希臘
(
ギリシヤ
)
悲劇に出て来る意地の悪い神々のことを考えさせた。
狼疾記
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
小屋の真中の勇ましい
希臘
(
ギリシヤ
)
の彫刻に手鞄を預けて歯朶子と男の
逢
(
あ
)
い
曳
(
び
)
き——いきなり歯朶子は男の頬をびしゃりと叩いた。そして黙ってすまして居た。
百喩経
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
運命とは神意に
出
(
いづ
)
るものにもあらず、天命にもあらず、怪異にもあらず。古昔
希臘
(
ギリシヤ
)
人は
以為
(
おもへ
)
らく、人智の得て思議すべからざる者是れ
則
(
すなは
)
ち運命なりと。
罪過論
(新字旧仮名)
/
石橋忍月
(著)
トラゼヂイに至りては必らず鬼神なきの国に興るべからず、シユレーゲルも論じて古神学は
希臘
(
ギリシヤ
)
悲劇の要素なりとは言へり、げにやソホクルス以下の
名什
(
めいじふ
)
も
他界に対する観念
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
勞資協調派、無抵抗主義者、人道主義者、等が一刀のもとに退治した唯物史觀の
白髮首
(
しらがくび
)
とは何であるか? それは古代
希臘
(
ギリシヤ
)
にさかえた唯物的形而上學である。
唯物史観と文学
(旧字旧仮名)
/
平林初之輔
(著)
古代
希臘
(
ギリシヤ
)
の尊厳なる光輝を我が国土に復活せしめ、吾人の思想、文学、美術、学芸、制度、風気の
凡
(
すべ
)
てをして其存在の意義を世界文化史上に求めむが為めに
渋民村より
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
もう半
立突
(
リツトル
)
の麦酒を取寄せて新聞を読むに、
伊太利
(
イタリー
)
と
希臘
(
ギリシヤ
)
とが緊張した状態にあることを報じたその次に
日本大地震
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
先
(
ま
)
ず空想に浮んだのはこの人が
希臘
(
ギリシヤ
)
に生れ、
西印度
(
にしインド
)
諸島や、その他諸方を流浪して来たと云うことである。
面影:ハーン先生の一周忌に
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
而もそれは金で象眼された小さい短剣の柄に当つてゐた。それは
希臘
(
ギリシヤ
)
風の短剣の形だつた。復讐の女神ネメシスが、逆手に掴んでゐるやうな、短剣の形だつた。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
それから一ト月余になるが
羅甸
(
ラテン
)
語と
希臘
(
ギリシヤ
)
語とを
陳
(
なら
)
べた難かしい手紙が来たゞけで顔を見せないから、嬢様
漸
(
やつ
)
と安心して先ず是で十九の厄を免れてノウ/\した。
犬物語
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
(著)
読者の眼頭に
彷彿
(
ほうふつ
)
として展開するものは、豪壮悲惨なる北欧思想、
明暢
(
めいちよう
)
清朗なる
希臘
(
ギリシヤ
)
田野の夢、または銀光の
朧々
(
ろうろう
)
たること、その聖十字架を思はしむる
基督
(
キリスト
)
教法の冥想
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
これは、二千年も、もっとまえに、
希臘
(
ギリシヤ
)
が地中海ですっかり
幅
(
はば
)
を
利
(
き
)
かせていた時代のお話です。
デイモンとピシアス
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
それはどこかに古代
希臘
(
ギリシヤ
)
の彫刻にあると
謂
(
い
)
はれてゐる沈静な、
而
(
しか
)
も活き活きとした美をゆつたりと湛へて居た。それは気高い
愛嬌
(
あいけう
)
のある微笑をもつた女の口の端にも似て居た。
田園の憂欝:或は病める薔薇
(新字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
西洋の男は
己
(
おの
)
れの恋する女人の姿に
希臘
(
ギリシヤ
)
神話の女神を見、聖母の像を空想する。
蓼喰う虫
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
今
(
いま
)
姑
(
しばら
)
く自分の歐洲に於ける淺はかな智識で推し量ると、佛蘭西の女の姿の意氣で美しいのは、
希臘
(
ギリシヤ
)
や
伊太利
(
イタリイ
)
から普及した美術の品のよい
瀟洒
(
せうしや
)
な所が久しい間に外から影響したのでは無いか。
巴里の旅窓より
(旧字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
貴方
(
あなた
)
は
那樣哲學
(
そんなてつがく
)
は、
暖
(
あたゝか
)
な
杏
(
あんず
)
の
花
(
はな
)
の
香
(
にほひ
)
のする
希臘
(
ギリシヤ
)
に
行
(
い
)
つてお
傳
(
つた
)
へなさい、
此處
(
こゝ
)
では
那樣哲學
(
そんなてつがく
)
は
氣候
(
きこう
)
に
合
(
あ
)
ひません。いやさうと、
私
(
わたくし
)
は
誰
(
たれ
)
かとヂオゲンの
話
(
はなし
)
を
爲
(
し
)
ましたつけ、
貴方
(
あなた
)
とでしたらうか?
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
(後にはこゝに瓦を敷きて中庭とせり。)高き
蘆薈
(
ろくわい
)
、
霸王樹
(
はわうじゆ
)
なんど、廊の柱に
攀
(
よ
)
ぢんとす。
檸檬樹
(
リモネ
)
はまだ日の光に黄金色に染められざる、緑の實を垂れたり。
希臘
(
ギリシヤ
)
の舞女の形したる像二つあり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
そしてこの
二岐路
(
ふたまたみち
)
のひとつを選んで古代
希臘
(
ギリシヤ
)
青年のやうに驅けださう。
展望
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
所謂道徳的理想の不断の発達は之れを
希臘
(
ギリシヤ
)
の四大徳の例に徴するも明かなるにあらずや。さすれば吾人の今日の作家に要求する国民的特質なるものは
件
(
くだん
)
の発達し化醇せられたる特質にはあらざるか。
国民性と文学
(新字旧仮名)
/
綱島梁川
(著)
グラウンドに出ているときの彼は、その頃私たちの間に流行していた
希臘
(
ギリシヤ
)
彫刻の独逸製の絵はがきの一つの、「
円盤投手
(
ディスカスヴェルフェル
)
」と云うのに少し似ていた。そしてそれが下級生たちに彼を偶像化させていた。
燃ゆる頬
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
先生はそれから
希臘
(
ギリシヤ
)
の劇場の構造を
委
(
くわ
)
しく話して呉れた。三四郎は此時先生から、
Theatron
(
テアトロン
)
,
Orchêstra
(
オルケストラ
)
,
Skênê
(
スケーネ
)
,
Proskênion
(
プロスケニオン
)
などゝ云ふ字の講釈を聞いた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
先づ
印度
(
インド
)
に赴いて其れから
埃及
(
エヂプト
)
と
希臘
(
ギリシヤ
)
を巡遊して歸國すると云ふ事である。春子はどうしたのであらう。遂に
音信
(
たより
)
がない………。
新帰朝者日記
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
現に古代には
軽羅
(
けいら
)
をまとつた
希臘
(
ギリシヤ
)
、
羅馬
(
ロオマ
)
等の暖国の民さへ、今では
北狄
(
ほくてき
)
の考案した、寒気に堪へるのに都合の善い洋服と云ふものを用ひてゐる。
文芸的な、余りに文芸的な
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
其れと
斜
(
なゝめ
)
に対して
右方
(
うはう
)
に
聳
(
そび
)
えたウフイツチ邸は階下の広大な
看棚
(
ロオヂア
)
を広場に面せしめて、
其
(
その
)
中には
希臘
(
ギリシヤ
)
羅馬
(
ロオマ
)
時代の古彫像が生ける如く
群
(
ぐん
)
を成して居る。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
当時
希臘
(
ギリシヤ
)
に於ては
悲哀戯曲
(
トラゲヂー
)
のみを貴重し、トラゲヂーと言へばあらゆる戯曲の別名の如くなりをりて、悲哀戯曲外に戯曲なしと
思惟
(
しゐ
)
するの傾向ありたり。
罪過論
(新字旧仮名)
/
石橋忍月
(著)
朝鮮、支那、印度はもとより、どうかするとペルシャから印度を通して來た
希臘
(
ギリシヤ
)
的なものまでがこの島國に着いた時代もあつたらうかと想像されるのもその海だ。
桃の雫
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
丁度
(
ちやうど
)
希臘
(
ギリシヤ
)
神話の中の諸神が生命の培養に用ひたと伝へらるるアムブロジアのやうな役目を演じて居る。
毒と迷信
(新字旧仮名)
/
小酒井不木
(著)
父に聞いた九淵のはなし、友が訳した
希臘
(
ギリシヤ
)
の狂詩——水中に潜む渾沌未分の世界……「どうでもいいわ」……小初はすべてをぶん流したあとの涼やかさを想像した。
渾沌未分
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
見ると、町並木と郵便箱とは
希臘
(
ギリシヤ
)
の賢人のやうな顔をして、この哀れな日本の将校を見つめてゐた。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
女を甘やかす今の
欧羅巴
(
ヨーロッパ
)
の„Dame“社会状態は、全
亜細亜
(
アジヤ
)
人からも、それから古代
希臘
(
ギリシヤ
)
、古代
羅馬
(
ロオマ
)
の人々からも
嘲笑
(
ちょうしょう
)
されるに
極
(
き
)
まっているといったショペンハウエルは
妻
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
ピシアスは、それでは
仰
(
おおせ
)
のままに殺しておもらいしましょうと言いました。しかし、そのまえに一つお願があります、私は
希臘
(
ギリシヤ
)
に土地を持っており、身うちのものもおります。
デイモンとピシアス
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
怪頭醜貌の女怪ゴルゴンは、見る人をして悉く石に化せしめたと
希臘
(
ギリシヤ
)
神話は伝へてゐる。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
たゞこの平凡な一句でも自分には百万の火箭を放つべき堅固な
弦
(
ゆみづる
)
だ。昔
希臘
(
ギリシヤ
)
といふ国があつた。
基督
(
キリスト
)
が
磔刑
(
はりつけ
)
にされた。人は生れた時何物をも持つて居ないが精神だけは持つて居る。
雲は天才である
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
凡そ情熱のあるところには必らず
執
(
まも
)
るところあり、故に大なる詩人には必らず一種の信仰あり、必らず一種の宗教あり、必らず一種の神学あり、ホーマーに於て
希臘
(
ギリシヤ
)
古神の精を見る
情熱
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
芸術美に
倦
(
う
)
みたる
希臘
(
ギリシヤ
)
詩人の永生に対する熱望の悲音を聞くべく、「ソオル」には事業の永続に不老不死の影ばかりなるを喜ぶ事のはかなき夢なるを説きて、更に個人の不滅を断言す。
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
希臘
(
ギリシヤ
)
は地の利を得て勃興した。而して希臘人が其地利を乱用して却て地を離れ地を忘れたる時、頽廃に帰した。強大なる
羅馬
(
ローマ
)
帝国も、土臭を厭へる貴族や富豪の重量の為に倒潰したのである。
土民生活
(新字旧仮名)
/
石川三四郎
(著)
貴方
(
あなた
)
はそんな
哲学
(
てつがく
)
は、
暖
(
あたたか
)
な
杏
(
あんず
)
の
花
(
はな
)
の
香
(
におい
)
のする
希臘
(
ギリシヤ
)
に
行
(
い
)
ってお
伝
(
つた
)
えなさい、ここではそんな
哲学
(
てつがく
)
は
気候
(
きこう
)
に
合
(
あ
)
いません。いやそうと、
私
(
わたくし
)
は
誰
(
たれ
)
かとジオゲンの
話
(
はなし
)
をしましたっけ、
貴方
(
あなた
)
とでしたろうか?
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
「君
希臘
(
ギリシヤ
)
の芝居を知つてゐるか」
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
志摩の国こそ
希臘
(
ギリシヤ
)
なれ。
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
“希臘”の意味
《固有名詞》
ギリシアの漢字表記。
ギリシャの漢字表記。
(出典:Wiktionary)
希
常用漢字
小4
部首:⼱
7画
臘
漢検1級
部首:⾁
19画
“希臘”で始まる語句
希臘人
希臘語
希臘風
希臘型
希臘飯
希臘思想
希臘悲劇
希臘拉甸
希臘神話
希臘廻覧記