家業かげふ)” の例文
事ともせず日々ひゞ加古川の渡守わたしもりしてまづしき中にも母に孝養怠らざりし其内老母は風の心地とてふしければ兵助は家業かげふやすみ母のかたはらをはなれず藥用も手を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ぐにがうにして、いま、こんな家業かげふるやうにつたのも、小児こどもときから、ざうことが、にもこゝろにも身躰からだにもはなれなかつたせゐなんです。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
すべておのれ/\が家業かげふにあづかるものゝひなかたを掛る、これそのげふの福をいのるの祝事しゆくじなり。もちばなを作るはおほかたわかきものゝ手業てわざなり。
「お蔦は藝者家業かげふこそしてゐるが、親孝行で心掛の良い娘だ、人を殺すか、殺さねえか、親分」
つゝしんでおもんぱかるにかみ御恵みめぐみあまねかりし太古たいこ創造さう/″\時代じだいには人間にんげん無為むゐにして家業かげふといふ七むづかしきものもなければかせぐといふ世話せわもなく面白おもしろおかしくくつ日向ひなたぼこりしてゐられたものゝ如し。
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
すべておのれ/\が家業かげふにあづかるものゝひなかたを掛る、これそのげふの福をいのるの祝事しゆくじなり。もちばなを作るはおほかたわかきものゝ手業てわざなり。
常飛脚じやうひきやくなつ三月さんぐわつより九月くぐわつまで)の十日とをか——滿八日まんやうかふゆ十月じふぐわつより二月にぐわつまで)の十二日じふににち——滿十日まんとをかべつとして、はやはう一日いちにち二十五里にじふごり家業かげふだとふ。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
つと近年きんねん此餠屋の出店をだしもらひ夫婦とも稼暮かせぎくらす者なりフト吉之助の來てより家業かげふいそがしく大いに身代しんだい
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
貸遣かしつかはし世話致し候ひしに兩三年すぎ右當人平右衞門死去しきよ致し跡には女房にようばうお三と申ばゝと娘の兩人に相成あひなりしがお三婆はさん取揚とりあげ家業かげふとし娘をそだてしが追々成長せいちやうするにしたがはり仕事を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
しかるに家業かげふ出精しゆつせいゆゑもつて、これよりさきとく一個いつここの鍛冶屋かぢやしやうたまひしより、昧爽まいさうける市街しがい現象げんしやううておもむきへんじ、今日けふ此頃このごろいたりては、鍛冶屋かぢや丁々てう/\ふもさらなり
鉄槌の音 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
失礼しつれいしました。御老人ごらうじん貴下あなた大先生だいせんせいです。うか、御高名ごかうめいをお名告なのください。わたくし香村雪枝かむらゆきえつて、出過ですぎましたやうですが、矢張やつぱりきざんで、ものゝかたちこしらへます家業かげふのものです。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
家業かげふ奮發ふんぱつすれば、あと三里さんり五里ごりはしれようが、それにしても、不忍池しのばずいけ三十幾囘さんじふいくくわい——いはんや二十七里にじふしちりづけの車夫くるまや豪傑がうけつであつた。つたものにとくはない。が、ほとん奇蹟きせきはねばならない。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
つから家業かげふらんでの、わしら、木挽こびき木樵きこりる。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
待合まちあひなんといふ家業かげふは、いやだといふ殊勝しゆしよう思慮かんがへ
廓そだち (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)