商売しょうばい)” の例文
旧字:商賣
「いま、ていったあのむすめだろう。あんな素人しろうとをごまかせないということがあるもんか。みんな、おまえが、商売しょうばい不熱心ふねっしんだからだ。」
トム吉と宝石 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ハイ今日こんにち出ましたのはほかの訳でもございませんが、ソノマアお前様めえさまはおさむれえのことで商売あきねえのことは御存じも有りますめえが、江戸の商売しょうばいちげえまして
あいての男は、おやじとはまるっきりはんたいの、やせてひょろひょろした顔いろのわるい男で、商売しょうばい馬車屋ばしゃやだ。
そこで私は、いそいでいろいろの品物を買いあつめ、もう一度、外国へ商売しょうばいに出かけることにしました。
「まあしばらくおちください。どうもこの目をとられては、あしたから大工だいく商売しょうばいができません。かわいそうだとおぼしめして、なにかほかのおれいでごかんべんねがいます。」
鬼六 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
源一は、すっかりうれしくなって、あき箱に腰をかけ、うららかな陽をあびながら商売しょうばいをつづけた。お客さまは、おもしろいほどつづき、店頭てんとうに人だかりがするほどになった。
一坪館 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ちよつとしたあてこみので、わたし公園こうえんほう商売しょうばいくつもりだつたんですが、しかたがない、方角ほうがくちがいのおやじのところへ、あのランチュウをつてつたというわけでさ
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
ところが、それだけでは、日本にっぽんをほんとうに開国かいこくさせたということにならないので、アメリカは、ぜひ、修好通商条約しゅうこうつうしょうじょうやく商売しょうばいのとりきめ)をむすぼうとかんがえるようになりました。
そう思うと、要吉ようきちはなんともいえないいやな気持になりました。商売しょうばいというものが、どうしても、こういうことを見越みこしてしなければならないものだったら、なんといういやなことだろう。
水菓子屋の要吉 (新字新仮名) / 木内高音(著)
「いや、商売しょうばいものをもらっちゃすみませんな」その人は、帽子ぼうしをとりました。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
「ハイ。独楽のご用ならおやすいこと、商売しょうばいですから、おのぞみにまかせてまわします。ですが、わたくしが首尾しゅびよくげいをごらんにいれましたら、そのご褒美ほうびには、なにがいただけるでございましょう」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ああ、商売しょうばいがえをして、このごろは、おはなしをして学校がっこうをまわっているのだ。」と、おじさんはくさのはえたところへ、こしをおろしました。
赤土へくる子供たち (新字新仮名) / 小川未明(著)
「わっしはすぐそこでります。わっしは、鳥をつかまえる商売しょうばいでね」
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
よくてめえの姿すがた商売しょうばいと相談してこいッ
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「おまえは、商売しょうばいがらでありながら、岩角いわかどから、みずのわきているのがわからないとはどういうことだ。」といいました。
大根とダイヤモンドの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
この商売しょうばいをするようになって、むかし、こまをまわしたことをおもして、ときどきべいをするが、おもしろいなあ。
こま (新字新仮名) / 小川未明(著)
「なにか、ほかの商売しょうばいをすればいいのに、あああそんでいては、こまるのもあたりまえだ……。」と、近所きんじょのものは、るにかねて、ささやきったのです。
生きている看板 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「そんなことで、商売しょうばいになりますかな。」といって、ペンキのことを近所きんじょでうわさするものもありました。
生きている看板 (新字新仮名) / 小川未明(著)
今度こんど真珠しんじゅつけたら、そのかねまち商売しょうばいをするのです。もう、わたしは、さかなとりなんか問題もんだいにしていない。」といって、ところかまわずあみちました。
一本の釣りざお (新字新仮名) / 小川未明(著)
こんどの世界戦争せかいせんそうは、くにのすべての産業さんぎょう革命かくめいをもたらしました、箔屋はくやという商売しょうばいが、たとえ一時的じてきにせよ、まったくおとろえる状態じょうたいとなり、このみせもついに閉店へいてんして
心の芽 (新字新仮名) / 小川未明(著)
いや、商売しょうばいですから、しいものでもかねになれば手放てばなしますが、生涯しょうがいはいらないとおもうものがありますよ。そんなときは損得そんとくをはなれて、わかれがさびしいものです。
らんの花 (新字新仮名) / 小川未明(著)
親父おやじは、薬売くすりうりは、ひといのちにかかる商売しょうばいだから、めったなものをあるくことはできない。
手風琴 (新字新仮名) / 小川未明(著)
どっちでも、よく思案しあんして、きなようにするがいいぜ。しかし、このみちをバスがとおるので、商売しょうばいたぬという心配しんぱいなら、しないがいい。バスにひとはきまっている。
とうげの茶屋 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あるくものが、なくなりましょうな。そうすれば、もう、この商売しょうばいもどうなりますか。」
とうげの茶屋 (新字新仮名) / 小川未明(著)
おじいさんは、女房にょうぼうなれてから、もうながいこと、こうしてひとりで、商売しょうばいをしていますが、みんなから、したしまれ、ゆききに、ここへるものが、おおかったのであります。
とうげの茶屋 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「ほんとうに、時計屋とけいやなんかも、いい商売しょうばいだね。」と、おかあさんは、よろこびました。
子供はばかでなかった (新字新仮名) / 小川未明(著)
「ああ、らしのためといいながら、なんて殺生せっしょうするのはいやな商売しょうばいだろう。あのくまをころすのはぞうさもないが、かねのために、そんなむごいことができようか。」と、猟師りょうしがためいきをつきました。
猟師と薬屋の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「あのみせも、はやらないとみえて、みせめるのだな。しかし、ものを、こんなに、ぞんざいにするようでは、なに商売しょうばいだって、さかえないのも無理むりはない。」と、こんなことをかんがえたのであります。
おじいさんが捨てたら (新字新仮名) / 小川未明(著)
羅宇屋ラオや──キセルの中央ちゅうおうたけくだをなおす商売しょうばいひと
幼き日 (新字新仮名) / 小川未明(著)