不正ふせい)” の例文
「そんなに、おれいをいわれるとこまります。わたしは、良心りょうしんが、不正ふせいゆるさないために、たたかいましたばかりです。」と、若者わかものこたえました。
あほう鳥の鳴く日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
おな不正ふせいくわだてるのならば、百三十六麻雀牌マアジヤンパイ背中せなかたけ木目もくめ暗記あんきするなどは、その努力感どりよくかんだけでもぼくにはむし氣持きもちがいい。
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
なすよし女房は屏風を立廻たてまはし床にかゝありしが後の方に骨柳こり一ツ有しを夫を改めんとなすをつまは此品は不正ふせいものならずと手を出す役人共はらひ退て中を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
其處そこをよくわきまへて、たゞしくはたらいてもらひたい。つめあかほどでも、不正ふせいがあつたら、この但馬たじまけつしてだまつてゐない。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
カピ妻 このじんはモンタギューの親戚しんせきゆゑ、贔屓心ひいきごゝろがさもないことまうさせまする。この不正ふせい爭鬪たゝかひには二十人餘にんよ關係かゝづらうてたんだ一人ひとりころしたに相違さうゐござりませぬ。
ひとかれあざむいたり、あるいへつらったり、あるい不正ふせい勘定書かんじょうがき署名しょめいをすることをねがいでもされると、かれえびのように真赤まっかになってひたすらに自分じぶんわるいことをかんじはする。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
かみとしてもっといましむべきは怠慢たいまん仕打しうち同時どうじもっとつつしむべきは偏頗不正へんばふせい処置しょちである。怠慢たいまんながるるときはしばしば大事だいじをあやまり、不正ふせいながるるときはややもすれば神律しんりつみだす。
毎日まいにちべつところかれた。かれ屹度きつとはひいでつたのである。しか壁際かべぎはんだはそこには不正ふせいなものがまじつてるにしても、大部分だいぶぶんかれ非常ひじやう勞苦らうくからたものである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
麻雀競技會マアジヤンきやうぎくわい常勝者じやうしようしやとしてその技法ぎはふをたゞ驚歎きやうたんされてゐたそれがしが、支那人式しなじんしき仕方しかたからすれば至極しごく幼稚えうち不正ふせいおこなつてゐたことがわかるし
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
受るは賄賂まいないあた不屆ふとゞ至極しごくなり下役兩人も受しならんとあればきん二兩づつもらひし旨言立るに大岡殿下役は奉行を見習みなら所業しよげふ不正ふせいなり且賄賂によつてつみの有樣を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
わたし人間にんげんになりたいとはおもいません。ほんとうに一ぴきのむしでもいいから、この強欲ごうよくこころ不正ふせいかんがえを、わたしからうばってください。そして、わたしむしにしてください。
おけらになった話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
無論むろん放逐はうちくすることなどはぬので。ひとかれあざむいたり、あるひへつらつたり、あるひ不正ふせい勘定書かんぢやうがき署名しよめいをすることねがひでもされると、かれえびのやうに眞赤まつかになつて只管ひたすら自分じぶんわるいことをかんじはする。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
其方儀村役中不正ふせいの儀多くことに九助妻里と密通みつつうに及び九助親類しんるゐいつはり水田屋藤八方より金子百八十兩餘かたり取り其後下伊呂村にて石川安五郎妻ならびに馬士まご松五郎の兩人を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)