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一昨日
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おととい
ふりがな文庫
“
一昨日
(
おととい
)” の例文
昨日
(
きのう
)
の尻は勿論の事、
一昨日
(
おととい
)
、
再昨日
(
さきおととい
)
……昨年、一昨年の尻が一時に固まって来る日だぞと覚悟して待っているとサア来るわ来るわ。
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
思うてみれば、
一昨日
(
おととい
)
の
夜
(
よ
)
さり、中の芝居で見たまでは天王寺の
常楽会
(
じょうらくえ
)
にも、天神様の御縁日にも、ついぞ出会うた事もなかったな。
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
もう立去ったのかと思って安心していると、また出て来る。現に
一昨日
(
おととい
)
の晩も長福寺の小坊主が檀家から帰る途中で飛び付かれた。
人狼
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
僕はある。
一昨日
(
おととい
)
も大学の柏木君に逢ったがね、ああ柏木君も年をとったなあ、とそう思ったよ。誰だって、君、年をとるサ。僕などを
並木
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
ここのうちは、いか銀よりも
鄭寧
(
ていねい
)
で、親切で、しかも上品だが、
惜
(
お
)
しい事に食い物がまずい。昨日も芋、
一昨日
(
おととい
)
も芋で今夜も芋だ。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
今日も戦い明日も戦い、昨日も落城、
一昨日
(
おととい
)
も討ち死に。
血腥
(
ちなまぐさ
)
い噂が天地をこめて人の心を狂わせるのが戦国時代の有様であった。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「
昨日
(
きのう
)
も
一昨日
(
おととい
)
も、社へも往かないで、ふざけてたのでしょ、彼奴も
酷
(
ひど
)
い奴だわ、あれで名流婦人だなんて、ほんとに
呆
(
あき
)
れるわ」
一握の髪の毛
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
一昨日
(
おととい
)
別段気にもとめなかった、小さなその門は、赤いいろの
藻
(
そう
)
類と、暗緑の
栂
(
つが
)
とで
飾
(
かざ
)
られて、すっかり立派に変っていました。
ビジテリアン大祭
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
島本
(
しまもと
)
の
話
(
はなし
)
では、ぼたんの
鉢
(
はち
)
を
持
(
も
)
つてきたのが、
事件発見
(
じけんはっけん
)
のあの日、つまり五
月
(
がつ
)
六
日
(
か
)
からいうと、
一昨日
(
おととい
)
だといつたんじやないでしようか。
金魚は死んでいた
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
と、お槙は、
一昨日
(
おととい
)
の晩から、別人のように彼に親切だった。こんな朝はやくに、彼を迎えに来ることだって珍しいのであった。
かんかん虫は唄う
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「帽子を持って寝たのは
一昨日
(
おととい
)
の晩で、昨夜はひょっとするとそうするのを忘れたのかも知れない」とふとその時思いました。
僕の帽子のお話
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
それもいいさ。久しぶりで——あんまり久しぶりでもなかッた、
一昨日
(
おととい
)
の今夜だッけね。それでもまア久しぶりのつもりで、おい平田、
盃
(
さかずき
)
を
今戸心中
(新字新仮名)
/
広津柳浪
(著)
一昨日
(
おととい
)
笹野新三郎から用意のために手渡された金、将軍様の命に関わろうという場合ですから、物惜しみなどをしている時ではありません。
銭形平次捕物控:001 金色の処女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
一昨日
(
おととい
)
だって、見ろ。仲間の独身者たちと結婚について話をしていた時の・あのお前の言い草はどうだ? 何と言ったっけな。そう、そう。
狼疾記
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
建込
(
たちこ
)
んだ家の屋根には
一昨日
(
おととい
)
の雪がそのまま残っているので路地へさし込む寒月の光は
眩
(
まぶ
)
しいほどに明るく思われたのである。
雪解
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
僕たちは
一昨日
(
おととい
)
真岡
(
まおか
)
から豊原へ二十里の原生林の横断を果したが、六度もパンクして、とうとうこの追分口から滑走してはいってしまった。
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
そりゃ、知りゃしません。……どうして分かるもんですか。ペラゲーヤはどうしたって言いっこはないし。
一昨日
(
おととい
)
パパは
梨
(
なし
)
を
小波瀾
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
「あまり働きものでもないらしいよ母ちゃん、昨日だって、
一昨日
(
おととい
)
だって、
先
(
せん
)
だって、いつでもぶらぶら遊んでいるのを私見て知ってるわよ」
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
番「
汝
(
おのれ
)
は
一昨日
(
おととい
)
の
夜
(
よ
)
この店で帯を締め直す時に落した手紙は、お嬢
様
(
さん
)
に頼まれて粂之助の処へ届けようとしたのじゃないか」
闇夜の梅
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
一昨日
(
おととい
)
逢って
昨日
(
きのう
)
逢わなかった、いつものところへ来てください、
今日
(
きょう
)
は大事な相談があります。文子さん……千三より」
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
一昨日
(
おととい
)
、社長が瀬川さんに暴行を加えようとしたとき、傍にあった
棍棒
(
こんぼう
)
で社長の後頭部に一撃を与え、社長を人事不省に陥れたのはわたしです。
五階の窓:06 合作の六(終局)
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
そして案の状、投げた
骰子
(
さい
)
に目が出たので、次第に、胎龍は、
一昨日
(
おととい
)
僕が話した夢判断通りの径路を辿って、一路衰滅の道へ堕ちて行ったのだ。
後光殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
……けれど、まあ
其様
(
そん
)
な根掘り葉掘り聞く必要はないわねえ。……で、
一昨日
(
おととい
)
は何うして此処に来ていることが分ったの?
別れたる妻に送る手紙
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
「
一昨日
(
おととい
)
、ね、函館から。もう
近々
(
ちかぢか
)
に帰りますッて——いいえ、
何日
(
なんち
)
という事は
定
(
き
)
まらないのですよ。お
土産
(
みや
)
があるなンぞ書いてありましたわ」
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
一昨日
(
おととい
)
なんかはこの子は私の留守に
階下
(
した
)
へ降りて行きましてね、男の子に石を頭へぶつけられたという始末ですものね。
永遠の夫
(旧字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
一遍、男を振って置いて、自分で逢いたい時には化けて出るなんて、都合の好い化け者もこの世の中にはいるもんだナ、あばよ、
一昨日
(
おととい
)
お出でだ。
蜜のあわれ
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
「あなた様のお父様には、わっしゃ、美濃の関ヶ原でお初にお目にかかりました、
一昨日
(
おととい
)
のあけ方のことでございます」
大菩薩峠:37 恐山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
お秋 来てゐないのかつて、阪井さんは
一昨日
(
おととい
)
来たつきり此処へは来やしないのよ。あんた達にわからないものが、私にわかる筈は無いぢやないの。
疵だらけのお秋
(新字旧仮名)
/
三好十郎
(著)
「ああ、わかった。
一昨日
(
おととい
)
は、あんなにしんせつにしてやったけれど、いつまでも
弱
(
よわ
)
いと、じゃまになるのだな。」
からす
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
しかも
一昨日
(
おととい
)
の晩なぞは、僕が女に
水晶
(
すいしょう
)
の
双魚
(
そうぎょ
)
の
扇墜
(
せんつい
)
を贈ったら、女は僕に
紫金碧甸
(
しこんへきでん
)
の指環を抜いて渡してくれた。
奇遇
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
だが、よく考えてみると、留守は留守でも、それは十一月三十日に出ていったのだから、
一昨日
(
おととい
)
の出来ごとだった。
蠅男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
実は
昨日
(
きのう
)
朝飯
(
あさはん
)
の時、文三が叔母に
対
(
むかっ
)
て、
一昨日
(
おととい
)
教師を番町に訪うて身の振方を依頼して来た趣を
縷々
(
るる
)
咄
(
はな
)
し出したが、叔母は
木然
(
ぼくぜん
)
として情
寡
(
すくな
)
き者の如く
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
貴女
(
あなた
)
に話すのを忘れていた。此間中頭が重いので、
一昨日
(
おととい
)
、近藤に
診
(
み
)
て
貰
(
もら
)
うと、神経衰弱の気味らしいと云うのだ。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
一昨日
(
おととい
)
、四月三十日に受け取ったのは、一月の分でしたから、二、三、四と、あとまだ三ヵ月は、だまっていても、ひきつづいて家賃が入る勘定なんです
我が家の楽園
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
さて
一昨日
(
おととい
)
の晩その文一君の勉強部屋で共々数学に脂汗を
絞
(
しぼ
)
っていると、お客に来ていたお婿さんがヌッと入って来た。僕は早速かしこまって一礼した。
親鳥子鳥
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
『静岡日々』だけが
一昨日
(
おととい
)
の日附になっている。これによっても、犯人がその日読み捨てた新聞を、何気なく使ったことが、よく分るではありませんか。
悪魔の紋章
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
一昨日
(
おととい
)
まで私を包んでゐたムッとする様な大気。流れようともせずにホッと現はれてはまた消えてゆく白い雲。
恢復期
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
最後までとっておいた愛読書——それは彼女が病院で私に読んできかしてくれた思い出多い書物です——を売って八十銭の金を手にしたのが
一昨日
(
おととい
)
のことで
悪魔の聖壇
(新字新仮名)
/
平林初之輔
(著)
「あの馬なら
一昨日
(
おととい
)
も
昨日
(
きのう
)
も私は見ております。現に今朝も庭で調教しているのをこの目でしかと見ました」
現代語訳 平家物語:04 第四巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
鄭吉炳 (箒をとめて)十七日にはそっちへ行くという、
煙秋
(
エンチュウ
)
から出した安さんの手紙が先生んとこへ届いたのは、いつだったっけな。
一昨日
(
おととい
)
でしたね、先生。
安重根:――十四の場面――
(新字新仮名)
/
谷譲次
、
林不忘
(著)
と云うのは、事件は昨日だけでなく、
一昨日
(
おととい
)
から
萌
(
きざ
)
していたのである、一昨日、橋寺氏
父子
(
おやこ
)
はあなた方に招かれて神戸の菊水で会食されたと云うことであるが
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
その癖小山さんは
昨日
(
きのう
)
も
一昨日
(
おととい
)
も大原さんのお家へいらしった御様子ですがお帰りがけにここへお寄りなさらないのを見るとどうしても事が御面倒のようですね。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
一昨日
(
おととい
)
の晩からのことを考えると、何だか夢のような気がしたり、またいろんなことが眼の前に押し寄せてきたりして、自分で自分が分らなくなってしまいますわ。
或る男の手記
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
「それよりか写真屋さん。
一昨日
(
おととい
)
かしら写したあたしの写真はいつできるんですか」と藤さんが問う。
千鳥
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
「薩藩?
巫山戯
(
ふざけ
)
るねえ。得体の知れねえ馬の骨のくせに、薩藩?
一昨日
(
おととい
)
来やがれ、この乞食侍」
南国太平記
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
一昨日
(
おととい
)
被害者の勤務する貴金属部で紛失した二品の内の一つである事、更に又、死体及び首飾は今朝四時に巡廻中の警官に依って発見されたものなる事、そして最後に
デパートの絞刑吏
(新字新仮名)
/
大阪圭吉
(著)
「
一昨日
(
おととい
)
落ちた。敵は遼陽の手前で、
一防禦
(
ひとふせぎ
)
やるらしい。今日の六時から始まったという
噂
(
うわさ
)
だ!」
一兵卒
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
近ごろ浅井の入り浸っている
情婦
(
おんな
)
の店の近所を、お増は
一昨日
(
おととい
)
の晩も、長いあいだ
往来
(
ゆきき
)
していた。
爛
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
紙や、封筒や、インクや、ペンの入ったその箱は、
一昨日
(
おととい
)
ここに運びこまれていたものでした。
小公女
(新字新仮名)
/
フランシス・ホジソン・エリザ・バーネット
(著)
ねえ
父様
(
とうさん
)
、僕、
一昨日
(
おととい
)
と昨日とまる二日、上野の図書館で調べたのですが、それによると、あの博士の殺された白堊館では、今度までにもう八人も人が殺されているんです。
幽霊屋敷の殺人
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
“一昨日”の意味
《名詞》
一昨日(おととい、おとつい、いっさくじつ、いっさくにち)
今日より二日前であり、一昨昨日の次の日。
(出典:Wiktionary)
“一昨日”の解説
一昨日(いっさくじつ、おととい、おとつい、en: day before yesterday)とは、昨日の前の日、すなわち今日より2日前の日である。
(出典:Wikipedia)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
昨
常用漢字
小4
部首:⽇
9画
日
常用漢字
小1
部首:⽇
4画
“一昨”で始まる語句
一昨年
一昨々日
一昨夜
一昨々年
一昨昨日
一昨
一昨晩
一昨昨夜