“建込”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
たてこ80.0%
たちこ20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
もつともこの殺しは最初から女の細腕ではあるまいと思つたよ。あんな建込たてこんだ中で、たつた一と突きで人を殺せるのは、何んと言つても大した手際だ
建込たてこんだ表通りの人家にさえぎられて、すぐ真向まむかいに立っているの高い本願寺の屋根さえ、何処どこにあるのか分らぬような静なこのへんの裏通には、正しい人たちの決して案内知らぬ横町よこちょうが幾筋もある。
銀座 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
建込たちこんだ家の屋根には一昨日おとといの雪がそのまま残っているので路地へさし込む寒月の光はまぶしいほどに明るく思われたのである。
雪解 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
すぐに窓の雨戸を明けかけたが、建込たちこんだ路地ろじの家の屋根一面降積ふりつもった雪の上に日影と青空とがきらきら照輝くのでしばらく目をつぶって立ちすくむと、下の方から女の声で
雪解 (新字新仮名) / 永井荷風(著)