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黒白
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あやめ
ふりがな文庫
“
黒白
(
あやめ
)” の例文
思い
懸
(
がけ
)
なく
閉籠
(
とじこめ
)
て
黒白
(
あやめ
)
も分かぬ
烏夜玉
(
うばたま
)
のやみらみっちゃな小説が出来しぞやと我ながら肝を
潰
(
つぶ
)
してこの書の巻端に序するものは
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
月光はそれを照らして、鮮やかにするかと思えば、またたちまち、雲は月をおおうと、
黒白
(
あやめ
)
もつかぬ闇としてしまう。
三国志:08 望蜀の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と言った自分の声に、ふと目が覚めると……
室内
(
まのうち
)
は
真暗
(
まっくら
)
で
黒白
(
あやめ
)
が分らぬ。寝てから大分の時が
経
(
た
)
ったらしくもあるし、つい今しがた
現々
(
うとうと
)
したかとも思われる。
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
陸
(
おか
)
の霧は海ほどではなかったが、それでも
黒白
(
あやめ
)
もわかぬというような不安の状態が一時間あまりも続いた。
深川の老漁夫
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
……
黒白
(
あやめ
)
もわかぬ暗黒の夜に、
蛍火
(
ほたるび
)
のような信号灯一つをたよりに、列車でもなんでも、ふだんと変わらぬ速さと変わらぬ時間で運転するなんて、神さまでも
空襲警報
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
とうとう日は暮れて四方八方
黒白
(
あやめ
)
も分らぬ真の闇、
併
(
しか
)
し海は
陸
(
おか
)
と違いまして、どのような闇でも水の上は分りますが、
最早
(
もはや
)
三人とも
根
(
こん
)
絶え力尽きて
如何
(
いかん
)
とも
為
(
せ
)
ん
術
(
すべ
)
なく
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
ゑゝ
言
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
を
聞
(
き
)
かぬ
我
(
わが
)
まゝ
者
(
もの
)
め、
何
(
ど
)
うともお
爲
(
し
)
と
捨
(
す
)
てぜりふ
言
(
い
)
ひて
心
(
こゝろ
)
ともなく
庭
(
には
)
を
見
(
み
)
るに、ぬば
玉
(
だま
)
の
闇
(
やみ
)
たちおほふて、
物
(
もの
)
の
黒白
(
あやめ
)
も
見
(
み
)
え
分
(
わ
)
かぬに、
山茶花
(
さゞんくわ
)
の
咲
(
さ
)
く
垣根
(
かきね
)
をもれて
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
透
(
すか
)
し見るに
生憎
(
あひにく
)
曇りて
黒白
(
あやめ
)
も分ず
怖々
(
こは/\
)
ながら
蹲踞
(
つぐみ
)
居れば
件
(
くだん
)
の者は河原へ
上
(
あが
)
り
背
(
せ
)
より一人の女を下しコレ聞よ
逃亡者
(
かけおちもの
)
と昨日から
付纒
(
つきまと
)
ひつゝやう/\と此所へ
引摺
(
ひきず
)
り
込
(
こむ
)
までは大に
骨
(
ほね
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
登り登つて漸く六里が原の高原にかゝつたと思はれる頃は全く
黒白
(
あやめ
)
もわからぬ闇となつたのだが、車室には灯を入れぬ、イヤ、一度小さな
洋燈
(
ランプ
)
を點したには點したが、すぐ風で消えたのだつた。
みなかみ紀行
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
と
独言
(
つぶや
)
きながら奥に行くと、
灯
(
あかり
)
は消えて四辺は
黒白
(
あやめ
)
も分かぬ真の闇だ。
月世界競争探検
(新字新仮名)
/
押川春浪
(著)
あとは塗り込めたような闇、朧月も雲に隠れて、馴れない眼には、本当に
黒白
(
あやめ
)
も判らない位——、熱帯植物の刺戟的な香気と、若い女の悩ましい体臭が、異常な交錯をして、私の身体を押し包みます。
新奇談クラブ:04 第四夜 恋の不在証明
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
いつぞや、
加茂
(
かも
)
の
堤
(
つつみ
)
で
蚕婆
(
かいこばばあ
)
の
吹
(
ふ
)
き
針
(
ばり
)
にふかれてその目をつぶされ、いまは
黒白
(
あやめ
)
もわかたぬ不自由な身となった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
水らしい水とも思わぬこの
細流
(
せせらぎ
)
の
威力
(
ちから
)
を見よと、流れ廻り、
駈
(
か
)
け
繞
(
めぐ
)
って、
黒白
(
あやめ
)
も
分
(
わか
)
ぬ真の
闇夜
(
やみよ
)
を
縦
(
ほしいまま
)
に
蹂躪
(
ふみにじ
)
る。
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
もうあたりは
黒白
(
あやめ
)
も分らぬ
闇黒
(
くらやみ
)
の世界で、ただ美しい星がギラギラと
瞬
(
またた
)
くのと、はるかにふりかえると、後にして来た地球がいま丁度夜明けと見えて、大きな
円屋根
(
まるやね
)
のような
球体
(
きゅうたい
)
の
端
(
はし
)
が
月世界探険記
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
消
(
けす
)
まじと
馴
(
なれ
)
もせぬ江戸の夜道は野山より
結句
(
けつく
)
淋
(
さび
)
しく思はれて進まぬ足を
蹈
(
ふみ
)
しめ/\
黒白
(
あやめ
)
も
分
(
わか
)
ぬ
眞
(
しん
)
の
闇
(
やみ
)
辿
(
たど
)
りながらも思ふ樣
貧
(
まづ
)
しき中にも
手風
(
てかぜ
)
も當ず是迄
育
(
そだ
)
てし娘お文を浮川竹に身を
沈
(
しづ
)
め
憂
(
つら
)
ひ
勤
(
つと
)
めを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
世を
恨
(
うら
)
む、人間五常の道乱れて、
黒白
(
あやめ
)
も分かず、日を
蔽
(
おお
)
い、月を塗る……魔道の
呪詛
(
のろい
)
じゃ、何と! 魔の呪詛を見せますのじゃ、そこをよう見さっしゃるが
可
(
い
)
い。
陽炎座
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
獄中はもう
黒白
(
あやめ
)
も分かたぬ黒煙であった。打ち壊した
牢格子
(
ろうごうし
)
のあたりもすでに
火焔
(
かえん
)
で
塞
(
ふさ
)
がっている。母里太兵衛はさきに用いた角木材でふたたびそこを大きく破壊した。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
黄昏
(
たそがれ
)
や、早や黄昏は森の中からその色を浴びせかけて、滝を
蔽
(
おお
)
える下道を、
黒白
(
あやめ
)
に紛るる女の姿、
縁
(
えにし
)
の糸に引寄せられけむ、裾も
袂
(
たもと
)
も
鬢
(
びん
)
の毛も、
夕
(
ゆうべ
)
の風に漂う風情。
政談十二社
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
が、秀吉のゆるしを得るや、勇躍して、真夜中のうちに、ここを立って天王山へ長駆したもの、鉄砲大将の中村孫兵次、堀秀政、堀尾茂助など、
黒白
(
あやめ
)
もわかぬ一勢であった。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
立花が
徒
(
いたずら
)
に、
黒白
(
あやめ
)
も分かず焦り
悶
(
もだ
)
えた時にあらしめば、たちまち驚いて倒れたであろう、一間ばかり
前途
(
ゆくて
)
の路に、
袂
(
たもと
)
を
曳
(
ひ
)
いて、厚い
袘
(
ふき
)
を
踵
(
かかと
)
にかさねた、二人、
同一
(
おなじ
)
扮装
(
いでたち
)
の
女
(
め
)
の
童
(
わらわ
)
。
伊勢之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
雨、風、
黒白
(
あやめ
)
もわかぬ山中の闇。
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
寺の屋根も、この墓場も、ほとんどものの
黒白
(
あやめ
)
を
分
(
わか
)
たない。が、門の方の峰の森から、釣鐘堂の屋根に、霧を
辷
(
すべ
)
って来たような落葉の
褥
(
しとね
)
を敷いた、青い光明は、半輪の月である。
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
トタンに早瀬は、身を投げて油の上をぐるぐると転げた。火はこれがために消えて、しばらくは
黒白
(
あやめ
)
も分かず。阿部街道を戻り馬が、
遥
(
はるか
)
に、ヒイインと
嘶
(
いなな
)
く声。
戸外
(
おもて
)
で、犬の吠ゆる声。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
森
(
もり
)
の
下
(
した
)
に
入
(
い
)
るよとすれば
呀
(
や
)
、
眞暗
(
まつくら
)
三寶
(
さんばう
)
黒白
(
あやめ
)
も
分
(
わ
)
かず。
森の紫陽花
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
黒
常用漢字
小2
部首:⿊
11画
白
常用漢字
小1
部首:⽩
5画
“黒白”で始まる語句
黒白斑
黒白構
黒白鱗
黒白乱生
黒白問答
黒白混血種