魔法まほう)” の例文
じつは、あの犬どもは魔法まほうをかけられておりまして、あのとうのなかにあるたくさんのたからもののばんをしていなければならないのです。
ちんは、もっとそれ以上いじょうのもの、永久えいきゅう平和へいわもとめているのじゃ。はやく、ちんいしになり、くさになり、なんじ魔法まほうでしてもらいたい。」
北海の白鳥 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ニールスが魔法まほうで小人にされてから、ちょうど一週間になります。しかし、あいもかわらず、ニールスはちっぽけな姿すがたのままなのです。
ヤルマールが寝床にはいったとたん、オーレ・ルゲイエは、小さな魔法まほうの注射器で、部屋の中の、ありとあらゆる家具にさわりはじめました。
よく朝、巨男おおおとこをさましてみると、ふたりの女は、黒い鳥に、おひめさまは白鳥にかわっていました。それは、魔女まじょが、魔法まほうでそうしたのです。
巨男の話 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
しかも今朝がたは、ごうまんにもいい気になって、一本松の下から人さし指一本で魔法まほうの橋をかけ、波をしずめたのだ。
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
お前さんたち一家いっかのものを守ってあげている妖女ようじょなのだけれど、この五、六年のあいだというものは、わるいもののために、魔法まほうでしばられていて
ジャックと豆の木 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
へんだ、へんだと思っていたんだけど……やっぱりあの男はわるい魔法まほうをつかうんだわ。おっかさんのだいからのだいじな家具かぐに、悪霊あくりょうをふきこんだんだわ。
さあ、これで魔法まほうの力もいよいよつきたのでしょう、王女は、ふと目をさましました。そして、なんともいえないやさしい目で、じいっと王子のほうをながめました。
眠る森のお姫さま (新字新仮名) / シャルル・ペロー(著)
わたしはちょっと椅子に掛けたが、それなり魔法まほうにでもかかったように、長いことすわったままでいた。その間に感じたことは、実に目新しい、実に甘美かんびなものだった。
はつ恋 (新字新仮名) / イワン・ツルゲーネフ(著)
第一の農夫 わたしが魔法まほうでも知っていれば、まっ先に御助け申すのだが、——
三つの宝 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
すると、そこに魔法まほうをかけられた小さな小屋こやがたっていました。家のなかには、だれもいませんでした。そこで、みんなはいいました。
と、同時どうじに、魔法まほうにかけられているじぶんの、ちっぽけな姿すがたを、この子どもたちに見られるくらい、まずいことはない、と思いました。
みんなは、はらなかで、ほんとうに、このおとこは、魔法まほう使つかうのだろうか? なんにしても、またこまったことができたものだとおもったのであります。
おけらになった話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
というのは、このおばあさんは魔法まほうが使えるからでした。けれども、おばあさんは、わるい魔女まじょではありませんでした。
「いままで、お母さんは人間を種々の鳥獣ちょうじゅうにかえる法を教えてくださいましたが、まだ、魔法まほうをとくことを教えてくれません。どうか教えてください。」
巨男の話 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
きゃくさまは、いったいどうやって、いすに魔法まほうをかけてあやつり、いつのまに部屋へやからぬけだし、また、いつおかえりになったのですか? なんのことわりもなく、空気くうきのように
それもそのはず、このかぎは魔法まほうのかぎだったのです。ですから、おもてがわのほうの血を落したかとおもうと、それはうらがわに、いつか、よけいこく、にじみ出していました。
青ひげ (新字新仮名) / シャルル・ペロー(著)
朝、魔法まほうの橋をかけた海を、先生は今、痛さをこらえながら、かえってゆく。
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
「もしおゆるしくださいますなら、わたくしはその魔法まほうのかけられているお城で、三日三晩みっかみばんずのばんをいたしとうございます。」
「かわいいミーや、ぼくをたすけておくれよ。」と、ニールスは言いました。「ぼくが魔法まほうにかけられているのがわからないの?」
おねえさまたちが、おとうさまのお城の中で踊っているあいだに、魔法まほう使いのおばあさんのところへ行ってみよう。
なってえるので、としちゃんは魔法まほう眼鏡めがね自分じぶんんでいる、大事だいじな、そして、きなおはじきでありました。
友だちどうし (新字新仮名) / 小川未明(著)
巨男おおおとこが、大きくなるにつれて魔女まじょは、だんだん年をとって、ついに動けなくなりました。それで、毎日ベッドの上に横たわって、息子むすこ巨男おおおとこ魔法まほうを教えました。
巨男の話 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
たれもはいれない魔法まほうのお城をきりひらく名誉めいよが、自分のものになるとおもうと、もううしろからからだを押されるような気がして、さっそく、そのしごとにかかろうと決心けっしんしました。
眠る森のお姫さま (新字新仮名) / シャルル・ペロー(著)
「ヒラメを一ぴきとりはしたがな、そいつが魔法まほうをかけられた王子おうじだっていうもんだから、またにがしてやっちまった。」
「おまえは、魔法まほう使つかうというが、こんどばかりは、されないぞ。」と、役人やくにんはいって、おとこを、てつでつくった、せまろうなかにいれてしまいました。
おけらになった話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ブドウ酒はたいへん上等なものでしたが、その中には、なにか魔法まほうのくすりでも、はいっていたんでしょうよ。
まるで魔法まほうつかいの両手が、小さな生きものをうみだすように、つくったのでありました。
名なし指物語 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
あるとうの中にこもったなり、すがたをかくしてしまって、もういまでは、死んでしまっているか、魔法まほうにでもかけられて、なにかかわったものにされてしまった、とおもわれていたからです。
眠る森のお姫さま (新字新仮名) / シャルル・ペロー(著)
ひいさまは、でも、あくまでおにいさまたちを、魔法まほうからたすけだす決心をかためました。そのためには、いのちをすててかかるかくごでいました。
「おれをらないのか。いまにろ、魔法まほう使つかって、この牢屋ろうやからしてやるから。」といっていました。
おけらになった話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あの魔法まほうの注射器でヤルマールのからだにさわると、ヤルマールのからだは、たちまち、どんどん小さくなって、とうとう、指ぐらいの大きさになってしまいました。
それから、かねがね、母親から魔法まほうじゅつをならっておいたので、この肌着をぬいながら魔法をしかけておきました。
正坊まさぼうは、このとき、そのびんを魔法まほうのびんだとったのでした。そして、このことをおばあさんにはなすと
びんの中の世界 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「おそれながら陛下へいか、すべて書物しょもつにかいてありますことを、そのままおもちいになってはなりません。あれはこしらえごとでございます。いわば、妖術ようじゅつ魔法まほうのるいでございます。」
ねえ、漁師りょうしさん、おねがいだから、わたしを生かしておいてください。わたしは、ほんとうはヒラメではなくって、魔法まほうをかけられている王子おうじなんです。
蒸気船が魔法まほうのかたつむりのように山々のあいだをぬってきますと、ときおり旅人が会堂へやってきます。そしてこの円天井のお墓の部屋をおとずれて、王たちの名前をたずねます。
そのとき、不思議ふしぎ魔法使まほうつかいがおうさまのもとへうかがいました。この魔法使まほうつかいは、とおむかしのことでも、またこれからいくねんのちこることでも、魔法まほうによってることができたのです。
王さまの感心された話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あるわるい魔法まほうつかいの女のためにのろわれて、みにくいかえるの姿にかえられたが、それを泉のなかからたすけだして、もとのにんげんにかえしてくれるものは
あたしたち、魔法まほう使いに、髪の毛をやってしまったのよ。あなたが、今夜、死なないですむように、魔法使いの助けをかりに行ったの。そしたら、ナイフをくれたわ。ほら、これよ。
よく子供こども時分じぶんに、迷信めいしんともつかず、ただ、魔法まほう使つかうのだといって、くちのうちで、おなじことを三べんくりかえしていうと、きっとおもったとおりになるとしんじたことがありましたが、おとこ
窓の下を通った男 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ところで、この魔法まほうをかけられている小屋こやには小さなにわがあって、そのなかにユリのような花が十二さいていました。この花は、またの名をシュトデンテンともいいます。
戸は半開はんびらきになっていて、なかから音楽が、いかにもやさしく、いかにもあまくうつくしく、ほれぼれと引きこまれるようなにきこえていました。これこそまったく魔法まほうのようなわざでした。
「おまえはこのしろ魔法まほうをといてくれた。わしのむすめを、つまとしておまえにやるとしよう。」
魔法まほうの鏡のかけらで、その鏡にうつすと、大きくていいものも、ちいさく、いやなものに、みえるかわり、いけないわるいものほど、いっそうきわだってわるく見え、なんによらず、物事ものごとのあらが
そこで、主人はそうっとそれをもちだしてきて、魔法まほうのテーブルととりかえておきました。
そこでまたれてから、りにきましたが、へいをおりてると、魔法まほうつかいのおんなが、まえってたので、おとこはぎょっとして、そのちすくんでしまいました。
ここからあまり遠くないところに魔法まほうにかけられているおしろがあって、そこで三日三晩みっかみばんずのばんをすれば、ぞっとするというのがどんなことだかわかるでしょう、といいました。
お姫さまは、その日一日じゅう歩きつづけて、日のくれるころ、魔法まほうのかけられているあの小屋こやのまえにきました。お姫さまが小屋のなかにはいっていきますと、ひとりの男の子がいて