“町方:まちかた” の例文
“町方:まちかた”を含む作品の著者(上位)作品数
岡本綺堂22
泉鏡花6
永井荷風2
泉鏡太郎2
吉川英治1
“町方:まちかた”を含む作品のジャンル比率
社会科学 > 風俗習慣・民俗学・民族学 > 風俗史・民俗誌・民族誌6.1%
文学 > 日本文学 > 小説 物語1.0%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
べつにお寝室ねままをしてもございませんが其換そのかはは一ツもませんよ、町方まちかたではね
高野聖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そうして、かの唐人飴は公儀の隠密か、町方まちかたの手先が変装して、長英の探索に立ち廻っていたに相違ないということになった。
半七捕物帳:54 唐人飴 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
町方まちかたでは子どもに与えるナンゾと同じように解しているほかに、中国・九州では普請の日に、大工や手伝に給与する酒食にかぎって
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
桂斎先生に対して何かの意趣遺恨のあるものだろうという鑑定で、町方まちかたでもそれ/″\に探索にかゝりました。
三浦老人昔話 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「——」八五郎はあっけに取られました。これ位のことは、町方まちかた御用聞の八五郎が知らない筈はありません。
「しばらくお待ちくださいまし。わたくしは町方まちかたの者でございます。唯今のは試し斬りでございますか、それとも何か仔細がございますか」
半七捕物帳:30 あま酒売 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
町方まちかた里近さとちかかはは、真夜中まよなかるとながれおとむとふが反対あべこべぢやな。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
寺の門前地は寺社奉行の支配で、町方まちかたの係りではない。そこへみだりに踏み込むことは出来ないので、半七が一応の念を押すと、良助はうなずいた。
半七捕物帳:44 むらさき鯉 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
寺社方に捕り手は無いのであるから、その承諾を得れば町方まちかたが手をくだしても差し支えはない。
それが人さえ出せば町方まちかたから、いつでもこもかぶりが取寄せられるようになって、始めて今日のような酒宴が、随時に開かれることにもなったのである。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
相手が出家である以上、町方まちかたでむやみに手をつけるわけにも行かないので、半七はそれを町奉行所へ報告すると、町奉行所から更にそれを寺社奉行に通達した。
半七捕物帳:27 化け銀杏 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
それが町方まちかたの耳にはいると、役人たちも打っちゃって置くわけには行かなくなった。
半七捕物帳:30 あま酒売 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「奉行所の町方まちかたなどが、なにかわしについて、聞き歩いたようなこともないかね」
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
早く聞き込むと好かったのだが、ちっと日数ひかずが経っているので面倒だ。まあ、やれるだけやってみよう。ここらは寺門前が多いから、町方まちかたの手が届かねえ。
御承知でもありましょうが、坊主や虚無僧は寺社奉行の支配で、町方まちかたでは迂濶に手を着けることが出来ないのですから、そこを見込んで思い思いに化けたんでしょう。
取りあえず町方まちかたに通知して、その盗難詮議を依頼することになりました。
半七捕物帳:65 夜叉神堂 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「笹野の旦那もそれをおっしゃるのだ、江戸の町人の難儀は、竜の口の御評定にもお話が出たそうだ、これで年を越された日にゃ町方まちかた一統の名前にかかわる——とな」
そこへ町方まちかたの手先がむかったのは明くる日のひるごろであった。
廿九日の牡丹餅 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
かすみも霧もかかりませんのに、見紛みまごうようなそれらしい花のこずえもござんせぬが、大方おおかたこの花片はなひらは、うるさ町方まちかたから逃げて来て
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「鈴ヶ森じゃあ町方まちかたの係り合いじゃあねえが、いずれ頼んで来るだろう。殊に屋敷者だから、まあひと通りは調べて置くがいいな」と、云いかけて半七は思い出したように云った。
半七捕物帳:51 大森の鶏 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
さるに町方まちかたの者としいへば、かたゐなるどもとうとび敬ひて、頃刻しばらくもともに遊ばんことをこいねがふや、親しく、優しく勉めてすなれど、不断はこなたより遠ざかりしが
竜潭譚 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「実はわたしは町方まちかたの御用聞きだ。寺社とお係りは違うけれど、こういうところへ来あわせては、調べるだけのことは調べて置かなければならねえ。その晩、和尚さんがその仏さまを持って出たのかえ」
半七捕物帳:25 狐と僧 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
黒い影は町方まちかた捕手とりてであった。
心中浪華の春雨 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
武家屋敷内の出来事であるから、表向きにしないでも何とか済むのであるが、彼はその疑問を解決するために町方まちかたの手を借りようと思い立って、わざとおおやけにそれを発表しようとしたのであった。
半七捕物帳:10 広重と河獺 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
その父はむかし町方まちかたの手先なりしとか。
礫川徜徉記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
町方まちかたのお調べよ、知ってるくせに」
一種の治外法権ちがいほうけんともいうべき旗本屋敷に潜伏して、無事に月日を送っていれば、容易に町方まちかたの眼にも触れなかったのであるが、お近は江戸へ帰ると、間もなく更に新らしい恋人を見つけ出した。
半七捕物帳:69 白蝶怪 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
その会葬者のうちに延津弥との関係を知っている者があって、中田屋の大将が死んでは師匠も困るだろう、お前さんがその後釜を引受けてはどうだなどと、冗談まじりに話していたのが、ふと町方まちかたの耳にはいった。
廿九日の牡丹餅 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
なにしろ寺でやる仕事で、町方まちかたが迂闊に立ち入るわけにも行かねえから、わっしも指をくわえて見物していましたが、今に何事か出来しゅったいするだろうと内々睨んでいると、案の通り、こんな事になりました。
半七捕物帳:66 地蔵は踊る (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
役目だから仕方が無いようなものの、町方まちかたと違って屋敷方の詮議は面倒で困ります、町屋まちやならば遠慮なしに踏み込んで詮議も出来ますが、武家屋敷の門内へは迂濶うかつにひと足も踏み込むことは出来ません。
ほう、町方まちかたの。
多神教 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
もちろん彼女を引っ張って行って、表向きに吟味するすべがないでもないが、町方まちかたと違ってここらは郡代ぐんだいの支配であるから、公然彼女を吟味するとなれば、どうしても郡代の屋敷へ引っ立てて行かなければならない。
半七捕物帳:15 鷹のゆくえ (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
町方まちかたから小半里の間かなりの傾斜を持って此村は高味にあるのでその一番池から水を引くと云う事は比較的費用も少しですみ、容易でも有ろうと云うのでその話はかなりの速力で進んで、男女の土方の「トロッコ」で散々囲りの若草はふみにじられ
農村 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
いや、もうさして御心配なさるにも及ぶまい。遠山殿の仰せには町方まちかたの事とは少々御役向おやくむきが違うゆえ、あのかた御一存ごいちぞんではしかとした事は申されぬが、何につけおかみにおいては御仁恵ごじんけいが第一。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
今度は入違いれちがい伝法院でんぽういん御役僧おやくそう町方まちかたの御役人衆とがおいでになり、お茶屋へ奉公する女中たちはこれから三月中みつきうちに奉公をやめて親元へ戻らなければ隠売女かくしばいじょとかいう事にいたして
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
取り分けいまだにおもい出すのは、自分が四つか五つのおり、島の内の家の奥の間で、色の白い眼元のすずしい上品な町方まちかたの女房と、盲人もうじん検校けんぎょうとがこと三味線しゃみせんを合わせていた、———その、ある一日の情景である。
吉野葛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
当人の金之助は勿論であるが、連れ立っていた伊四郎、又作も何等かのお咎めは免かれないので、その親類一門も俄かにうろたえ騒いで、寄りあつまっていろいろ評議の果てが、これは内密に町方まちかたの手を借りて詮議するのが一番近道であるらしいということに決定して
半七捕物帳:15 鷹のゆくえ (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
三日みつかあひだ城内じやうないりでございまして、やうや歸宅きたくいたしますと町方まちかた病家びやうかから、見舞みまひ催促さいそくるやうで、其處そこをどうにかけてまゐりました。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
地方には今も往々見ることであるが、ここらも暦が新旧ともに行なわれていて、盆や正月の場合にも町方まちかたでは新暦による、在方ざいかたでは旧暦によるという風習になっているので、今この事件の起った正月の下旬も、在方では旧正月を眼の前に控えている忙がしい時であった。
鴛鴦鏡 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
わたくしも新らしい卒堵婆をたてた墓がどうもおかしい、そこを掘ったらばお国の首が出るだろうと思ったんですが、むかしでも墓荒しは非常にやかましいのですから、そのときは一旦無事に引き揚げて、町方まちかたからあらためて寺社奉行へ届けた上で、わたくし共が捕り方に出向きました
半七捕物帳:21 蝶合戦 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
別にお寝室ねまと申してもございませんがその代りは一ツも居ませんよ、町方まちかたではね、かみほらの者は、里へ泊りに来た時蚊帳かやって寝かそうとすると、どうして入るのか解らないので、梯子はしごを貸せいとわめいたと申してなぶるのでございます。
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
御承知の通り二十四年と申しますと、あの濃尾のうび大地震おおじしんがございました年で、あれ以来この大垣おおがきもがらりと容子ようすが違ってしまいましたが、その頃町には小学校がちょうど二つございまして、一つは藩侯の御建てになったもの、一つは町方まちかたの建てたものと、こう分れて居ったものでございます。
疑惑 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
殊に堀ノ内の先だと云うのだから、江戸の町方まちかたの出る幕じゃあねえ。おれ達は頼まれただけの仕事をして、丸多の主人の居所いどこさえ突き当てりゃあいいようなものだが、唯それだけじゃあ納まるめえ。ほとけ作ってたましい入れずになるのも残念だから、引き受けた以上はひと通りの事をしてやりてえと思うのだが……。
半七捕物帳:50 正雪の絵馬 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
大木戸そとの事件ですけれど、事柄がすこし変っているので、特に町方まちかたから選み出されたようなわけで、わたくしも役目のほかに幾らかの面白味も手伝って、すぐにそこへ出張って行って、まず近所の人たちに聞きあわせると、前に云った通りの始末で、娘は何者だか判らないで、まだ誰にも引き渡すことが出来ないということでした
半七捕物帳:34 雷獣と蛇 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
黒沼の小父さんはまだ本当にはしていないらしいのだがね。それでも自分の娘が悪くなったし、お前も確かにその蝶々を見たと云うのだから、少し不思議そうに考えているようだったが……。黒沼の小父さんの話では、それがもう町方まちかたの耳にもはいって、内々で探索をしていると云うことだから、嘘か本当かは自然に判るだろうけれど……。
半七捕物帳:69 白蝶怪 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)