トップ
>
町方
>
まちかた
ふりがな文庫
“
町方
(
まちかた
)” の例文
「鈴ヶ森じゃあ
町方
(
まちかた
)
の係り合いじゃあねえが、いずれ頼んで来るだろう。殊に屋敷者だから、まあひと通りは調べて置くがいいな」
半七捕物帳:51 大森の鶏
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
遠山殿の仰せには
町方
(
まちかた
)
の事とは少々
御役向
(
おやくむき
)
が違う
故
(
ゆえ
)
、あの
方
(
かた
)
の
御一存
(
ごいちぞん
)
では
慥
(
しか
)
とした事は申されぬが、何につけお
上
(
かみ
)
においては
御仁恵
(
ごじんけい
)
が第一。
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「どうして
此処
(
ここ
)
にいてはいけないんだ」子供は警戒するように幹太郎を見、それから、「おじさん
町方
(
まちかた
)
じゃねえのかい」
花も刀も
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
それが人さえ出せば
町方
(
まちかた
)
から、いつでも
菰
(
こも
)
かぶりが取寄せられるようになって、始めて今日のような酒宴が、随時に開かれることにもなったのである。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
三日
(
みつか
)
の
間
(
あひだ
)
城内
(
じやうない
)
へ
詰
(
つ
)
め
切
(
き
)
りでございまして、
漸
(
やうや
)
う
歸宅
(
きたく
)
いたしますと
町方
(
まちかた
)
の
病家
(
びやうか
)
から、
見舞
(
みまひ
)
の
催促
(
さいそく
)
が
矢
(
や
)
を
射
(
い
)
るやうで、
其處
(
そこ
)
をどうにか
切
(
き
)
り
拔
(
ぬ
)
けてまゐりました。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
▼ もっと見る
「笹野の旦那もそれを
仰
(
おっ
)
しゃるのだ、江戸の町人の難儀は、竜の口の御評定にもお話が出たそうだ、これで年を越された日にゃ
町方
(
まちかた
)
一統の名前にかかわる——とな」
銭形平次捕物控:243 猿回し
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
嚴重に
固
(
かため
)
られたり又仁王門の
方
(
かた
)
御加勢には松平安藝守殿(
淺野家
(
あさのけ
)
)の同勢にて
詰切
(
つめき
)
る其外
町方
(
まちかた
)
に於ては近年大岡越前守の下知にて江戸中の
鳶
(
とび
)
の者をいろは四十八
組
(
くみ
)
となし
町方火消
(
まちかたひけし
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
別にお
寝室
(
ねま
)
と申してもございませんがその代り
蚊
(
か
)
は一ツも居ませんよ、
町方
(
まちかた
)
ではね、
上
(
かみ
)
の
洞
(
ほら
)
の者は、里へ泊りに来た時
蚊帳
(
かや
)
を
釣
(
つ
)
って寝かそうとすると、どうして入るのか解らないので
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「奉行所の
町方
(
まちかた
)
などが、なにかわしについて、聞き歩いたようなこともないかね」
宮本武蔵:07 二天の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
町方
(
まちかた
)
から小半里の間かなりの傾斜を持って此村は高味にあるのでその一番池から水を引くと云う事は比較的費用も少しですみ、容易でも有ろうと云うのでその話はかなりの速力で進んで
農村
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
取り分けいまだに
想
(
おも
)
い出すのは、自分が四つか五つのおり、島の内の家の奥の間で、色の白い眼元のすずしい上品な
町方
(
まちかた
)
の女房と、
盲人
(
もうじん
)
の
検校
(
けんぎょう
)
とが
琴
(
こと
)
と
三味線
(
しゃみせん
)
を合わせていた、———その
吉野葛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
一つは
町方
(
まちかた
)
の建てたものと、こう分れて居ったものでございます。
疑惑
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
そうして、かの唐人飴は公儀の隠密か、
町方
(
まちかた
)
の手先が変装して、長英の探索に立ち廻っていたに相違ないということになった。
半七捕物帳:54 唐人飴
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
今度は
入違
(
いれちがい
)
に
伝法院
(
でんぽういん
)
の
御役僧
(
おやくそう
)
と
町方
(
まちかた
)
の御役人衆とがお
出
(
いで
)
になり、お茶屋へ奉公する女中たちはこれから
三月中
(
みつきうち
)
に奉公をやめて親元へ戻らなければ
隠売女
(
かくしばいじょ
)
とかいう事にいたして
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
町方
(
まちかた
)
では子どもに与えるナンゾと同じように解しているほかに、中国・九州では普請の日に、大工や手伝に給与する酒食にかぎって、ケンズイまたはケンジーと謂う土地も多い。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
別
(
べつ
)
にお
寝室
(
ねま
)
と
申
(
まを
)
してもございませんが
其換
(
そのかは
)
り
蚊
(
か
)
は一ツも
居
(
ゐ
)
ませんよ、
町方
(
まちかた
)
ではね、
上
(
かみ
)
の
洞
(
ほら
)
の
者
(
もの
)
は、
里
(
さと
)
へ
泊
(
とま
)
りに
来
(
き
)
た
時
(
とき
)
、
蚊帳
(
かや
)
を
釣
(
つ
)
つて
寝
(
ね
)
かさうとすると、
何
(
ど
)
うして
入
(
はい
)
るのか
解
(
わか
)
らないので
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
町方
(
まちかた
)
の
役人
(
やくにん
)
怪しみ早速
召捕
(
めしとり
)
て
嚴敷
(
きびしく
)
拷問
(
がうもん
)
に及びしかど一向白状せざれば
偖
(
さて
)
は直助にては非ざりしかと此段大岡殿へ申立しにぞ
越前守殿
(
ゑちぜんのかみどの
)
然
(
さ
)
も有るべしとて呼び出され如何に權兵衞其方は
科
(
とが
)
もなき者なるを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
これ位のことは、
町方
(
まちかた
)
御用聞の八五郎が知らない筈はありません。
銭形平次捕物控:243 猿回し
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
町方
(
まちかた
)
のお調べよ、知ってるくせに」
樅ノ木は残った:03 第三部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「しばらくお待ちくださいまし。わたくしは
町方
(
まちかた
)
の者でございます。唯今のは試し斬りでございますか、それとも何か仔細がございますか」
半七捕物帳:30 あま酒売
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
その頃
金富町
(
かなとみちょう
)
なるわが家の
抱車夫
(
かかえしゃふ
)
に虎蔵とて背に
菊慈童
(
きくじどう
)
の筋ぼりしたるものあり。その父はむかし
町方
(
まちかた
)
の手先なりしとか。老いて
盲目
(
めしい
)
となり
忰
(
せがれ
)
虎蔵の世話になり極楽水の裏屋に住ひゐたり。
礫川徜徉記
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
大方
(
おおかた
)
この
花片
(
はなひら
)
は、
煩
(
うるさ
)
い
町方
(
まちかた
)
から逃げて来て、遊んでいるのでございましょう。
薬草取
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
身代
(
みがはり
)
の
獄門
(
ごくもん
)
になし彦兵衞は
助命
(
じよめい
)
させ置たり然るに果して勘太郎と云ふ本人出しは我も
悦
(
よろこ
)
ぶぞ
是
(
これ
)
偏
(
ひとへ
)
に彦三郎が孝心に因る處一ツは八右衞門が
取計
(
とりはから
)
ひ權三助十の
正直
(
しやうぢき
)
より起る處又某に對して惡口せしは惡口に似て惡口に非ず其方どもが如き者
町方
(
まちかた
)
に有るは我も悦びの一ツなり彦兵衞は渡し遣は
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
まあ、やれるだけやってみよう。ここらは寺門前が多いから、
町方
(
まちかた
)
の手が届かねえ。それをいいことにして、悪い奴らが巣を食っているのだろう
半七捕物帳:48 ズウフラ怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
さるに
町方
(
まちかた
)
の者としいへば、かたゐなる
児
(
こ
)
ども
尊
(
とうと
)
び敬ひて、
頃刻
(
しばらく
)
もともに遊ばんことを
希
(
こいねが
)
ふや、親しく、優しく勉めてすなれど、不断はこなたより遠ざかりしが、その時は先にあまり
淋
(
さび
)
しくて
竜潭譚
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
黒沼の小父さんの話では、それがもう
町方
(
まちかた
)
の耳にもはいって、内々で探索をしていると云うことだから、嘘か本当かは自然に判るだろうけれど……。
半七捕物帳:69 白蝶怪
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
町方
(
まちかた
)
、
里近
(
さとちか
)
の
川
(
かは
)
は、
真夜中
(
まよなか
)
に
成
(
な
)
ると
流
(
ながれ
)
の
音
(
おと
)
が
留
(
や
)
むと
言
(
い
)
ふが
反対
(
あべこべ
)
ぢやな。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
寺の門前地は寺社奉行の支配で、
町方
(
まちかた
)
の係りではない。そこへみだりに踏み込むことは出来ないので、半七が一応の念を押すと、良助はうなずいた。
半七捕物帳:44 むらさき鯉
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
はて、
可惜
(
あったら
)
二つない
肝
(
きも
)
を
潰
(
つぶ
)
した。ほう、
町方
(
まちかた
)
の。
多神教
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
取りあえず
町方
(
まちかた
)
に通知して、その盗難詮議を依頼することになりました。八丁堀同心の矢上十郎兵衛は麻布の御用聞き
竜土
(
りゅうど
)
の兼松を呼んで、その探索を命じる。
半七捕物帳:65 夜叉神堂
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
相手が出家である以上、
町方
(
まちかた
)
でむやみに手をつけるわけにも行かないので、半七はそれを町奉行所へ報告すると、町奉行所から更にそれを寺社奉行に通達した。
半七捕物帳:27 化け銀杏
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
殊に虎七の住み
家
(
か
)
はその露地の奥の奥で、四畳半
一間
(
ひとま
)
に型ばかりの台所が付いているだけである。そこへ
町方
(
まちかた
)
の手先がむかったのは明くる日の
午
(
ひる
)
ごろであった。
廿九日の牡丹餅
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
町方
(
まちかた
)
と違って屋敷方の詮議は面倒で困ります、
町屋
(
まちや
)
ならば遠慮なしに踏み込んで詮議も出来ますが、武家屋敷の門内へは
迂濶
(
うかつ
)
にひと足も踏み込むことは出来ません。
半七捕物帳:53 新カチカチ山
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
黒い影は
町方
(
まちかた
)
の
捕手
(
とりて
)
であった。父子が大宝寺町まで行き着かないうちに、捕手は二人を取り巻いた。
心中浪華の春雨
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
御承知でもありましょうが、坊主や虚無僧は寺社奉行の支配で、
町方
(
まちかた
)
では迂濶に手を着けることが出来ないのですから、そこを見込んで思い思いに化けたんでしょう。
半七捕物帳:46 十五夜御用心
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
寺社方に捕り手は無いのであるから、その承諾を得れば
町方
(
まちかた
)
が手をくだしても差し支えはない。まずその手続きを済ませた上で、半七は更に北千住の
掃部宿
(
かもんじゅく
)
へむかった。
半七捕物帳:57 幽霊の観世物
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
これは内密に
町方
(
まちかた
)
の手を借りて詮議するのが一番近道であるらしいということに決定して、金之助の叔父の弥左衛門が取りあえず山崎善兵衛のところへ駈けつけたのであった。
半七捕物帳:15 鷹のゆくえ
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
町方
(
まちかた
)
が迂闊に立ち入るわけにも行かねえから、わっしも指をくわえて見物していましたが、今に何事か
出来
(
しゅったい
)
するだろうと内々睨んでいると、案の通り、こんな事になりました。
半七捕物帳:66 地蔵は踊る
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
神社の絵馬をどうしたの、こうしたのというのは、寺社の支配内のことで、おれたちの係り合いじゃあねえ。殊に堀ノ内の先だと云うのだから、江戸の
町方
(
まちかた
)
の出る幕じゃあねえ。
半七捕物帳:50 正雪の絵馬
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
表向きに吟味する
術
(
すべ
)
がないでもないが、
町方
(
まちかた
)
と違ってここらは
郡代
(
ぐんだい
)
の支配であるから、公然彼女を吟味するとなれば、どうしても郡代の屋敷へ引っ立てて行かなければならない。
半七捕物帳:15 鷹のゆくえ
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
実はわたしは
町方
(
まちかた
)
の御用聞きだ。寺社とお係りは違うけれど、こういうところへ来あわせては、調べるだけのことは調べて置かなければならねえ。その晩、和尚さんがその仏さまを
半七捕物帳:25 狐と僧
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
それが
町方
(
まちかた
)
の耳にはいると、役人たちも打っちゃって置くわけには行かなくなった。
半七捕物帳:30 あま酒売
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
しかし前後の模様から考えると、どうも物取りの仕業ではないらしい。桂斎先生に対して何かの意趣遺恨のあるものだろうという鑑定で、
町方
(
まちかた
)
でもそれ/″\に探索にかゝりました。
三浦老人昔話
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
大木戸
外
(
そと
)
の事件ですけれど、事柄がすこし変っているので、特に
町方
(
まちかた
)
から選み出されたようなわけで、わたくしも役目のほかに幾らかの面白味も手伝って、すぐにそこへ出張って行って
半七捕物帳:34 雷獣と蛇
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
町方
(
まちかた
)
からあらためて寺社奉行へ届けた上で、わたくし共が捕り方に出向きました
半七捕物帳:21 蝶合戦
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
盆や正月の場合にも
町方
(
まちかた
)
では新暦による、
在方
(
ざいかた
)
では旧暦によるという風習になっているので、今この事件の起った正月の下旬も、在方では旧正月を眼の前に控えている忙がしい時であった。
鴛鴦鏡
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
武家屋敷内の出来事であるから、表向きにしないでも何とか済むのであるが、彼はその疑問を解決するために
町方
(
まちかた
)
の手を借りようと思い立って、わざと
公
(
おおやけ
)
にそれを発表しようとしたのであった。
半七捕物帳:10 広重と河獺
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
一種の
治外法権
(
ちがいほうけん
)
ともいうべき旗本屋敷に潜伏して、無事に月日を送っていれば、容易に
町方
(
まちかた
)
の眼にも触れなかったのであるが、お近は江戸へ帰ると、間もなく更に新らしい恋人を見つけ出した。
半七捕物帳:69 白蝶怪
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
ふと
町方
(
まちかた
)
の耳にはいった。
廿九日の牡丹餅
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
町
常用漢字
小1
部首:⽥
7画
方
常用漢字
小2
部首:⽅
4画
“町方”で始まる語句
町方与力
町方役
町方火消
町方御用聞
町方衆詰所