“金富町”の読み方と例文
読み方割合
かなとみちょう100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その頃金富町かなとみちょうなるわが家の抱車夫かかえしゃふに虎蔵とて背に菊慈童きくじどうの筋ぼりしたるものあり。その父はむかし町方まちかたの手先なりしとか。老いて盲目めしいとなりせがれ虎蔵の世話になり極楽水の裏屋に住ひゐたり。
礫川徜徉記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
このあたり今は金富町かなとみちょうとなふれど、むかしは金杉かなすぎ水道町にして、南畆がいはゆる金曾木かなそぎなり。懸崖には喬木きょうぼくなほ天をし、樹根怒張して巌石のさまをなせり。澗道かんどうを下るに竹林の間に椿の花開くを見る。
礫川徜徉記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)