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無分別
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むふんべつ
ふりがな文庫
“
無分別
(
むふんべつ
)” の例文
少年は
怯
(
お
)
ず
怯
(
お
)
ずこの店にはいり、空気銃を一つとり上げて全然
無分別
(
むふんべつ
)
に
的
(
まと
)
を
狙
(
ねら
)
う。射撃屋の店には誰もいない。少年の姿は膝の上まで。
浅草公園:或シナリオ
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
だが何より例の一件をノズドゥリョフに漏らしたことが
口惜
(
くや
)
しかった。まるで赤ん坊か馬鹿者のように
無分別
(
むふんべつ
)
なことをやったものである。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
受け出し長庵方に
差置
(
さしおい
)
て折々通ひ
樂
(
たの
)
しまば此上もなき安心成りと思ふも
若氣
(
わかげ
)
の
無分別
(
むふんべつ
)
迷
(
まよ
)
ふ心の
置所
(
おきどころ
)
露
(
つゆ
)
の命と氣も付かず
不※
(
ふと
)
惡心
(
あくしん
)
や發しけん
竊
(
ひそ
)
かに
店
(
たな
)
の有金の内を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
私はそれを胸一つに納めて、少し早目に福寿院の境内に参り、二人の顔の
揃
(
そろ
)
ったところで、よく話をして
無分別
(
むふんべつ
)
な夜逃げなどを留めようと思ったのでございます。
銭形平次捕物控:211 遠眼鏡の殿様
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
地
(
ち
)
を
呪
(
のろ
)
ふのぢゃ?
生
(
せい
)
と
天
(
てん
)
と
地
(
ち
)
と
此
(
この
)
三
(
み
)
つが
相合
(
あひあ
)
うて
出來
(
でき
)
た
身
(
み
)
をば、つい
無分別
(
むふんべつ
)
に
棄
(
す
)
てうでな?
馬鹿
(
ばか
)
な、
馬鹿
(
ばか
)
な!
姿
(
すがた
)
を、
戀
(
こひ
)
を、
分別
(
ふんべつ
)
を
辱
(
はづかし
)
むる
振舞
(
ふるまひ
)
といふものぢゃ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
▼ もっと見る
「ほんとに、おかわいそうでございますよ、まだお若いのに、なんという
無分別
(
むふんべつ
)
でございましょう」
大菩薩峠:03 壬生と島原の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
彼自身の
無分別
(
むふんべつ
)
の結果である、
祕
(
ひ
)
めた力を、彼女が彼の行動に及ぼしてゐるとしたら、どうだらう。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
世を
果敢
(
はかな
)
んで居るうちは、我々の自由であるが、
一度
(
ひとたび
)
心を
入交
(
いれか
)
へて、
恁
(
かか
)
る
処
(
ところ
)
へ来るなどといふ、
無分別
(
むふんべつ
)
さへ出さぬに於ては、
神仏
(
しんぶつ
)
おはします、
父君
(
ちちぎみ
)
、
母君
(
ははぎみ
)
おはします
洛陽
(
らくよう
)
の貴公子
二世の契
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
実を云うと自分は相当の地位を
有
(
も
)
ったものの子である。込み入った事情があって、
耐
(
こら
)
え切れずに
生家
(
うち
)
を飛び出したようなものの、あながち親に対する不平や
面当
(
つらあて
)
ばかりの
無分別
(
むふんべつ
)
じゃない。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
又私はその
引負
(
ひきおひ
)
の為に、主人から告訴致されまして、
活
(
い
)
きてをりますれば、その筋の手に掛りますので、
如何
(
いか
)
にとも
致方
(
いたしかた
)
が御座いませんゆゑ、
無分別
(
むふんべつ
)
とは知りつつも、つい
突迫
(
つきつ
)
めまして
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
お
父樣
(
とつさま
)
にも
勘藏
(
かんざう
)
にも
乳母
(
ばあや
)
には
別
(
べつ
)
しての
事
(
こと
)
いろ/\と
苦勞
(
くらう
)
をかけまして
今更
(
いまさら
)
おもへば
恥
(
はづ
)
かしいやらお
氣
(
き
)
の
毒
(
どく
)
やら
幼心
(
をさなごゝろ
)
のあと
先
(
さき
)
見
(
み
)
ずに
程
(
ほど
)
のない
無分別
(
むふんべつ
)
さりながら
盡
(
つ
)
きぬ
命
(
いのち
)
かや
事
(
こと
)
も
無
(
な
)
く
助
(
たす
)
かりしを
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
殊
(
こと
)
に妻子を
曳
(
ひ
)
いた渡り者を見ると一層その思ひを深うした。そして、次には
直
(
す
)
ぐ自分の
無分別
(
むふんべつ
)
を顧慮しなければならなかつた。此の土地を今離れることは全く軽卒であると気が附くのであつた。
煤煙の匂ひ
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
「お
母
(
かあ
)
ちゃん、……お
母
(
かあ
)
ちゃん。」と、
正
(
しょう
)
ちゃんがいったときに、
女中
(
じょちゅう
)
は、その
焦
(
こ
)
げたうちわを
取
(
と
)
り
上
(
あ
)
げて、いまさら、
自分
(
じぶん
)
の
無分別
(
むふんべつ
)
をば、
深
(
ふか
)
く
心
(
こころ
)
に
恥
(
は
)
じながら、これを
正
(
しょう
)
ちゃんに
渡
(
わた
)
しますと
遠方の母
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
主人
(
しゅじん
)
は、まあまあとことばしずかにふたりを
制
(
せい
)
した。秋のゆくというさびしいこのごろ、
無分別
(
むふんべつ
)
な若ものと気ちがいとのあらそいである。主人はおぼえず
身
(
み
)
ぶるいをした。
花前
(
はなまえ
)
は
平然
(
へいぜん
)
たるもので
箸
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
無分別
(
むふんべつ
)
で、あさはかで、つきつめてゐるでせう。
春の詩集
(新字旧仮名)
/
河井酔茗
(著)
ふぐ汁や鯛もあるのに
無分別
(
むふんべつ
)
河豚のこと
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
牙彫
(
げぼり
)
の
基督
(
キリスト
)
、(紫壇の十字架上に腕をひろげつつ)
無分別
(
むふんべつ
)
な事をしてはいけない。ふだん云つて聞かせる通り、自殺などをしたものは
波群葦増
(
はらゐそ
)
の門にはひられないからね。
長崎小品
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
無分別
(
むふんべつ
)
で出て来たお君。生れ土地から
尾上山
(
おべやま
)
の外へ出たことのないお君。
大菩薩峠:07 東海道の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
今日はディープデンの夢を見る代りに、正しい事をしようと望んでゐるものが、どうして、チヤァルズ一世が時々したやうに、あんなに不正な
無分別
(
むふんべつ
)
な行動をとれるのかしらと思つてゐたのよ。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
無
(
な
)
き
餘
(
あま
)
りの
無分別
(
むふんべつ
)
に
人
(
ひと
)
の
懷
(
ふところ
)
でも
覗
(
ねら
)
うやうにならば、
恥
(
はぢ
)
は
我
(
わ
)
が一
代
(
だい
)
にとゞまらず、
重
(
おも
)
しといふとも
身代
(
しんだい
)
は二の
次
(
つぎ
)
、
親兄弟
(
おやけうだい
)
に
恥
(
はぢ
)
を
見
(
み
)
するな、
貴樣
(
きさま
)
にいふとも
甲斐
(
かひ
)
は
無
(
な
)
けれど
尋常
(
なみ/\
)
ならば
山村
(
やまむら
)
の
若旦那
(
わかだんな
)
とて
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
いやお
察
(
さっ
)
し申しあげます、いかにもそりゃ……まことにお
気
(
き
)
のどくな、しかし糟谷さんあまり
無分別
(
むふんべつ
)
なことをやってしまっては
取
(
と
)
りかえしがつきませんよ、奥さんはよほど
興奮
(
こうふん
)
していらっしゃるから
老獣医
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
ふぐ汁や
鯛
(
たい
)
もあるのに
無分別
(
むふんべつ
)
河豚は毒魚か
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
竜之助思うよう、やっぱり、これは
無分別
(
むふんべつ
)
な若い者共じゃ。
大菩薩峠:03 壬生と島原の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
“無分別”の意味
《名詞》
分別がないこと。思慮が足りないこと。
(出典:Wiktionary)
無
常用漢字
小4
部首:⽕
12画
分
常用漢字
小2
部首:⼑
4画
別
常用漢字
小4
部首:⼑
7画
“無”で始まる語句
無
無暗
無頓着
無理
無垢
無花果
無事
無聊
無造作
無慙