校長かうちやう)” の例文
……げんに、廣島師範ひろしましはん閣下穗科信良かくかほしなしんりやうは——こゝに校長かうちやうたる威嚴ゐげんきずつけずれいしつしない程度ていどで、祝意しゆくいすこ揶揄やゆふくめた一句いつくがある。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
その證據しようこには、婦人雜誌ふじんざつし女學校ぢよがくかう校長かうちやうせつなどをむと、色々いろ/\ほん名前なまへげてゐても、ことごとくもつともらしい出鱈目でたらめである。
読書の態度 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
それがぼく出身しゆつしん學校がくかうなのです、四十幾歳いくさい屈強くつきやう體躯からだをした校長かうちやう大島氏おほしましは、四五にん教員けうゐん相手あひてに二百餘人よにん生徒せいと教鞭けふべんつてられます。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
其時そのときには頑固ぐわんこ教頭自身けうとうじしんもモウ加減不安かげんふあんかんじてゐたのだから、おまへまでがソウふならとやうわけで、それをキツカケにして早速さつそく校長かうちやう手元てもと辭表じへうした。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
まち小學校せうがつかう校長かうちやうをしてゐた彼女かのぢよをつとは、一年間ねんかんはいんで、そして二人ふたり子供こどもわかつま手許てもとのこしたまゝんでいつた。のこつたものは彼女かのぢよおも責任せきと、ごくわづかなたくはへとだけであつた。
(旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
自分じぶん學力がくりよく優等いうとうといふので自分じぶんくらす志村しむらくらすとを同時どうじにやるべく校長かうちやうから特別とくべつ處置しよちをせられるので自然しぜん志村しむら自分じぶん競爭者きやうさうしやとなつてた。
画の悲み (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
何者なにものにもと意味いみ世評せひやうとか、先輩せんぱいせつとか、女學校ぢよがくかう校長かうちやう意見いけんとか、さういふ他人たにん批判ひはんふのである。
読書の態度 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
けれども校長かうちやうかれたいする樣子やうす郡長樣ぐんちやうさんたいするほど丁寧ていねいなことなので、すで浮世うきよ虚榮心きよえいしんこゝろ幾分いくぶんめられてぼくにはまつたあやしくうつつたのです。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
しばらくして其男そのをとこ丁寧ていねいにお辭儀じぎて、校長かうちやう至極しごく丁寧ていねいれいをして、そして二人ふたりわかれました。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
ひとりいてるといへば至極しごく温順おとなしくきこえるが、其癖そのくせ自分じぶんほど腕白者わんぱくもの同級生どうきふせいうちにないばかりか、校長かうちやうあまして數々しば/\退校たいかうもつおどしたのでも全校ぜんかうだい一といふことがわかる。
画の悲み (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
そして心中しんちゆうひそかに不平ふへいでならぬのは志村しむらかならずしも出來できないときでも校長かうちやうをはじめ衆人みんながこれを激賞げきしやうし、自分じぶんたしかに上出來じやうできであつても、さまでめてのないことである。
画の悲み (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)