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暖味
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あたゝかみ
ふりがな文庫
“
暖味
(
あたゝかみ
)” の例文
『まだ
聞
(
き
)
きたい。
御身
(
おみ
)
が
作
(
さく
)
の
其
(
そ
)
の
膚
(
はだ
)
は
滑
(
なめら
)
かぢやらう。が、
肉
(
にく
)
はあるか、
手
(
て
)
に
触
(
ふ
)
れて
暖味
(
あたゝかみ
)
があるか、
木像
(
もくざう
)
の
身
(
み
)
は
冷
(
つめ
)
たうないか。』
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
夫
(
それ
)
が
多少
(
たせう
)
黄
(
き
)
に
染
(
そ
)
まつて、
幹
(
みき
)
に
日
(
ひ
)
の
射
(
さ
)
すときなぞは、
軒
(
みき
)
から
首
(
くび
)
を
出
(
だ
)
すと、
土手
(
どて
)
の
上
(
うへ
)
に
秋
(
あき
)
の
暖味
(
あたゝかみ
)
を
眺
(
なが
)
められる
樣
(
やう
)
な
心持
(
こゝろもち
)
がする。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
田圃
(
たんぼ
)
の
榛
(
はん
)
の
木
(
き
)
はだらけた
花
(
はな
)
が
落
(
お
)
ちて
嫩葉
(
わかば
)
にはまだ
少
(
すこ
)
し
暇
(
ひま
)
があるので
手持
(
てもち
)
なさ
相
(
さう
)
に
立
(
た
)
つて
居
(
ゐ
)
る
季節
(
きせつ
)
である。
田
(
た
)
は
僅
(
わづか
)
に
濕
(
うるほ
)
ひを
含
(
ふく
)
んで
足
(
あし
)
の
底
(
そこ
)
に
暖味
(
あたゝかみ
)
を
感
(
かん
)
ずる。
耕
(
たがや
)
す
人
(
ひと
)
はまだ
下
(
お
)
り
立
(
た
)
たぬ。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
話
(
はなし
)
は
死
(
し
)
んだ
小供
(
こども
)
の事をとう/\
離
(
はな
)
れて仕舞つた。さうして、
来
(
き
)
た時よりは幾分か空気に
暖味
(
あたゝかみ
)
が
出来
(
でき
)
た。平岡は久し振りに一杯飲まうと云ひ
出
(
だ
)
した。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
さうして
寒冷
(
ひやゝか
)
なうちにもほつかりと
暖味
(
あたゝかみ
)
を
持
(
も
)
つたやうに
明
(
あか
)
るく
成
(
な
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
▼ もっと見る
所
(
ところ
)
が
今日
(
けふ
)
歸
(
かへ
)
りを
待
(
ま
)
ち
受
(
う
)
けて
逢
(
あ
)
つて
見
(
み
)
ると、
其所
(
そこ
)
が
兄弟
(
きやうだい
)
で、
別
(
べつ
)
に
御世辭
(
おせじ
)
も
使
(
つか
)
はないうちに、
何處
(
どこ
)
か
暖味
(
あたゝかみ
)
のある
仕打
(
しうち
)
も
見
(
み
)
えるので、つい
云
(
い
)
ひたい
事
(
こと
)
も
後廻
(
あとまは
)
しにして、
一所
(
いつしよ
)
に
湯
(
ゆ
)
になんぞ
這入
(
はい
)
つて
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
與吉
(
よきち
)
は
遠慮
(
ゑんりよ
)
もなく
其
(
そ
)
の
膳
(
ぜん
)
に
向
(
むか
)
つたのである。
卯平
(
うへい
)
は
飯臺
(
はんだい
)
の
蓋
(
ふた
)
を
開
(
あ
)
けて
見
(
み
)
たが
暖味
(
あたゝかみ
)
がないので
彼
(
かれ
)
は
躊躇
(
ちうちよ
)
した。
茶釜
(
ちやがま
)
の
蓋
(
ふた
)
をとつて
見
(
み
)
たが、
蓋
(
ふた
)
の
裏
(
うら
)
からはだら/\と
滴
(
したゝ
)
りが
垂
(
た
)
れて
僅
(
わづ
)
かに
水蒸氣
(
ゆげ
)
が
立
(
た
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
馴々
(
なれ/\
)
しいのとは違ふ。
初
(
はじめ
)
から
旧
(
ふる
)
い
相識
(
しりあひ
)
なのである。同時に女は
肉
(
にく
)
の
豊
(
ゆたか
)
でない
頬
(
ほゝ
)
を動かしてにこりと笑つた。蒼白いうちに、なつかしい
暖味
(
あたゝかみ
)
が出来た。三四郎の足は
自然
(
しぜん
)
と部屋の
内
(
うち
)
へ這入つた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
宗助
(
そうすけ
)
は
仕立卸
(
したておろ
)
しの
紡績織
(
ばうせきおり
)
の
脊中
(
せなか
)
へ、
自然
(
じねん
)
と
浸
(
し
)
み
込
(
こ
)
んで
來
(
く
)
る
光線
(
くわうせん
)
の
暖味
(
あたゝかみ
)
を、
襯衣
(
しやつ
)
の
下
(
した
)
で
貪
(
むさ
)
ぼる
程
(
ほど
)
味
(
あぢは
)
ひながら、
表
(
おもて
)
の
音
(
おと
)
を
聽
(
き
)
くともなく
聽
(
き
)
いてゐたが、
急
(
きふ
)
に
思
(
おも
)
ひ
出
(
だ
)
した
樣
(
やう
)
に、
障子越
(
しやうじご
)
しの
細君
(
さいくん
)
を
呼
(
よ
)
んで
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
帯の感じには
暖味
(
あたゝかみ
)
がある。黄を含んでゐるためだらう。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
暖
常用漢字
小6
部首:⽇
13画
味
常用漢字
小3
部首:⼝
8画
“暖”で始まる語句
暖簾
暖
暖炉
暖簾口
暖爐
暖国
暖気
暖室
暖房
暖炉棚