星晴ほしば)” の例文
星晴ほしばれのしたよるそらたかやまのとがったみねくろくそびえてえます。そのみねうえにあたって一つ金色こんじきほしがキラキラとかがやいています。
不死の薬 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「やあ、なんだい?」といって、百しょうはほおかぶりをしたかおあおぎますと、おおきなくろ星晴ほしばれのしたそらっていました。
百姓の夢 (新字新仮名) / 小川未明(著)
しん一は、おとうと背後うしろからのぞくと、なるほど、星晴ほしばれのしたそらしたくろ起伏きふくする屋根やねして、がるほのおました。
火事 (新字新仮名) / 小川未明(著)
こまったことだとおもって、ひとりとぼとぼとあるいてくると、星晴ほしばれのしたいいよる景色けしきで、なんといっても、もうはるがじきだとおもいながらあるいていた。
大きなかに (新字新仮名) / 小川未明(著)
かみなりは、どうしたことかと、びっくりしてしまいました。このとき、野原のはらたか木立こだちは、星晴ほしばれのしたそらに、すがすがしく脊伸せのびをしたのであります。
ぴかぴかする夜 (新字新仮名) / 小川未明(著)
星晴ほしばれのしたさむそらに、二つはたかあたまをもたげていましたが、このあさ昨日きのうどちらの工場こうじょう汽笛きてきはやったかということについて、議論ぎろんをしました。
ある夜の星たちの話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
まだかみのご利益りやくがあるものとしんじて、むら知人ちじんをたよってかえりましたが、もはやだれもふりむくものはなかったので、そのうにこまり、星晴ほしばれのしたある
きつねをおがんだ人たち (新字新仮名) / 小川未明(著)
星晴ほしばれのした、あおよるそらしろくもはしっていました。もうどことなくゆくなつ姿すがたかんじられたのです。
二百十日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あとは、小原おばら正吉しょうきち二人ふたりが、星晴ほしばれのしたそらを、公園こうえんほうかってあるいていたのです。
世の中へ出る子供たち (新字新仮名) / 小川未明(著)
けれど、少年しょうねんは、よるになって、大空おおぞらがぬぐわれたように星晴ほしばれがして、さむかぜ真夜中まよなかには、きっと、天使てんし自由じゆうに、あのつばさをふるって、大空おおぞらびまわるのであろうとおもいました。
町の天使 (新字新仮名) / 小川未明(著)
いろいろの木立こだちが、だまって、星晴ほしばれのしたそらしたに、くろっていました。
大きなかに (新字新仮名) / 小川未明(著)
父親ちちおやは、星晴ほしばれのしたそらしたの、くらみちあるいてゆきました。それは、正吉しょうきちとおったとおなみちでありました。そらおとこえます。えだかぜかれておとこえています。
幸福のはさみ (新字新仮名) / 小川未明(著)
かれは、けて戸口とぐちると、あおざめた星晴ほしばれのしたそらは、わすれていた、なつかしいおさな物語ものがたりをしてくれますので、しばらくその昔語むかしがたりにききとれて、じっとをみはっていると、とおくで
花の咲く前 (新字新仮名) / 小川未明(著)
うちそとは、にもやまにもゆきもっていました。そのばんは、めったにないさむさであって、そらあおガラスをったようにさえて、星晴ほしばれがしていました。また、皎々こうこうとしたつき下界げかいらしていました。
白すみれとしいの木 (新字新仮名) / 小川未明(著)
いつしか、は、けていきました。人通ひとどおりがだんだんすくなくなりました。あわれなおんな三味線しゃみせんは、かぜされて、うたをうたっているこえは、むなしく星晴ほしばれのしたそらしたにかすれていました。
ある冬の晩のこと (新字新仮名) / 小川未明(著)
へい星晴ほしばれのしたそらをながめてこたえました。
不死の薬 (新字新仮名) / 小川未明(著)