拝見はいけん)” の例文
旧字:拜見
修行場しゅぎょうば模様もようはいつか拝見はいけんさせていただきましたので、今日きょうはむしろ竜神りゅうじんさんの生活せいかつにつきて、いろいろちかねるてんうかがいたいのでございますが……。
「なに、これも侯爵こうしゃくのお城。いやどうも、お庭といい、建物たてものといい、こんなりっぱなお城は見たことがないわい。では、拝見はいけんしよう。どうぞ案内あんないをたのみますぞ。」
拝見はいけんだけおほけられてくださいましとつて、まづかしらからさきけ、それからふちを見て、目貫めぬきからうも誠におさしごろに、さだめし御中身おなかみ結構けつこうな事でございませう
にゆう (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
途中とちゅう、サンキスト・オレンジのたわわに実る陽光まばゆい南カルホルニアの平野を疾駆しっく、処々に働いている日本人農夫の襤褸ぼろながらも、平和に、尊い姿を拝見はいけんしました。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
「そういう病気は、今次の戦争において、極めて例が多いのですよ。今拝見はいけんしましたところによると、やはり、爆弾の小破片が、脳髄のうずいの一部へ喰い込んでいるようですな」
英本土上陸戦の前夜 (新字新仮名) / 海野十三(著)
拝見はいけんしないどころでありません。西にしみやこにも、あなたの評判ひょうばんはたいしたものですから、じつは、ひとづかれないようにして、ひがしみやこへまいり、みんなにまじって見物けんぶつしました。
二人の軽業師 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「へーえ、そいつはけっこう。ひとつ拝見はいけんしたいものです。」と、隊長たいちょうは言いました。
切符きっぷ拝見はいけんいたします」三人のせきよこに、赤い帽子ぼうしをかぶったせいの高い車掌しゃしょうが、いつかまっすぐに立っていていました。鳥捕とりとりは、だまってかくしから、小さな紙きれを出しました。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
「それは結構でございますな。つつしんで拝見はいけんいたしましょう」
コーカサスの禿鷹 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
うして拝見はいけんいたしますと竜宮りゅうぐうは、いかにもきれいで、のんきらしく結構けっこうおもわれますが、矢張やは神様かみさまにもいろいろつらい御苦労ごくろうがおありなさるのでございましょう?
それからこのちやうらうのお茶碗ちやわん——これ先達せんだつてもちよいと拝見はいけんをいたしましたが此四品このよしなでおいくらでげす。
士族の商法 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
「まあどうしたのでしょう。どうかちょっと拝見はいけんいたしたいものです」
貝の火 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
「時間のことは覚悟をしてきました。今夜は徹夜しても拝見はいけんします」
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ヘヽー成程なるほど何日いつに、うもおそりましたことで、しかわたくし一人で拝見はいけんいたしますのもをしいやうで、彼所あれ詰合つめあつ者共ものどもにも一おう見せてやりたく心得こゝろえますが……。
華族のお医者 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
「ええ、ありがとう。拝見はいけんしましょう。」
チュウリップの幻術 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
なん其様そん尾籠びろうなことをつちやアなりませんよ、結構けつこう御軸おぢくでございますとふんだ、出して見せるかけて見せるか知らんけれどもけてつたら辞儀じぎをして、一おう拝見はいけんして
にゆう (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
誠にどうもお仕立したてまうし、お落着おちつきのある流石さすが松花堂しようくわだうはまた別でございます、あゝ結構けつこう御品おしなで、斯様かやうなお道具だうぐ拝見はいけんいたすのは私共わたくしども修業しゆげふ相成あひなりますとつて、卑下ひげするんだ。
にゆう (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
また折々をり/\のおかたのおともをいたして、大坂おほさか有名いうめい藤田様ふぢたさま御別荘ごべつさうまゐりまして、お座敷ざしき拝見はいけんしたり、御懐石ごくわいせき頂戴ちやうだいしたあと薄茶うすちやいたゞいたりして、誠に此上このうへもない結構けつこうな事でございます。
牛車 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)